パトカーといえば、白と黒のボディでルーフに赤色灯を載せたスタイルが一般的です。しかし、なかには普通のクルマと見た目がほとんど変わらない「覆面パトカー」も存在しています。
高速道路を利用する際、「追い越し車線が空いててラッキー」と思ってオーバースピードで走っていて、地味なセダンが急に後ろから付いてくることがあったら、覆面パトカーの可能性が高いでしょう。
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赤色灯が回って、スピード違反であえなく検挙ということにならないように、覆面パトカーの見分け方について調べてみました。
トヨタ「クラウン」の覆面パトカー
覆面パトカーは、一般車両に偽装した警察車両です。刑事ドラマなどでよく見かける「捜査用車両」と「交通取り締まり専用車両」に分類されます。
高速道路に出没する覆面パトカーの正式名称は「交通取締用四輪車(反転警光灯)」。その名のとおり、普段はルーフ内部に格納されている赤色灯が、取り締まり走行時に反転して現れるように改造されています。
これは、道路交通法第39条、及び施工令13条1項で定められたもので、緊急走行時(取り締まり走行時など)には「赤色灯の点灯」「フロントグリル前面の左右に設置された警光灯の点灯」「サイレンの稼働」が義務付けられています。
一般車両と覆面パトカーの違いはどこにあるのでしょうか。
まずはボディ形状についてですが、これまでの覆面パトカーは白、黒、シルバーなど地味なカラーのセダンが多いといわれており、現在でもその傾向は継続しています。
ただし、この傾向がすべてではなく、なかにはステーションワゴンの覆面パトカーもあるようです。
また以前は、取り締まり用の改造が施された「特種用途自動車」のため「8ナンバー」が多いといわれていましたが、昨今では普通の「3ナンバー」が増えており、ナンバーでの見分けは非常に難しくなっています。
一方、高速道路上でスピード違反の取り締まりをする覆面パトカーは、その車両が管轄する都道府県内でしか原則的に活動していないので、走行しているエリアの地元ナンバーのセダンには注意が必要です。
もうひとつの特徴が、リアの濃いスモークガラスです。
以前はバックミラー越しに2名乗っている車両かどうかを後ろからチェックできましたが(交通課の取り締まりは基本的に2名組でおこなわれる)、スモークガラスが採用されたことによって、乗車人数やシルエット(交通課はヘルメットを被っていることもある)が非常にわかかりにくくなっています。
また、スモークガラスが採用されていない時代の覆面パトカーは、バックミラー越しに運転席と助手席の間に、天井から赤色灯が格納される出っ張りなども視認できたのですが、これも確認することができません。
同様に、以前はトランク周辺にショートタイプのアンテナが設置されているセダンは覆面パトカーの確率が高かったのですが、昨今はわかりやすいアンテナを排除。一般車両と同じシャークフィンタイプのアンテナを採用した覆面パトカーも確認されています。
つまり、見た目ではなかなか識別できないようになってきているのが、現在の覆面パトカーの特徴ともいえます。
どんな車種が多い? 出没する時間帯は?
では、覆面パトカーにはどんな車種が多いのでしょうか。
これは圧倒的にトヨタ「クラウン」が多いといわれています。
全国どこへもクルマで撮影に出向くフリーカメラマンのS氏は、高速道路上でクラウンを見かけたら覆面パトカーをまず疑うそうです。
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覆面パトカーによる高速道路での取り締まり
「とくに白やシルバー、黒など地味なカラーのクラウンで、走行車線で制限速度を守って走っているクルマは覆面パトカー率が高いと思います。
追い越し車線を走行中にクラウンを見かけたら、すぐ走行車線に車線変更して速度を落とすように心がけています」と、S氏は語っていました。
白黒に塗り分けられた(俗にいうパンダカラー)パトカーもそうですが、覆面パトカーも含めてクラウンが多数を占めています。
13代目(先々代)や14代目(先代)のクラウンが多く、最近では15代目(現行)も覆面パトカーとしてデビューしているようです。速度を守って走行しているこれらの車両を見かけたら要注意です。
覆面パトカーとして使用できるクルマは細かい選定基準をクリアする必要があり、ボディサイズやドアの数、ピラーの有無、排気量など、その規定はさまざまです。
その条件に合致するのがクラウンやトヨタ「マークX」、スバル「レガシィB4」などのセダンとなります。
つまり、「地味な色のセダン」、「走行車線を法定速度内で走行」、「リアウインドウが濃いめのスモークガラス」という基本的な特徴がありますので、周囲にそれらしいクルマがないか注意する必要はありそうです。
しかし昨今では、スバル「WRX」のド派手はブルーの覆面パトカーの目撃情報もあり、車種だけで判断するのは難しくなってきそうです。
ちなみに、覆面パトカーは赤色灯を点灯させてサイレンを鳴らすまでは交通ルール的には一般車両と同じ扱いです。制限速度は遵守して走行し、違反車両を見つけると緊急走行を開始します。
次に、覆面パトカーが出没するのはどのようなシチュエーションが多いのでしょうか。
前出のS氏が目撃した例によると、もっとも注意したいのが「夕方の渋滞前の午後」だといいます。
まだ渋滞するほど交通量が多くなく、晴れていれば見通しも良いという状況で、追い越し車線が空いていたりすればスピードを出しすぎてしまうドライバーも多いわけで、そんなドライバー心理を突いて、覆面パトカーが走行車線を目立たないように流していることが多いようです。
「最近は猛スピードでかっ飛んでいるクルマも減りましたが、そこまでスピードが出ていなくても追い越し車線をずっと走っているクルマを取り締まることが増えているそうです。
当の本人はそんなにスピードを出していないのに、覆面パトカーに捕まってびっくりするみたいです」(カメラマン S氏)
これはいわゆる「車両通行帯違反」と呼ばれる違反です。
右側車線はあくまで追い越し用であり、追い越しが完了したら速やかに走行車線に戻らなければならないと道路交通法でも定められています。
ちなみに2019年の車両通行帯違反は6万775件で、「最高速度違反」の32万5755件よりも少ないとはいえ、違反全体の12.6%を占めています。
とくに初心者から少し慣れたドライバーは道が空いている車線を選びがち。追い越し車線は走行しても、追い越しが終わったら走行車線に戻らなければなりません。
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