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あなたの職場にも発達障害 「1時間に1回の指示」を薦める理

「発達障害のリアル」を、自身も発達障害(学習障害)の息子を育てるフリーランス編集者・ライターの私(黒坂真由子)が模索する本連載。
 発達障害があるわが子が、将来、自分でお金を稼いで自活できるのか? 就労に向けて、備えられることはないか? そんな問題意識からインタビューしたのは、発達障害がある人に特化した就労支援事業を手掛けるKaien(かいえん/東京・新宿)代表の鈴木慶太さん(前回は、こちら)。鈴木さんもまた、長男が発達障害の診断を受けていて、それが起業のきっかけとなった。
 今回は、採用する企業側へのメッセージ。発達障害者の数は多く、すでに一緒に働いている同僚や部下、上司のなかにも必ずいるはず。発達障害者には異能も多い。活躍してもらうには、どうしたらいいかを考えた。

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00369/041400019/?fbclid=IwAR15Ca414B_We3xyBaUSx9-6_cnw_ObnDrUoCSjt-olvKiMyiNu_eLcteJg

聴覚過敏

聴覚過敏の人が好きなアーティストのコンサートには行けると、なんだ大したことはないんじゃないの?と他人から見られる。と言っていた。
好きな音は、聴覚過敏を超えるのだろう。
それは、好きな音が聴覚過敏を越えられるのは凄いことだと思う。

その分俺が働けばいいんだ

子供の頃に、この人には仕事が出来ないだろうな。と思う人がいた。今思えばその人は、発達障害があったのかも知れない。(個人的な見解)
子供だったから正直にその人をバカにしたようなことを言っていたと思う。
それを聞いた側にいた人が、こいつは、こんな奴だけど、こいつの分まで俺が働けばいいんだ。それが俺の生き甲斐だと言う。
その時に、子供ながらに感じたのは、仕事が出来ないから給料を安くしろではなくて、その分俺が働けばいいんだ。という人がいることに感動した。
そんな人がいれば、仕組みは必要がないのだろう。
「こいつの分まで俺が働けばいいんだ」
その言葉を今でも心に残っている。

読み書き障害は発達障害

https://event4info.com/yomikakisyougai-5974/2?fbclid=IwAR2qsdx_f-vULFAqIfUZrrtaxKPwFXcT07Ngi9BwAQfK14KzG6P5rDoPbF0

子どもの「発達障害」を伝えられない先生と受け入れられない親、双方に求められることは?

保育園や幼稚園から「お子さんの行動が気になるので、専門機関を受診してください」と言われ、「うちの子を障害児扱いした」と激怒する保護者がいます。わが子ではない他人の子を「発達障害かもしれない」と心配し、勇気を奮って進言してくれているにもかかわらず、耳を傾けようとしないのです。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190317-00035332-otonans-soci&fbclid=IwAR3kpmRqlJ9QO-9QJvFwHe06B1aC72uGNCfuL2qhcqUZrFr5BwS-dFRB2Vk

コミュ障をどうやって克服する?「発達障害者の婚活」のリアル

コミュ障をどうやって克服する?「発達障害者の婚活」のリアル

婚活をしていると、「あれ?ちょっと変わっているな...」という相手に、なぜか普段より高い確率で遭遇します。婚活市場では、コミュニケーション力の高い人のほうが成婚しやすいため、いわゆる「コミュ障」な方が残ってしまうことが多いためです。

「婚活市場において、コミュニケーションの苦手な発達障害者が濃縮されている」と発達障害カウンセラーの吉濱ツトム氏は言います。

吉濱氏は、強度のアスペルガー症候群を克服した経験を元に、これまで2,000人以上の発達障害者を改善に導いています。著書『発達障害と結婚』(イースト・プレス)刊行後は、恋愛や婚活、夫婦関係の相談が急増。

発達障害者の婚活のリアルについて、お話を伺いました。

高スペック開業医に2回目のデートがない理由
アスペルガーの人は、知的欲求が高くて勤勉。学歴の高い人も多く、医師や弁護士といった専門職に就く人の割合が、定型発達の人に比べて高い傾向にあると言われます。医師や弁護士は女性ウケもよく、収入も高いため、婚活では非常に有利に働きます。

内科と皮膚科のクリニックを経営しているTさん(38)は婚活サービスに登録して2年。紹介してもらった女性は100人を超えているといいます。一流大学卒の開業医、背も高く端正な顔立ちのTさんは、やはり女性に人気です。

