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2018年08月16日

映画「ヴァルハラ・ライジング」の感想…各チャプターの「憤怒、沈黙の戦士、神の民、聖地、地獄、犠牲」ってもうネタバレだよね。

今日は映画「ヴァルハラ・ライジング」の感想です。

前回感想を書いた映画「×ゲーム2」を一緒にレンタルしてきた1本です。

という訳でレンタルDVDでの鑑賞…字幕スーパーで観ました。

吹き替えがそもそも無かったですけどね。



映画「ヴァルハラ・ライジング」は日本公開2012年のニコラス・ウィンディング・レフン監督作品。

もちろんニコラス・ウィンディング・レフン監督と言えば映画「ドライヴ」ですかね。

いや、自分は映画「ドライヴ」しか観てなかったのですが、

たまたまレンタルショップでプッシュされてたので借りてみました。

その時のプッシュのされ方も「あのドライヴの監督!」みたいな感じでした。

それぐらい映画「ドライヴ」は良い映画だったという事だなと思った。


この映画「ヴァルハラ・ライジング」は北欧神話背景にした歴史アドベンチャーだそうですが、

ほとんどの人がイメージした「北欧神話背景にした歴史アドベンチャー」とは、

一線を画くするどころか、想像できない映画に仕上がってると思う。


簡単なあらすじですが、

奴隷として扱われていた男がある時主人達を殺し自由になった。

同じく奴隷だった少年と共に旅をする中、

キリスト教徒の集団に出会い聖地へと行く事になったのだが…という感じかな。


キャストですが、

奴隷として扱われていワン・アイと呼ばれる事になる戦士を演じるのはマッツ・ミケルセン。

このブログでは映画「ドクター・ストレンジ」に出演していますが、

あの映画ではイマイチ微妙な役だったのですが、

こちらでは存在感で圧倒してくれます。

ごつ過ぎないけどコイツは強そうだなって雰囲気があるのが良い。

ワン・アイと共に旅をする事になる少年アーを演じるのはマールテン・スティーヴンソン。

今回、主役のワン・アイは一言も話さないのですが、

この少年がいてくれたおかげで少しだけ変化があるのが救い。

彼の役も適度なおっさんだったらおっさんしか出ない映画になるところだった。

その他、ユアン・スチュワート、ジェイミー・シーヴェス、

ゲイリー・ルイス、アレクサンダー・モートンなどが出演しています。


さて、映画「ヴァルハラ・ライジング」の感想ですが、

映画を見終わった時に思ったのは「すげーのキタな」って。

先ほども書いたのですが、

この映画の説明は「北欧神話背景にした歴史アドベンチャー」です。

その文章に嘘はないのですが、

こちらが思う「北欧神話背景にした歴史アドベンチャー」との違いに、

大半の人は戸惑うのではないでしょうか。


そもそも北欧神話って元を知らないのですが、

一応は映画内でも軽く説明されていたりはする。


北欧の人が「北欧神話」をどう思っているのか分からないのだけど、

自分としてはこの映画ってのは、

日本で言ったら実写版「かぐや姫」とか実写版「浦島太郎」みたいなものかなと。

細かい話をすると「かぐや姫」と「浦島太郎」を同列に語るのは、

それはそれで問題があるんだけどね。

とりあえず、「そんな感じの話」の映画化だと思うので、

例えば「ストーリーが」とか「エンターテイメントが」ってものを求めて、

観る様なタイプの映画ではない。


ネタバレになるので映画「ヴァルハラ・ライジング」の結末などは書きませんが、

うちのオカンは「何この終わり方」って不満そうだった。

でも、例えば「浦島太郎の終わり方」とか、

日本人は小さい頃から刷り込まれてるから違和感ないけど、

冷静に考えたら「何この終わり方」って不満になりそうじゃんね。

そういう事だと思う。


少なくともニコラス・ウィンディング・レフン監督は時系列で言うと、

この映画よりも後になるけど映画「ドライヴ」を作っている訳で、

映画の「面白い」とか「感情を動かすのは何か」って事は分かっている。

その人がいわゆる「面白くはない」、

