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2017年08月05日

映画「ドクムシ」の感想…オチにもう少し説得力が欲しい。

今日は映画「ドクムシ」の感想です。

先日、感想を書いた後輩のお薦め映画「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」と一緒に、

レンタルDVDで借りてきた1本です。

以前、スマフォでE★エブリスタを契約していた事があり、

途中まで読んでいた漫画でもあります。

どんな感じなのかなと気になって借りてみました。



映画「ドクムシ」は2016年公開の朝倉加葉子監督作品。

朝倉加葉子監督作品を観たのは初めてでした。

他にもホラー映画を中心に監督されています。

今回の映画はいわゆる予算のあまりかかってない作品。

しかし、要所を押さえてあって安っぽさはあまり感じませんでした。

作品としての出来は後ほどふれますが、そういう作りがしっかりしてるところには好感が持てました。

何せ、映画「エコエコアザラク R-page」なんて観てしまったら、

画はちゃんと観れる?音はちゃんと録れてる?なんて当たり前の事が気になってしまいます。

そこら辺は大丈夫です!


映画「ドクムシ」ですが、先ほども少し触れましたが、

原作は同名の漫画、または小説「コドク〜蠱毒〜」。

小説版はまったく未読ですが、漫画版は3巻ぐらいまで読んだはず。

しかし、そこら辺では全くストーリーの全貌は分かりませんでした。

いつしか読まなくなってしまっていたのですが、

レンタルショップでこのタイトルを見て、ああ観てみようって選んだのですが、

原作と映画では話の真相が全く違うようです。

映画「テラフォーマーズ」の感想などの時も少し書いたのですが、

漫画など原作のある映画化に関して、原作とは違う話にすること、

つまり映画オリジナルの展開にするのは基本的には賛成です。

連載漫画に向いてる話と映画に向いてる話は根本的に違う。

設定だけ利用して、物語は変えるのはどちらかと言えば当然。

問題はその変えたオリジナルの展開がどうなのか…という事。

そう言えば映画「僕だけがいない街」は酷いオリジナル展開でしたね。

で、この映画「ドクムシ」はどうだったのか、それはまた後ほど。


キャストですが、主人公の大学生レイジを演じるのは村井良大。

テレビや映画だけでなく舞台などでも活躍している彼。

今回は一見素朴で普通な男だが…という役。

その感じは上手く出来ていたと思います。

「これは蠱毒なんだ!」って良かったです。

セクシー系の女性アカネを演じるのは武田梨奈。

このブログで感想を書いたものでは映画「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」に出ています。

空手家でもある彼女なので、実際に「ドクムシ」みたいな状況になったら、

男でも勝てないんじゃないかと思いますが、

今回は強いというよりもセクシーな女性の役割。

でも実際綺麗ですよね…強くて綺麗って良いですわ。

その他、秋山真太郎、水上京香など7人が主な登場人物です。


簡単なあらすじですが、レイジが目を覚ますと見覚えの無い学校の様なところにいた。

そこには自分を含め7人の男女がいた。

窓は締め切られていて、出口を探すが見つからない、トイレで水は出たが食べ物はない。

ある部屋に行くとカウントダウンするタイマーみたいなものがあった。

それを見たユキトシが蠱毒というものを説明しはじめる。

壷の中に毒虫を入れ、最後の1匹になるまで争わせる蠱毒を人でやらせているのではないか?

その言葉に戸惑うレイジ達だったが、閉じ込められた極限状態の中、

第1の殺人が起きてしまうのであった…という感じかな。


さて、映画「ドクムシ」の感想ですが、

先ほどもチラッと書きましたが、今回は原作と話が違います。

この映画オリジナルの話がどうなのか、というのが1つのポイントなので、

どうしてもネタバレをしてしまいますので、

ネタバレをしたくないって人はここから先は読まないでくださいね。


さて、感想を一言で言うと、「ちょっとそれは強引」って感じ。

映画の評価は基本「1.スジ 2.ヌキ 3.ドウサ」かなと。

監督のところにも書きましたが、低予算なのに割とそれを感じさせない作り、

あと俳優・女優も悪くは無かったかなと思います。

なので、「あとはスジさえ良ければ」良いって言ってもいいと思う映画でした。

…しかし、この映画は良いと言えないのは、やはりスジに問題があったのかなと。


問題はスジの中でもずばり「オチ」です。

映画版のオチは、実はマグニチュード9の直下型地震が起きて、

被災して気絶状態の主人公達7人を緊急の避難場所である学校にレスキュー隊が運んだ。

しかし、その後緊急の保護システムが作動してしまい、閉じ込められた形になってしまった。

しかもまだ避難場所として整備している最中であったため、

主人公達が勘違いする原因になっていた…という。

いやいやいや…さすがにそれは都合が良過ぎるんじゃない!?

