2018年03月20日
映画「縞模様のパジャマの少年」の感想…丁寧に作られてる作品で左から右にブルーノが移動しただけで「道が変わった」と気付かされる。
今日は映画「縞模様のパジャマの少年」の感想です。
後輩からおススメの映画を聞いていたら出てきた1本。
DMMの月額レンタルで届いたので早速観てみました。
という訳でレンタルDVDで字幕スーパーでの鑑賞です。
映画「縞模様のパジャマの少年」は日本公開2009年のマーク・ハーマン監督作品。
何作品か監督映画があるのですが他のマーク・ハーマン監督作品は未だ観れていませんが、
この映画を観る限り丁寧に作ってくれる監督なんだろうなって思います。
映画「縞模様のパジャマの少年」は原作はジョン・ボインの小説「The Boy in the Striped Pyjamas」が原作。
和訳されて発売されているのですが未読。
絶対原作を読んだ方が映画そのものの理解も深まるって分かっているのだけど、
なかなか読めないんですよね…子供のうちから本を読む耐性を付けとくべきだった。
簡単なあらすじですが、
軍人の父親の息子ブルーノは父親の仕事のため引越しをする事になる。
友達とも離れ離れになり引越し先で孤独を感じる。
家から外を見ると縞模様のパジャマを着た人達が見えた。
不思議に思っていたブルーノだったが、
その縞模様のパジャマを着た人達の中の1人である同い年の少年シュムエルと出会い、
仲が深まっていくのだが…という感じかな。
キャストですが、
ブルーノを演じるのはエイサ・バターフィールド。
映画「ヒューゴの不思議な発明」で主演を務めていますが、
この映画が初めての主演作品。
話も良いのだけど、なんと言っても子供達の演技が良かったと思います。
ブルーノと仲良くなる少年シュエムルを演じるのはジャック・スキャンロン。
他の出演作品は分らないのだけどこの子が本当に良い味を出している。
ブルーノとの対照的な存在だとビジュアルだけで納得させてしまう。
同い年なのになんでこんなに違うのか…って、余計に考えさせられてしまう。
ブルーノの父ラルフを演じるのはデヴィッド・シューリス。
映画「ハリー・ポッター」シリーズでリーマス・J・ルーピンを演じる彼ですが、
今回の映画では仕事に徹する父を良い感じで演じています。
顔つきだけで厳しそうな雰囲気があって役にマッチしていました。
その他、ヴェラ・ファーミガ、アンバー・ビーティー、ルパート・フレンド、
ジム・ノートン、デヴィッド・ヘイマンなどが出演しています。
さて、映画「縞模様のパジャマの少年」の感想ですが、
戦争だったり、人種差別だったり、
色んな事を考えさせられる良い映画でした。
子供に一体何の罪があるのか、何故誰も望んでいない結末になってしまったのか。
映画の持つメッセージも良いのですが、
何よりも好感が持てたのは映画を非常に丁寧に作っている事。
ネタバレはしないように書きますが、
映画ラストの引き画からの黒フェードは余韻が凄い。
引っ越す前の近所の友達とただ遊ぶってシーンとか、
物語としては重要ではなくても、
引越し先で孤独を感じる少年に感情移入させるために必要。
実際、ブルーノとシュエムルが出会うのは映画が始まってから32分ぐらいかかる。
それまでの、所謂子供時代の普通の生活シーンや父親の昇進パーティーシーンなど、
この映画に入り込ませるための演出がしっかり作ってある。
特にカメラワークが丁寧で子供が遊んでいる時は手持ちにしたりとか、
移動する時は画面の右か左…これは電車も車も走るのも、なんだけど、
クライマックス前の「あるシーンだけ」は左から右にブルーノが移動するんですよね。
あの「間違い」…ではないんだけど、「道が変わった」ってシーンは印象的だったし、
とても分かりやすくて良い演出だった。
あと、手すり手前に入れ込んでブルーノを撮ってさびしさというか心の壁を感じさせたり、
ブルーノとシュエムルが話をしているシーンでも、
必ず有刺鉄線が2人の間にあって、
ワンショットの時は方や瓦礫がバックに対し、もう片方は花がバックになるという。
有刺鉄線によって世界がこれだけ分けられていると観てる人に分らせてくれる。
ついにフェンスを越えて2人が同じ画に収まる時は、
色んな意味で複雑な感情が溢れ出てきました。
物語はシンプルなメッセージなので、響く人には響く感じ。
