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2015年03月10日

独りぼっちのブルース・レッドフィールド@ 新宿シアターサンモール

blues.jpg初めてポップンマッシュルームチキン野郎の舞台を見てきました!

なんかおもしろいという噂はよくきいていたんですが、きっかけは竹岡常吉さんという俳優さんが気になってフォローしているうち、実は竹岡さんはPMC野郎立ち上げメンバーだということを知って…。

『独りぼっちのブルース・レッドフィールド』は、主演が渡辺徹さん。舞台に興味のない人でも普通に知っている超大御所で、会話のはずみなら呼び捨てにしてしまうくらい、俳優というよりは「芸能人」ってイメージです。
当然、舞台で見るのも初めて。いったいどんなお芝居なんだろう??と興味津々でした。

ストーリーは、家族をギャングに殺された西部ガンマン、ブルース・レッドフィールドが、同じくギャングに家族を殺されたインディアン ”ヌータウ”、ヌータウの妹、サボテン(植物)、サソリ(虫)、ナップサック(袋)と共に、ワシントンまで敵討ちに行く話です。
ブルースは、銃を一発撃つと昔のとある場面以降の記憶がなくなるという記憶障害をもっているため、そのため、復讐の旅に出たきっかけやその道中に起こったことなどを書き綴った日記を常に携帯して、銃を一発撃つごとに読み返しています。
ちなみに記憶がさかのぼってしまう場面とは、20年前、仲間と山に向かう途中でインディアンに遭遇しようとしたところ。

なお冒険譚ではありますが、道中の出来事は基本ギャグです。まぁ人間が植物や虫や袋(袋って…)を演じてる時点でだいぶアレです。

そうそう、ブルースは凄腕ガンマンで、上記の非人間たちもブルースに憧れて旅に同行することになった、いわば桃太郎における犬猿雉です。
そのほか、小物ギャングとその弟2人、馬もいます。

そしてブルースを追って同じくワシントンを目指す謎の影。

最終的にブルースは、ワシントン大統領の舞踏会に「家族の敵」が出席することを知り、どうにか舞踏会で命を狙える機会を得ます。
いざ、と銃を構えるのですが、その「敵」の様子がどうもおかしい。ギャングに似つかわしくない。というよりむしろ…

躊躇するブルースを尻目にヌータウはさっさと敵を槍で刺殺し、その後、行方をくらまします。
一体どうなっているのか…?

ネタばらしをすると、ブルースの日記はすべてヌータウがでっちあげたニセモノのストーリーだった。
ブルースは20年前、仲間と山に向かう途中でインディアンの母と子に遭遇し、二人を撃ち殺します。
それがヌータウの妻であり子供でした。

家族をブルースに殺されたヌータウは、ブルースの記憶障害を利用し、ブルースに復讐することを決めます。
日記をでっちあげ、ブルースの妻、娘、息子たち、仲間たちを「敵」として信じ込ませ、ブルース自らが大切な人を殺すように仕向けたのでした。ワシントンの舞踏会でブルースが殺そうとしていた「敵」も、本当はブルースの息子だったのです。

ブルースを追ってきた謎の人物は、ブルースのかつての仲間であり、唯一、真実を知っていた男…。

真実を知ったブルースは、行方をくらましていたヌータウを見つけ出します。

自分に家族を殺された被害者でもあり、その逆襲を残酷すぎる方法で果たした(果たされた)相手でもあり、そして、楽しかった旅の大切な仲間でもあるヌータウ。

ヌータウと対峙したブルースは、葛藤の末、空に向かって発砲し自分の記憶を消したのでした。

最後の場面はおそらくそれから数十年後。
キチガイじじいになってしまったブルースを、かつての仲間が訪い、楽しかった旅の回想のなかで、ブルースはイヤリングをようやく娘に手渡すことができるのでした。

あと、ナップサックは色々とまとめるのがうまいのでその手腕を発揮して米国大統領に上り詰めるのですが暗殺されたようです。

以上がだいたいのストーリーです。

なんとなくヌータウは怪しい感じがしたし、記憶が戻る時間が、なぜ家族が殺されたときじゃなくて山に向かう途中なの??みたいた違和感が全部回収されたスッキリ感とショックが一度に来て背筋がゾワっとなりました。
復讐方法が残虐であればあるほど、アメリカ開拓時代のインディアンの苦難が偲ばれるし…。コメディなのに。

個人的に最も印象に残ったのは、ナップサック。
渡辺ブルース徹のセリフで「(サボテンやサソリにくらべて)理不尽さのレベルがケタ違いだろ…」ていうのが妙におかしかったです。あとなんだかんで一番しっかり者なんですよ、ナップサックは!
昔はミュージシャン目指してたみたいだし、ややこしいことまとめるのうまいし。

というわけでナップサックがめちゃくちゃお気に入りでした。
終演後のみ販売される限定グッズがナップサックだったのも爆笑。
お金がなくて買えなかったのが残念です。

ビシーっとした脚本と理不尽すぎる登場人物のわちゃわちゃがクセになりそうで、次回の作品も本当に楽しみな劇団なのでした。

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