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2016年03月02日

超初心者向け知的財産のお話 知財検定過去問題 その38





かえるくんです

引き続き、2級過去問題の解説(2015/7学科)です。

Q10、著作権について最適なものを選びます。

ア 営利目的ではなく,聴衆又は観衆から料金を受けず,
実演家に報酬が支払われない場合であっても,公表さ
れていない著作物を著作権者の許諾なしに上演するこ
とはできない。

 その通りです。公表されている著作物を上の条件で
 使用する場合は、著作権者の許諾は不要です。

イ 公正な慣行に合致し,正当な範囲内で行われるもの
であれば,公表されていない著作物であっても引用して
利用することができる。

 公表されていないと引用できません。

ウ 偶然独立して似たような著作物が創作された場合で
あっても,著作権の侵害となる。

 偶然似てしまったのですから侵害ではありません。

エ 公衆の使用に供することを目的として設置されている
自動複製機器を用いて,著作物を複製する行為は,私
的に使用する目的であれば,著作権の侵害となることは
ない。

 私的使用目的での複製には著作権は及びませんが、
 公衆の使用に供する目的として設置される自動複製機
 、簡単に言えばコンビニのコピー機、で複製することは
 禁止されています。ただし、文書や図面に限っては、
 当面、認められています。ですので「侵害になることは
 ない」とはいえません。
 この問題のポイントは青い太線部分の存在です。


Q11、独占禁止法について最も不適切なものを選びます。

ア 独占禁止法で禁止されている行為によって被害を
受けた者は,同法による救済を受けることはできるが,
損害賠償を請求することはできない。

損害賠償も請求できます。

イ 他社に対して特許の実施を許諾する契約の際に,
成果物及びその類似品の「販売価格」について協定を
結ぶことは,「不当な取引制限」となるおそれがある。

 その通りです。価格制限は不当な取引制限に該当し
 ます。

ウ 同業者と締結する共同開発契約において,競合す
る会社や新規参入の「排除」を目的とした合意を行う
ことは,「私的独占」となるおそれがある。

 その通りです。排除を目的としてはダメです。

エ ライセンスを受けた者が,改良発明や応用発明をし
た場合に,その権利をライセンスした者に帰属させるこ
とは,「不公正な取引方法」に該当する。

 その通りです。改良発明などの新たな権利は、その
 発明者に属します。

Q12、特許の拒絶査定、拒絶審決について最適なもの
 を選びます。
過去ブログを参照ください

ア 特許出願人以外の者は,拒絶審決に対する訴えを
提起することはできない。

 その通りです。

イ 拒絶審決に対する訴えは,拒絶審決の謄本の送達
の日から20日を経過した後は,提起することができない。

 30日以内です。

ウ 拒絶審決に対する訴えは,出願人の住所(法人の
場合は所在地)により定められる,管轄する高等裁判所
又は知的財産高等裁判所のいずれかを選択して行うこ
とができる。

 審決に対する訴訟は知財高裁だけで行われます。

エ 拒絶査定に対する不服の申立てについては,拒絶審
決を待たずに直接裁判所に訴えを提起することができる。

 拒絶査定不服審判を経て、裁判所へ訴えることができ
 ます。






2016年03月01日

超初心者向け知的財産のお話 知財検定過去問題 その37

かえるくんです

引き続き、2級の過去問解説です(2015/7学科)

Q7、商標登録についての問題で間違っている選択肢
 を選びます。


ア 商標登録出願に係る商標が,極めて簡単で,かつ,
ありふれた標章のみからなる商標に該当する場合には,
そのことを理由として商標登録を受けることができない。

イ 商標登録出願に係る商標が,他人の業務に係る商
品と混同を生じるおそれがある商標に該当する場合に
は,そのことを理由として商標登録を受けることができ
ない。

ウ 商標登録出願に係る商標が,商標権が消滅した日
から1年を経過していない他人の商標
であって,その
商標権に係る指定商品について使用をするものに該
当する場合には,そのことを理由として商標登録を受
けることができない。

エ 商標登録出願に係る商標が,ありふれた名称を普
通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商
標に該当する場合には,そのことを理由として商標登
録を受けることができない。

この問題は消去法でウが選ぶべき選択肢となります。
こちらの過去ブログを参照ください。

どうしてウが間違っているのかということですが、
平成24年4月までは、使用禁止だったのですが法改
正によって、消滅後1年経過していない商標にかかる
商品、サービスについて他人が商標登録できるように
しました。

