消費大国アメリカは、消費を担う労働者の就労状況が経済を大きく左右し
ます。このため雇用統計は、米国内の景気動向を計る上で極めて重要な指標
とされています。中でも重要視されているのが、非農業部門雇用者数です。
この非農業部門雇用者数が注目される理由としては、上記理由のほかにも
「事前予想と発表結果の乖離が大きいことが珍しくない」ということが挙げ
られます。このため発表に際して、市場が大きく“荒れやすい”傾向がある
経済指標としても知られています。
米雇用統計の前哨戦とされるADP雇用統計(民間)が2日に発表されました
が、-29.8万人と事前予想よりも弱い結果となりました。このため米雇用情
勢の改善はまだ先との見方がにわかに台頭し、リスク回避の動きが優勢とな
りました。もっとも7月分は上方修正されるなど、サプライズの改善を見せ
た前回雇用統計・失業率の名残も見られるなど、思惑が交錯しています。
こうした状況下で、本日より金融政策の出口戦略について議論されると見
られるロンドンG20財務相会合が開催されます。さらに週明け9月7日(月)
はレイバーデー(労働者の日)ということで、米・加市場も休場になります。
このため本日は、いつも以上にポジション調整・整理が加速する可能性を秘
めた週末という環境下で行われる米雇用統計ということになります。
G20の結果次第では、さらに9月7日(月)AM7:00の取引開始時に週末終値か
ら乖離した水準(いわゆる窓空け)で始まる可能性まで考えておかなければ
ならないだけに、より注目しておきたいところです。