2016年12月02日
睡眠の謎
先日の新聞に「睡眠の謎に迫る」という記事がありました。その記事は、脳内物質・遺伝子の研究は進むという表題でした。
私たちは、朝起きて夜になると眠る、という24時間の生活リズムがあります。そして長く起きている程眠くなり、深く長く眠る仕組みも備わっています。但し、どんなに眠くても非常事態が起こって緊張すれば眠気は吹き飛んで行動できます。
このことは誰でも経験して知っていますが、このように睡眠と覚醒(かくせい)を切り替える仕組みには多くの謎があって、研究は進行中ですが、1998年に米テキサス大の教授(柳澤正史氏)のグループが脳内物質オレキシンを発見したことから、研究は大きく進んだそうです。
以下は同教授グループ等による研究から導き出したものです。
(1)オレキシンの働き
脳には睡眠を促す神経細胞のネットワークと目覚めさせる覚醒のネットワークがあって、お互いに抑制しあっています。
オレキシンという脳内物質は、覚醒のネットワークを活性化して、睡眠と覚醒の切り替えスイッチが不安定にならないようにする働きをしていました。
このオレキシンを作る神経細胞がなくなると、起きている人が突然寝てしまう「ナルコレプシー」という病気になることが判ってきました。「ナルコレプシー」になると強い睡魔に襲われることや、感情の高ぶりで筋肉の力が抜けてしまうことが生じます。
(2)眠気の正体は?
オレキシンという物質(睡眠と覚醒の切り替えスイッチに作用する物質)は見つかりましたが、起きている時間が長くなると眠気がたまってくる「睡眠負債」が増える仕組みについては判っていません。
この謎を解明する目的で遺伝子を意図的に傷つけたマウス(8000匹)による実験で、睡眠時間が極端に長いマウスを探しだし、ゲノム解析で遺伝子の変異が睡眠時間を長くしたことをつきとめました。
それは「Sik3」という遺伝子でしたが、他の研究者たちの協力で、線虫やハエでも、この遺伝子が睡眠量の制御に関わっていることが確認できました。このことは、生物の種を超えて「Sik3」という遺伝子が睡眠に関わることをしめしています。
但し、眠気が強くなる仕組みについては、何がどのように関わっているのか、まだ確認されていないそうです。
本当に興味がつきない研究だと思います。研究者たちの奮闘にエールを送ります。
私たちは、朝起きて夜になると眠る、という24時間の生活リズムがあります。そして長く起きている程眠くなり、深く長く眠る仕組みも備わっています。但し、どんなに眠くても非常事態が起こって緊張すれば眠気は吹き飛んで行動できます。
このことは誰でも経験して知っていますが、このように睡眠と覚醒(かくせい)を切り替える仕組みには多くの謎があって、研究は進行中ですが、1998年に米テキサス大の教授(柳澤正史氏)のグループが脳内物質オレキシンを発見したことから、研究は大きく進んだそうです。
以下は同教授グループ等による研究から導き出したものです。
(1)オレキシンの働き
脳には睡眠を促す神経細胞のネットワークと目覚めさせる覚醒のネットワークがあって、お互いに抑制しあっています。
オレキシンという脳内物質は、覚醒のネットワークを活性化して、睡眠と覚醒の切り替えスイッチが不安定にならないようにする働きをしていました。
このオレキシンを作る神経細胞がなくなると、起きている人が突然寝てしまう「ナルコレプシー」という病気になることが判ってきました。「ナルコレプシー」になると強い睡魔に襲われることや、感情の高ぶりで筋肉の力が抜けてしまうことが生じます。
(2)眠気の正体は?
オレキシンという物質(睡眠と覚醒の切り替えスイッチに作用する物質)は見つかりましたが、起きている時間が長くなると眠気がたまってくる「睡眠負債」が増える仕組みについては判っていません。
この謎を解明する目的で遺伝子を意図的に傷つけたマウス(8000匹)による実験で、睡眠時間が極端に長いマウスを探しだし、ゲノム解析で遺伝子の変異が睡眠時間を長くしたことをつきとめました。
それは「Sik3」という遺伝子でしたが、他の研究者たちの協力で、線虫やハエでも、この遺伝子が睡眠量の制御に関わっていることが確認できました。このことは、生物の種を超えて「Sik3」という遺伝子が睡眠に関わることをしめしています。
但し、眠気が強くなる仕組みについては、何がどのように関わっているのか、まだ確認されていないそうです。
本当に興味がつきない研究だと思います。研究者たちの奮闘にエールを送ります。
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