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あくまで自分が後で見返すため様なので抜けや正確でない事も含まれる可能性があります。

なぜ、中小企業診断士の勉強をしようとしたのか?

専業のデイトレーダーになり時間を持て余している為、何か資格の勉強をしようと始めました。

学習内容に以下がある事から中小企業診断士を選択。
@企業の業績や投資対象としての評価方法
A事業などの基本的な進め方や評価の方法
B簿記的な要素

@については投資をしている為、既に最低限は知識がある事。
また、投資にいかせる内容があるかも知れない事。
Aについては、小売業で店を運営していた為、ある程度の知識や経験がある事。
投資で余剰資金が出来たら店舗や事業を買収して自分で経営したい事。(今の所前途多難です)
Bについては、はるか昔だが日商簿記1級を取っているので少しは知識がある事(かなり忘れていますが)
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2023年08月15日

1-1 経営と戦略の全体像

ここからは暗記ポイントのみ記録


●企業の前提

ゴーイングコンサーン:企業は継続していく必要がある

オープンシステム:外部環境との相互作用がある仕組み

ステークホルダー:利害関係者(外部環境の関係者)


●企業活動の構成

経営理念⇒ビジョン⇒(戦略:企業戦略⇒事業戦略⇒機能戦略)⇒経営計画

・経営理念:存在意義や目的・社員のモチベーションを高める・判断基準になる・コミュニケーションのベースとして役に立つ

・ビジョン:企業の望ましい将来像・企業が目指す目標

・経営戦略:企業が外部環境に適応しながらビジョンを達成する・競争優位を獲得

@企業戦略(成長戦略):企業全体

A事業戦略(競争戦略):個別の事業ごとの戦略

B機能戦略:研究開発、人事、財務、生産、マーケティングなど様々な機能ごと

・経営計画:経営計画は、戦略をより具体化:いつ、だれが、何を行うのか
中期経営計画:3年

長期経営計画:5年以上


●経営計画の見直しと留意点
ローリングプラン毎年計画を見直すと決めておいて運用

コンティンジェンシープラン(シャドープラン):不測事態に備えた計画:リスクが現実に発生した場合にどうするかをあらかじめ決めておく

・関連キーワード:分析麻痺症候群(分析ばかり行っていて、行動に移されない)


●マネジメントサイクル

PDSサイクル:Pian,Do,See:計画、実行、評価

PDCAサイクル:Plan,Do,Check、Action:計画、実行、評価、改善


戦略の策定

SWOT分析
・内部環境:S強み・W弱み(Strength・Weakness)
人、モノ、金、ノウハウ、ブランド

・外部環境:O機会・T脅威(Opportunity・ Threat)
マクロ環境:経済動向、法律・政治的な動向、技術動向など、自社に関係なく存在
ミクロ環境:顧客と競合、自社に固有の環境要因

3C 分析:Company(カンパニー)、Customer(カスタマー)、Competitor(コンペティター):自社、顧客、競合



戦略のポイント

ポジショニングベース型:外部要因を重視
ポーター(マイケル・E・ポーター): 5 フォースやバリューチェーン

リソースベース型:企業の内部の資源を重視
バーニー(ジェイ・B・バーニー):


競争優位をもたらす経営資源

●バーニーは、「VRIO 分析」というフレームワークを提唱し、持続的な競争優位を築くための経営資源の要件を整理
・Value(経済的価値)
その経営資源が経済的価値を生み出すか?

・Rarity / Rareness(希少性)
その経営資源は希少性があるか?

・Inimitability:(模倣困難性)
その経営資源は真似されにくいか?

・Organization(組織能力)
その経営資源を生かすための組織・体制があるか?

ノウハウや、技術力、ブランド、顧客の信用といった無形資産は、希少性(R)が高く、模倣(I)がされにくい


●コアコンピタンス

:他社が真似できない自社ならではの中核となる能力
ハメルとプラハラードという学者が提唱

・「顧客に価値を提供するのに役立つ」、「他社が真似しにくい」、「様々な用途に広く展開できる」


●ケイパビリティ

:「企業が持つ組織的能力」もしくは「企業が得意とする組織的能力」

・スピードや、高品質、顧客対応の良さなど、組織全体として優れている能力



2023年08月16日

1-1-2 経営と戦略の全体像 補足

• 経営資源と競争優位性

VRIO分析(バーニー)
右矢印1 持続的な競争優位を築くための経営資源の要件
・Value(経済的価値):経営資源が経済的価値を生み出すか
・Rarity(希少性):経営資源は希少性があるか
・Inimitabity(模倣困難性):経営資源は真似されにくいか
・Organizathion(組織能力):経営資源を生かすための組織・体制があるか



