2018年03月13日
映画「22年目の告白 -私が殺人犯です-」の感想…惜しいと思うぐらいに良いところはある映画。
今日は映画「22年目の告白 -私が殺人犯です-」の感想です。
DMMの月額レンタルで届いていたけどなかなか観れなかった1本、ようやく観れました。
という訳で、今回はDMMのレンタルDVDでの鑑賞です。
映画「22年目の告白 -私が殺人犯です-」は2017年公開の入江悠監督作品。
このブログでは映画「太陽」の感想を書いていますが、
映画「SR サイタマノラッパー」シリーズや映画「ジョーカー・ゲーム」などの監督です。
ジョーカー・ゲームと言っても北原里英が出ている方ではありません。
以前、低予算でも上手く作ってくれる人と書いたのですが、
そういう人に予算がまわるのは良い事…なんだけど…というところ。
またそこら辺も後ほど。
それでこの映画「22年目の告白 -私が殺人犯です-」は実は韓国映画「殺人の告白」のリメイク作品。
まだ観ていないのですが、その映画がインスピレーションを受けた殺人事件を取り扱ったのが、
ポン・ジュノ監督の映画「殺人の追憶」になります。
簡単なあらすじですが、
1995年に起きた5件の連続殺人事件は時効になり捜査も打ち切り。
今でも被害者の遺族は心に大きな傷を負っていた。
そんなある日、曾根崎という謎の男が自分が事件の犯人だと告白本を発表した。
派手なパフォーマンスもあって一躍話題の人物になる。
遺族達に動揺が広がるなか、当時事件を追っていた刑事牧村が真相に迫っていくのだが…という感じかな。
キャストですが、
22年の月日を経て自分が犯人だと名乗る謎の男曾根崎雅人を演じるのは藤原竜也。
このブログでは映画「僕だけがいない街」に主演していましたが、
藤原竜也は藤原竜也だなあってイメージがあるのだけど、
今回の映画ではすごく良いバランスで演技が映画に合っていた。
役が良かったのか、演出の付け方が良かったのか、
とりあえず藤原竜也映画では一番演技が良かったと言える。
事件を担当していた刑事牧村航を演じるのは伊藤英明。
これも役なんだと思いますが、良い感じに歳を取ったなあと思わせてくれる。
映画「修羅雪姫」の時はどうしようかと思ったのが懐かしい。
他の出演者に言及するとネタバレにつながってしまうので割愛。
岩城滉一、岩松了、仲村トオル、早乙女太一、野村周平などが出演しています。
そう、夏帆も被害者の遺族役で出ているのですが、
爪あとを残すような役では無かったのが残念…また別の映画でね。
さて、映画「22年目の告白 -私が殺人犯です-」ですが、
なかなか悪くない映画でした。
…そう、決して悪くない映画なのですが、
気持ちよく「良い映画でした」と言えない部分がありまして。
まずミステリー映画として、いわゆる真犯人がいるのですが、
中盤には「もうこの人しかないだろうな」って感じになってしまう。
ちゃんと作り手も出演人物がそれぞれ怪しいように意識して作ってあるのだけど、
真犯人は一体誰なんだって時には、もう消去法からいって1人ぐらいだよなあって。
まさか!って展開ではなく、だろうなあって感じ。
若干キャスティングからも分かっちゃいそうな部分でもあるし、
ストーリーにその人が結構絡んでくるのも違和感がある。
完全なネタバレはしないように書きますが、
まず自分が犯人だと名乗りを上げた曾根崎以外に真犯人がいる。
その設定というか脚本は面白いと思うのだが、
真犯人が一枚上手だったかと思わせておきながら、
実はかなり考えられないぐらいのミスをしている。