商品のライフサイクルが短い現在、この規定による弊
害のほうが大きくなってきたことによります。



Q8、知財戦略について間違っているものを選びます。

ア 海外出願先を決定するにあたっては,現在の市場
国,将来の市場国,自社の生産国,自社の生産予定
国,さらには他社の生産国や生産予定国も検討すべ
きである。

 その通りです。

イ 研究開発活動による「創造」と,発明を権利として
保護する「権利化」と,発明実施等による経済的利益
による「活用」の一連の流れをわが国では「知的創造
サイクル」と呼び,これをうまく回転させることにより,
企業の知的財産活動の活性化が図られ,産業の発
達につながる。

 その通りです。

ウ 特許出願すべきか営業秘密として管理すべきか
については,技術的に高度な発明の場合には特許
出願すべきであり,技術的にそれほど高度ではない
発明の場合には営業秘密として管理すべきである。

これが違います。こちらの過去ブログを参照ください。
高度か否かが判断基準ではなく、秘匿しやすいか
否か
で権利化するか、営業秘密にするかを判断し
ます。

エ 国内外における特許出願の早期権利化を図るために,早期審査制度や,特許審査ハイウェイ
制度を利用するのは,有効な手段である。

その通りです。








2016年02月29日

超初心者向け知的財産のお話 知財検定過去問題 その36





かえるくんです

2級過去問題解説(2015/7学科)です。

過去問題の解説も36回目にもなると、同様の問題

が出題されるようになってきました。

知的財産管理技能検定の合格は過去問題の選択肢

を理解することです。

2級の合格基準は8割と高めですが基本を押さえれば

クリアできます。


Q5、商標の登録異議申し立てについての問題です。

ア 不使用取消審判において,請求に係る指定商品と
 類似する役務についてのみ商標権者が登録商標を
 使用していても,商標登録は取り消されることがある。

 その通りです。類似の範囲はあくまで侵害を排除でき
 るだけで、自分が使えるわけではありません
 逆に、そういう使い方では商標を使っていると判断さ
 れません。

イ 登録異議の申立ては,商標掲載公報の発行日から
 2カ月経過後であっても利害関係人であれば行うこと
 ができる。

 違います。利害関係者であっても2か月を経過したら
 登録異議申し立てはできません。

ウ 商標登録が商標法第3条第1項第1号(普通名称)
 の規定に違反してされたとき,商標権の設定登録の
 日から3年を経過した場合であっても,商標登録無効
 審判を請求することができる。

 違反していても、5年の除斥期間を経過すれば商標
 登録無効審判を請求できなくなります。
 3年経過ならまだ請求できます。
 除斥期間はこちらをご覧ください

エ 不使用取消審判の請求前3カ月からその審判の請
 求の登録の日までの間に,日本国内において商標
 権者がその請求に係る指定商品についての登録商
 標の使用をした場合であって,その登録商標の使用
 がその審判の請求がされることを知った後である場
 合には,商標登録は取り消されることがある。

 その通りです。
 「不使用取消審判が請求されそうだ!やばい!」
 といって、急に使ってもだめですよ・・と言う事です。


Q6、特許出願の手続き補正に関する問題です。
 ちょっと、難しい問題かもしれません。
 特許出願の基本は「特許請求の範囲」「明細書」
 「図」です。要約書は公開特許公報に掲載するのに
 使われるものです。

ア 要約書は,特許発明の技術的範囲を定める場合
 に参酌しない書類であるから,手続補正の対象とは
 ならない。

 手続き補正の対象になります。
 要約書や優先権主張書は内容については制限され
 ませんが、時期的な制限はあります。

イ 特許出願人は,特許をすべき旨の査定の謄本の
 送達前はいつでも,願書に添付した特許請求の範
 囲について補正することができる。

 いつでも補正ができるのは最初の拒絶理由通知が
 出る前です。過去ブログを参照ください。

ウ 明細書の記載内容について,特許出願後に手続
 補正書を提出して,補正が認められた場合,補正し
 た内容は出願時に遡って効力を生ずる。

 その通りです。遡及効といいます。

エ 訂正審判の請求人は,訂正審判の請求書に添付
 した訂正した明細書については補正することができ
 ない。

 その通りです。訂正審判は特許権が認められた後に
 その特許内容を訂正するためにします。
 もちろん、減縮する訂正しか認められず、訂正後は
 その状態で独立特許要件を満たさないといけません。
 最後の拒絶理由通知を受けた後と同様の対処です。




 