経路依存性/因果曖昧性
右矢印1 競争優位につながりやすい経営資源の性質
●経路依存性経験の積み重ねが無いと蓄積できないか
      :同様の経験(経路)を経ないとつく席できない場合は模倣困難
例)企業のノウハウ・ブランド

●因果曖昧性競合から見て、模倣対象の企業の経営資源と競争優位の因果関係が分かりにくいか?
多数の要因が複雑に絡み合うことで競争優位につながっている場合、模倣困難
例)トヨタの生産方式(現場での改善や企業文化など)



• 情報的経営資源

【経営資源の累計】
有形:人・物・金
無形:企業内部(ノウハウ・技術・熟練・顧客情報)
   企業外部(信用・イメージ・ブランド)
情報的経営資源
特異性・競争優位性の源

【情報的経営資源の特徴】
・金銭で買えない:信用、イメージ、ブランドなどは自社で構築する事が基本。
        (VRIO分析の希少性、模倣困難性)

・作るのに時間がかかる:ノウハウ、ブランドなど
        (VRIO分析の模倣困難性)

複数の製品や分野で同時に利用可能:有形資源と違い、同時多重利用が可能
例)中核技術を複数の製品で利用・ ブランドイメージを商品群で活用

・他社が真似しにくい:経験の積み重ね(経路依存性)
       模倣しやすい経営資源(設計図、マニュアル)
      ⇒対策:特許・商標
     

2023年08月17日

1-2 企業戦略

企業戦略とドメイン

●ドメイン:事業を行う領域(誰に、何を、どのように提供するか)
・意思決定を明確にできる、経営資源を集中できる、組織を一体化できる

●企業ドメインと事業ドメイン

●ドメインの定義方法
・物理的な定義:物として定義(鉄道)
顧客の視点が無くなる:マーケティング・マイオピア

・機能的な定義:コトとして定義(運輸業)

・ドメインの切り口:市場(顧客)軸・機能軸・技術軸

多角化戦略

・関連多角化:開発技術、製品用途、流通チャネル、生産技術、管理ノウハウを共有する多角化:シナジー効果が高い

・非関連多角化:事業間の関連性が希薄な多角化

●アンゾフとルメルトの分類
・アンゾフ:多角化戦略を水平型多角化、垂直的多角化、集中型多角化、集成的多角化に分類
水平型多角化:現在の顧客と同じタイプの顧客に対する新製品投入、
垂直的多角化:現在の製品の商流の川上、川下に対する多角化
集中型多角:現在の製品と関連する商品の新市場への投入
集成的多角化:コングロマリット型多角化といわれ、現在の製品や既存の顧客のいずれにも関係がない新製品を新市場に投入する多角化です。

・ルメルト:多角化戦略を集約型と拡散型に分類
集約型:事業間のシナジーを重視したもの
拡散型:現在有する経営資源を踏み台として新分野に連鎖的に進出する


●アマゾフの成長ベクトル
・製品軸(既存・新規)

・市場軸(既存・規制)

【拡大化戦略】
・浸透戦略:製品既存・市場既存:販促など

・新製品開発戦略:製品新規・市場既存:現在の市場に新商品

・新市場開拓戦略:製品既存・市場新規:通販のみが店舗販売もなど

【多角化戦略】:製品新規・市場新規:新製品を新市場
・新しく成長を図る
・リスク分散
・組織スラックを活用(余剰資源)
・シナジーの追求


●外部誘因:既存事業の成長率停滞、需要の不確実、他の業界に魅力

●内部誘因:シナジー効果、組織スラック活用

範囲の経済(スコープ・メリット):事業間で技術や生産設備、販売チャネル、ブランドなどを共有

規模の経済性(スケール・メリット):生産規模によるコストダウン

・相乗効果(シナジー効果):情報的資源(ノウハウ・技術・顧客情報・ブランド等)多重利用で成果を生み出す。掛け算的効果

・相補効果(コンプリメント効果):経営資源を補い合う事で需要変動や資源調達の問題に対処する。足し算的効果


●PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント):戦略事業単位(SBU)で管理。
・市場成長率・相対的シェア
問題児⇒    花形      ⇒金のなる木   ⇒負け犬
導入 ⇒    成長(売上大) ⇒成熟期(利益大)⇒衰退
投資 ⇒売上も大きいが投資も莫大⇒収益最大    ⇒事業継続か見極め