しかし、いつも2回目のデートにつながりません。デートで会話が弾まないというのが、主な理由です。患者さんへの問診に困ったことはないTさんですが、女性との雑談では、何を話していいのかわからなくなってしまいます。

「暑いですね」
「はい」
「……今日は休診ですか?」
「はい」
「……ふだん、お休みの日は何をしているんですか?」
「いや、別に……」

女性側が気を遣って話題を振ってくれているというのに、こんな気のない返事をしていたのでは「私に興味がないのかしら」と思われて当然です。
そのことを伝えると「でも、休日に取り立てて何かをしているわけではないので、話すほどのことでもないと思って」とTさん。話すほどでもないことを話すのが雑談だということを、理解していなかったのです。

美人セールスレディの「幸せになれない口ぐせ」
保険のセールスレディをしているMさんは、大きな瞳が印象的な仲間由紀恵似の美人。気遣いができて人あたりもよく、仕事の成績は常にトップクラスです。しかし、プライベートでの友人は少なく、交際もあまり長続きしないといいます。

理由もなく罪悪感を抱えてしまうMさんは、すぐに「すみません」「ごめんなさい」を連発します。この申し訳なく思う気持ちを、仕事のときは気遣いという形にうまく昇華させているMさんですが、プライベートでは空回りしているようです。

レストランで椅子を引いてもらったら「すみません」。食事をご馳走してもらっても「すみません。すみません」。本来なら「ありがとう」とか「ごちそうさま」というべきところは全て「すみません」です。また、デート中、手が触れたりするとすぐ「ごめんなさい」とあわてて手を引っ込めてしまいます。これでは、二人の仲が進展しようがありません。

「すみません」「ごめんなさい」とばかり言われていると、なんだか悪いことをしているような気がして、交際相手も落ち着かないことでしょう。

また、このタイプの人は、相手にマウンティングすることの好きな異性を引き寄せやすい傾向にあるので注意が必要です。必要以上にへりくだっていると、それにつけ込むような人に狙われてしまいます。

相手と対等であることは、幸せな結婚の必須条件です。「まずは、ごめんなさいの連呼をやめてみましょうか」と伝えると、「はい。すみません。ほんと、すみません」と言っていました。


雑談が苦手、話が飛びまくるADHD
発達障害を持っている人は、基本的にあまりコミュニケーションが得意ではありません。目的意識の強いアスペルガーの人は、テーマのない会話が苦手。内容に意義を必要とせず、会話することそのものを楽しむ雑談というコミュニケーションについていけません。

それに対してADHDの人は、話があちこちに飛んでしまい、要領を得ないという傾向を持っています。この場合、仕事に支障がでることは多いのですが、とりとめのない会話が得意なため、プライベートなコミュニケーションにはさほど困りません。

婚活に苦しむのは、雑談の苦手なアスペルガータイプの人。

「いい天気ですね」
「はい」
「……」

せっかく相手が話を振ってくれても、これでは話が続きません。

雑談力を磨く3つのポイント
発達障害を持っている人の中には、コミュニケーションに難があると自覚している人も多く、話し方教室に通ったり、会話術の本を読んで勉強していたりします。しかし、なにも会話の達人になる必要はありません。雑談すらできないのに、場を沸かせるような高度な話術を身に着けようとしても、うまくいかずに心が折れるだけです。また、婚活にそこまでのテクニックはいりません。

まずは、「取り残されないようにする」くらいを目標に、雑談力を磨いていきましょう。

1.内容がなくてもいい

「有意義なことを話さないといけない」というプレッシャーを手放しましょう。アスペルガーの人、目的のない会話が苦手で、他愛のない話をされると「だからなに?」と思うことが多いようです。それが転じて「意味のある発言をしなければならない」と勝手にプレッシャーを感じ、何も話せなくなってしまいます。

雑談に、意味は不要です。気の利いた返事ができなくても大丈夫。大切なのは、話を続けやすいような返事をすることです。

「天気いいですね」と言われたとき、「そうですね」ではなかなか会話が続きませんが、「そういえば、このところ全然雨降りませんよね」と返せば「たしかにそうですね。前に雨降ったのっていつでしたっけ?」などと会話が続くでしょうし、「日差しが強いので、鼻の頭が日焼けでヒリヒリするんですよ」と返せば「男性はあまり使わないかもしれませんが、日焼け止めクリームを塗ってみたらいかがですか?」と会話が弾むでしょう。

