野田秀樹さんの発言がスポーツを見下していると話題になっているそうです。
https://www.nodamap.com/site/news/424
それは与党と同じで解釈の問題ではないかと思います。
野田さんが仰りたいのは「スポーツは無観客でも勝敗は決まるけど、演劇は観客がいて初めて成り立つモノです。」と仰りたいのではないでしょうか。
『スポーツイベントのように〜』という文面がやや感情的に感じられて誤解が生まれたのかも知れません。
生で観た事がない方も、ある方も分かりづらいかも知れませんが、観客の反応で芝居は変わり千穐楽まで成長し続けます。演劇を最後に作品にするのはお客様です。
(反応とは笑いだけでなく、目線、息遣いなども感じて僕たちは演じ修正したりします。)
仕事ですので、興行として金銭面の必要性も重要ですが、ここでは論じません。
スポーツも観客、サポーター、応援団、ファンの反応によって局面が変わる事があるのも分かります。それによってアドレナリンが出ていつも以上のパフォーマンスがあり、感動を呼ぶという事があるのも分かります。
ただ無観客でも勝敗は決まります。
今、様々なスポーツで無観客試合をやられていますが、無観客で勝敗が決まらなかった試合は一つもありません。
もし観客のいないところで演劇をやっていたら、その人達は愉快な集団なだけの存在に終わってしまいます。
これはよく落語家がマクラで「落語家は高座で一人で喋っているように見えるかもしれないが、観客と見えないリレーをやっていて、見る人が噺を想像して初めて成り立つ。居なきゃ陽気な独り言。」と仰る事を演劇に置き換えさせて頂きました。
落語家のCDもスタジオ録りと寄席で録ったのを聴き比べると分かります。断然どんな名人でも後者が出来が良く面白いです。(笑いがあるから笑いやすいとかでは勿論ありません。)
同様に無観客の演劇を動画にしても、それは映画に近いものであり、違うジャンルになります。
今、ラッシュの電車に乗っていますが大変な状況です。
マスクをしないでクシャミをしている人もいます。マナー違反ではありますが、その方を不謹慎というのは簡単で、その方にも事情がおありなのだと思います。
マスク、手の消毒などして細心の注意をはらえば、公演は可能ではないかと毎日電車に乗って思います。
今は有事で全員外出禁止であるなら分かりますが、電車の座席より密接じゃない劇場の客席は危険なのでしょうか?
身勝手な演劇人だと思われるあなた。
あなたと同様同等の家庭環境が演劇人にもあります。
演劇はどんな時も人間に必要な心の栄養源になると信じます。
今もこれをきっかけに他者を想像して芸術文化を考えるきっかけをもらえたわけですから。
そしてこれは神様が作った壮大な演劇のように思えてなりません。ラストシーンの台詞が聞こえてきました。
「あなたはこの世で一人になりましたが、まだ自分さえ良ければいいのですか?」
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