PPM2つの前提
・経験曲線効果:生産量増、1製品当たりのコスト減
・製品ライフサイクル:導入期、成長期、成熟期、衰退期

・PPMの問題点:財務の視点のみ(人材・技術)。過去のデータ分析で将来の戦略は難しい。負け犬事業のモラールが低下する。シナジーが考慮されていない

・ビジネススクリーン(PPMの改善版):市場成長率の代わりに産業魅力度、市場シェアの代わりに
競争地位
という軸を使う。


●M&A:企業の合併と買収

・水平統合:同業の会社:規模のメリット

・垂直統合:部品・製造・卸売・小売りなど川下と川上の統合:内部市場・官僚制・クラン・スポット市場契約・完備契約・逐次契約・関係性に基づく契約

・水平+垂直は多角的統合

●M&Aの手法
TOB:株式公開買い付け(敵対的・友好的)
MBO:現在の経営陣が事業を買収(ファンドから資金調達が多い)
MBI:企業の外部経営陣による買収
LBO:企業の資産や将来性を担保に金融機関から資金調達。

●M&Aの効果
・企業のメリット:時間・人材・技術が買える。
・企業のデメリット:事前評価が難しい。組織統合が難しい。ステークホルダーの利害が異なる場合がある。

●買収防衛策
ポイズンピル:敵対的買収時付与される新株予約権をあらかじめ付与
クラウンジェル:魅力的な事業や資産を売却してしまう。
ゴールデンパラシュート:取締役の退職金を高額にしておく。
ホワイトナイト:友好的な第三者に買収してもらう。



事業再構築

アウトソーシング:外部に業務委託:経営資源をコアコンピタンスに集中(アウトシースした業務のノウハウが蓄積できない)

リストラクチャリング:事業構造を再構築:企業全体が対象

リエンジニアリング(BPR):業務プロセスを抜本的に見直す:業務のプロセスが対象




1-2-2 企業戦略 補足

• 規模の経済性と似た概念

●規模の経済性:固定費が下がりコスト安(電力・製鉄)


●範囲の経済性:仕入や流通面(コンビニとスーパー)


●経験曲線効果:累計生産が増えるとコスト安(習熟・改善・市場シェア)



• プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)

●相対的シェアが高い
・経験曲線効果によりコスト安
・累計生産量が増える
・習熟や改善によりコスト安

●相対的市場シェア
・経験曲線効果以外の効果は配慮されていない
(範囲の経済・事業間のシナジー)

●市場成長率が高い
・製品ライフサイクルで大きな開発投資が必要
・製品ライフサイクル:成長期
・成長期に投資しないと事業が成長しない(シェアが増えない)



2023年08月18日

1-3 事業戦略

業界構造分析

【5つの競争要因】(ファイブフォース)
・ポーターが提唱

・「既存業者の敵対関係」「買い手の交渉力」「売り手の交渉力」「新規参入の脅威」「代替品の脅威」


【既存業者の敵対関係】
・業界内の競合他社
(競合が多い、規模が近い、成長率が低くシェア争い、差別化が出来ていない、固定費が高く価格競争になりがちな業界)

【買い手の交渉力】
・強力な購買力を持った買い手⇒値下げ

【売り手の交渉力】
・寡占業界の場合は、売り手の交渉力が高まる
(独自の技術や製品を持っていると、高い価格を受け入れざるを得ない)

【新規参入の脅威】
・参入障壁が低い業界では、新規参入してくる可能性が高い
(独自で高度な技術が必要な場合、大規模な設備投資が必要、流通チャネルが排他的な場合

【代替品の脅威】
・ユーザーニーズを満たす既存製品とは別の製品
(レコード⇒CD)

【戦略グループと移動障壁】
・戦略グループ:同じ業界に存在する同じ様な戦略の企業
・移動障壁:戦略グループを移動する時の障壁

〈撤退障壁〉
・雇用、コスト、財務的、既存事業との関係、取引関係者との関係、心理的な問題(従業員)、責任問題



競争優位の戦略

【3つの基本戦略】
・コストリーダーシップ戦略:業界全体、低コスト:市場シェア・生産量を増やす
・差別化戦略:業界全体、差別化により競争優位を築く:機能・品質・デザイン、顧客サービス、ブランドイメージ
・集中戦略:特定のセグメントに競争範囲を狭める(コスト集中戦略・差別化集中戦略)


