2021年11月03日
【COP26】岸田首相、演説で、ゼロエミッションの推進を表明。ゼロエミッションについて分かりやすく紹介
2021年11月2日岸田文雄首相は、英北部グラスゴーで開かれた国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議の首脳級会合で演説しました。
首相は「アジア全体のゼロエミッション(温室効果ガス排出ゼロ)化を力強く推進する」と述べ、途上国などの気候変動対策支援に今後5年間で最大100億ドル(約1兆1000億円)を追加拠出すると表明しました。
今回は、岸田首相が表明した「ゼロエミッション」について紹介します。
【目次】
1,火力発電のゼロエミッションとは?
2,ゼロエミッションの意味は?
3,CO2削減につながるCCUSとは?
4,国や企業のゼロエミッションへの取り組みを
5,最後に
【火力発電のゼロエミッションとは?】
火力発電のゼロエミッションとは、単純に火力発電を廃止するのではなく、日本が実用段階に高めつつある新技術の石炭とアンモニアを一緒に燃やして二酸化炭素排出量を抑えるなどの方法のことです。
【ゼロエミッションの意味は?】
ゼロエミッションとは、1994年に国連大学により提唱された考え方です。
エミッションには「放出・排出」などの意味があり、生産活動から排出される廃棄物をリサイクルすることで埋立処分量ゼロを目指すというのが基本的な考え方です。
日本においては廃棄物ゼロも含め、温室効果ガス排出量がゼロの社会を意味する言葉としても使用されています。
【CO2削減につながるCCUSとは?】
排出されたCO2を資源として再活用するネガティブエミッション技術に大きな注目が集まっています。
CO2排出量を削減すると同時に、資源循環型社会の構築につなげることができます。
CCUSと呼ばれるネガティブエミッション技術があります。
CCUSはCarbon dioxide Capture,Utilization and Storageを略したもので、二酸化炭素の回収、有効活用、貯留という意味があります。
CCUSとは、産業活動により生じた排気ガスから二炭化炭素を分離・回収し、資源として有効利用したり地下の地層に貯蓄する技術のことを指します。
CCUSを活用することには大きく3つのメリットがあります。
・CO2排出量の大幅削減
・炭素の循環利用が可能に
・水素とCO2からメタンを製造することで再生可能エネルギーの余剰電力の貯蔵が可能に
【国や企業のゼロエミッションへの取り組みを】
気候変動問題の原因とされるCO2排出量実質ゼロを目指すゼロエミッションは、国や自治体、企業が主体となり普及が進んでいます。国と東京都が実施している事業について、いくつか紹介します。
《東京都》
東京都は「ゼロエミッション東京」を掲げ、2050年までに世界のCO2排出実質ゼロに貢献できる自治体になることを目標にしています。
具体的にどのような対策を講じるかについて、2019年12月に「ゼロエミッション東京戦略」を策定し、その後公表しています。
ゼロエミッション東京戦略は3つ柱とし、企業や地域だけでなく都民に対しても家庭内でできるゼロエミッションを推進しています。
東京戦略は3つの視点を柱にしています。
・気候変動を食い止める緩和策と、既に起こり始めている影響に備える適応策を総合的に展開すること
・資源循環分野を本格的に気候変動対策に位置づけ、都外のCO2削減にも貢献すること
・省エネと再生可能エネルギーの拡大策に加えて、資源循環分野や自動車環境対策などを含むあらゆる分野の取組を強化すること
《新日本繊維株式会社》
新日本繊維株式会社は千葉県にある価値創発企業です。
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が実施する「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発」のプロジェクトにおいて、石炭利用環境対策推進事業や石炭灰を主原料とした新規なリサイクル連続長繊維の応用研究が認められ、ゼロエミ・チャレンジ企業に選出されています。
《長瀬産業株式会社》
長瀬産業株式会社は、大阪と東京に本社を置く化学品専門商社です。
カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発と、植物等の生物を用いた高機能品生産技術の開発が認められゼロエミ・チャレンジ企業に選出されています。
《横河電機株式会社》
横河電機株式会社は東京都にある、工業計器とプロセス制御を専業とする大手電機メーカーです。
航空機用先進システム実用化プロジェクト、 地熱発電技術研究開発、地熱発電と温泉との併用を目指した温泉モニタリングシステムの実証試験の3つの取り組みが評価され、ゼロエミ・チャレンジ企業に選出されています。
【最後に】
これからの時代は、日常生活や企業活動のあらゆる場面で、ゼロエミッションという言葉、頻繁に使われたり、影響してきます。
基本的には、CO2の排出削減と資源の再利用(リサイクル)などでの有効活用がメインとなると思われます。
使い捨ての時代からリサイクル、省エネ、ゴミを出さない時代に変化していきますので、皆さんの生活の中でも見直しが求められる重要なテーマになると思います。
今回のブログは、以上です。
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