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2016年01月11日
超初心者向け知的財産のお話 その56
かえるくんです
今回は【防護標章】についてです。
これも商標のお友達的存在になります。
防護標章は、商標よりも強力な権利を持っています。
防護標章制度は、”使用の有無にかかわらず著名なマークを保護
する制度”です。商標のように「不使用取り消し審判」の対象には
なりません。”著名”とは”周知”よりも知名度が高く、全国的に知られ
ていることを想定しています。
地域限定で有名だけではダメってことです。
防護標章を受けるには、それが”著名は登録商標”である必要が
あります。ここが審査の中心です。
登録商標は【商標】と【商品・役務】の双方から判断して、双方が
ともに「同一もしくは類似」の場合に権利が及びますが、防護標章
は【商品・役務】が非類似でも権利が及びます。
たとえば「○▲■」という防護標章でコーヒーが販売されている場合
で、他社が「○▲■」という商標でボールペンを販売しても、販売が
禁止されます。
防護標章登録をするには特許庁に「防護標章登録願」を提出して
審査を受けます。拒絶理由がなければ登録査定となり、登録料を
支払って、晴れて登録という運びとなります。
更新は10年毎に繰り返しできますが、商標登録とは別の権利と
なるので、別個の手数料が必要です。
タグ:知的財産管理技能検定 防護標章
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2016年01月10日
超初心者向け知的財産のお話 その55
かえるくんです
商標の友達的な存在についてお話します。
今回はそのひとつ【商号】です。
前回、プランタン銀座のお話でも出てきました。
商標と商号はまったく違うものですが、経済価値を持ったマーク
であるという共通点を持っています。
商標は商標法(特許庁)、商号は商法・会社法(法務省)で規定
されているものです。
商号は同じ市町村内で同じものは使えませんが、市町村が違えば
同じものを使うことができます。
商号については、平成25年の知的財産管理技能検定(2級実技)
に出題されていたと思います。
タグ:知的財産管理技能検定 商号
2016年01月09日
超初心者向け知的財産のお話 その54
くんです
商標登録の無効審判が設定登録から5年経過すると
請求できないのは、無効理由を持っている商標も5年
も経つと周知され、経済的な価値を持ちうるからです。
この期間を商標の除斥期間といいます。ちなみに
第17回の知財検定2級で出題されてます。
除斥期間の定めのある無効理由は
@普通名称、慣用商標、記述的商標など
A他人の肖像、氏名、著名な芸名などを含む商標
B登録商標と類似の商標など
C先願主義違反
D他人の周知商標の類似商標など
E他人の業務に係る商品、役務と混同する恐れのある
商標
DEについては不正競争の目的がある場合は除斥期間
の適用はされません。
悪意が明らかなんですから当然ですよね。
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タグ:除斥期間
2016年01月08日
超初心者向け知的財産のお話 その53
世界レベルを目指したレザーブランドYUHAKU
かえるくんです
今回は商標権の時事ネタを紹介します。
昨年12月の新聞にこうありました。
「仏プランタンと契約終了 商標・商号五輪にらみ変更」
東京都中央区にある老舗デパート【プランタン銀座】が
【プランタン】の商号・商標契約を今年の12月に終了する
とのことです。来年から【プランタン】を名乗れない訳ですが
【プランタン】って、ライセンス契約で使ってたんですね・・・
知りませんでした。
1984年にダイエー、プランタンとロイヤルティー契約して
開業、その名を全国に馳せましたが、近年、銀座も若者向け
ショップが増えて、競争が激化、売り上げも落ち込んでいた
ようです。東京オリンピックをにらみ、平成29年3月にリニュー
アルオープンし、ターゲット顧客層も見直すようです。
商号・商標は、その著名さだけでなく、顧客層のイメージに
直結するものだということが良く分かります。
長年使い慣れた名前を捨てるリスクがどのように現れるか
また、大胆な決断が良い方に影響するのか、興味がある
ところです。
かえるくんです
今回は商標権の時事ネタを紹介します。
昨年12月の新聞にこうありました。
「仏プランタンと契約終了 商標・商号五輪にらみ変更」
東京都中央区にある老舗デパート【プランタン銀座】が
【プランタン】の商号・商標契約を今年の12月に終了する
