2019年12月11日
映画「アナと雪の女王2」の感想…「水は記憶を持っている」というパワーワード。
今日は映画「アナと雪の女王2」の感想です。
後輩から誘われ名古屋のミッドランドスクエアシネマ2に行きました。
スクリーン8の15時15分の回。
映画好きなはずなのにミッドランドスクエアシネマに2があった事を知りませんでした。
という訳で久々に劇場での鑑賞、日本語吹き替え版です。
映画「アナと雪の女王2」は現在公開中のクリス・バックとジェニファー・リー監督作品。
前作に引き続き2人の監督作品です。
前作の映画「アナと雪の女王」はDVDで鑑賞しました。
今回の作品は完全に続編であり、
サラッと以前に何があったのかオラフから説明があるものの、
前作を観てないと分からない部分があると思うので、
いないとは思いますが、もし興味はあるけど前作観てないって人は
いきなり映画「アナと雪の女王2」から観るのは止めた方が良いと思う。
あと今回は具体的なネタバレはしない様に書くものの、
どうしても物語の展開に触れてしまう部分が出て来てしまうため、
全くネタバレしたくないって人は読まない様にお願いします。
映画の簡単なあらすじですが、
前作の物語からしばらくしたアレンデール王国。
平和に暮らすエルサやアナだったが、
エルサには時々誰か呼んでる歌声が聴こえるのだった。
そして、あるきっかけによりアレンデール王国に危機が迫り、
エルサ達は子供の頃に聞かされていた霧に包まれた森へと旅立つのだった…みたいな感じかな。
日本語吹き替えのキャストは基本的に前作と一緒。
エルサは松たか子が、アナは神田沙也加が担当。
諸事情によりオラフは武内駿輔に変更していますが。
さて、映画「アナと雪の女王2」の感想ですが、
クオリティが高いという事は間違いないのですが、
自分としてはイマイチ乗り切れない作品でした。
前作は「レット・イット・ゴー」の大ヒットが話題になりましたが、
あの曲だけに限らず音楽の力が作品に与えた影響は大きく、
今回の作品もこの音楽の力が物凄くあった。
このシーンは感動的だなとかこのシーンはドキドキするなとか、
ほぼ音楽の力で持っていってる感さえあった。
あとグラフィックの綺麗さはさすがディズニー。
表情の細かさが当たり前の様に観えてしまうが、
実際こんな違和感なくキャラクターが動きまくるのは凄い。
そんな訳で確実にクオリティが高い作品なのですが、
自分が乗り切れないのは「物語」について。
で、その「物語」についても、
クリエーター側は「そんな事分かった上」での物語なんだろうとは思う。
まず映画の冒頭で父親が子供達に話を聞かせる時に、
「キスでは救えない」という過去のディスニー作品との違いをメタ的に言うシーンがある。
王子様が悪い奴を倒しプリンセスにキスしてハッピーエンド。
もう、そんな時代じゃないんだと制作側が言っていて、
これは前作にも「そういう感じ」はあった。
前作は一応はハンス王子という悪者がいたものの、
戦っているのはエルサの心であり、
真実の愛も王子と王女ではなくエルサとアナの家族(姉妹)愛を描いたりと、
過去の作品よりもフェーズを進めてきている感じはしたが、
今回の映画は映画「アナと雪の女王2」についても、
さらに食い込んできた印象はある。
なんと言っても今回は明確な悪者キャラクターは出てこない。
いや、実際には「悪いキャラクターはいた」のだがすでにいない状態なのだ。
しかも悪いキャラクターも一応は自分の国を守るためという描き方であり、
本質的には「未知の存在への恐怖」というのが今回の敵なんであろう。
人と人の争いや欲望に溺れた敵との戦いを描く時代は終わり、
お互いに違う文化や価値観を持った存在と共存していくというメッセージは分かる。
だが、それが物語として面白いかどうかと言われると違うんじゃないかなと。