ここまで話がふくらめば、その次の返事はずっと返しやすくなりますよね。

雑談はラリーを楽しむテニスのようなものです。ラリーテニスは、得点を競うわけではなく、ただ打ち合うということを楽しみます。雑談も同じです。ただ会話のやりとりをすることを楽しむ。そこに、特に意義や目的は必要ありません。

気の利いたセリフや爆笑を誘うような一言は、スマッシュのようなもの。「すごーい!」となるかもしれませんが、そこでラリーは途切れてしまいます。会話の高等テクニックは、合コンのような一本勝負には使えるでしょうが、婚活のようにじっくり信頼関係を築いていくことが大切な場面では、さほど役に立たないものなのです。

ラリーを続けるためには、相手が打ち返しやすいところにボールを返すことが重要です。話を続けやすくなるような返事を心掛けましょう。


2.オープナーを用意する

ラリーもなにも、そもそも会話自体がなかなか始まらず、重苦しい空気が漂ってしまうことがあります。初対面の人との会話というのは、最初の一言がなかなか難しいものです。発達障害者は特に初対面に対する苦手意識の強い人が多いので、事前の準備をしておきましょう。

会話のとっかかりになる言葉を、オープナーと言います。会話の扉を開く(オープン)ためのもの、という意味です。

昔から「木戸に立ち掛けし衣食住」という合言葉があります。これは、オープナーに適したキーワードの頭文字を並べたもの。

「キ」は気候、「ド」は道楽(趣味や娯楽、テレビ・映画・スポーツなど)、「ニ」はニュース、「タ」は旅、「チ」は知人、「カ」は家族、「ケ」は健康、「シ」は仕事、「衣」はファッション、「食」はグルメ、「住」は住まい。

これらはどれも、なごやかに話の弾みやすい話題ばかり。といっても、いきなり全部をオープナーとして使おうとするのはさすがに大変です。まずは気候やファッション、それが身に着いたら趣味と旅、といったように、できそうなところから少しずつオープナーを増やしていくといいでしょう。

「暑いですね」「寒いですね」ではちょっと愚痴っぽくなってしまうので、デートのときには「最近、涼しくなってきましたね」「いいお天気ですね」といったポジティブなオープナーをおすすめします。

天気の話だけではワンパターンになりがちです。オープナーに変化をもたせるためには、相手の服装を褒めるというのも効果的。デートの際、女性は特に服装に気を遣っているものです。「ワンピース、とてもお似合いですね」「秋の装いがステキですね」といった一言からデートがスタートすれば、場もなごみます。

男性のファッションの場合、褒めどころが難しいものですが、時計や財布といった小物を褒めるのも手です。こだわりのある男性の場合、自分が厳選した小物を褒めてもらうと、自分自身を褒めてもらったかのように嬉しく感じます。そこから小物選びのこだわりについて、話しが膨らむかもしれません。

少しずつオープナーを増やしていくことで、デートの途中で会話が途切れた際にも、スムーズに次の会話を切りだせるようになるでしょう。

3.会話を録音して聞いてみる

会話が苦手だと感じていても、自分の話し方の何がどういけないのかを把握できている人はほとんどいません。発達障害を持つ人は、症状のひとつとして物事を客観的に捉えるメタ認知の弱い人が多いため、会話を改善しようにも現状把握ができません。まずは、普段の自分の会話を録音し、聞いてみましょう。

会話をしている最中は、相手がいるうえに話題がどんどん進んでいくため、相槌をうつだけで精一杯かもしれません。しかし、一人のときに録音した会話を聞き直すことで、冷静に言うべきセリフが見つかります。そのセリフを実際に口に出してシミュレーションするようにしましょう。シミュレーションをくり返すことで、実際の会話でも少しずつ対応が上達していきます。


発達障害者には、生まれつき劣等感や罪悪感を強く持ってしまう傾向があります。これは、虐待や貧困といった成育上の問題とは関係ありません。恵まれた環境で育った人であっても、発達障害の症状として極度の劣等感・罪悪感を抱えてしまうのです。

