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2016年11月26日

妻子のために命を提供する健気な雄のカマキリ

 カマキリの名前は、獲物を捕まえる前脚が本物のカマのような形をしていることに由来しています。まさに鋭いカマを両手に持っているようです。

カマキリは蟷螂(とうろう)と書くこともあります。そして中国には、これにあやかっているのか「蟷螂拳(とうろうけん)」という拳法もあるほどです。

カマキリは獲物を追いかけて捕るのではなく、待ち伏せて狩りをしますが、獲物を捕らえる時のカマの素早さには凄さを感じる程です。

しかし、 「蟷螂の斧(とうろうのおの)」という言葉もあります。その意味は、相手かまわずに向かっていくことを指していて、はかない抵抗の例えとして使われるそうです。

確かに、カマキリは、人がちょっかいを出しても逃げないでカマを構えて戦闘態勢をとります。子供の頃から、そんなカマキリを見るたびに、何となく哀愁を感じていました。

そんなカマキリですが、今年の6月頃に米国とオーストラリアの研究者が、妻子のためなら命さえ捧げる雄カマキリの習性を明らかにしてイギリスの王立協会紀要に報告しました。

カマキリの雄は、交尾後に雌に食べられてしまいます。何かの写真で見たことがありますが、雌は交尾直後に雄の頭部から食べ始めていたと思います。(かなり、可哀想!)

このような習性は知っていましたが、今回の研究で明らかになった内容は、雄を食べた雌は、雄を食べさせないグループの雌に比べて、2倍以上も多く産卵することが確認されたのです。

おとうさんカマキリは、自分の命を捧げて子孫を増やしているのです。本当に脱帽です。

大きなカマキリは、カエルやトカゲも食べることがある、暴れん坊ですが、今回の研究の結果で、カマキリのもっている悲哀の正体が見えたような気がしています。
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