いや、子供達がそういったメッセージを受け取って、
さらにはそういう作品の面白さに満足しているなら良いんだけど、
昔のディズニーを観てきた自分としてはちょっと物足りなさを感じた。
結末に通じるので具体的には書かないけど、
最終的にエルサがとった行動って、
結局異質の力を持ったものとは別に暮らした方がいいみたいな印象があって、
前作で異質の力を王国に受け入れたという形に比べたら、
なんというか若干排他的な結末な気がしてしまう。
あとご都合的な展開はある種、ディズニーっぽさでもあるので、
そこに今更どうこう言うつもりはないんだけど、
今回の「水は記憶を持ってる」というのは言及せざるを得ない。
マンガ「ジョジョの奇妙な冒険」のアンダー・ワールドのスタンドが、
地面が記憶している過去の出来事を再現するって能力なんだけど、
あれを読んだ時のなんとなく納得いかない感じを思い出した。
さらにこの「水は記憶を持っている」というのが、
物語の大事なところにつながりつつもあるオチにも影響していて、
それ自体は別に良いんだけど、
そもそもそのオチって前回でもやったじゃん…って。
また続編でるなら「アイツ」はまた死ぬんだろって。
そんな簡単にキャラクターを殺したり生き返らせたりするのはいかがなものか。
子供向け映画の中に深いテーマを扱おうとしているだけに、
少し安易じゃないかとさえ思う。
そんなこんなで乗り切れなかった訳ですが、
その他の細かいところを簡単に書いていくと、
「魔法ではなく森の恵み」という言葉があって、
これは映画「メアリと魔女の花」の電気も魔法みたいな話にするのかな、
と思ったけどそういう感じではなかった。
そもそもあいつら魔法が使えるはずなのにエルサ以外誰も使ってなかったよね。
あとは、エルサのせいで普通にアナは死ぬとこだったじゃん。
ちゃんと止まる仕組みだったのか、とか。
森へ行くって分かってるのに装備というか服がドレスってなんでやねん。
そもそも王女なら兵士来いよ、なにかあったらどうすんだ。
ジャイアントフッドがあんな感じで歩いてたら森の木ってどんどん無くなるじゃん。
ダムとかいうけどダムっていうかただせき止めてるだけじゃん。
騙されたも何もおかしいって気づけよ。
クライマックスのあの水を氷で止めたのは良いけど、
その後の水はどこいったのか。
流れを変えたなら分かるけど消えたよね、あれ。
てかそもそも精霊は何に怒ってたの?
自然を壊した人間に怒ったなら分かるんだけど、
なんか人と人が戦ってたら怒った感じじゃん。
そして、正しい事をしたから怒りが静まったみたいな感じだけど、
完全に正しいとか間違いとか精霊の匙加減じゃないか。
途中の歌がストーリーと関係なさすぎてどうでもいい。
そもそもアナとクリストフの結婚に対して否定的な要素や葛藤がないので、
どうでもいいやって思えてしまう。
なんなら若干アナとクリストフのやりとりを見てると、
こんな言葉を選びながら話をしなくてはいけない女性と
今後の人生を生きていく事にクリストフは納得してるのか疑問が残る。
などなど、そんな事を思いながら鑑賞を終えたのでした。
先にも書いてるけど、音楽やキャラクターなどの映像表現は文句なしにクオリティが高く、
作品として観る価値はあるのだけど、
やっぱり前作とテーマが変わってない部分もある中で、
最終的にエルサが国から出て行ってるのは、
多様性の後退な表現に見えてしまうのは個人的に残念だった。
あとせっかく唯一の悪いヤツが身内だった訳で、
もうちょっとこの部分に関して主人公達が葛藤したり責められて欲しかった。
攻撃されたノーサルドラの人達はもっと怒っていいはず。
そんな感じかな。
絶賛公開中なのであんまり具体的には書けなかったけど、
まあネタバレというか深い展開はないんだけどね。
あと霧に包まれた森を見て、ふと映画「首都消失」を思い出した。
LONELY CRY〜♪