すると、普段の会話の中で「ごめんなさい」とか「すみません」という言葉を多用してしまいます。本来なら「ありがとう」というべき場面や、全く気にする必要のないところでもひたすら謝り続けるため、場が盛り下がり、相手は負担に感じてしまいます。

録音した音声を聞くと、「自分はこんなに謝ってばかりなのか」と、きっと驚くことでしょう。過剰に謝ることで卑屈な印象を与え、楽しいはずの会話をシラケさせてしまっていると、身に染みて分かるはずです。

自分の発話を聞くというのは、とても恥ずかしく、いたたまれない気持ちになるものです。しかしその分、メタ認知の弱い発達障害の人には非常に効果的があります。

会話というのは、人間にとって最大のコミュニケーション手法です。会話がスムーズにできるようになると、恋愛や婚活だけでなく、その後の夫婦関係、子育て、親戚づきあいもずっと円滑に進みます。また、仕事や趣味、地域での活動にも大きな影響を与えます。

会話といっても、難しいことはありません。日常会話の9割以上は雑談で締められています。雑談はちょっとしたテクニックを身に着けることで一気に上達するものです。

こと婚活においては、会話が合うか合わないかでパートナーとしての相性を計る傾向があります。小手先のテクニックでも充分効果がありますので、「コミュ障だから……」と諦めずに、ぜひトライしてみてください。

現代ビジネス

発達障害で取得できる精神障害者保健福祉手帳と療育手帳、その違いとは?

発達障害で取得できる精神障害者保健福祉手帳と療育手帳、その違いとは?

精神疾患で交付される「精神障害者保健福祉手帳」、知的障害で交付される「療育手帳」

発達障害では、精神障害者保健福祉手帳※が交付されることが多いそうです。しかし兵庫県のように、療育手帳が多く交付されているという地方自治体もあるそうです。果たして、この手帳の違いは一体何なのでしょうか?(※「精神障害者保健福祉手帳」という名称は、地方自治体によっては「精神保健福祉手帳」というところもあります。)

発達障害は二次障害がある事が多いため、「精神障害者保健福祉手帳」されることが多くなっています。しかし、発達の凸凹で、凹の部分が、一定以下の知能だと知的障害と判定され、療育手帳が発行されるケースもあります。

精神障害者保健福祉手帳と療育手帳の違いは?
現在使える障害福祉サービスでは、大差はありませんが、その他で差が出ていることがあります。例えば、障害者枠で仕事をしようとすると、1998年から義務化されている療育手帳所持者と比べると、2018年4月から義務化が始まったばかりの精神障害者保健福祉手帳所持者は、まだまだハンディがある状況です。

また他にも大きな差がこんなにもあります。精神障害者保健福祉手帳に無く療育手帳等にある差は以下の項目です。

@バスの乗車料金の割引がある
A一定以上の距離を乗ると、電車料金の割引がある(主に新幹線等)
B飛行機の乗車料金の割引がある(最近ではLCC等であまりメリットは薄くなりましたが)
C高速道路通行料金の割引(手帳所持者が子ども限定の場合が多い)

療育手帳では、上記のような障害者割引が適用され、割引率は半額が多くなっています。この様な差が未だに続いています。

各社、鉄道、高速道路会社、航空会社などは、これまで、精神障害者保健福祉手帳には、写真を張り付ける義務が無かった事を上げて本人確認が出来ないので、割引は出来ないと主張してきました。しかし、今現在、手帳への写真の貼り付けは原則義務となっており、本人確認が出来る可能性が高いにも関わらず、身体障害者手帳と療育手帳には割引があり、精神障害者保健福祉手帳には無いという公平さを欠く状態が続いています。現在の鉄道、航空、道路各社に「写真で確認出来る人だけでも、なぜ精神障害保健福祉手帳は対象にならないのか?」と問い合わせた所、「いきなり割引対象者が増えると経営上や財源上難しい」と返ってきたところもありました。ハンディがある人を手帳の種別だけで、振り分けて良いのか?これは、早急に改善を図って頂きたいと思う課題であると感じています。

すべての手帳が「障害者手帳」で一元化されることを期待
発達障害自体は、精神障害者保健福祉手帳でもなく、療育手帳でもないので、発達障害者手帳を創設するのはどうでしょうか?最終的には、障害の重複があって、複数の手帳を持たれている人も多い状況ですので、全ての手帳を「障害者手帳」に一本化するが理想的であると思います。そして、今「経営上割引が難しい」のでしたら、対象者に5割引を止めて、全ての手帳の所有者に3割引とかに割引率を下げることもひとつです。もっと柔軟に対応してもらえることで、皆が公平で良い手帳制度になると期待しております。