とのことです。来年から【プランタン】を名乗れない訳ですが
【プランタン】って、ライセンス契約で使ってたんですね・・・
知りませんでした。
1984年にダイエー、プランタンとロイヤルティー契約して
開業、その名を全国に馳せましたが、近年、銀座も若者向け
ショップが増えて、競争が激化、売り上げも落ち込んでいた
ようです。東京オリンピックをにらみ、平成29年3月にリニュー
アルオープンし、ターゲット顧客層も見直すようです。
商号・商標は、その著名さだけでなく、顧客層のイメージに
直結するものだということが良く分かります。
長年使い慣れた名前を捨てるリスクがどのように現れるか
また、大胆な決断が良い方に影響するのか、興味がある
ところです。
タグ:時事ネタ
2016年01月07日
超初心者向け知的財産のお話 その52
かえるくんです
平成28年、年明け初めの更新です。
今回から再び舞台を国内に移し、お話を進めますが
時々、国際条約の話もします。なにせ知的財産は世界
規模の話なので仕方ありません。
また、知的財産管理技能検定の過去問題も頻繁に
取り上げてゆきたいと考えてます。
それでは商標のお話です。
基本的な話は過去のブログをご覧ください。
【相手から商標権侵害と警告を受けたとき】
@警告を受けた相手の登録商標の商標原簿を確認する
まず、本当に自分の使っている商標が侵害に値するもの
なのか、しっかりと相手の商標を原簿で確認します。
類似していなければ侵害にはなりません。
どうやら、確かに似ているかもしれないとなったら
A自社の商標に先使用権があるか確認する
自分たちの商標は、登録こそされていないけど、相手の
商売を邪魔する目的、つまり不正競争の目的はなく、
相手商標の登録の前から使っていて、取引先や需要者
などに周知されているのであれば、先使用権が認められ
使用料を払うことなく使い続けられます。
周知のレベルについては別の機会にお話しますが、
必ずしも全国区の知名度は必要ありません。
ただし、類似が混同を起こすレベルで相手先から指摘
があれば、混同を防止するための適切な付記をして
使用することになります。
先使用権も認められそうにない場合は、相手商標の抹殺
を考えます、言葉は怖いですがそういう世界です。
B相手の権利を消滅させる
これには3つの方法があります。
a. 登録異議申し立て
既に相手の商標が慣用的に使用されているなどの
事実があれば、商標掲載公報の発行から2月以内
であれば、誰でも、登録異議申し立てができます。
b. 商標登録無効審判
そもそも登録自体が無効だったとして請求します。
この無効審判は利害関係人に限られます。
商標権の設定登録の日から5年経過後は請求する
ことができません。
c. 不使用取消審判
商標は使ってこそ意味があります。商標登録だけ
して、放置しているのでは誰の得にもなりませんし
他の人が有意義に使えるかもしれません。
国内で3年以上継続して誰でも不使用取消審判を
請求することが出来ます。
ここのキーワードは”国内”と”継続”です。
外国で使ってました・・では認められません。また
不使用取消審判を請求されないために一時的に
使ったりしても認められません。
d. また、不正使用については誰でも取消審判請求
ができます。
b 以外は誰でも請求できるのが特徴です。
この辺の話は知財検定でも過去に出題されてます。
次回はBのbでどうして5年なのかお話します。
2015年12月30日
超初心者向け知的財産のお話 その51
くんです
マドリッドプロトコルはマドリッド協定議定書のことです。
マドリッド協定というのもあります。
マドリッド協定議定書=マドリッド協定 + 議定書です。
日本はマドリッド協定の締約国ではありませんが、
議定書の締約国(表現が変ですが)なのでマドプロ出願
が使えるのです。マドリッド協定議定書はマドリッド
協定の進化形態とも言えるものです。
ちなみにマドリッド協定には欧州のパリ条約同盟国で
構成されてます。
マドプロ出願で国際登録された商標は5年以内は、日本の
基礎出願に従属した形になります、つまり指定国での意匠
商標は完全には独立していません。
5年を経過すると外国の商標もそれぞれの国で独立します。
もし、マドプロ出願の意匠が登録から5年以内に取り消し
などになると外国の商標も消滅します、これを
セントラルアタックといいます。
次回からは舞台を国内に戻してお話しします。
マドリッドプロトコルはマドリッド協定議定書のことです。
マドリッド協定というのもあります。
マドリッド協定議定書=マドリッド協定 + 議定書です。
日本はマドリッド協定の締約国ではありませんが、