2016年02月26日

超初心者向け知的財産のお話 知財検定過去問題 その35

かえるくんです

2級過去問題解説(2015/7学科)です。

Q1、著作者人格権の問題です。

ア 著作者人格権は相続の対象となる。

 本人のみに帰属(一身専属性)するのでなりませんが、
 著作者の死後に、生前の著作者を蔑むような行為など
 人格的利益が侵害されないように著作者や遺族の心
 情を保護する規定は設けられています(60条、116条)。

イ 著作者人格権を侵害された場合,著作者は侵害者に
 対して損害賠償を請求することができない。

 侵害行為の差止、損害賠償、名誉回復など請求でき
 るほか、刑事罰(5年以下の懲役又は500万円以下の
 罰金もしくは併科)も規定されています。

ウ 職務著作の場合,著作者人格権は著作物を作成した
 従業員ではなく,法人が有する。

 ベルヌ条約上、著作者人格権は著作権が他者に移転
 された後も著作者が保有する権利
とされているので
 著作者人格権は従業員に帰属します。

エ 著作物の創作を他社に委託した場合,業務委託契約
 に定めがあれば,委託者が著作者人格権を有する。

 ウと同じ理由で、契約の定めがあっても被委託者に
 帰属します。


Q2、ライセンス契約についての問題です。

ア ライセンスされた技術を利用して研究開発コストを
 低減できる。

 すべてをゼロから開発するより安く済みます。

イ ライバル企業の牽制,参入防止により市場を独占
 できる。

 独占する意図があればライセンスはしません。

ウ 相互にライセンスすることにより,事業活動の自由
 度を確保できる。

 クロスライセンスは互いの特許を使いあえるように
 するので自由度が増します。

エ ライセンス収入による収益を確保できる。
 その通りです。
 なお、ライセンスは特許だけでなく、ノウハウでも
 ライセンス契約できます。


Q3、特許の出願についての問題です。

ア 期間の計算に際し,期間が午前零時から始まるとき
 は,期間の初日は算入しない。

 参入します。

イ 特許を受ける権利が共有に係る場合,共同で特許
 出願をする必要がある。

 その通りです。

ウ 特許庁長官は,特許出願の実体審査を行う。

 審査を行うのは審査官です。

エ 期間の計算に際し,特許出願に係る書類を郵送した
 場合には,特許庁に到達した日を特許出願の出願日
 とする。

 郵便の場合、投函した日(消印日)が出願日になります。
 ただし、消印が不明瞭の時は届いた日が出願日になりま
 す。
 今はほとんどが電子出願ですが、実際に特許庁に持参
 する場合は持参した日が出願日になります。




 





2016年02月25日

超初心者向け知的財産のお話 その58

かえるくんです

久しぶりに過去問題を離れて、特許のお話をします。

といっても過去問題の解説のなかで触れていなかった

部分のお話です。

特許の発明には3種類あります。それぞれの実施の
保護範囲は

@物の発明
その”物”の生産、使用、譲渡、貸し渡し、輸入、
譲渡もしくは貸し渡しの申出。

A方法の発明
方法の実施。

B物を生産する方法の発明
その方法の実施に加え
その方法により生産された”物”の
生産、使用、
譲渡、貸し渡し、輸入、譲渡もしくは貸し渡しの申出。

Bは@+Aと考えてよいと思います。
また、サイトによってはAがBを含む形で説明されて
います。

方法の発明でもBはAより、広い特許権を持ちます。

Bを設けた理由はAの保護強化という面があります。

Bは製薬会社が開発する薬品などが多いようですが

実際は特許請求の範囲に単一性を持たせて@ABを

盛り込んでゆくという事になります。


一方で・・・

実用新案権は”物品の形状、構造又は組合せの考案”

なので、”方法”がないのが特許権との大きな違いです。

実用新案権は、日本では効力がさほど強くなく、登録

件数は年々減少している状況ですが、海外では非常

に使い勝手のいい知財権として利用されているケース

が少なくありません。














2016年02月24日

超初心者向け知的財産のお話 知財検定過去問題 その34





かえるくんです

引き続き、2級過去問題解説(2015/3学科)です。

Q36、プログラムの著作物の職務著作についてです。

ア 法人その他使用者の発意に基づいて著作物を作成
 すること。

イ 法人その他使用者の業務に従事する者が職務上著
 作物を作成すること。

ウ 法人その他使用者が自己の著作の名義の下に著作
 物を登録すること。

エ 著作物の作成時における契約,勤務規則その他に
 著作物の帰属を法人以外とする規定が定められてい
 ないこと。

 ア、イ、エはその通りです。ウは”自己の名義”では、
 職務発明とはなりません。

Q39、許諾のいらない著作物の利用についてです。

公表された著作物は,営利を目的とせず,かつ, 聴衆又
は観衆
から料金(いずれの名義をもってするかを問わず,
著作物の提供又は提示につき受ける対価をいう。)を受け
ない場合には, 公に上演し,演奏し,上映し,又は口述す
ることができる。