障害者ドットコム 2018.9.9

発達障害の当事者対談

発達障害の当事者対談
「早稲田大学に入るよりコンビニバイトのほうが難しかった」

 昨年からさまざまな場所で耳にするようになった「発達障害」というフレーズ。その種類は主に以下の3つにまとめられる。

《発達障害の種類》

■ADHD(注意欠陥・多動性障害):失言やケアレスミスに悩まされる傾向がある。また、多動で落ち着きがなく、複数タスクをこなすことに困難を感じる。

■ASD(自閉スペクトラム症):独特のマイルールをもち、環境の変化や急な予定変更に合わせられない。言葉の裏の意味を読み取れず、冗談も通じないため人付き合いに支障をきたす。

■LD(学習障害):知的な障害はないにも関わらず、漢字の読み書きや簡単な暗算ができない。

 発達障害はこれまで未成年の問題だと思われてきた。しかし実際には大人になって社会人生活を送る人の中でも、その症状で苦しむ人は多いことが明らかになってきている。

 だが、実際にそんな“生きづらさ”を抱える当事者たちの生の声はなかなか聞こえてこない。フリーライターの姫野桂氏が8月に上梓した『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』は、日本人の10人に1人が発達障害を抱えると言われながら、その実態が見えない当事者たちの声を集めた証言録である。

 一方、自身も発達障害の当事者であり、そのうえで「本当に役立つ」ライフハックを記した『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』がベストセラーになった借金玉氏。発達障害を最前線で見守り続ける2人に、クロストークを展開してもらった。

◆「日本一意識が低い自己啓発書」が売れた理由

姫野:借金玉さんの著作はベストセラーになっていますね。

借金玉:ありがたいです。発達障害当事者に向けて書いたのですが、定型発達(発達障害ではない)の人にも読んでもらえた結果ですね。

姫野:そもそも、ここまでが定型発達でここからは発達障害という明確な基準がないですよね。それに職場や学校などで周りに「発達障害かもしれない?」と思うような人がいると、それを理解しようと思って読んでいることも多いかもしれませんね。

借金玉:私の本は「日本一意識が低い自己啓発書」を名乗ってるんですが、朝まったく起きられない人が起きるためのライフハックから語っている本って案外なかったんでしょうね。朝が苦手なのは発達障害者の特徴のひとつなので書こうと思ったんですけれども。私はもとより、周りにも発達障害をかかえる人が多いので、本を書く際のサンプルはたくさんありました。

姫野:借金玉さんは現在のご職業に就く前に、経営者をやられてましたよね。雇用主としても発達障害当事者と関わる機会はありましたか?

借金玉:ありましたね。何度教えても消費税の計算ができない人がいたときは困りました。計算の概念が理解できず、電卓を叩く順序が絶対に覚えられないんですよね。彼女のために、電卓を叩く順序を紙に書いて机に貼り付けてあげることでなんとか解決しました。

姫野:私も計算が苦手で、昔アルバイトでレジ打ちをしていたのですが、いつまで経っても要領が悪く、すぐに辞めてしまいました。

借金玉:私自身もコンビニ弁当工場のアルバイトをしていたときに、何度教えてもらっても、フライヤーを使って揚げ物を作ることができなかったことがあります。そのときは店長に「言いづらいんだけど、キミは知的障害者だと思うよ。僕が言わないと誰も言ってくれないだろうから言うけど」と言われましたよ(苦笑)。

私からしたら、早稲田大学に入学するよりも、コンビニバイトをマスターすることのほう難しいんですよね。それで心から敬意を評して「早稲田入るよりもコンビニバイトのほうが難しいんですよ。店長のこと本当尊敬します」って言っちゃって(笑)。あのときはこの言葉が皮肉に聞こえるってことも理解できなかったんですよね。

極端に空気が読めないのも発達障害の特徴ですが、長い時間をかけてだんだん人に失礼をしないようにできるようになりました。

◆発達障害者には営業職が向いている?

