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勝手に小説『扉と中年男性と運6』 [2024/01/12 20:00]
ーー帰還の扉ーー
正夫は目の前が暖かい光に包まれた後に、いつの間にか、気を失っていた。
「ちょっと、お客さん。そこに突っ立ってないで、入るか帰るかしてください。他のお客さんに迷惑ですよ。」
どこからか、声が聞こえてきた。
「お客さん。聞こえていますかぁ?」
はっ!突然正夫は目が覚めて、辺りを見回した。
すると、目の前には、宝くじ売り場の店員のおばさんが、正夫の顔を怪訝そうに覗いていた。
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勝手に小説『扉と中年男性と運5』 [2024/01/11 20:00]
ーー音楽の扉ーー
アミカと別れた後、正夫は少し歩いてゆめのねが言っていたクワの葉が生えている場所にたどり着いた。
しかし、そのクワの葉は、正夫の身体よりもはるかに大きい葉っぱだった。
「これ、どうやって切り取ろう。」
少し悩んでから、クワの葉の茎部分を殴ってみた。
少しへこんだが、なかなかの重労働のようだ。
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「しょうがない。葉っぱにぶら下がってみるか。」
そういうと、正夫は葉っぱの..
勝手に小説『扉と中年男性と運4』 [2024/01/10 20:00]
ーー探検の扉ーー
キリギリスのゆめのねに指示された方角に向かって、正夫は歩いていた。
すると、どこかで見たことのある人?影が見えた。
アミカさんだった。
「アミカさん。こんにちは。」
「あら、正夫さん。こんにちは。キリギリスには会えたかい?」
「はい。おかげさまで。そのキリギリスのゆめのねさんの音楽を聴くために、今クワの葉を摘みに来たのです。」
そういうと、アミカさんは驚いた表情を見せた。
「あのゆめのねさんにあったんだね。あの方は、よ..
勝手に小説『扉と中年男性と運3』 [2024/01/09 20:00]
ーー出会いの2の扉ーー
アミカと別れた正夫は、教えられた少し大きな草を目指して歩いていた。
何故こんなことになったんだろう。
やはり自分は、運が悪いのか。神様はいないのか。
などと考えながら、取り合えず大きな草の下まで歩いてきた。
すると、どこからともなく、鳴聞こえが聞こえてきた。
「チョン、ギース。チョン、ギース。」
昔、おばぁちゃんの家で聞いた事のある鳴き声だった。
正夫はその鳴き声のする方へ、足を進めて行った。
すると、そこに1..
勝手に小説『扉と中年男性と運2』 [2024/01/08 20:00]
ーー出会いの1の扉ーー
「ここはどこなんだ?先ほどまでいつもの帰り道を歩いていたのに。宝くじ売り場はどこにいった?」
と考えつつ、辺りを見渡した。
すると、奥の方から何やら動くものが近づいてきた。
そして、正夫の前まで来たときに、その近づいてきたのが、人と同じ大きさの蟻が、背中に何やら食料のようなものをしょって近づいていたのだ。
正夫はびっくりしてあわてて逃げようとした。
その時、蟻(名前は考えて)が正夫を見つけて話かけてきたのだ。
「おや!..
勝手に小説『扉と中年男性と運1』 [2024/01/07 20:00]
ーー序章の扉ーー
一人の中年男性が、お昼過ぎに海沿いの砂浜で一人佇んでいた。
彼の名前は『佐藤正夫』。今年で58歳だ。
空は快晴だったが、正夫の心はどんよりな雨のようだった。
季節は冬で、12月が始まったばかり。
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正夫のこの一年は、散々だった。
会社はユーザーとのトラブルでリストされ、たった一人の肉親の母親を夏に病気で亡くしていた。
会社をクビになった時の退職金はさほど多くない。..
勝手に小説『扉と少女5』 [2023/12/31 20:00]
ーー帰還の扉ーー
「咲!咲!眼を覚まして!」
もう、おかぁさん。うるさいなぁ。
!おかぁさん?
頭が朦朧としている中、恐る恐る目を開けてみると、目の前には母の姿が!
戻ってこれた!どいう事?あの世界は?
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意識が混濁している中、咲の母親が大泣きして咲を抱きしめてきた。
「よかったぁ。もう目を覚まさないじゃないかと心配したのよ。」
咲は周りをみて、ここが病院であることが分かった。
「..
勝手に小説『扉と少女4』 [2023/12/30 20:00]
ーー旅立ちの扉ーー
周りを見渡すと、もう夕暮れで日が落ち始めていた。
この世界に来たときは、昼間のようで日差しが眩しかったが、結構時間が経ったみたいだ。
「そろそろ良い場所に来たね。私はここで脱皮の準備をするけど、咲さんはどうする?もう少し登るかい?」
おっけらさんが、止まってそう話してきた。
咲は、少し悩んだが、おっけらさんの眼をまっすぐに見て、こう言った。
「私は、おっけらさんの脱皮を見届けたいけど、良いですか?」
おっけらさんは少し照れくさそうに
..
勝手に小説『扉と少女3』 [2023/12/29 20:00]
ーー友人の扉ーー
木を登り始めて少ししたら、何やら空から飛んでくるものが!
「おっけらさん!何か近づいて来ます!」
「ん?あぁ、彼なら大丈夫だよ。私のお隣さんだ」
お隣さん?どういう事か、咲は理解出来なかった。
そして、その空からの訪問者は、登っていた木のおっけらさんの位置から少し上の場所に止まった。
「おっけらさん。久しぶりですね。これから脱皮ですか?」
「おぉ。ツクさん。久しぶりだねぇ。調子はどうだい?」
「えぇ。順調です。既に産卵の準..
勝手に小説『扉と少女2』 [2023/12/28 20:00]
ーー旅立ちの扉ーー
気が付くと、そこは、とても大きな草のような植物の中にいた。
見た目は、よく公園とかに生えている雑草のような形をしていたが、大きさがビルのような大きさで、まるで自分がとても小さくなって、公園のくさむらの中にいるような感じだった。
咲は、自分がどこにいるのかわからず、不安になった。
「ここは……どこ?」
咲は、そう呟いた。
しばらく、その場で途方に暮れていたが、戸惑いながらも、状況を把握しようと咲は歩き始める。
少し歩いている..
勝手に小説『扉と少女』 [2023/12/28 01:16]
ーー序章の扉ーー
冬の夕暮れ時、東京の郊外の高校の屋上には、一人の少女が佇んでいた。
彼女の名は「咲」。
咲は学校でいじめにあっていた。
いじめっ子たちは、咲の容姿や成績を嘲笑い、毎日のように彼女をいたぶっていた。
咲は、いじめに耐えながらも、これからの人生に思い悩んでいた。
自分は、このままいじめに耐えながら生きていくべきなのか。。それとも、逃げ出すべきなのか。
咲は、そんな思いを抱えながら、屋上で夕日を眺めていた。
すると、目の前に..
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