そりゃレイジだって「これは蠱毒なんだ!」って言いますよ。


直下型地震で全員気絶する状態だったのに、怪我が無いとかありえないし、

携帯とか持ち物が無くなってるのは嫌がらせなの?

しかも、普通地震があったことぐらい覚えてるでしょ。

みんながみんな都合よく忘れてるって…ちょっと強引すぎるなあ。

あと防犯カメラだったらトイレには設置しないでしょ…学生にプライバシーはないの?

そもそも、そんな状況で7人だけ運ばれるってなかなか厳しい。

しかも7日経っても助けが来ないって、普通に待ってたらみんな餓死してんじゃん。

結果人肉食べてたから助かったって感じに観れてしまうのは問題。

なんかそんな感じに思ってしまうのが微妙でした。

「なるほど…そういう事だったのか」って感じに思わせてほしかったし、

この映画では「殺し合いなんかしちゃダメだったんだ」って、

唯一生き残った主人公を後悔させないといけない気がするんだけどなあ。


この映画「ドクムシ」は「場所が限定的な話」だから低予算映画にはもってこいだと思う。

目の付け所は良かったと思うんだけど…ね。

オチの問題もあるが、話としてもなんだかなあと思う部分がいくつかある。

防犯カメラがトイレにもあるのはおかしいってさっき書きましたが、

気になる防犯カメラは割ったりとか隠したりとかしたらダメなのかな、7人もいれば天井届くっしょ。

アカネがつく嘘で、別に全部弟の生活費でいいんじゃないの?

妹の入院費とか使い分ける必要性がなくないって思ってしまう。

骨も切れる包丁なんだし、つながっているチェーンがわりと細くて、あれぐらい切れるんじゃないとか。

ミチカは命の恩人なんだしレイジは受け入れてやれよって思ったり。

まあ、あの状態だったら引くのは分かるか。

7人という事で明らかに映画「セブン」などでも題材になった7つの大罪、

「暴食」、「色欲」、「強欲」、「憤怒」、「怠惰」、「傲慢」、「嫉妬」を連想させるのに、

これが「たまたま」だったってのはちょっと飲み込みづらいよなあと。


さて、そんな訳でスジ(物語)が微妙だったのですが、

演出として基本は頑張ってはいたのですが、やっぱり荒もありまして。

例えばアカネが自分一人しかいないのに「こんなのふざけてる…」ってカメラ目線。

独り言だったら目線はそっちにはないだろうって思う。

ミチカは髪留めであんな風に血は出ないだろって…そこは飛び降りるとかの方が良かったのでは。

ユキトシを前から切りつけたのに、もたれかかった柱に血が付く。

まあ「蠱毒」って文字を出したかったのは分かるんだけど、

明らかに前から切ったんだから背中の血はつかないよね。

あとこの映画だけじゃないけど、ズボン履いたままセックスできないって。

色々な問題で映したらいけないんだったら、

映し方を工夫して見えなくすればいいだけであって、

ズボンはいたままセックスしてる描写があるだけで、

どうやってセックスしてるんですかってテンションが下がってしまう。

せっかくブラジャー、パンツも脱がす描写があったのに…残念。

そういえば、ブラジャーって女の子1人がぶら下がれるぐらいの強度があるの?

とかとか。

あ、でもユミ役の水上京香は良いおっぱいだと思います。

それと、ちょっと腸の出方は面白かった。


あとは、トイレの時の画質が妙に悪いとか、

おなかはへってもセックスはできるのか、とか気になったかな。


良いところとしては、

映画「クロユリ団地」とかでも使われた表現だけど、

「扉を開ける」のは「心理的に受け入れる」という描写。

こういうのは良いなあと思います。


という訳で、ダメな映画と比べればまだマシって気はしますが、

映画としては普通に面白くは無いって感じなのかなあ。

ドクムシ [DVD]






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思いついた事を羅列。 映画「DETH FOREST 恐怖の森2」みたいなくだらない映画が凄い好き。 映画の感想は基本的にネタバレなしを心掛けています。
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