あるシーンで「ある物」を曾根崎に意図的に持たせようとするとか、
自分が犯人ですよって主張じゃないか。
そして、映画の盛り上がり要素になるはずの、
「これがキッカケで真犯人が分かった」というのが非常に地味だし、
いやそれだったらもっと前に牧村が気づくだろと。
あと、「時効」に関する設定は面白いと思う反面、
とりあえず「ある人物」は真犯人を法で裁くのが目的じゃないと思うんだけどなあって。
だから、時効が成立するかしないかってそんなに問題じゃないと思うのだが。
そんな訳で、面白い部分もあって決して悪くない映画なんだけど、
これは最高!って感じではなかった部分がある。
ただ、主演の藤原竜也は自分が観た映画の中では一番良かったかな。
伊藤英明もだけど、役者の技術なのか演出の付け方なのか分からないけど良かった。
役者の演技だけじゃなくて、他にも良いところはある。
制作会社のロゴというか映像が始まる前から音声が流れていて、
ちょっと映画に入る前に気にさせる手法も良いと思うし、
1995年の事件からのダイジェストというか当時の映像と使ったりしての時間経過の映像は良かった。
今回の事件の犯人もだけど、記録に残すって大事だなあ。
映画冒頭、空撮でのチンピラを追うショットから始まるのも、
なんかやる気を感じるファーストカットだし。
基本的には丁寧に作ってあるし、
物語も全然良かったから故になんか惜しいんだよなあ。
出版の会見の時のプロジェクタで写される映像は誰が作ったんだとか、
ピピピピというBGMとかは好みの問題かなと思うのだけど、
先輩が爆死してしまうトラップに関しては、
そんなに上手くいかないだろというか無理がある。
あと、発売後の多くの人が本を読んでいるって描写も、
普通は本にカバーつけて持ち歩くだろとかツッコミが出てしまうところも。
あと、遺族だからって商品の本にカッターはマズイ。
そうそう、サイン会の時の後ろのキャンペーンガールみたいなのは何?
パトカー入り口に停めたままってのは緊急性が現されて良いんだけど、
ところどころのやりすぎ感は気になる。
まあ、目立つために必要以上に曾根崎指示しているという事なんだろうけど、
曾根崎が「キャンペーンガールみたいなのも」とか言ってるのかなとか考えちゃう。
蛍光灯が揺れるのを観て、震災の記憶が蘇るってのがもうちょっと上手く使われてたらなあ。
もちろん、真犯人もある事件で心に傷を負っていたという流れなんだけどさ。
あんまり震災の設定って活きてないかなって…まあメインの事項じゃないから活かす必要もないんだけど。
ただ、牧村の家に突入するところを遠くの屋上から撮影していた映像が、
結構画質は悪いんだけど「そのシーンだ」って分かるのは上手いなあと。
鏡に映った自分とかも分かりやすくて良いと思うし、
屋上のシーンもすがすがしい朝なのはラストだけとか凄く良い。
他にも「NEWS EYES」の机が「目」じゃん!とか、色々こだわってる部分があるのに、
なんか気になっちゃう部分があるんだよなあ。
密着取材とかも、取材対象にピンマイクも付けてないし。
音声さんいないんだったらピンマイクつけないと、
せっかく良い言葉を話していても、
距離が遠かったりして使えない音声になっちゃうじゃん。
あ、あと時効だけじゃなくて39条とかはもう出さなくて良いかなって。
そしてラストの展開もまあ好き嫌い分かれそう…とかとか。
そもそも真犯人が連続殺人を止めた理由が分からない…時効が無くなったから?
そして、ある人の殺人においては親族とか身近な人に見せるというルールはどうなった?