後輩から誘われ名古屋のミッドランドスクエアシネマ2に行きました。
スクリーン8の15時15分の回。
映画好きなはずなのにミッドランドスクエアシネマに2があった事を知りませんでした。
という訳で久々に劇場での鑑賞、日本語吹き替え版です。
映画「アナと雪の女王2」は現在公開中のクリス・バックとジェニファー・リー監督作品。
前作に引き続き2人の監督作品です。
前作の映画「アナと雪の女王」はDVDで鑑賞しました。
今回の作品は完全に続編であり、
サラッと以前に何があったのかオラフから説明があるものの、
前作を観てないと分からない部分があると思うので、
いないとは思いますが、もし興味はあるけど前作観てないって人は
いきなり映画「アナと雪の女王2」から観るのは止めた方が良いと思う。
あと今回は具体的なネタバレはしない様に書くものの、
どうしても物語の展開に触れてしまう部分が出て来てしまうため、
全くネタバレしたくないって人は読まない様にお願いします。
映画の簡単なあらすじですが、
前作の物語からしばらくしたアレンデール王国。
平和に暮らすエルサやアナだったが、
エルサには時々誰か呼んでる歌声が聴こえるのだった。
そして、あるきっかけによりアレンデール王国に危機が迫り、
エルサ達は子供の頃に聞かされていた霧に包まれた森へと旅立つのだった…みたいな感じかな。
日本語吹き替えのキャストは基本的に前作と一緒。
エルサは松たか子が、アナは神田沙也加が担当。
諸事情によりオラフは武内駿輔に変更していますが。
さて、映画「アナと雪の女王2」の感想ですが、
クオリティが高いという事は間違いないのですが、
自分としてはイマイチ乗り切れない作品でした。
前作は「レット・イット・ゴー」の大ヒットが話題になりましたが、
あの曲だけに限らず音楽の力が作品に与えた影響は大きく、
今回の作品もこの音楽の力が物凄くあった。
このシーンは感動的だなとかこのシーンはドキドキするなとか、
ほぼ音楽の力で持っていってる感さえあった。
あとグラフィックの綺麗さはさすがディズニー。
表情の細かさが当たり前の様に観えてしまうが、
実際こんな違和感なくキャラクターが動きまくるのは凄い。
そんな訳で確実にクオリティが高い作品なのですが、
自分が乗り切れないのは「物語」について。
で、その「物語」についても、
クリエーター側は「そんな事分かった上」での物語なんだろうとは思う。
まず映画の冒頭で父親が子供達に話を聞かせる時に、
「キスでは救えない」という過去のディスニー作品との違いをメタ的に言うシーンがある。
王子様が悪い奴を倒しプリンセスにキスしてハッピーエンド。
もう、そんな時代じゃないんだと制作側が言っていて、
これは前作にも「そういう感じ」はあった。
前作は一応はハンス王子という悪者がいたものの、
戦っているのはエルサの心であり、
真実の愛も王子と王女ではなくエルサとアナの家族(姉妹)愛を描いたりと、
過去の作品よりもフェーズを進めてきている感じはしたが、
今回の映画は映画「アナと雪の女王2」についても、
さらに食い込んできた印象はある。
なんと言っても今回は明確な悪者キャラクターは出てこない。
いや、実際には「悪いキャラクターはいた」のだがすでにいない状態なのだ。
しかも悪いキャラクターも一応は自分の国を守るためという描き方であり、
本質的には「未知の存在への恐怖」というのが今回の敵なんであろう。
人と人の争いや欲望に溺れた敵との戦いを描く時代は終わり、
お互いに違う文化や価値観を持った存在と共存していくというメッセージは分かる。
だが、それが物語として面白いかどうかと言われると違うんじゃないかなと。
いや、子供達がそういったメッセージを受け取って、
さらにはそういう作品の面白さに満足しているなら良いんだけど、
昔のディズニーを観てきた自分としてはちょっと物足りなさを感じた。
