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2018年02月20日
東野圭吾『むかし僕が死んだ家』
〜『むかし僕が死んだ家』7つのポイント〜
『むかし僕が死んだ家』は、東野圭吾27作目の作品。
幼いころの記憶が無い元恋人・沙也加。
一年前に亡くなった彼女の父が生前どこかに出かけていたことに自分の過去の秘密が隠されているのではないかと感じた沙也加に頼まれ、一緒にとある家を訪れる主人公。
作者・東野圭吾が「これは隠れた自信作」と言っている作品です。
「あたしには幼いころの思い出が全然ないの」。
7年前に別れた恋人・沙也加の記憶を取り戻すため、私は彼女と「幻の家」を訪れた。
それは、滅多に人が来ることのない山の中にひっそりと立つ異国調の白い小さな家だった。
そこで二人を待ち受ける恐るべき真実とは・・・。
超絶人気作家が話す最新文庫長篇ミステリー。
さあ、『むかし僕が死んだ家』について語りましょう。
1 あらすじ
7年前に別れた恋人・沙也加にクラスの同窓会で再会した私。
沙也加は商社勤めの夫と結婚しており、3歳になる娘がいる。
幼少のころの記憶が全くない沙也加は、1年前に亡くなった父が頻繁に訪れていた場所にこそ、自分の秘密があるのではないかと考える。
父の遺品から地図と鍵を見つけた沙也加は、私にその地図の場所に同行するよう依頼する。
最初は同行を拒んだ私だが、沙也加の手首にあった傷痕を見て、地図にある長野県松原湖近くの別荘地にあるとある家を訪れる。
この家には沙也加の記憶の手掛かりが無いか探していた2人は、そこに住んでいたと思われる御厨佑介の日記を発見する。
その日記から御厨佑介について推理する2人。
そしてこの家には不自然な点がいくつもあった。
家の中というたった1つの舞台でほぼ2人の会話のみで構成されたこの作品。
殺人事件が起こるわけでも犯人を捜すわけでもないのだが、物語にどんどん引き込まれていく。
果たしてこの家に隠された秘密とは?
そして沙也加の幼少期の記憶とは?
2 登場人物
私
理学部物理学科第七講座研究助手。30歳前後。
中野沙也加
旧姓倉橋。「私」が高校2年から大学4年まで付き合っていた元恋人。
現在は専業主婦で商社勤めの夫と3歳の娘がいる。
御厨佑介
松原湖畔にある灰色の家の元住人。日記を書き残している。
おたいさん
御厨家の家政婦。
御厨啓一郎
松原湖畔にある灰色の家の元住人。
おかあさん
御厨佑介の日記に登場する。
あいつ
御厨佑介の日記に登場する。
チャーミー
御厨佑介の日記に登場する。
美晴
沙也加の長女。
中野政嗣
御厨啓一郎の恩師。
小倉荘八
神奈川県警の刑事。
磯貝
実業家。
工藤
「私」と沙也加の高校時代の同級生でクラス会の幹事。
3 沙也加
「私」が高校2年から大学4年生まで付き合っていた元恋人。
幼い頃の記憶が無く、写真も小学校以降のものしか無い。
幼少時の記憶を取り戻すべく、父親の遺品から見つけた地図と鍵を頼りに、長野県松原湖畔にあるとある家を訪れることにする。
子供のころの記憶が無いことに加え、沙也加にはもう1つの悩みがあった。
幼い時の記憶をたどり取り戻すことで、その悩みの解決の糸口になるのではないか、沙也加はそう考える。
灰色の家を訪れて、少しずつ、断片的にだが記憶を思い出す沙也加。
果たしてその記憶は思い出すべきものか否か。
果たして沙也加の悩みは解消されるのであろうか。
4 私