そんな感じかなあ。
本当に「良いと思う部分は多い」んだけどなあ。
主人公と真犯人は実は似た者ってのも王道だけど好きな展開だし。
きっと細かい事を自分みたいにウダウダ言わない人は楽しめる映画。
入江悠監督は予算が無くても面白い映画を作れる実力ある監督。
だけど、予算がある程度つくとなんとなく無難になってしまう傾向がある気がする。
まあ、確かに予算がつくと色んなしがらみが出来て好き勝手に出来ない部分もあるんだろうなあ。
金は出すから好きな映画を作ってっていう男らしいスポンサーいないもんかなって思った。
最後に、ファントムペインって言葉をこの映画で覚えた。
今後使おうっと。
DMMの月額レンタルで届いていたけどなかなか観れなかった1本、ようやく観れました。
という訳で、今回はDMMのレンタルDVDでの鑑賞です。
映画「22年目の告白 -私が殺人犯です-」は2017年公開の入江悠監督作品。
このブログでは映画「太陽」の感想を書いていますが、
映画「SR サイタマノラッパー」シリーズや映画「ジョーカー・ゲーム」などの監督です。
ジョーカー・ゲームと言っても北原里英が出ている方ではありません。
以前、低予算でも上手く作ってくれる人と書いたのですが、
そういう人に予算がまわるのは良い事…なんだけど…というところ。
またそこら辺も後ほど。
それでこの映画「22年目の告白 -私が殺人犯です-」は実は韓国映画「殺人の告白」のリメイク作品。
まだ観ていないのですが、その映画がインスピレーションを受けた殺人事件を取り扱ったのが、
ポン・ジュノ監督の映画「殺人の追憶」になります。
簡単なあらすじですが、
1995年に起きた5件の連続殺人事件は時効になり捜査も打ち切り。
今でも被害者の遺族は心に大きな傷を負っていた。
そんなある日、曾根崎という謎の男が自分が事件の犯人だと告白本を発表した。
派手なパフォーマンスもあって一躍話題の人物になる。
遺族達に動揺が広がるなか、当時事件を追っていた刑事牧村が真相に迫っていくのだが…という感じかな。
キャストですが、
22年の月日を経て自分が犯人だと名乗る謎の男曾根崎雅人を演じるのは藤原竜也。
このブログでは映画「僕だけがいない街」に主演していましたが、
藤原竜也は藤原竜也だなあってイメージがあるのだけど、
今回の映画ではすごく良いバランスで演技が映画に合っていた。
役が良かったのか、演出の付け方が良かったのか、
とりあえず藤原竜也映画では一番演技が良かったと言える。
事件を担当していた刑事牧村航を演じるのは伊藤英明。
これも役なんだと思いますが、良い感じに歳を取ったなあと思わせてくれる。
映画「修羅雪姫」の時はどうしようかと思ったのが懐かしい。
他の出演者に言及するとネタバレにつながってしまうので割愛。
岩城滉一、岩松了、仲村トオル、早乙女太一、野村周平などが出演しています。
そう、夏帆も被害者の遺族役で出ているのですが、
爪あとを残すような役では無かったのが残念…また別の映画でね。
さて、映画「22年目の告白 -私が殺人犯です-」ですが、
なかなか悪くない映画でした。
…そう、決して悪くない映画なのですが、
気持ちよく「良い映画でした」と言えない部分がありまして。
まずミステリー映画として、いわゆる真犯人がいるのですが、
中盤には「もうこの人しかないだろうな」って感じになってしまう。
ちゃんと作り手も出演人物がそれぞれ怪しいように意識して作ってあるのだけど、
真犯人は一体誰なんだって時には、もう消去法からいって1人ぐらいだよなあって。
まさか!って展開ではなく、だろうなあって感じ。
若干キャスティングからも分かっちゃいそうな部分でもあるし、
ストーリーにその人が結構絡んでくるのも違和感がある。
完全なネタバレはしないように書きますが、
まず自分が犯人だと名乗りを上げた曾根崎以外に真犯人がいる。
その設定というか脚本は面白いと思うのだが、
真犯人が一枚上手だったかと思わせておきながら、
実はかなり考えられないぐらいのミスをしている。
あるシーンで「ある物」を曾根崎に意図的に持たせようとするとか、
自分が犯人ですよって主張じゃないか。
そして、映画の盛り上がり要素になるはずの、