【価値連鎖(バリューチェーン)】
・主活動:購買物流⇒製造⇒出荷物流⇒マーケティング・販売⇒サービス

・副活動:全体管理、人事・労務管理、技術開発、調達活動


【競争地位別の戦略】
・コトラー提唱

リーダー:市場を拡大:ナンバー1シェア:フルライン戦略

チャレンジャー:リーダーに挑戦:リーダーに次ぐシェア:リーダーと差別化

ニッチャー:特定の市場:小さい市場でミニリーダー:集中戦略

フォロワー:模倣して追随:リーダー・チャレンジャー・ニッチャー以外











2023年08月19日

1-3-2 事業戦略 補足(スピードに関する競争優位)

先発優位(先行者優位)
:参入の速さ
【メリット】
・カテゴリーの代名詞になり顧客の心理で参入障壁を作れる

・顧客の囲い込み(スイッチングコスト)

・技術のリーダーシップ(特許やデファクトスタンダードの確立)

・希少資源を先取り(人材、資源、立地など)

・経験曲線効果を早く実現でき、コスト優位。

【デメリット】
・多額の研究費、広告宣伝費、高い技術力、

・後発者に模倣される。


後発優位(後発者の優位性)

・需要の見極めをしてから参入できる。

・模倣によりパイオニアコスト(研究開発費、広告宣伝費)が節約

・技術・市場の変化に対応しやすい。


その他

●速度の経済性
・事業経営の速さを上げる事で得られる経済的便益。

●タイムベース競争
・速度を上げる事で優位性を築く。時間をめぐる競争

・いかに早く競争力のある製品を開発し供給するか

2023年08月20日

1-4 現代の戦略

技術経営(MOT)

【イノベーション】
・定義:製品自体の革新だけでなく、生産工程の革新も含まれます。

プロダクト・イノベーション:製品自体の革新

プロセス・イノベーション:生産工程の革新

・イノベーションのライフサイクル:技術革新のS字カーブ
試行錯誤(ゆっくり)⇒技術が確立(一気に進む)⇒成熟(ゆっくり)
→次の技術、、前の技術とは不連続


【生産のジレンマ】
・製品革新と工程革新の観点から生産単位の進化過程

@流動化段階:ドミナントデザインの確立まで

A成長段階:製品革新の頻度が減少しつつ工程革新が進む段階

B特定化段階:製品革新は末端技術に限られ、工程革新も成熟した段階


【イノベーションのマネージメント】
●持続的イノベーション(インクリメンタルイノベーション)
・S字のイノベーション
・既存の主流顧客の要望に応えて進化

●破壊的イノベーション(ラディカルイノベーション)
・後発技術に切り替わる時
・新しい価値を持った顧客層

●イノベーションのジレンマ:前の世代のリーダー企業は、次の世代の破壊的イノベーションに対応出来ないという現象が良く起きる事。


【製品アーキテクチャ】
・製品の設計思想

●製品アーキテクチャの種類
・インテグラル型(すり合わせ):個々の部品を細かく調整して1つの製品を作る。
メリット:全体として最適・模倣困難
デメリット:進化に時間がかかる。調整コストがかかる。

・モジュール型:部品をモジュール単位で作り、インターフェースでで連結し製品を作る。
メリット:モジュールを自由に組み合わせる事で様々な製品が作れる。調整コストが低い。
デメリット:製品に無駄が多い。インターフェースの進化に時間がかかる

・オープンアーキテクチャ戦略
製品アーキテクチャやインターフェースを公開しモジュールを提供する企業とネットワークを作る戦略
製品が迅速に進化、少ない投資

【デファクトスタンダード】
事実上の業界標準
デジュリスタンダード公的に定められた標準
・ネットワーク外部性:利用者が増えれば増えるほど効用が高まる(電話、ビデオ、ネット市場など)

【ベンチャー企業のマネジメント】
・一般的に、新技術などでイノベーションを起こして急成長を志向する若い企業

・シード期:準備段階

・スタートアップ期:起業後、事業が軌道に乗るまで:先行投資、通常赤字:スイートマネー、エンジェル、ベンチャーキャピタル

・急成長期:陳知度が高まり急速に成長:黒字に転換:ベンチャーキャピタル、政府系金融機関

・安定成長期:認知度が確立:収益性が最も高い、成長は鈍化:民間の金融機関、IPO(株式公開)


