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2016年01月22日
外国産業財産権セミナー
かえるくんです
1月18日に外国産業財産権セミナーに行ってきましたので、
その簡単な報告です。
午前中はマレーシア、午後はフィリピンの知的財産権の
お話でした。
商標権を取得する場合に限らず、知的財産権の取得で公序
良俗に反してはならないのは常識といえます。
日本国内ではこんなイージーミスで商標権を取得できない
ケースは、めったにないと思います。
しかし、マレーシアではマレー語(公用語)、英語(公用語)
のほかタミール語、中国語などが広く使われているので、
外国人が商標権を取得しようとする場合、公用語で公序良俗
に反しない”読み方”でも、他の言語で”マイナスイメージ”を持つ
ものもあるために拒絶されるケースがあるそうです。
日本の方言でも、そういったことがあるかもしれませんね。
マレーシアでは人口の約60%がムスリムで”ブタ”という言葉
は人を侮蔑することになるので商標に含んではいけないそう
です。
セミナーは外国人講師の説明を同時通訳する形式でした。
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2016年01月21日
超初心者向け知的財産のお話 知財検定過去問題 その11
かえるくんです
引き続き平成27年7月の3級学科の過去問題です。
Q25、商標権についての問題です。
ア 商標登録出願の日前から,登録商標と同一の商標を使用し
当該出願日において,周知であれば,先使用権が認められ
る場合がある。
イ 商標権者は,指定役務に類似する役務について登録商標を
独占して使用することができる。
ウ 登録商標と類似する商標を,指定商品に類似する商品につ
いて,他人が使用する行為は,商標権の侵害とならない。
アはその通りです。イは商標権者が独占できるのは同一の
場合だけで、類似役務については他者を排除できますが
独占はできません。ウは商標と商品(役務)がともに類似の
場合も商標権侵害となります。
Q26、PCTに関する問題です。
ア 保護を求める締約国における審査が希望する1カ国で統一
して行われる。
間違えやすい所です。統一して行われるのは「出願手続き」
で「審査」は各国の特許庁が行います。
PCTではWIPOから国際調査報告書が各国に送付され
それが参酌されるものの実際的な審査は夫々の国が行い
ます。
イ 保護を求める締約国における特許出願の手続が簡素化さ
れる。
その通りです。
ウ 締約国で登録された特許権について,国際事務局を通じて
一元管理できる。
そこまではやってくれません。
Q27、営業秘密についての問題です。
ア 失敗した研究の実験データは,営業秘密として保護され
ない。
イ 不正競争防止法における営業秘密は,事業活動に有用な
営業に関する情報を保護するものであり,技術に関する
情報は保護されない。
ウ 営業秘密として不正競争防止法で保護される対象が,
他の知的財産法の保護対象となることもある。
ア・イは簡単な選択肢なので消去法でウが正解だとわかり
ますが、それでは勉強にならないので検証します。
アは失敗例(ネガティブインフォメーション)も有益な情報として
扱われることを知っていれば簡単です。イは技術情報だって
当然、有用な情報です。
ウについて、知的財産法の保護というのが権利の行使で
あれば、特許権、実用新案権など権利化されないと使えない
権利もありますが、先使用権のように独占できなくても、以前
から事業化して使っていた(事業化準備も含む)のであれば
認められる権利もあります。この権利は特許法で定められて
いる権利なので保護対象といえると思われます。
Q29、育成者権についてです。
ア 登録品種の名称を育成者権者に無断で使用する行為は,
育成者権の侵害となる。
育成者権は、種苗を独占的に育成・販売することを保障
するもので、名称の独占を許すものではありません。