つまりエンターテイメントじゃない映画を作った場合、

では一体何を監督は伝えたかったのか。

そういう事を考えるのが良いんじゃないかなって思う。


この映画は6つのチャプターで構成されていて、

憤怒、沈黙の戦士、神の民、聖地、地獄、犠牲とそれぞれタイトルが付く。

これがすでに若干のネタバレになっているのだけど、

オカンとか「結局何がいいたかったの」って言うんだけど、

見たままだと思うんだよね。

たぶん、監督はわざわざタイトルつけたんだと思うよ。

分かりやすいように。

それ以上でもそれ以下でもなくて。

もちろん、「北欧神話」を知ってる人からしたら、

何かあるのかも知れないけど180度変わる事はないだろう。

ネタバレと言うなら「ヴァルハラ・ライジング」ってタイトルが、

ヴァルハラにライジングしちゃうんだから…ねぇ。


分かりやすいストーリー以外に言及するとしたら、

制作費は低予算だと思うのだけど、

衣裳だったり傷のメイクからは安さは感じれない。


船のシーン以外はほぼロケーション撮影かな。

圧倒的な山々の映像は日本の山とは全く違う印象があって、

つまりは海外の人が抱く山のイメージってのも、

日本人のとは全く違うんだろうなって、

当たり前の事なんだけど気づかされたり。

何はともあれ、映像だけでも価値はある。

映像だけじゃなくて、

風の音だったり、歩いている音。

この雰囲気はなかなかできるものじゃない。


そして、映画が始まっておよそ7分間、誰も話さない。

彼の使用期限は5年って台詞が最初かな。

凄い事に、この誰も、何も話さない7分で、

観ている人は「こういう状況なんだな」って分かってしまう。

簡単そうに観えるけど、なかなか出来ないし、

やっていても凄いダサい映像になりがちなんだけど、

さすが、そこの作り方は上手いなあと思った。


脳みそとか内蔵、生首なんかも出てきて、

最近恐くないホラー映画を続けて観てたから、

あの内蔵を出す時の感じは良かったね、ドバッって。

実際に人間の腹を切るとあんな感じになるのだろうか。

違うかも知れないけど、リアリティというか説得力あるよね。

それが凄いって事だと思う。

普通の映画を観ても「嘘や〜ん」ってなっちゃうのが多いからさ。


そんな訳で、

単純な話でも作りこまれるとこんな感じになるんだなって思った。


ただ、これだけは言っておきたい。

「北欧神話背景にした歴史アドベンチャー」って情報だけで観た場合、

絶対に「はっ!?」ってなったと思う。

その映画の説明の仕方はちょっと日本では止めた方が良い。

正直、ふざけんなよって思ったよね、

「北欧神話背景にした歴史アドベンチャー」って宣伝に。

いや、勝手にこっちが思い込んでるといえばそうなんだけど。

ただプロモーションしたヤツは確信犯だろって思う。


映画「劇場霊」を恐がるために観るってのは、

ジェットコースターに乗りにいったら観覧車だったって感じ、と前に書いたけど、

「北欧神話背景にした歴史アドベンチャー」ってワクワクしてこの映画を観た時の印象は、

遊園地に行ったつもりが図書館だった並のギャップだと思う。


事前情報はほんとに当てにならない事あるから、

何も調べず、何も見ず、

ニコラス・ウィンディング・レフン監督の作品なんだって、

それぐらいの感じで観れば素直に観れるんじゃないかな。


何度も書くけど、

浦島太郎を単純に「面白い」って思う人はほとんどいない。

それでも、もし浦島太郎を映画化するんだとしたら、

一体どんな意図がそこにあるだろうか?

きっと映画化するんだったら、

なぜ浦島太郎は今まで語り継がれているのか。

そんな事とか考えるんだろうね。

ヴァルハラ・ライジング [DVD]




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思いついた事を羅列。 映画「DETH FOREST 恐怖の森2」みたいなくだらない映画が凄い好き。 映画の感想は基本的にネタバレなしを心掛けています。
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