理学部物理学科第七講座研究助手として勤める30歳前後の男性。
沙也加とはお互い惹かれ合う部分があり高校2年から6年間恋人関係にあった。
「私」と沙也加が惹かれ合った理由はお互いの過去にあった。
「私」にも過去に秘密があったのだ。
それまで両親と思っていた父母が実は養父母であり、実際の母親を名乗る女性が中学1年生の時に現れたこと。
養父母は家の跡継ぎのために、実母は自分の老後のために「私」が必要だという本心を聞いてしまう。
面倒なので今のまま養父母のもとで暮らすことを選択した「私」だが、それ以降は養父母の息子を演じ続け、世界は自分1人だけと思うようになる。
そんなときに出会った沙也加。
「私」も沙也加も周囲は用地でくだらなく退屈だと感じていた。
この主人公の過去が物語にどのように影響してくるのであろうか。
5 佑介の手紙
灰色の家を探索する2人。
建物に入るところから特殊な構造になっており、この家が普通ではないことが分かる。
そこで見つけた御厨佑介の日記。
家の中は23年間放置されている様子。
家の中の時計はどれも同じ時間で止まっており、電気や水道も通っていない。
御厨佑介の日記を検証することで、この家に何があったのか手掛かりをつかもうとする2人。
日記を読み進めていくと、御厨佑介の生活が突如一変する。
日記に登場する「あいつ」「チャーミー」そして「さやか」。
「さやか」という名前を見ても沙也加は何も思い出せない。
しかし、色々調べ推測を進めていくうちに、断片的な記憶が蘇ってくる。
そして、「私」はある仮説を立て、この家の秘密、そして沙也加の過去の謎にたどり着く。
それは思いもよらない驚くべき事実だった。
6 散りばめられた伏線
この作品の大きな特徴は殺人事件が起こるわけでも犯人探しをするわけでもないところ。
しかし手紙や家、沙也加の過去についての謎解きにどんどん引き込まれていく。
何もないところからわずかな手がかりを掴み、その手掛かりをつなぎ合わせ、推理を働かせて謎の真相に近づいていく。
様々なところに色々な伏線が散りばめられており、それが見事に繋がり回収されていく。
少しずつ隠された謎が明らかになり、また、仮説や推理におかしいところが出てきたらそれを修正し別の仮説や推理を組み立てる。
「私」の一人称視点のみで物語は構成されているため、読者も「私」と一緒に推理を進めることができる。
犯人探しではなく、家や記憶に隠された謎の解明。
家の中というたった1つの舞台でありながら、冒険やゲームを楽しんでいるような気分になれる。
7 タイトルの謎
記憶を無くし悩んでいて、その秘密を解明しようとしているのはあくまでも沙也加である。
それにもかかわらず作品のタイトルは「むかし僕が死んだ家」。
このタイトルに含まれた真の意味とは?
思わせぶりなプロローグから始まり、「私」の一人称視点のみで書かれたこの作品。
沙也加の過去の記憶を取り戻すための家探索だが、推理を進めるにあたって、そして沙也加を理解するにあたって、「私」の過去も外すことはできない要素である。
物語のエピローグを読んで、果たして各読者はどのように感じるのであろうか。
読後にこのタイトルの意味を考えてみるのも面白い。
まとめ
『むかし僕が死んだ家』7つのポイント
1 登場人物は2人だけ
2 舞台は1か所だけ
3 殺人事件も犯人探しも行われない
4 随所に散りばめられている様々な伏線
5 この家の謎とは?
6 沙也加の記憶の秘密とは?
7 作品のタイトルの意味するところは?