なのでこの映画が良いって言っている人は、
実はシンプルなメッセージをスッと心に入れるために、
計画的に積み重ねた演出が効いているんだなと思う。
ちょっとした意地悪を言ったときのリアクションとかも良かったです。
「ダメな医者だったんだね」とか、ね。
あと人形を持って引っ越してきた姉が、
ドール?子供のおもちゃじゃん!みたいに、変化しているのとか、良いですよね。
そして、ところどころ不穏な空気にさせる、
奴ら燃やすと余計に臭くなるとか、
映画の中の映画で映し出される収容所は楽しい場所っていう嘘とか。
そう、映画が始まって55分でついに収容所と聞く訳です。
その他、少年期の冒険をしたい性格だったり、
恐怖によってシュエムルを守ってやれなかったブルーノの後ろめたさとか、
いろいろ絡み合って進んでいくクライマックスは…ね、観てない人は観て欲しい。
家族を守るための仕事に徹する父親の恐さだったり、
家庭内でのちょっとした言い合いからの言った後の後悔とか、
凄く映画に必要な要素が丁寧に組み立てられている。
食事シーンとか、それだけで色々感じてしまいますし。
まあ、あのブランコをよく1人で作ったなとか思う部分もあるけど。
映画本編だけでなくて特典映像がレンタルDVDでも観れたのですが、
そこで言われていた通り、
差別を知る物語であり、2人の少年の友情の物語。
ただ、やはりそれだけでなく、
あのラストシーンの余韻から色んな事を感じて欲しいなと思う。
邦題についてですが、
すでに原作の小説のところでもタイトルは書いていますが、
この映画の原題は「The Boy in the Striped Pyjamas」であり、
ほぼそのまま和訳したのが邦題「縞模様のパジャマの少年」。
なので全く問題ないと思います。
また、全然映画とは関係ないんだけど、
後輩がナチスが党のシンボルに使っていたハーケンクロイツと、
最近女子高生が使っているマジ卍の「卍」が同じだと思っていて、
ナチスが使っていたのは逆なんだよって言ったら驚かれた。
若い子は意外に知らないものなのだろうか…。
ただ、あんまり卍も逆とは言えよくは思われないから、
軽い気持ちで使うのもどうなのかなとは思う。
後輩からおススメの映画を聞いていたら出てきた1本。
DMMの月額レンタルで届いたので早速観てみました。
という訳でレンタルDVDで字幕スーパーでの鑑賞です。
映画「縞模様のパジャマの少年」は日本公開2009年のマーク・ハーマン監督作品。
何作品か監督映画があるのですが他のマーク・ハーマン監督作品は未だ観れていませんが、
この映画を観る限り丁寧に作ってくれる監督なんだろうなって思います。
映画「縞模様のパジャマの少年」は原作はジョン・ボインの小説「The Boy in the Striped Pyjamas」が原作。
和訳されて発売されているのですが未読。
絶対原作を読んだ方が映画そのものの理解も深まるって分かっているのだけど、
なかなか読めないんですよね…子供のうちから本を読む耐性を付けとくべきだった。
簡単なあらすじですが、
軍人の父親の息子ブルーノは父親の仕事のため引越しをする事になる。
友達とも離れ離れになり引越し先で孤独を感じる。
家から外を見ると縞模様のパジャマを着た人達が見えた。
不思議に思っていたブルーノだったが、
その縞模様のパジャマを着た人達の中の1人である同い年の少年シュムエルと出会い、
仲が深まっていくのだが…という感じかな。
キャストですが、
ブルーノを演じるのはエイサ・バターフィールド。
映画「ヒューゴの不思議な発明」で主演を務めていますが、
この映画が初めての主演作品。
話も良いのだけど、なんと言っても子供達の演技が良かったと思います。
ブルーノと仲良くなる少年シュエムルを演じるのはジャック・スキャンロン。
他の出演作品は分らないのだけどこの子が本当に良い味を出している。
ブルーノとの対照的な存在だとビジュアルだけで納得させてしまう。
同い年なのになんでこんなに違うのか…って、余計に考えさせられてしまう。
ブルーノの父ラルフを演じるのはデヴィッド・シューリス。
映画「ハリー・ポッター」シリーズでリーマス・J・ルーピンを演じる彼ですが、
今回の映画では仕事に徹する父を良い感じで演じています。
顔つきだけで厳しそうな雰囲気があって役にマッチしていました。