結末に通じるので具体的には書かないけど、
最終的にエルサがとった行動って、
結局異質の力を持ったものとは別に暮らした方がいいみたいな印象があって、
前作で異質の力を王国に受け入れたという形に比べたら、
なんというか若干排他的な結末な気がしてしまう。
あとご都合的な展開はある種、ディズニーっぽさでもあるので、
そこに今更どうこう言うつもりはないんだけど、
今回の「水は記憶を持ってる」というのは言及せざるを得ない。
マンガ「ジョジョの奇妙な冒険」のアンダー・ワールドのスタンドが、
地面が記憶している過去の出来事を再現するって能力なんだけど、
あれを読んだ時のなんとなく納得いかない感じを思い出した。
さらにこの「水は記憶を持っている」というのが、
物語の大事なところにつながりつつもあるオチにも影響していて、
それ自体は別に良いんだけど、
そもそもそのオチって前回でもやったじゃん…って。
また続編でるなら「アイツ」はまた死ぬんだろって。
そんな簡単にキャラクターを殺したり生き返らせたりするのはいかがなものか。
子供向け映画の中に深いテーマを扱おうとしているだけに、
少し安易じゃないかとさえ思う。
そんなこんなで乗り切れなかった訳ですが、
その他の細かいところを簡単に書いていくと、
「魔法ではなく森の恵み」という言葉があって、
これは映画「メアリと魔女の花」の電気も魔法みたいな話にするのかな、
と思ったけどそういう感じではなかった。
そもそもあいつら魔法が使えるはずなのにエルサ以外誰も使ってなかったよね。
あとは、エルサのせいで普通にアナは死ぬとこだったじゃん。
ちゃんと止まる仕組みだったのか、とか。
森へ行くって分かってるのに装備というか服がドレスってなんでやねん。
そもそも王女なら兵士来いよ、なにかあったらどうすんだ。
ジャイアントフッドがあんな感じで歩いてたら森の木ってどんどん無くなるじゃん。
ダムとかいうけどダムっていうかただせき止めてるだけじゃん。
騙されたも何もおかしいって気づけよ。
クライマックスのあの水を氷で止めたのは良いけど、
その後の水はどこいったのか。
流れを変えたなら分かるけど消えたよね、あれ。
てかそもそも精霊は何に怒ってたの?
自然を壊した人間に怒ったなら分かるんだけど、
なんか人と人が戦ってたら怒った感じじゃん。
そして、正しい事をしたから怒りが静まったみたいな感じだけど、
完全に正しいとか間違いとか精霊の匙加減じゃないか。
途中の歌がストーリーと関係なさすぎてどうでもいい。
そもそもアナとクリストフの結婚に対して否定的な要素や葛藤がないので、
どうでもいいやって思えてしまう。
なんなら若干アナとクリストフのやりとりを見てると、
こんな言葉を選びながら話をしなくてはいけない女性と
今後の人生を生きていく事にクリストフは納得してるのか疑問が残る。
などなど、そんな事を思いながら鑑賞を終えたのでした。
先にも書いてるけど、音楽やキャラクターなどの映像表現は文句なしにクオリティが高く、
作品として観る価値はあるのだけど、
やっぱり前作とテーマが変わってない部分もある中で、
最終的にエルサが国から出て行ってるのは、
多様性の後退な表現に見えてしまうのは個人的に残念だった。
あとせっかく唯一の悪いヤツが身内だった訳で、
もうちょっとこの部分に関して主人公達が葛藤したり責められて欲しかった。
攻撃されたノーサルドラの人達はもっと怒っていいはず。
そんな感じかな。
絶賛公開中なのであんまり具体的には書けなかったけど、
まあネタバレというか深い展開はないんだけどね。
あと霧に包まれた森を見て、ふと映画「首都消失」を思い出した。
LONELY CRY〜♪
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/9489269
この記事へのトラックバック