『むかし僕が死んだ家』は、東野圭吾27作目の作品。
幼いころの記憶が無い元恋人・沙也加。
一年前に亡くなった彼女の父が生前どこかに出かけていたことに自分の過去の秘密が隠されているのではないかと感じた沙也加に頼まれ、一緒にとある家を訪れる主人公。
作者・東野圭吾が「これは隠れた自信作」と言っている作品です。
「あたしには幼いころの思い出が全然ないの」。
7年前に別れた恋人・沙也加の記憶を取り戻すため、私は彼女と「幻の家」を訪れた。
それは、滅多に人が来ることのない山の中にひっそりと立つ異国調の白い小さな家だった。
そこで二人を待ち受ける恐るべき真実とは・・・。
超絶人気作家が話す最新文庫長篇ミステリー。
さあ、『むかし僕が死んだ家』について語りましょう。
1 あらすじ
7年前に別れた恋人・沙也加にクラスの同窓会で再会した私。
沙也加は商社勤めの夫と結婚しており、3歳になる娘がいる。
幼少のころの記憶が全くない沙也加は、1年前に亡くなった父が頻繁に訪れていた場所にこそ、自分の秘密があるのではないかと考える。
父の遺品から地図と鍵を見つけた沙也加は、私にその地図の場所に同行するよう依頼する。
最初は同行を拒んだ私だが、沙也加の手首にあった傷痕を見て、地図にある長野県松原湖近くの別荘地にあるとある家を訪れる。
この家には沙也加の記憶の手掛かりが無いか探していた2人は、そこに住んでいたと思われる御厨佑介の日記を発見する。
その日記から御厨佑介について推理する2人。
そしてこの家には不自然な点がいくつもあった。
家の中というたった1つの舞台でほぼ2人の会話のみで構成されたこの作品。
殺人事件が起こるわけでも犯人を捜すわけでもないのだが、物語にどんどん引き込まれていく。
果たしてこの家に隠された秘密とは?
そして沙也加の幼少期の記憶とは?
2 登場人物
私
理学部物理学科第七講座研究助手。30歳前後。
中野沙也加
旧姓倉橋。「私」が高校2年から大学4年まで付き合っていた元恋人。
現在は専業主婦で商社勤めの夫と3歳の娘がいる。
御厨佑介
松原湖畔にある灰色の家の元住人。日記を書き残している。
おたいさん
御厨家の家政婦。
御厨啓一郎
松原湖畔にある灰色の家の元住人。
おかあさん
御厨佑介の日記に登場する。
あいつ
御厨佑介の日記に登場する。
チャーミー
御厨佑介の日記に登場する。
美晴
沙也加の長女。
中野政嗣
御厨啓一郎の恩師。
小倉荘八
神奈川県警の刑事。
磯貝
実業家。
工藤
「私」と沙也加の高校時代の同級生でクラス会の幹事。
3 沙也加
「私」が高校2年から大学4年生まで付き合っていた元恋人。
幼い頃の記憶が無く、写真も小学校以降のものしか無い。
幼少時の記憶を取り戻すべく、父親の遺品から見つけた地図と鍵を頼りに、長野県松原湖畔にあるとある家を訪れることにする。
子供のころの記憶が無いことに加え、沙也加にはもう1つの悩みがあった。
幼い時の記憶をたどり取り戻すことで、その悩みの解決の糸口になるのではないか、沙也加はそう考える。
灰色の家を訪れて、少しずつ、断片的にだが記憶を思い出す沙也加。
果たしてその記憶は思い出すべきものか否か。
果たして沙也加の悩みは解消されるのであろうか。
4 私
理学部物理学科第七講座研究助手として勤める30歳前後の男性。
沙也加とはお互い惹かれ合う部分があり高校2年から6年間恋人関係にあった。
「私」と沙也加が惹かれ合った理由はお互いの過去にあった。
「私」にも過去に秘密があったのだ。
それまで両親と思っていた父母が実は養父母であり、実際の母親を名乗る女性が中学1年生の時に現れたこと。
養父母は家の跡継ぎのために、実母は自分の老後のために「私」が必要だという本心を聞いてしまう。
面倒なので今のまま養父母のもとで暮らすことを選択した「私」だが、それ以降は養父母の息子を演じ続け、世界は自分1人だけと思うようになる。