その他、ヴェラ・ファーミガ、アンバー・ビーティー、ルパート・フレンド、
ジム・ノートン、デヴィッド・ヘイマンなどが出演しています。
さて、映画「縞模様のパジャマの少年」の感想ですが、
戦争だったり、人種差別だったり、
色んな事を考えさせられる良い映画でした。
子供に一体何の罪があるのか、何故誰も望んでいない結末になってしまったのか。
映画の持つメッセージも良いのですが、
何よりも好感が持てたのは映画を非常に丁寧に作っている事。
ネタバレはしないように書きますが、
映画ラストの引き画からの黒フェードは余韻が凄い。
引っ越す前の近所の友達とただ遊ぶってシーンとか、
物語としては重要ではなくても、
引越し先で孤独を感じる少年に感情移入させるために必要。
実際、ブルーノとシュエムルが出会うのは映画が始まってから32分ぐらいかかる。
それまでの、所謂子供時代の普通の生活シーンや父親の昇進パーティーシーンなど、
この映画に入り込ませるための演出がしっかり作ってある。
特にカメラワークが丁寧で子供が遊んでいる時は手持ちにしたりとか、
移動する時は画面の右か左…これは電車も車も走るのも、なんだけど、
クライマックス前の「あるシーンだけ」は左から右にブルーノが移動するんですよね。
あの「間違い」…ではないんだけど、「道が変わった」ってシーンは印象的だったし、
とても分かりやすくて良い演出だった。
あと、手すり手前に入れ込んでブルーノを撮ってさびしさというか心の壁を感じさせたり、
ブルーノとシュエムルが話をしているシーンでも、
必ず有刺鉄線が2人の間にあって、
ワンショットの時は方や瓦礫がバックに対し、もう片方は花がバックになるという。
有刺鉄線によって世界がこれだけ分けられていると観てる人に分らせてくれる。
ついにフェンスを越えて2人が同じ画に収まる時は、
色んな意味で複雑な感情が溢れ出てきました。
物語はシンプルなメッセージなので、響く人には響く感じ。
なのでこの映画が良いって言っている人は、
実はシンプルなメッセージをスッと心に入れるために、
計画的に積み重ねた演出が効いているんだなと思う。
ちょっとした意地悪を言ったときのリアクションとかも良かったです。
「ダメな医者だったんだね」とか、ね。
あと人形を持って引っ越してきた姉が、
ドール?子供のおもちゃじゃん!みたいに、変化しているのとか、良いですよね。
そして、ところどころ不穏な空気にさせる、
奴ら燃やすと余計に臭くなるとか、
映画の中の映画で映し出される収容所は楽しい場所っていう嘘とか。
そう、映画が始まって55分でついに収容所と聞く訳です。
その他、少年期の冒険をしたい性格だったり、
恐怖によってシュエムルを守ってやれなかったブルーノの後ろめたさとか、
いろいろ絡み合って進んでいくクライマックスは…ね、観てない人は観て欲しい。
家族を守るための仕事に徹する父親の恐さだったり、
家庭内でのちょっとした言い合いからの言った後の後悔とか、
凄く映画に必要な要素が丁寧に組み立てられている。
食事シーンとか、それだけで色々感じてしまいますし。
まあ、あのブランコをよく1人で作ったなとか思う部分もあるけど。
映画本編だけでなくて特典映像がレンタルDVDでも観れたのですが、
そこで言われていた通り、
差別を知る物語であり、2人の少年の友情の物語。
ただ、やはりそれだけでなく、
あのラストシーンの余韻から色んな事を感じて欲しいなと思う。
邦題についてですが、
すでに原作の小説のところでもタイトルは書いていますが、
この映画の原題は「The Boy in the Striped Pyjamas」であり、
ほぼそのまま和訳したのが邦題「縞模様のパジャマの少年」。
なので全く問題ないと思います。
また、全然映画とは関係ないんだけど、
後輩がナチスが党のシンボルに使っていたハーケンクロイツと、
最近女子高生が使っているマジ卍の「卍」が同じだと思っていて、
ナチスが使っていたのは逆なんだよって言ったら驚かれた。
若い子は意外に知らないものなのだろうか…。
ただ、あんまり卍も逆とは言えよくは思われないから、
軽い気持ちで使うのもどうなのかなとは思う。
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