【補足】
・投資事業有限責任組合:業務を執行する組合員は無限責任。投資をするだけの組合員は有限責任

・エフェクチュエーション:手段からスタート
@手中の島の原則:目的ではなく手段から始める事
A許容可能な損失の原則:あらかじめ許容できる損失を決めてから始める
Bクレイジーキルトの原則:様々な関係者と協力しながらパートナーシップを作り上げていく事
Cレモネードの原則:予期せぬ事態を回避するのではなく、偶然の出来事を活用する事
D飛行機の中のパイロットの原則:予測では無くコントロール可能な活動に集中し望ましい成果を得る事


【ベンチャー企業の直面する課題】
魔の川(デビルリバー):基礎研究を製品化

・死の谷(デスバレー):製品開発段階を事業段階(量産化、採算)

・ダーウィンの海:競合企業との競争

Jカーブ曲線;ベンチャーのキャッシュフロー


【社内ベンチャー】
・目的:@新規事業への進出Aチャレンジ精神を持つ人材の育成B社内の既存資産の有効な活用
メリット:経営資源の有効活用(人材、設備、資金、販路、ブランド、信用):リスクがベンチャーよりは少ない
デメリット:組織的な承認が必要で時間がかかる、既存事業を脅かすビジネスは認められない。


【イノベーションの種類】
●オープンイノベーション:企業の枠組みを超えて外部の知識・技術・開発力なども活用:異業種企業との提携・産学官連携・大企業とベンチャーの共同研究
●クローズドイノベーション:社内だけ

●リバースイノベーション:新興国で開発し先進国にも事業展開



提携戦略

●ネットワーク組織:複数の企業が集まって仮想的な企業(バーチャル企業)として競争していく組織

●戦略的提携:2つ以上の企業が連携し事業を推進
・合弁会社の設立(ジョイントベンチャー):複数の企業が共同で新規事業を推進したい時:M&Aに比べて投資資金が少ない
・共同研究と産学官連携:共同での研究開発:大学の研究を企業が商品化

TLO(技術移転機関):大学の研究成果を特許化し企業に技術移転するための法人

●クロスライセンシング:特許権などをお互いに使用:ライセンス料のコストを抑える

【プラットフォームビジネス】
・取引の場を提供(ネット市場やネットオークション、人材マッチング、不動産仲介、中古車の仲介)

【産業クラスター】
関連する企業や研究機関がネットワークを築いて集積している地域(シリコンバレーなど)
競争と協力をベースにしている。



国際化戦略

【国際化の段階】
●輸出入
●海外生産:現地法人、現地法人への生産委託、現地企業との提携、合弁会社の設立
●市場立地型投資:海外市場を開発する目的。生産・販売:海外ニーズに対応しやすい。海外の営業先や提携先が見つけやすい。
●グローバル化:世界中に生産拠点や販売拠点:世界を1つの市場としてグローバル化した大企業
・事業をグローバル統合
規模の経済・製品の固定費が大きい・各国の許認可などが必要無い・現地の習慣や文化への配慮の必要性が低い
・市場に個別に適応
グローバル統合の条件と逆

【国際化リスク】
●出資形態
・単独出資:100%出資:本社のコントロールが容易:投資額、経営資源が大
・合弁企業:海外のパートナー企業と出資:投資額減、パートナー企業の情報・仕入先・販路・経営資源を活用:本社のコントロールが弱い、技術・ノウハウの流出・模倣:守秘義務や模倣禁止などの規定

●立地
・価値連鎖活動(購買・生産・販売・研究開発など)が最も効率的に遂行でき連携が効率的な配置をする。
・カントリーリスク:政治や経済、社会環境、その国特有のリスク(法律・為替政策の急変、内乱など)



CSR

●企業の社会的な責任:ステークホルダーへの責任

【ディスクロージャー】
・ステークホルダーに情報を開示する。
・制度的なディスクロージャー:財務諸表、有価証券報告書
・自発的なディスクロージャー:IR活動(インベスターリレーションズ):企業の業績、将来に向けた取り組み:投資家からの資金調達


【コンプライアンス】(法令遵守)
・法令、社会的なルール、倫理

【コーポレート・ガバナンス】(企業統治)
・米国:企業は株主の物:経営者の独断を防ぐ
メリット:取締役は経営者を監視、株主が形成を支配
デメリット:短期的な利益を求める経営

・日本:企業は経営者や従業員の物と言う意識
デメリット:外部からのチェック機能が働きにくい⇒社外取締役導入、内部統制の仕組み整備(2008年上場企業は内部統制報告書を提出)、指名委員会設置会社
メリット:株主の圧力少な目、長期的視点の経営が可能