この問題は、何度か出題されています。
イ 農家が収穫物の一部を次の作付けの種苗として使用する
行為は,育成者権の侵害とならない。
その通り、この行為は許されています。
ウ 登録品種の種苗を育成者権者に無断で業として生産する
行為は,育成者権の侵害となる
その通り、これは侵害に当たります。
タグ:解説
2016年01月19日
超初心者向け知的財産のお話 知財検定過去問題 その10
かえるくんです
引き続き平成27年7月の3級学科の過去問題です。
Q20、同じ日に同じ内容の特許出願があった場合です。
ア いずれの特許出願人も特許を受けることができない場合が
ある。
イ 特許出願人に対して,特許庁長官から協議命令が出される。
ウ 最先に発明を公表していた特許出願人が特許を受けること
ができる。
特許庁長官からイのように協議命令が出されますが、協議で
特許を受ける出願人を決めないと双方特許を受けることがで
きなくなります。よってア・イが合ってます。
同日に出願された場合は、時間の差があっても同じ扱いです。
ウが不適切ということになります。
Q22、著作権者の許諾がないとできないものを選ぶ問題です。
ア 公正な慣行に合致し,かつ引用の目的上正当な範囲で
未公表の著作物を引用すること。
イ 公表された著作物を点字により複製すること
ウ 営利を目的とせず,聴衆から料金を受けず,かつ実演家に
対し報酬が支払われない場合に,公表された音楽の著作
物を公に演奏すること。
いくら「公正な慣行に合致し,かつ引用の目的上正当な範囲」
での使用でも未公表の著作物を引用するには著作者の許諾
が必要です。イはそのとおり、ウは「営利目的ではなく・聴衆
から料金を受けず・実演家に報酬が支払われない」の3要素
の1つでも欠ければ著作権者の許諾が必要となります。
Q23、出願公開制度のついての問題です。
ア 特許出願の出願日から1年後に出願公開されることがある。
その通り、出願公開は請求により早めることができます。
イ 出願公開がされた後に拒絶査定が確定することはない。
出願公開は審査請求とは別なので、審査によって拒絶査定
となる場合はあります。
ウ 特許出願人が出願審査請求をしなければ,出願公開がさ
れることはない。
公開は1年6ヶ月経過後、事務的に特許公開公報により
行われます。
タグ:解説
超初心者向け知的財産のお話 知財検定過去問題 その9
かえるくんです
引き続き平成27年7月の3級学科の過去問題です。
Q12、著作隣接権についての問題です。
著作者隣接権は、著作権とは違い、著作物を伝える者
に与えられます。レコード製作者、放送事業者(有線含)
、実演家です。
ア 私的使用目的の場合には,著作権と同様に著作隣接権も
制限される。
その通り、知的財産権は全て私的使用には及びません。
イ 著作権者が,その著作物について著作隣接権を有すること
はない。
たとえばシンガーソングライターは、著作権者であり、かつ、
実演家でもありますので著作隣接権を有します。
ウ コンテンツが著作物でない場合であっても,著作隣接権が
発生することがある。
著作隣接権はアクロバットや奇術などをするひとも有します。
必ずしも、音楽や演劇などに限りません。
Q14、特許法における発明者で不適当なものを選ぶ問題です。
ア 異なる企業に勤務する複数の従業員
イ 未成年者
ウ 一般社団法人
アもイも人です。アは共同発明者となりますし、イは未成年者
でも発明者に該当します。法人は発明者から特許権を譲り
受けて特許権者にはなれますが発明者にはなりません。
発明者と特許権者の違いを問う問題です。
Q16、不正競争防止法の著名表示冒用行為の問題です。
不適切なものを選びます。
ア 単に商品等表示を使用しただけでなく,実際に他人の商品や
営業と混同が生じている場合でなければ著名表示冒用行為
に該当しない。
紛らわしい表示(偽ブランドなどです)で混同を惹起するような
ものを使用する事自体を禁止しています。
実際に混同が生じなくても違法行為に該当します。