2016年02月23日

超初心者向け知的財産のお話 知財検定過去問題 その33





かえるくんです

引き続き、2級過去問題解説(2015/3学科)です。

Q32、著作者人格権の問題です。
 こちらを参照ください。

ア 著作者の名誉又は声望を害する方法によりその著作
 物を利用する行為は,その著作者人格権を侵害する行
 為とみなされる。

 その通りです。

イ 著作者は,すでに自らが公表した著作物の場合であっ
 ても,その著作物について公表権を有する。

 公表権は未公表の著作物にかかる権利です。

ウ 著作者は,著作物を公衆に提示する際に,著作者名を
 実名又は変名で表示するだけでなく,著作者名を表示し
 ないことを決定できる氏名表示権を有する。

 その通りです。

エ 著作者は,著作物自体だけでなく,その著作物の題号
 についても,改変を受けない同一性保持権を有する。

 その通りです。”題号”という言葉は、過去の試験で複数回
 使われています。

Q35、商標権についての問題です。

ア 商標権者は,故意に商標権を侵害した者に対し,損害
 の賠償を請求することができる。

 その通りです。商標法違反はすべて故意犯で、確定的
 故意と未必の故意があり双方違反対象です。
 ですので全く故意がなければ罰せられません。


イ 商標権者は,商標権を侵害する者に対して,当該商標
 権に基づく差止請求権を行使することができる。

 その通りです。

ウ 裁判所は,故意により商標権を侵害し商標権者の業務
 上の信用を害した者に対して,商標権者の請求により,
 商標権者の業務上の信用を回復するのに必要な措置
 を命ずることができる。

 その通りです。

エ 商標権の侵害の罪については,告訴がなければ,公訴
 を提起することができない。
 
 商標権の侵害は、告訴があって初めて公訴できる親告罪
 ではなく、告訴がなくても公訴、つまり罪が問える非親告罪
 です。商標には公益的側面があるからです。













2016年02月22日

超初心者向け知的財産のお話 知財検定過去問題 その32





かえるくんです

引き続き、2級過去問題解説(2015/3学科)です。

Q30、特許出願の補正に関して不適切なものを選びます。

ア 最後の拒絶理由の通知がされた後は,特許請求の
 範囲に関しては請求項の削除等を目的とした所定の
 補正しか行うことができない。

 その通りです。減縮、つまり削って範囲を狭くする補正
 だけが認められます。

イ 最初の拒絶理由の通知がされる前においては,願書
 に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面
 に記載した事項の範囲内で明細書の補正をすること
 ができる。

 その通りです。

ウ 補正が認められると,補正をした内容は出願時に
 遡って効力を生じる。

 その通りです。遡及効といいます。

エ 最後の拒絶理由の通知がされた場合には,当該拒絶
 理由の通知がされた時の
明細書,特許請求の範囲又は
 図面に記載した事項の範囲内に限り明細書の補正をす
 ることができる。

 ”該拒絶理由の通知がされた時の”がいけません。
 参照されるのは、最初の出願時の資料です。


Q31、商標法の審判、異議申し立てについてです。
 商標法の何条に何が書いてあるかは覚える必要はあり
 ませんがア、ウ、エが具体的内容を書いていなく、2か月
 が正解だと知らなければ迷うかもしれません。


ア 何人も,商標法第53条第1項(使用権者による不正
 使用取消審判)に規定する審判を請求することができる。

 その通りです。

イ 何人も,商標掲載公報の発行の日から3カ月以内に限
 り,登録異議の申立てをすることができる。

 登録異議申し立ては、2か月以内です。

ウ 何人も,2以上の指定商品に係る商標登録に対して,
 指定商品ごとに商標法第50条第1項(不使用取消審判)
 に規定する審判を請求することができる。

 その通りです。

エ 何人も,商標法第51条第1項(商標権者による不正
 使用取消審判)に規定する審判を請求することができる。

 その通りです。








 