【SDGs】
・持続可能な開発目標:誰一人取り残されない、持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のため、2030年を期限とする国際目標
17のゴール、169のターゲット



1-4-2 現代の戦略 補足(オープンイノベーション、ベンチャー企業)

オープンイノベーション

【オープンイノベーションとは】
・一企業の枠組みを超え、外部の知識や技術、開発力なども活用しイノベーションを生む方法
異業種間の企業連携産学官の連携、大企業とベンチャーの共同開発

〔クローズイノベーション〕一企業でイノベーション

【オープンイノベーションの背景と狙い】
●背景
・グローバル企業の競争激化
・顧客ニーズや技術の変化のスピード
⇒クローズドイノベーションだと競争に勝てない。

●狙い:協力していち早くイノベーションを行い競争優位を築く。



ベンチャー企業の直面する課題

●基礎研究⇒(魔の川)⇒開発⇒(死の谷)⇒事業化⇒(ダーウィンの海)⇒産業化

【Jカーブ効果】
●ベンチャー企業のキャッシュフローの推移を描いた曲線

・創業〜事業化:キャッシュフローマイナス、金融機関などからの融資は困難、特に創業時は自己資金・エンジェルによる資金調達が多い、開発・生産・販売が順調に進まないと資金が尽きる

●販売が伸びる成長期以降にキャッシュフローはやっとプラスに改善

2023年08月21日

1-5 組織の構造

組織とは

・複数の人が共同で目的を達成するために必要

【組織の要素】
・バーナードは3つの要素を提唱
・共通の目的、貢献する意欲、コミュニケーション


【組織の均衡条件】
誘因が貢献以上になっている状態(誘因 ≧ 貢献)
・見方を変えれば、組織は「誘因を生み出す変換をするシステム」
・誘因≧貢献ですので誘因貢献、つまり誘因が貢献を超えなくても、組織は存続し続ける


【組織の基本構造】
経営層⇒管理者層⇒作業(員)階層:作業階層は分業化(財務、購買、生産、営業)


【組織と戦略の関係】
組織は戦略に従う(チャンドラー提唱):先に戦略があり、組織は戦略の実行手段
戦略は組織に従う(アンゾフ提唱):戦略は組織の能力や特性に規定される。



組織の設計原則

【専門家の原則】
・仕事を分業化する事により専門性を高め、仕事の効率を向上させる原則


【権限・責任一致の原則】
・権限と責任は等しくなければならないという原則:権限<責任、モチベーションの低下:権限>責任、無責任な行動


【統制範囲の原則】
・スパン・オブ・コントロール:コントロールの及ぶ範囲
・1人の管理者の管理できる人数には限界がり、それを超えると効率が落ちる。


【命令一元化の原則】
・メンバーは1人の直属の上司から命令を受ける。指揮系統の一元化


【例外の原則】
・別名、権限委譲の原則
・管理者はなるべく日常的な提携業務の意思決定を下位のメンバーに権限移譲する。
・管理者は例外的な意思決定(戦略的な意思決定)に専念する



組織形態

【組織の基本体系】
・ライン:経営の主活動(生産や販売)
・スタッフ:ラインを支援する(経営企画など管理職を支援する職能)


ライン組織
・ラインから構成される組織
・命令一元化の原則を強く打ち出した組織形態、集権的な管理が出来る。管理者の負担が増える。


ライン・アンド・スタッフ組織
・ライン組織にスタッフ機能を追加
・管理者の負担軽減、専門的な助言、スタッフはラインに権限を持たないが不明確になり命令系統が混乱しやすい。


【機能別組織(職能別組織)】:機能ごとに分業(購買・生産・販売など)成長してくると+管理スタッフ
・メリット:専門家を追求(規模の経済、経験曲線⇒業務効率が上がる)、命令一元化の原則(統制が取りやすい)
・デメリット:管理者の負担が重くなる(複数事業の場合複数事業の生産など)、組織の硬直化(別の機能との連携が上手く出来ない:官僚制の逆機能)、利益責任が不透明


【事業部制組織】:事業ごとの分権的な組織
・複数の事業に進出したり顧客層が広くなってくると、機能別組織から事業部制組織に移行していくケースが多い
プロフィットセンター:利益責任単位:事業部単位の利益責任を負う
・メリット:迅速な意思決定、トップの負担軽減、管理者としての教育や育成
・デメリット:(重複して)無駄が多く非効率的、排他的な組織として独断経営(セクショナリズム)、短期的な利益追求