姫野:借金玉さんは現在、営業職に就かれています。借金玉さんの昔のエピソードからも伺えますが、取材で知り合った発達障害当事者の方々もコミュニケーションに苦手意識を覚えている人が多いですよね。それで会話が多くなる営業職を敬遠して事務職に就きたがる人が多かったのですが、借金玉さんは営業職に難しさを感じませんか?

借金玉:実は、営業職に向いている発達障害者が意外と少なくないと思います。成果型労働は、ゴールに至るプロセスで多少のミスをしても、結果さえ出せれば文句は言われない。だから、ケアレスミスが多いADHD(注意欠陥・多動性障害)の人や、上司などの指示に対して疑問を感じる傾向のあるASD(自閉スペクトラム症)の方にとって、自分のペースで働ける営業職は向いていることもあり得るんですよ。

姫野:営業職をやらず嫌いしている人は多いのでそのアドバイスは有益ですね。

借金玉:私は発達障害を持つ知人には「営業を怖がるな!」って言ってます。もちろん、発達障害にもさまざまなケースがあるので、「すべての発達障害者に営業が向いている」とは言えませんが、苦手意識は持たずにチャレンジしてみてもいいんじゃないかと思いますね。大体の人がいの一番に避ける業種でもありますし。

姫野:私は新卒で入った会社で3年間経理をやったんですが、本当にしんどかったんです。定時で帰れる仕事内容だったのに毎日ヘトヘトで、土日はずっと寝こんでいました。

借金玉:それはお疲れ様でした……その状態で3年も働いたら表彰ものですよ(笑)。私も銀行員をやっていた頃の土日は、月曜日が来ないことを祈りながら酒を飲むか、布団にくるまって延々と泣いてましたから。

この前、発達障害だと告白された勝間和代さんとの対談でも話しましたが、彼女は会計事務所を半年で退所したそうです。ADHDでケアレスミスの多い人やLD(学習障害)があって計算が苦手な人は、会計や経理はまったく向いてない。ただ、ADHDやASDと違ってLDは見逃されがちですよね。

姫野:LDなのに知的障害者だと誤解されて、職場や人間関係で悩んでいるというケースは多いですね。

◆そもそも世の中で言う「普通」ってなに?

借金玉:私も『発達障害の僕が「食える人」に変わった-すごい仕事術』の執筆にあたって当事者取材をしたのですが、本当に大変でした。途中で連絡がつかなくなるのはザラですし、取材相手に依存されてしまって困ってしまったこともあって。これだけバラエティに富んだ当事者たちに取材するのはしんどかったでしょう?

姫野:実は、それほど大変だとは感じませんでした。でも、精神的に辛くなったのはASD(自閉スペクトラム症)をかかえ、何度も転職を繰り返し、自殺を考えてしまった女性。彼女のお話にはかなり感情移入してしまいましたが、他の方については、ある程度の距離を保って、冷静に書けたかと思います。

借金玉:たしかに姫野さんの文章は淡々としていて当事者に寄り添いすぎず、描写に徹しています。そもそも、なぜこの本を書こうと思ったんですか?

姫野:近年、NHKの特集番組をはじめとして発達障害の話題を耳にすることが多くて、「私も発達障害なのかな?」とうっすら思ったのがきっかけです。今回の書籍の担当編集や友人にも「姫野さんは普通じゃない」と言われます。もちろん彼らはいい意味で言ってくれてるんですが、そもそも「普通ってなに?」っていう疑問もあって。だから、この言葉は帯にも入れてもらいました。

借金玉:僕も発達障害にまつわる本をいろいろ読んできましたが、姫野さんのようにイデオロギーや主張を省いて、事例紹介に徹した本はほかにないと思います。

姫野:東洋経済オンラインでの連載開始当初は発達障害についてほとんど知らなかったんです。勉強しながら取材を重ね、当事者の方々の生きづらさを理解したので、目の前の当事者の言葉を丁寧に聞きとることに集中できたんだと思います。

それでも、私は「自分は定型発達(発達障害ではないこと)」だと信じて疑いませんでした。だから、取材相手に対して心理的に距離があったように思います。それが結果として、淡々とした描写につながっているのかもしれません。

借金玉:そんな姫野さん自身もWAIS-V(発達障害傾向の有無を調べるテスト)を受けて、その様子が著書に描かれていますね。このときの動揺も正直に書いてあって、これはすごいオチだなと思いました。