イ 著名とは,周知よりもさらによく知られた状態であり,全国的
に知られていることが想定される。
その通りです。著名といえば全国規模の周知ということです。
ウ 他人の著名な商品等表示と同一のものだけでなく,類似する
ものを使用した場合にも著名表示冒用行為に該当することが
ある。
類似の表示・商品もでも著名表示冒用行為に該当します。
Q18、TRIPS協定についての問題です。
ア TRIPS協定では,特許権のみならず,意匠権や商標権
など知的財産権全体を対象としている。
その通りです。
イ TRIPS協定では,特許の対象として,物の発明に加え,
方法の発明を認めている。
その通りです。
ウ TRIPS協定では,パリ条約の3大原則の1つである内
国民待遇は規定されておらず,代わりに,最恵国待遇
が規定されている。
TRIPS協定では第3条に内国民待遇、第4条に最恵国
待遇が規定されています。つまり両方規定されています。
タグ:解説
2016年01月18日
超初心者向け知的財産のお話 知財検定過去問題 その8
かえるくんです
引き続き平成27年7月の3級学科の過去問題です
Q7、特許権のライセンス契約で独禁法に抵触する場合です。
ア ライセンスに係る製品の販売価格をライセンサーが制限する
こと
販売価格の制限は独禁法違反です。
イ ライセンスに係る製品の販売地域と販売期間をライセンサー
が制限すること
不当なものでない場合、抵触しない可能性があります。
ウ ライセンスに係る製品の競争技術の研究開発をライセンサー
が禁止すること
研究開発を禁止することは当然、独禁法違反です。
知財検定ではブラックな選択枝にグレーを混ぜて回答させる問題
がほぼ毎回出題されます。注意しましょう。
Q9、拒絶理由通知を受けた場合の対応についてです
ア 手続補正書を提出する。
通常はこの手続きをします。
イ 不服審判を請求する。
拒絶査定が出ているわけではないので請求できません。
ウ 特許出願を分割する。
補正できないと判断したとき、ダメそうな請求項を分離して
分割出願することが出来ます。
この判断は拒絶査定が出た後もできます。
Q10、商標登録出願についてです。
ア 他人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に
広く認識されている商標に類似する商標であって,その
商品に類似する商品を指定商品とする場合には,商標
登録を受けることができる。
「商標が類似、商品も類似」のパターンなので登録されま
せん。どちらかが非類似であれば登録可能です。
ちょっと、かえるくんの感想ですが、わかり辛い文書の時
があります。A社、B社などと置き換えて考えると理解
しやすいかもしれません。
イ その商品の普通名称を普通に用いられる方法で表示する
標章のみからなる商標について,商標登録を受けることは
できない。
その通りです。特に標章は全国的に周知されているもので
商標より強い防御力を持っているので、それのみからなる
商標は登録されません。
ウ 公序良俗を害するおそれがある商標について,商標登録を
受けることはできない。
その通りです。
次回も続きです。
タグ:第21回知財検定
2016年01月17日
超初心者向け知的財産のお話 知財検定過去問題 その7
かえるくんです
今回から平成27年7月実施の3級学科より抜粋してお話します。
Q1、出願審査請求についてです
ア 特許出願人以外の者が出願審査請求をすることができる。
その通りです。審査料は請求した人が払います。
イ 特許出願人は,特許出願と同時に,出願審査請求をすること
ができる。
その通りです。
ウ 特許出願人は,出願審査請求を取り下げることができる。
一度、出願審査請求したら特許出願人でも取り下げできません。
特許自体を取り下げることは出来ます。
Q2、商標法に規定される制度についてです
ア 更新登録申請制度
イ 登録異議申立制度
ウ 審査前置制度
商標に審査前置制度はありません。特許とは違います。
