録音の休憩中にスマホを眺めていたらヤフーニュースで目を疑う記事。
女優・大越弥生さん死去 52歳 脳梗塞 「釣りバカ日誌」などに出演
目を疑うとはホントで最初、同性の人か何かの間違いかと思った。
だけど、他にも記事があるしどうやら本当らしいと自分を納得させた。
劇団では一年先輩で苦楽を共にした仲だった。
入団当初、旅公演で辛い時も慰めあった。
ある時「大越!って呼ばれたくない」と言い出した。
じゃあなんて呼ばれたいのか聞くと「やいちゃん」と言うので
「じゃあ俺が呼んでやる」と歳はだいぶ離れ一回り上なのだが呼ぶ事になった。
身体が大きく実家が農家で米俵を担げると男勝りに思われがちだったが、スヌーピーが好きで実は繊細な可愛い面を持っている方だった。
旅公演先では気を鎮める為に写経をしていた。
だいぶ前に旅先で他界した理昭さん達と海でBBQをした事があった。
その時が大変楽しかったらしく、その時撮った写真を現像して欲しいと頼まれた。
(左から理昭さん、やいちゃん、僕。)
これを辛い時に見て頑張るんだと言っていた。
昨日録音している時におかしな事が起きた。
朗読の録音をしていて、録り終わったのを聞くと僕の声のなかに息が聞こえる。
不思議なテイクだった。
これをどう捉えるかは其々だと思う。
やいちゃんはもっと芝居がやりたかったはずだ。
文学座養成所、新人会を経て民藝に入った訳だが、その間は数年あったと聞く。
家庭の都合で実家に戻っていたが、すぐ東京で活動出来るようにアパートの家賃を払い続けていたそうだ。
やいちゃんはこの2年くらい劇団を離れていたが、そんな彼女だから戻ってくるだろうと信じていた。
それなのに・・・。
僕はそんな事を色々思うと亡くなった方達に何か託されている気がしてならない。
そして志なかばで他界する方達がいるなかで、この世に生きて活動出来ている自分はなんて恵まれているんだろうと実感する。
有難い事に芸能に集中出来る環境にある。
そして最近はライブが出来るところが多くなった。
でも僕としてはまだまだ不満で、もっとライブを、芝居を評価してほしい。
そしてどうしても世に出たい。
芸能で生活出来るようになりたい。
だけどその野望は贅沢なのかもしれないと今回感じた。
目標を持つ事は大切だと思うけど、まずこの世に生を受けて、生かされている事を感じたい。
そんな事を色々気付かせてくれてありがとう。
やいちゃん、お疲れさまでした。
ご冥福をお祈り申し上げます。
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