2024年01月10日
勝手に小説『扉と中年男性と運4』
ーー探検の扉ーー
キリギリスのゆめのねに指示された方角に向かって、正夫は歩いていた。
すると、どこかで見たことのある人?影が見えた。
アミカさんだった。
「アミカさん。こんにちは。」
「あら、正夫さん。こんにちは。キリギリスには会えたかい?」
「はい。おかげさまで。そのキリギリスのゆめのねさんの音楽を聴くために、今クワの葉を摘みに来たのです。」
そういうと、アミカさんは驚いた表情を見せた。
「あのゆめのねさんにあったんだね。あの方は、よい音色で有名だからねぇ。」
「そうなんですかぁ。でも音楽を聴くには対価が必要と言われて。」
正夫は少し空を見ながらそう話をした。
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「そりゃそうだよ。何事にも『ただ』ということはないからね。」
「私たちも一生懸命働いているから、そういう音楽とか娯楽とかが楽しく思えるんだよねぇ。」
と、正夫はゆめのねが言っていたことを思い出して、アミカに聞いてみた。
「そういえば、ゆめのねさんが言っていたのですが、アミカさんは『運』というものをどう思います?」
「『運』ですか?そうですねぇ。わたくしは、まだこうやって働けているので、運はよいのではないでしょうか。」
「という以前に、そもそも『運』とかを考えた事はないですね。そんなのはなくても、こうして元気に働けて、皆と一緒に遊んだり、子供を授かったりしているので、それだけで十分ですよ。」
「そうですか。ゆめのねさんと同じなんですね。」
「人間はどうかはわかりませんが、私ら昆虫は、生まれてから生き残れているのが奇跡ですからねぇ。」
そうだった。昆虫は様々な外敵や気象現象で、生き残るのが大変だけど、人間は生きているのが当たり前になっていると正夫は思った。
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「そうですね。運が良いとか悪いとか、考えても仕方がないですよね。」
「大切なのは、今しっかりと生きているかですかね。」
正夫の顔が少し晴れやかになったように、アミカは思えた。
「そうですね。なんか、正夫さんの顔が明るくなったようですね。」
「そろそろ、わたくしは仕事の続きをしないとなので、正夫さんも早くクワの葉を見つけて、ゆめのねさんのところに戻ってくださいね。」
そういうと、アミカは一礼をしてその場を去っていった。
正夫は、アミカと話をして、少し心のつっかえが取れたような気分になった。
そして、気を締めて、急いでクワの葉を見つけて、ゆめのねさんのところに戻らないと思ったのだった。
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>> 『音楽の扉』に続く
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すると、どこかで見たことのある人?影が見えた。
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「あら、正夫さん。こんにちは。キリギリスには会えたかい?」
「はい。おかげさまで。そのキリギリスのゆめのねさんの音楽を聴くために、今クワの葉を摘みに来たのです。」
そういうと、アミカさんは驚いた表情を見せた。
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「そういえば、ゆめのねさんが言っていたのですが、アミカさんは『運』というものをどう思います?」
「『運』ですか?そうですねぇ。わたくしは、まだこうやって働けているので、運はよいのではないでしょうか。」
「という以前に、そもそも『運』とかを考えた事はないですね。そんなのはなくても、こうして元気に働けて、皆と一緒に遊んだり、子供を授かったりしているので、それだけで十分ですよ。」
「そうですか。ゆめのねさんと同じなんですね。」
「人間はどうかはわかりませんが、私ら昆虫は、生まれてから生き残れているのが奇跡ですからねぇ。」
そうだった。昆虫は様々な外敵や気象現象で、生き残るのが大変だけど、人間は生きているのが当たり前になっていると正夫は思った。
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「そうですね。運が良いとか悪いとか、考えても仕方がないですよね。」
「大切なのは、今しっかりと生きているかですかね。」
正夫の顔が少し晴れやかになったように、アミカは思えた。
「そうですね。なんか、正夫さんの顔が明るくなったようですね。」
「そろそろ、わたくしは仕事の続きをしないとなので、正夫さんも早くクワの葉を見つけて、ゆめのねさんのところに戻ってくださいね。」
そういうと、アミカは一礼をしてその場を去っていった。
正夫は、アミカと話をして、少し心のつっかえが取れたような気分になった。
そして、気を締めて、急いでクワの葉を見つけて、ゆめのねさんのところに戻らないと思ったのだった。
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