【カンパニー制組織】:事業部の発展形で事業部をさらに分権化(社内分社化)
インベストメントセンター:利益だけではなく投資に対する責任も持つ組織(バランスシート経営):トップはプレジデント
・メリット:経営責任が明確になる、意思決定が迅速、経営者育成
・デメリット:カンパニー間の連携がとりにくい、実際には本社に上司がいるので独立したインベストメントセンター経営が難しい


〈純粋持株会社〉
・持ち株会社の内、自らは事業を行わずに他の会社の経営権をにぎることを本業としている会社
・企業グループ全体の戦略や企画の立案に専念。傘下の子会社はそれそれの事業に専念。


【マトリックス組織】:格子状の構造をした組織、機能別組織と事業別組織の両方のメリットを狙った組織
・縦に生産や営業など機能別の組織、横に事業部別などの組織を掛け合わせる形(2つの命令系統がある)
・メリット:機能別組織と事業別制のメリットを同時に得る事が出来る。(高い専門性と機能間での連携)人材を複数の役割で有効利用できる。
・デメリット:ワンマンツーボス(命令系統が不明確になる)(管理者の間で意見の対立や権力争いが起きやすい)


〈国際化と組織形態〉
段階に適した組織
1,輸出:輸出担当部、海外事業を設置
2,現地生産・販売:海外事業を設置
3,グローバルな事業展開:事業ごとに国内事業と海外事業を統括して行う体制。さらに、地域別と言う切り口を加え「グローバルマトリックス組織」に移行する事もある。



組織の運営

【組織のライフサイクル】
企業段階:起業家のリーダーシップ:管理活動はまだ重視されていない。
共同体段階:起業家は権限委譲し分権的な組織に:管理活動を整備していく段階
公式化段階:管理機能が発展し規則や手続きが導入
官僚制の逆機能(規則を守ることが目標になる。組織は硬直化し環境変化に対応できない)
⇒組織構造を動態化(大企業病):経営と現場の情報伝達のスピード
対策:組織の階層をフラット化(階層を減らす)、プロジェクトチーム制(タスクフォース)(日常的でない複雑な問題・課題の迅速な対応)(チーム型作業組織:チームごとにタスク、労働生活の質QWLの向上が期待)、横の連携を強化、情報共有するための仕組み構築
精巧化段階:分業と調整のバランスを追求、企業の再活性化


≪官僚制の逆機能≫
・規則や機構が目的追及を損ねている状態
@セクショナリズム:部署内の権限や利害に固執し組織全体の最適化を図る事が出来ない
A形式主義:内容よりも形式を重んずる考え方
B規則万能主義:現実の課題に対して、規則が無いからと対応できないとする考え
C事なかれ主義:問題が発生しているのに、関わろうとせず放置する事
D員数主義:本来の意図した目的に用いる事が出来ない物でも、文章上、数の帳尻を合わせて、書類上の数値があっていれば良しとする考え
E繁文縟礼(ハンブンジョクレイ):規則が細かく、手続きが煩雑なため非効率になる事
F目的置換:本来は手段に過ぎない規則や手続きが目的になってしまう事


【環境変化への対応】
組織のコンティンジュンシー理論:状況(外部環境)により最適な組織構造は異なると言う理論。
・バーンズとストーカー
安定した産業⇒官僚的組織が向いている
不安定な産業⇒柔軟な組織
・ローレンスとローシュ
不安定な環境に置かれている組織が業績を向上させるためには⇒分化と統合の2つの機能を持つ組織
コンフリクト(葛藤)解決:立場が異なる組織間でコンフリクトが発生⇒解決⇒高い業績


【不確実性への対応】
・管理者や部門間の情報処理の負荷が重くなり十分に変化に対応できなくなる可能性がある。
・対応するには:処理する情報を減らすか情報処理能力を増やす⇒スラック資源(余剰資源)を持っておく、自己完結型の組織にする(プロジェクトチームなど)
情報処理能力を増やすには:横断的な組織を設ける。情報処理システムを整備する。