Q3、著作権の定義についてです。
ア 著作物とは,思想又は感情を創作的に表現したものであって,
いわゆる文化の範囲に属するものをいう。
イ 著作物とは,思想又は感情を創作的に表現したものであって,
産業の発達に寄与するものをいう。
ウ 著作物とは,思想の創作のうち高度のものであって,いわゆる
文化の範囲に属するものをいう。
著作権は産業の発達と無関係ですし、高度である必要もあり
ません。よってアが正解です。
Q5、著作権の移動についての問題です。
ア 著作者人格権と一緒であれば,第三者に著作財産権を譲渡
することができる。
イ 著作物の創作と同時に著作権が発生する。
ウ 出版権を設定できるのは,複製権又は公衆送信権を有する者
である。
著作者人格権は移転できません、また出版権を設定できるのは
あくまで著作権者です。よってイが正解、無方式主義ですね。
2016年01月16日
超初心者向け知的財産のお話 知財検定過去問題 その6
法律資格・公務員試験のスクール【伊藤塾】
かえるくんです
引き続き平成27年3月 3級学科の過去問題です。
Q18、商標登録出願の審査についてです。
ア 商標を使用する意思を有していなくても商標登録を受けること
ができる。
使用する意思のない商標は登録されません。うそをついて登録
しようとして、審査官が疑義を持った場合、意思確認を行うことも
あります。
イ 商品の品質を表示する文字のみからなる商標を使用し続けた
結果,商標登録を受けることができる場合がある。
「品質を表示する文字のみの」と「品質を表示する文字のみから
なる」は違います。
また、長年使い続けて周知されている商標は登録の対象になる
ことがあります。除斥期間として5年が設けられています。
参照ください
ウ 商標が使用により需要者の間に広く知られたものとなっていて
も,商標登録出願の審査を受けなければ商標登録はされない。
イの説明どおり、周知になっていれば登録の可能性があります。
Q22、弁理士の業務についての問題です。
ア 弁理士は,意匠権に関するライセンス契約の代理をすることは
できない。
ライセンス契約の代理は代表的な独占業務です。
イ 弁理士は,独占禁止法に関する公正取引委員会における手続
について,代理人になることができる。
弁理士の独占業務に上記の業務はありません。
ウ 弁理士は,審決取消訴訟の代理人になることができる。
そのとおりです。
Q25、PCTの国際出願についてです。
ア 出願人は,国際出願日から18カ月以内に国際調査の請求を
しなければならない。
国際調査は勝手に行われます。国際予備審査は請求に基づき
行われます。
イ 出願内容は,優先日から18カ月経過後に各指定官庁により
国際公開される。
国際公開はWIPOにより行われます。
ウ 出願人は,原則として優先日から30カ月を経過する時までに
各指定官庁に対し,所定の翻訳文を提出しなければならない。
そのとおりです。
Q30、種苗法の育成者権に関する問題です。
ア 育成者権者の許諾を得ることなく登録品種の種苗を生産する
行為は,育成者権を侵害する可能性がある。
そのとおりです。
イ 育成者権者から登録品種の種苗を譲り受けた後に,さらにその
譲渡された種苗を第三者に譲渡する行為は,育成者権を侵害
することになる。
譲り受けた種苗を譲渡するのは問題ありませんが、その種苗を
繁殖させて販売するのは侵害となります。
ウ 育成者権者は,登録品種の名称を業として独占的に利用する
権利を専有する。
登録品種を独占的に育成販売できる権利です。
登録品種と同一もしくは類似の名称は、商標登録されませんが
商標登録された名称を商品(農作物)につけることはできます。
なので、品種名の独占を種苗法は許していません。
種苗法と商標法は、お互い同じ名称を登録させないように配慮
しています。
参照ください
2016年01月15日
超初心者向け知的財産のお話 知財検定過去問題 その5
かえるくんです
引き続き平成27年3月実施の3級学科の過去問題です。
