トロ6、、、。
もはや日本国民の誰もが知っている宝くじの一つだ。
毎週水曜日と金曜日が抽選日のトロ6、、、。
宝くじでは初めて、
当せん金の繰り越しが行われるキャリーオーバー制を採用した事が大きな特徴だ。
価格は1口200円、全国で発売されている。
1から43までの43個数字の中から選んだ異なる6個の数字と、
抽選数字が一致している個数によって、1等から5等までの当選が決まる仕組みである。
抽選されるのは6個の本数字と、2等の当選を決定する場合だけに使用される、1個のボーナス数字だ。
恭亮は、最初に買うならあの売り場と決めていたが、
トロ6の仕組みを調べた後は、どこの売り場で買っても同じだと思う様になっていた。
今日は月曜日。
恭亮の勤める会社はIT企業のくせに月曜日は朝礼がある。
一番気だるい曜日だ。
朝礼は長い時と30分以上かかる為、午前中の貴重な時間をかなりロスしてしまう。
(全く何でこんなのがあるんだろうか、、、。)
まあ、恭亮の様な平社員は何の権力もない為、文句を言っても始まらない。
意味のナイ朝礼が終わり、いつもの仕事が始まった。
・・・「さてと、、、。」
昼休みになったので、まずは昼御飯を食べに近くの定食屋に向かった。
お目当ての定食屋は、ホッケ定食が安くて美味い。
恭亮は今日もホッケ定食を注文した。
いつものおばちゃんが、いつもの笑顔で注文を受けてくれた。
因みにこのおばちゃん、笑うといつも金歯がキラリと光る。 (笑)
恭亮はホッケをお箸で割きながら、トロ6で選ぶ6個の数字をどうするか考え始めた。
(う〜ん、、。 6個の数字、どうしよっかなぁ〜。)
まずは自分の誕生日である9月5日にちなんで、9と5を選ぶ事にした。
しばらく悩んだ後、丸2年間、燃える様な恋愛をした元彼女の誕生日である12月25日にちなんで、
12と25も選ぶ事にした。 ・・・男とは未練タラタラな生き物である。
(う〜ん、、。 後2つの数字、どうしよっかなぁ〜。)
今のところ、選ぶ6個の数字のうち、二つは一桁。十桁と二十桁の数字がそれぞれ一つずつだ。
(そ〜だな、三十桁の数字も入れとくか、、、。)
と思ったものの、恭亮には気になる三十桁の数字が無かった。
仕方ない、今33歳だから、33を選ぶか、、、。
ついに残る数字は後一つとなった。
四十桁の数字は41、42、43の三つしかないので、何とも頼りない感じがする為避けたい。
悩んでいる間に、ホッケ定食を完食してしまった。
悩みながら食べたせいか、いつもの美味しさを感じる事が出来なかった恭亮は、
考え事しながら食事するもんじゃないなと思った。
いつもの満足感も得られる事の出来なかった亮恭はおばちゃんに支払いを済ませ、店を出た。
太陽が眩しい。
恭亮は太陽を長い間直視するとクシャミが出てしまう体質なので、すぐに太陽から目を逸らした。
目を逸らした先の道を後2、3分歩けば会社から一番近い宝くじ売り場がある。
最後の数字はそこに着くまでに考えるか、、、。
トコトコトコ。
(最後の数字、最後のすーじっ。。。)
頭の中で様々な数字が浮かんでは消えた。
せっかく選ぶのだから、何かしらの理由がある数字を選びたい、、、。
そもそも、1〜43の数字から何かしらの理由を見つけるのは簡単な事である。
簡単過ぎる故に、その中から6つだけを選ぶのが難しいのだ。
これはっ! と思える理由がなかなか見つからないのである。
最後の数字が決まってないのに宝くじ売り場についてしまった恭亮。
トロ6の申込用紙を手に取った。
そして5、9、12、25、33と順番にマークしてゆく、、、。
33をマークし終えた時、咄嗟に閃いた!
「あっ、そーだ!」
(最後の数字は最後の数字にしよう。) →第四話に続く。
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