〈リスクマネージメントと危機管理〉
リスクマネージメント:企業の収益獲得活動のために必要となるリスクを適切に管理することを言う。
・リスク:社内外の事業環境変化自体(マイナスだけではなく、プラスもリスク)
日常的で発生が予見でき、大よその損害額が見積れるリスクが対象
・クライシス(危機):戦争や災害の様に発生の可能性が予見困難で被害額の見積りも困難な場合を言う。
・規模などにより、リスクとクライシスは範疇が変わり重複する部分が多い
・リスクマネージメント:一般的に、@リスクの発見及び特定、Aリスクの算定、Bリスクの評価、Cリスクの対策と選定、Dリスク対策の実施、E残留リスクの評価、Fリスクへの対応方針及び対策のモニタリングと是正、Gリスクマネジメントの有効性評価と是正というプロセスを経る。

クライシスマネジメント
・あらかじめ予測することが困難である事態が発生し、それに適切に対応しなければ企業の存続が脅かされてしまうような危機への対応
・日常的なリスクと違い、発生してからでは管理することができない
・事前に事業継続計画(BCP:BusinessContinuity Plan)を策定し、対応を日常的に訓練することが重要。
事業継続計画(BCP):企業が事故や災害などの緊急事態に遭遇した場合に、資産の損害を最小限にとどめ、中核となる事業の継続や早期復旧を可能とするための方法や手段などを事前に取り決めておく計画


〈組織スラック〉:過剰な人員、設備、生産のロスタイム、内部保留など余剰資源
●組織スラックの機能
・利害関係者を組織に繋ぎとめるための誘因:株主・債権者・取引企業・顧客・従業員など
・コンフリクト解消のための資源:企業内や利害関係者間における対立を解消するための経営資源に活用
・ワークフロー・プロセスにおける緩衝材:サプライヤーの急な納期の延長や急な需要の増加に対処できる。
・戦略的行動やイノベーションの促進:イノベーションの為の源泉にする。(スラックス革新)

【組織間関係論】
資源依存モデル:外部組織から自由裁量が制限される状況
・外部の組織に資源を依存している度合いが強いと自由裁量が制限される。
・依存度を高める要因:組織にとって資源が重要。外部の組織が自分の組織に対して自由裁量(パワー)を持っている場合。資源の集中度が高い場合
・依存度のマネジメントの方法:代替取引先を見つけ取引先を多角化。外部組織と協調したり第3者から外部組織の操作を試みる。


〈取引コストアプローチ〉
●ある活動を企業内部で行うか、外部の組織で行うかを選択する
・M&A:内部に取り込む方法
・アウトソーシング、OEM:外部に出す方法。
・取引コスト:取引相手を探して交渉するコスト、契約するためのコスト、正しく実行されるか監視するコストなどすべて含める。
・取引コストが高い:活動を内部に取り込んだ方が効率的:価格交渉、契約履行のチェックなどの業務が削減:市場原理による最適化が働きにくい⇒完全に内部化せず関連会社や系列会社など中間的な組織にする方法も
・取引コストが低い:活動を外部にだす


2023年08月22日

1-5-2 組織の構造 補足(官僚制の逆機能、組織スラック)

官僚制の逆機能

・組織の中の規則や機構が、もともとは目的追求に役立つものとして制定されたはずなのに、逆に目的追求を損ねている状態が起きること。

セクショナリズム:部署内の権限や利害に固執し、全体の最適化を図る事が出来なくなる。

形成期主義:内容よりも形式を重んずる。

規則万能主義:規則が無いからと対応できない事。

事なかれ主義:解決しなければならない問題を放置する。

繫文縟礼(ハンブンジョクレイ):規則が細かすぎて手続きが煩雑で業務が非効率になる。

≪官僚制の逆機能ではない≫設問から・・
グレシャムの法則:「悪貨は良貨を駆逐する」
計画のグレシャムの法則:長期的・戦略的な仕事(否定形意思決定)よりも、目前の仕事(ルーティン)を優先してしまう事。



組織スラック

・組織における、過剰な人員、使用していない設備、生産のロスタイム、内部留保など余剰資源のこと。

【組織スラックの機能】
ワークフロー・プロセスにおける緩衝材:原材料や部品の在庫保有量を増やせば、サプライヤーの急な納期の延長や急な需要の増加に対処できる。

戦略的行動やイノベーションの促進:組織スラックを革新のための源泉として、イノベーションを生み出すことができる。(スラック革新)

コンフリクト解消のための資源:企業内や企業と利害関係者間の対立を解消するための経営資源として活用できる。

利害関係者を組織に繋ぎとめるための誘因:組織スラックがあると、株主・取引企業・顧客・従業員などの利害関係者の「貢献」を上回る「誘因」(メリット)を与えることができる。


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