2016年02月21日

超初心者向け知的財産のお話 知財検定過去問題 その31

かえるくんです

引き続き、2級過去問題解説(2015/3学科)です。

Q28、著作権および著作者人格権についての問題です。
 適切なものを選びます。


ア すべての著作権を譲り受ける場合に,「すべての著作
 権を譲渡する」という条項を含む契約をすべきである。

 それでは足りません。二次的著作権の原著作者として
 権利(第28条)を行使されるリスクがあるので、その場合
 「その全ての著作権(作権法第27 条及び第28 条の
 権利を含む
)」を譲渡すると明記する必要があります。

イ 著作権を譲り受ける場合に,「著作者人格権を譲渡
 する」という条項を含む契約をすべきである。

 著作者人格権は、本人のみに帰するので譲渡できません。

ウ 著作物の作成を外部に委託する場合に,「著作者人
 格権を行使しない」という条項を含む契約をすべきであ
 る。

 これは正しい条項です。改編を加えたいときに同一性
 保持権を使われると支障が出ます。


エ 著作物の利用を許諾する場合に,「利用権を文化庁
 に登録する」という条項を含む契約をすべきである。

 利用権は文化庁に登録できなません。
 著作権の譲渡・移転が発生した場合のみ文化庁に
 著作権者を登録できます。

Q29、他社の模倣品に対する権利行使の問題です。
 この問題は難しい問題です。選択肢のウ、エで迷うよう
 に作られています。
 「方法の発明」と「物を生産する方法の発明」が別の
 もの
であることを知らなければ解けません。

ア 特許発明が物の発明である場合,その模倣品の譲
 渡の申出をする行為には特許権の効力は及ばない。

 特許権の効力が及びます。模倣品を作って譲渡すれ
 ば違法です。特許権者に損害を与えるので。

イ 特許発明がプログラムの発明である場合,そのプロ
 グラムの模倣品を電気通信回線を通じて提供する行
 為には特許権の効力は及ばない。

 特許権の効力が及びます。これも特許権者に損害を
 与えるので違法です。

ウ 特許発明が方法の発明である場合,その方法を使
 用する模倣品の輸出には特許権の効力は及ばない。

 その通りです。

エ 特許発明が物を生産する方法である場合,その方法
 により生産した物を譲渡する行為には特許権の効力
 は及ばない。

 「物を生産する方法」により生産したものなので、
 特許権の効力が及びます。

後日、この部分について説明しようと思います。





 




2016年02月20日

超初心者向け知的財産のお話 知財検定過去問題 その30





かえるくんです

引き続き、2級過去問題解説(2015/3学科)です。

Q23、商標登録できる商標に関する問題です。
 過去ブログでも触れていますが、これは問題
 そのものを覚えた方がいいでしょう。

ア 指定商品の産地を普通に用いられる方法で表示する
 標章のみからなる商標で,その産地の属する都道府県
 の知事から承諾を得ているもの

 産地は商標登録できません。

イ 外国の紋章と類似の商標で,その国の承諾を得ている
 もの

 類似の商標は登録できません。

ウ ありふれた氏を普通に用いられる方法で表示する標章
 のみからなる商標で,その氏の人から承諾を得ているもの

 ありふれた氏を普通に表示する商標は登録できません。
 ”普通に表示”というのが、ひとつポイントです。

エ 他人の著名な筆名を含む商標で,その他人の承諾を得
 ているもの

 これは本人の承諾を得て登録できます。

Q25、著作権についての問題です。

ア 複製権を有する者は,その著作物について出版権
 を設定できる。

 その通りです。出版権の設定とは著作権法79条1項
 に定められているもので、著作権のうち「複製権」を有
 する者が、その著作物を独占的に出版する権利を第
 三者に設定する
ことをいうので、出版権を設定できま
 す。

イ 著作権者の許諾を得て国外で譲渡された著作物の
 複製物であっても,当該複製物がさらに国内で公衆
 に転売される場合には,著作権者の譲渡権の侵害
 となる。

 著作権者の承諾を得て、作られた複製物なので国外
 では侵害にならなくて、国内に入ったら侵害になると
 いうことはありません。

ウ 同一性保持権を行使しないという契約はすべて無
 効である。

 行使しないという契約もできます。

エ 著作権の移転は,登録しなければ,その効力が発
 生しない。

 登録がなくても効力はあります。
 移転・譲渡の時に登録ができます

 今回出てきた譲渡権と複製権の関係や著作権と出版権
 の関係は、よく出されるところです。











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