「これがキッカケで真犯人が分かった」というのが非常に地味だし、
いやそれだったらもっと前に牧村が気づくだろと。
あと、「時効」に関する設定は面白いと思う反面、
とりあえず「ある人物」は真犯人を法で裁くのが目的じゃないと思うんだけどなあって。
だから、時効が成立するかしないかってそんなに問題じゃないと思うのだが。
そんな訳で、面白い部分もあって決して悪くない映画なんだけど、
これは最高!って感じではなかった部分がある。
ただ、主演の藤原竜也は自分が観た映画の中では一番良かったかな。
伊藤英明もだけど、役者の技術なのか演出の付け方なのか分からないけど良かった。
役者の演技だけじゃなくて、他にも良いところはある。
制作会社のロゴというか映像が始まる前から音声が流れていて、
ちょっと映画に入る前に気にさせる手法も良いと思うし、
1995年の事件からのダイジェストというか当時の映像と使ったりしての時間経過の映像は良かった。
今回の事件の犯人もだけど、記録に残すって大事だなあ。
映画冒頭、空撮でのチンピラを追うショットから始まるのも、
なんかやる気を感じるファーストカットだし。
基本的には丁寧に作ってあるし、
物語も全然良かったから故になんか惜しいんだよなあ。
出版の会見の時のプロジェクタで写される映像は誰が作ったんだとか、
ピピピピというBGMとかは好みの問題かなと思うのだけど、
先輩が爆死してしまうトラップに関しては、
そんなに上手くいかないだろというか無理がある。
あと、発売後の多くの人が本を読んでいるって描写も、
普通は本にカバーつけて持ち歩くだろとかツッコミが出てしまうところも。
あと、遺族だからって商品の本にカッターはマズイ。
そうそう、サイン会の時の後ろのキャンペーンガールみたいなのは何?
パトカー入り口に停めたままってのは緊急性が現されて良いんだけど、
ところどころのやりすぎ感は気になる。
まあ、目立つために必要以上に曾根崎指示しているという事なんだろうけど、
曾根崎が「キャンペーンガールみたいなのも」とか言ってるのかなとか考えちゃう。
蛍光灯が揺れるのを観て、震災の記憶が蘇るってのがもうちょっと上手く使われてたらなあ。
もちろん、真犯人もある事件で心に傷を負っていたという流れなんだけどさ。
あんまり震災の設定って活きてないかなって…まあメインの事項じゃないから活かす必要もないんだけど。
ただ、牧村の家に突入するところを遠くの屋上から撮影していた映像が、
結構画質は悪いんだけど「そのシーンだ」って分かるのは上手いなあと。
鏡に映った自分とかも分かりやすくて良いと思うし、
屋上のシーンもすがすがしい朝なのはラストだけとか凄く良い。
他にも「NEWS EYES」の机が「目」じゃん!とか、色々こだわってる部分があるのに、
なんか気になっちゃう部分があるんだよなあ。
密着取材とかも、取材対象にピンマイクも付けてないし。
音声さんいないんだったらピンマイクつけないと、
せっかく良い言葉を話していても、
距離が遠かったりして使えない音声になっちゃうじゃん。
あ、あと時効だけじゃなくて39条とかはもう出さなくて良いかなって。
そしてラストの展開もまあ好き嫌い分かれそう…とかとか。
そもそも真犯人が連続殺人を止めた理由が分からない…時効が無くなったから?
そして、ある人の殺人においては親族とか身近な人に見せるというルールはどうなった?
そんな感じかなあ。
本当に「良いと思う部分は多い」んだけどなあ。
主人公と真犯人は実は似た者ってのも王道だけど好きな展開だし。
きっと細かい事を自分みたいにウダウダ言わない人は楽しめる映画。
入江悠監督は予算が無くても面白い映画を作れる実力ある監督。
だけど、予算がある程度つくとなんとなく無難になってしまう傾向がある気がする。
まあ、確かに予算がつくと色んなしがらみが出来て好き勝手に出来ない部分もあるんだろうなあ。
金は出すから好きな映画を作ってっていう男らしいスポンサーいないもんかなって思った。
最後に、ファントムペインって言葉をこの映画で覚えた。
今後使おうっと。
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/7591371
この記事へのトラックバック