Q9、映画の著作権の問題です、頒布といったら映画です。
ア 譲渡と貸与の性質を備える。
イ 上映と譲渡の性質を備える。
ウ 貸与と上演の性質を備える。
映画の著作権だけには頒布権があります。
頒布権は譲渡権+貸与権の権利なのでアが正解です。
Q12、商標権に関する問題です。
ア 商標権の設定登録後1年を経過する前であっても,登録商標
の不正使用を理由とする不正使用取消審判を請求することが
できる。
そのとおりです。
イ 商標権は,その一部の指定商品を分割して他人に移転するこ
とはできない。
一つの商標で複数商品をできます。それを分割して権利移転
することができます。
ウ 自己の商標権に係る禁止権と他人の商標権に係る禁止権とが
重複する範囲について,当該他人は登録商標を使用することが
できる。
できません。
禁止権とは、類似する商標を使わせない排他的権利です。
ですので「類似ゾーンは、自分が使ってよいゾーンではなく、他人
の商標登録を排除できるに過ぎません。
Q13、パリ条約に関する問題です。
ア 同盟国間の不平等を生じないよう,各同盟国の特許要件は
同じである。
パリ条約は、各国特許の独立をうたっているので同じでは
ありません
イ 優先権の主張の基礎となる第一国の特許出願を取り下げた
場合には,優先権の主張を伴う特許出願をした他の国におい
て特許出願が無効となる。
第一国の出願は、出願日を確定する為のものなので、拒絶査定
になっても、取り下げても、第二国以降への出願が無効に
なったりはしません。
ウ 同盟国の国民は,優先権の主張の基礎となる第一国の特許
出願を,自国の特許庁ではなく,他の同盟国の特許庁へ出願
することができる。
そのとおりです。
Q14、意匠権に関する問題です。
ア 意匠権の存続期間は,設定登録の日から15年で終了する。
但し,出願の日から20年を超えることはできない。
意匠の存続期間は登録から最大20年です。
イ 秘密意匠の意匠権の秘密期間は,意匠公報発行の日から3年
以内の期間を指定して請求した期間となる。
秘密意匠は設定登録の日から最大3年、意匠広報の図面部分が
非表示となります。説明文は意匠広報に掲載されます。
ウ 意匠権は,登録査定を受けた後,第1年分の登録料を納付し
設定登録がなされると発生する。
そのとおりです。
2016年01月14日
超初心者向け知的財産のお話 知財検定過去問題 その4
かえるくんです
3月13日の知的財産管理技能検定にむけて、過去問題を中心に
進めてゆきます。
今回は平成27年3月の3級学科から抜粋します。
Q1、特許侵害の警告を受けた場合の対応についての問題です。
ア 冒認出願を理由とする特許無効審判は,当該特許に係る発明
について特許を受ける権利を有する者でなければ請求すること
ができない。
そのとおりです。冒認出願とは本来特許を受ける権利がない人が
出願することで、当然ながら文句を言えるのは、本来の権利者です。
イ 特許庁の審査官が作成した特許技術評価書を提示しなければ,
特許権者は権利行使をすることはできない。
特許技術評価書というものはありません。これは実用新案の話です。
ウ 特許権者が,特許発明を継続して3年以上使用していない場合は,
特許不使用取消審判の請求が可能である。
不使用取消審判は、商標に限るものです。特許を商標に置き換えれば
正解となります。
Q2、創作非容易性を満たさない意匠を選ぶ問題です。
ア 視覚に訴えるものと認められない意匠
イ 公知意匠が繰り返し連続する構成要素の単位の数を増減した意匠
ウ 物品の機能を確保するために不可欠な形状のみからなる意匠
イが創作非容易性を満たさない意匠です。アもウも別な要件
を満たさないので意匠とは認められません。
機能を具現化しただけでは意匠とはなりません。それが認められ
たら、その機能を第三者が使えなくなってしまいます。
Q3、もっとも商標登録されえないものを選ぶ問題です。
知財検定では、こうした問題が多いです。
ほとんどの選択肢が登録される可能性が低いもので、