姫野:自分の“普通じゃない”部分が“発達障害”だと判定される可能性が現実的になると、さすがにうろたえてしまいました……。

借金玉:私は自分が発達障害だと知ったとき、驚かずに「まあ、そうだよな」と納得しました。おまけに悪いことに、当時はネット上には「あの偉人も発達障害だった!」みたいな偏りのあるポジティブ情報がけっこうあって、自分も成功者になれるかもと楽観していたくらいで(笑)。

姫野:たしかに、発達障害をアイデンティティにしている方は一定数いますよね。私は発達障害をアイデンティティにしちゃいけないなとすごく思います。

借金玉:その通りだと思う面はあります。でも、発達障害の概念を支えに生き延びている人もいるのも事実なので、一概には言えないんじゃないでしょうか。

姫野:当事者の方々を取材していて、よく出てきた議論が「発達障害は個性か、障害か」というものでした。発達障害を個性として生き延びている方もいれば、発達障害はあくまでも障害なので助けてほしいという方もいるのが現状で、難しい問題ですね。

借金玉:私はブログがバズって書籍化までされたので、「お前は発達障害じゃない、才能のある人間だ」って批判されることがあったんです。でも私は「発達障害はただの障害、役立つことはない」と言いたい。ブログにも書いたんですが、私にとって発達障害はツルハシなんです。穴を掘れって言われたら普通はスコップが欲しいじゃないですか、欲を言えばパワーショベルがもっといい。ところが、私はツルハシを渡されてしまった。ツルハシって硬い岩を削るときには便利だけれども、穴掘りにはスコップのほうが役立つじゃないですか。みんなはスコップもらってていいなって普通に思いますよ。

◆発達障害当事者は「みんな違って、みんなダメ」

姫野:発達障害当事者一人ひとりが抱えている症状や、それに伴う悩みもまた千差万別ですよね。

借金玉:私が知人の言葉を借りてよく言うのが「発達障害者、みんな違って、みんなダメ」ということです。発達障害には豊富なグラデーションとバリエーションがあります。職場の発達障害者のことを理解したいと思う定型発達の方は、発達障害を説明する書籍を読むよりも、その発達障害当事者のことをこれまで以上によく見てあげてほしい。ダメの種類は人それぞれ全然違うので。

姫野:そうですね。例えば、うつ病だと典型的な症状や原因があるはずですが、発達障害にはそれがない。また、ADHDやASD、LDを併存している方がほとんどで、ひとつの類型に当てはめることもできない。そのうえそれぞれの障害のレベルも異なってくるので、発達障害はとらえどころがない。

借金玉:私が『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』で気をつけたのは、なるべく多くの人にリーチするような仕事術を書くことでした。しかし私の書いたライフハックでも救われない人がいるのが現実です。姫野さんの本が素晴らしいのは、発達障害者の多様性をそのまま描いたところです。定型発達の方々も読み終わったとき、「発達障害って結局なんなのかわからない」という印象を抱くと思います。

姫野:「取材を通して発達障害についてどのような結論が出ましたか?」と質問されたことがあるのですが、発達障害というものがわからなくなったというのが、正直なところです。

借金玉:よくわからない、と素直に言えるような認識が広まることが重要だと思います。姫野さんの本に出てくる22人の当事者だけでも全然違いますよね。 類型・パターン化して結論を急がずに、一個人としてじっくり接することが、発達障害当事者の救いになるはずです。

姫野:そう言ってもらえると嬉しいです。

<取材・文/安里和哲 撮影/渡辺秀之>

「アスペ入ってます?」発達障害の著者が描く生きづらさ

「アスペ入ってます?」発達障害の著者が描く生きづらさ

 発達障害を抱える当事者たちが直面する「生きづらさ」に迫ったノンフィクションを、宮崎市出身のフリーライター姫野桂(けい)さん(30)=東京都=が今月、出版した。姫野さんは「当事者の現状や本音が少しでも伝われば」と願っている。

 タイトルは「私たちは生きづらさを抱えている―発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音―」(イースト・プレス、定価税別1500円、256ページ)。東洋経済オンラインでの同名連載を書籍化した、姫野さんにとって初めての刊行となる。