議定書の締約国(表現が変ですが)なのでマドプロ出願
が使えるのです。マドリッド協定議定書はマドリッド
協定の進化形態とも言えるものです。
ちなみにマドリッド協定には欧州のパリ条約同盟国で
構成されてます。
マドプロ出願で国際登録された商標は5年以内は、日本の
基礎出願に従属した形になります、つまり指定国での
商標は完全には独立していません。
5年を経過すると外国の商標もそれぞれの国で独立します。
もし、マドプロ出願の意匠が登録から5年以内に取り消し
などになると外国の商標も消滅します、これを
セントラルアタックといいます。
次回からは舞台を国内に戻してお話しします。
2015年12月28日
超初心者向け知的財産のお話 その50
かえるくんです
マドリッドプロトコルとは、マドリッド協定議定書の英語名です。
この議定書に基づいた国際出願を略して、「マドプロ出願」と
言ったりします。
前回まで意匠のハーグ協定ジュネーブ改正協定のお話をして
いましたがこれはその商標版と考えて問題ありません。
国際出願を登録するのはハーグと同じWIPO国際事務局です。
大雑把なスキームは以下のようになります。
日本からの出願を想定してお話します。
日本の特許庁に英語(フランス、スペイン語もあり)で出願します。
この時点で出願日が国際登録日となります。
特許庁で方式審査、同一性審査をしてWIPOに送ります。
WIPOから指定国に国際登録されたことを通報します。
この通報を各指定国が審査しますが拒絶査定は1年or18ヶ月
(日本の場合は18ヶ月)以内に(WIPOに)行う必要があります。
期限を過ぎると登録査定があったことにされます。
次回はマドプロ出願を少しだけ掘り下げたお話をします。
なぜマドリッド協定ではなく、マドリッド協定議定書なのか
と言った事など。
2015年12月26日
超初心者向け知的財産のお話 その49
かえるくんです
ジュネーブ改正協定の続きです。
前回は出願スキームまでお話しました。
同じチャートを使います。
ジュネーブ改正協定に基づく意匠の国際登録制度のメリットは
@複数国・複数意匠(最大100意匠まで)を一括出願できる
1意匠1出願ではありません
A単一の言語・書式・通貨で出願できる
言語、通貨はお話のとおりで書式はDM/1というものを使用。
ちなみに手数料は基本手数料、指定手数料、公表手数料。
B各国で現地代理人が不要(出願時)
C複数国の意匠権を一括で維持管理
国際登録された意匠権は5年単位で更新可能です、また指定締約国
での権利は最短で国際登録から15年となっています。
指定締約国で拒絶された場合は正規の出願と同様の救済措置を
受けることが出来ます。
なお、日本国特許庁経由の間接出願の場合の手数料は1件につき
日本円で3,500円を特許印紙の添付によって支払います。
次回は商標の国際出願、マドリッドプロトコルのお話です。
2015年12月25日
超初心者向け知的財産のお話 その48
かえるくんです
意匠の国際出願についてです。
パリルートは”その45”でお話したとおりですが、意匠にも
特許や実用新案のPCTのような制度があります、それが
”ハーグ協定”といわれるものです。
スキームはPCTとよく似ています。
実は日本でハーグ協定ルートの国際出願ができるように
なったのは今年(2015年5月31日から)のことです。
それまでは未締約でした。
先進国の日本が??と思うかもしれませんが知的財産権
は激しい利害のせめぎ合いの世界なのがわかります。
日本と同時期に発効した国があります、米国です。
ハーグ協定も国際条約なので何度も改定が行われてきました。
日米が締約したのは”ハーグ協定のジュネーブ改正協定”
というものです。
現在、49カ国が締約していますが、中国、英国、ロシア
カナダ、ASEAN諸国(シンガポール、ブルネイは締約済)も
検討中、つまり現在未締約です。
ハーグ協定ジュネーブ改正協定の出願スキームは以下の
ようになってます。
出願人は日本の特許庁経由(間接出願)もしくは直接WIPO
国際事務局に出願します。間接出願は書面のみですが直接
出願はオンラインでもできます。
出願の際は意匠権を取得したい締約国を指定して(図では3
カ国)、ジュネーブ改正協定で認められている3つの言語、
英語、フランス語、スペイン語のいづれかで書類をつくる必要
があります。手数料はWIPOに支払いますのでスイスフラン建て
のみ可能です、ドルでもユーロでも円でもだめです。
WIPOで出願が受理されると、方式審査などを経て、国際登録
後、通常6ヶ月(即時公表、遅延公表も可能)国際公表されます。
そして指定国へ出願される仕組みです。
次回はハーグ協定ルートのメリットなどのお話です。