絶対に登録されないものを選び、登録の可能性が少しでも
ある選択肢は選ばないことが大切です。
ア 匂いのみからなる商標
匂いの商標はありません。昨年から音の商標はできました。
イ 立体的形状のみからなる商標
立体商標は認められてます。不二家のペコちゃん人形がそれです。
ウ 記号のみからなる商標
これが引っ掛けです。「記号のみ商標」ならアウトですが、
「記号のみからなる商標」なら組合せ次第で独創性が付与
される可能性があります。
Q6、著作権に関する問題です。
ア 創作後,文化庁に登録することで著作物として認められる。
著作権は著作した瞬間に発生します(無方式主義)、登録は
あくまで権利の移転などのときに有効なだけです。
イ 著作物は,思想又は感情を創作的に表現したものでなければならない。
そのとおりです。
ウ コンピュータ・プログラムは技術的な成果なので著作物ではない。
コンピュータ・プログラムは著作物です。コンピュータ言語は著作物
ではありません。”プログラム”は”言語”を使って創作したものです。
Q8、新規性喪失の例外についての問題です。
ア 特許を受ける権利を有する者の自己の行為に起因して新規性を
喪失した発明について,新規性喪失の例外の規定の適用を受け
ることができない。
このような時に、所定の手続きで新規性喪失の例外の適用をうけ
ることができます。
イ 特許出願人がした特許出願に係る公開特許公報に掲載された発
明について,新規性喪失の例外の規定の適用を受けることができ
ない。
公開特許公報に掲載された場合は公知となります。そのとおり。
ウ 新規性喪失の例外の規定の適用を受けることができるのは,日本
国内で新規性を喪失した発明に限られる。
日本では現在、世界公知(世界のどこかで公知となったら、それは
公知と扱う)を採っているので×です。
2016年01月12日
超初心者向け知的財産のお話 その57
かえるくんです
商標権のお友達的存在・・・の一応、最後です。
【地域団体商標と地理的表示(GI)】のお話です。
地域団体商標と地理的表示は別物ですが、同時に取得する
ケースもあるので併せてお話します。
【地域団体商標制度】は地域ブランド作りを応援するために
平成18年にスタートした制度です。
通常は認められない「地域名+商品名」という商標を認めて
早期に商標として登録できるのが特徴です。
地域団体商標の登録要件として以下3点が求められます。
@商標が【地域名+商品名」であること(商標の構成)
A生産者団体が農協、漁協等の組合、商工会、商工会議所
NPO法人であること(登録主体)
B地理的表示が生産者団体及びその構成員が使用する商標
として需要者間で広く知られていること(周知性)
具体例では
北海道・十勝清水町農協の【十勝若牛】
青森県・プロジェクトおおわに事業共同組合の【大鰐温泉もやし】
広島県・府中家具協同組合の【府中家具】
などがあります。
商標の一種であるのでマドリッドプロトコルも利用できます。
【地理的表示(GI)保護制度】は生産地と結びついた特性をもつ
農林水産物等の名称を品質基準とともに登録し地域の共有財産
として保護する制度です。こちらは特許庁ではなく、農水省です。
地理的表示の登録要件は
@産品が農林水産物、飲食料品等であること
Aその産品が生産地と結びついた特性を有していること
B産品が有する特性や生産方法を明確に定め、団体が品質管理
をしていること
Cその産品が一定期間(概ね25年)継続生産された実績があること
です。
登録されれば、GIマーク(義務)を産品に付与することになります。
取り消しにならなければ、半永久に不正使用に対しては国が取締まり、
禁止してくれます。国のお墨付きが受けられるんです。
ですが、デメリットというか注意点もあります。
@地域共有の財産となるので団体などで独占できません
A指定産品の生産工程管理業務が義務付けられます
国からのチェックを受けます。
BGIマークを必ず付与しなければなりません
以上、2つの制度について、お話しましたが両方併用することもできます。