 大学進学を機に上京。卒業後、建設関係の会社に就職したが、3年後に退職し、25歳の時にフリーライターに転身した。

 ある日、取材で出会ったカウンセラーから「軽く、アスペ入ってますよね?」と言われた。「アスペ」は自閉症スペクトラム障害の一種「アスペルガー症候群」のことだ。思い返せば、暗算が苦手、組織の中で浮いてしまう、集中力が高く原稿を書くのが早いなど、発達障害の特徴らしきものが自分にもあることに気付いた。「私は当事者なのでは」と考え始めたことをきっかけに、昨秋から発達障害を深く取材するようになった。

 賭け事や性欲を抑えられない男性、どうしても仕事が覚えられない京大卒、発達障害者バーを開いたマスター……。本には20人以上の当事者が登場し、それぞれが抱える悩みや望みが率直につづられている。

 当初、「人探しに難儀するかもしれない」と思いつつ、ツイッターで取材を受けてくれる当事者を募集した。すると、「ぜひ話を聞いてほしい」とさばききれないほどの返事が当事者たちから届いた。「きっと周囲に打ち明けられず、話す場を欲していたんだと思います」

 取材では「意外と明るくしゃべる方が多かった」という一方、話し出すと止まらずに10分以上話し続けてしまう人や、質問と答えがずれてしまう人もいた。「それも発達障害の特性の一つなので」と、時間をかけてひたすら傾聴することに徹した。

 取材場所に大量の買い物袋を抱えてきた女性は、二次障害の買い物依存に悩んでいた。発達障害のひとつの吃音症に苦しむ男性との取材では、事前にびっしりと書いたメモをもとに筆談を交えてやりとりした。当事者に会うと驚きの連続だった。

 「自分も発達障害かもしれない」と疑ってきた姫野さん。本の後半の書き下ろし部分では、著者自身が1月に心療内科を訪れ、検査を受けたことについても、つづられている。

 「発達障害は天才的な人が取り上げられることが多い。でも『自分には得意なことがなにもない』と悩む当事者がたくさんいる。ぜひ定型発達(健常者)の方に読んでもらい、偏見や誤解を防ぐ一助になりたい」(大山稜)

ログイン前の続き発達障害の専門医、地方で不足
 姫野さんは地元宮崎について、発達障害のあるピアニスト野田あすかさん=宮崎市=がメディアで取り上げられていることなどから、「認知が多少進みつつあるのでは」と話す。

 一方で、「東京の隣の千葉県ですら『相談する病院が見つからない』と悩む当事者がいる。宮崎ならもっと厳しい状況のはず」と医療環境についての懸念を示す。宮崎県発達障害者支援センター(宮崎市)の弓削真一郎・福祉課長は「宮崎に限らず、地方では発達障害の専門医不足が深刻な課題」と話す。

 発達障害は早期発見が望ましいとされる。しかし、障害の軽重や症状は千差万別で、専門医でも判別・診断するのが難しい。受診できる医療機関はあるものの、予約がなかなか取れなかったり、医師によっては精神疾患と診断されてしまったりするケースもあるのが現状という。

発達障害とは
 生まれつきの脳機能障害が原因とされ、後天的な疾患とは区別される。強いこだわりがあったりコミュニケーションが苦手だったりする自閉症スペクトラム障害(ASD)、落ち着きがない注意欠陥・多動性障害(ADHD)、読み書きや計算に困難を抱える学習障害(LD)などがある。また、うつ病や睡眠障害、自律神経失調症などが二次障害として現れるケースもある。

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

うつ病や発達障害など障害がある方の就職と定着を支援する施設

1)就職だけでなく定着も見据えた、充実の二段階プログラム
障害のある方の就職において定着は課題で、特に精神障害の方は1年以内に半数以上が離職にいたります。
健康的に働き続けるために、二段階プログラムを導入しています。

*健康管理・生活習慣*
 ストレスケアのマインドフルネス、集中力や注意力を鍛える脳トレ、食事や睡眠のレクチャー、健康な体を手に入れる運動 など
*仕事に必要な知識やスキル*
 コミュニケーションスキル、ビジネスマナー、PCスキル など


2)充実の就職活動サポート
業界研究・応募書類の作成や添削・面接同行・企業訪問や職場実習など

3)収入がない方も安心
ほとんどの方が無料または低料金で利用可能、交通費助成、ランチ支給制度あり

4)科学的根拠に基づくトレーニング
精神科医・脳科学者監修、多数の論文の分析に基づくブレインフィットネスプログラムを導入 





  



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のぶ1969
仕事のことや、様々なことを書いています。気軽に見て下さい。
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