そんなときに出会った沙也加。
「私」も沙也加も周囲は用地でくだらなく退屈だと感じていた。
この主人公の過去が物語にどのように影響してくるのであろうか。
5 佑介の手紙
灰色の家を探索する2人。
建物に入るところから特殊な構造になっており、この家が普通ではないことが分かる。
そこで見つけた御厨佑介の日記。
家の中は23年間放置されている様子。
家の中の時計はどれも同じ時間で止まっており、電気や水道も通っていない。
御厨佑介の日記を検証することで、この家に何があったのか手掛かりをつかもうとする2人。
日記を読み進めていくと、御厨佑介の生活が突如一変する。
日記に登場する「あいつ」「チャーミー」そして「さやか」。
「さやか」という名前を見ても沙也加は何も思い出せない。
しかし、色々調べ推測を進めていくうちに、断片的な記憶が蘇ってくる。
そして、「私」はある仮説を立て、この家の秘密、そして沙也加の過去の謎にたどり着く。
それは思いもよらない驚くべき事実だった。
6 散りばめられた伏線
この作品の大きな特徴は殺人事件が起こるわけでも犯人探しをするわけでもないところ。
しかし手紙や家、沙也加の過去についての謎解きにどんどん引き込まれていく。
何もないところからわずかな手がかりを掴み、その手掛かりをつなぎ合わせ、推理を働かせて謎の真相に近づいていく。
様々なところに色々な伏線が散りばめられており、それが見事に繋がり回収されていく。
少しずつ隠された謎が明らかになり、また、仮説や推理におかしいところが出てきたらそれを修正し別の仮説や推理を組み立てる。
「私」の一人称視点のみで物語は構成されているため、読者も「私」と一緒に推理を進めることができる。
犯人探しではなく、家や記憶に隠された謎の解明。
家の中というたった1つの舞台でありながら、冒険やゲームを楽しんでいるような気分になれる。
7 タイトルの謎
記憶を無くし悩んでいて、その秘密を解明しようとしているのはあくまでも沙也加である。
それにもかかわらず作品のタイトルは「むかし僕が死んだ家」。
このタイトルに含まれた真の意味とは?
思わせぶりなプロローグから始まり、「私」の一人称視点のみで書かれたこの作品。
沙也加の過去の記憶を取り戻すための家探索だが、推理を進めるにあたって、そして沙也加を理解するにあたって、「私」の過去も外すことはできない要素である。
物語のエピローグを読んで、果たして各読者はどのように感じるのであろうか。
読後にこのタイトルの意味を考えてみるのも面白い。
まとめ
『むかし僕が死んだ家』7つのポイント
1 登場人物は2人だけ
2 舞台は1か所だけ
3 殺人事件も犯人探しも行われない
4 随所に散りばめられている様々な伏線
5 この家の謎とは?
6 沙也加の記憶の秘密とは?
7 作品のタイトルの意味するところは?
東野圭吾『怪しい人びと』
〜『怪しい人びと』7つのポイント〜
『怪しい人びと』は、東野圭吾26作目の作品。
7つの作品からなる短編集です。
タイトル通り、各エピソードに怪しい人たちが登場し、語り手である主人公を翻弄します。
俺は同僚の片岡のデートのために一晩部屋を貸してあげた。
その後、そのことを片岡から聞いた2人の同僚、本田と中山にも部屋を貸すことになってしまう。
3カ月後のある日、いつものように、車から部屋に戻ると、見知らぬ女が寝ていて・・・。(「寝ていた女」)
あなたのそばにいる優しい人が、いつの間にか怪しい人びとに―。
著者ならではの斬新なトリック満載の傑作推理集!
さあ、『怪しい人びと』について語りましょう。
1 寝ていた女
カワシマは同僚の片岡に彼女とのデートのために部屋を貸すことにする。
その後、片岡から話を聞いた本田と中山にも同様に部屋を貸し、小遣い稼ぎをしていた。
そんなある日の朝、いつも通りカワシマが自分の部屋に戻るとそこに見知らぬ女が寝ていた。
女は、泥酔しているところをナンパされ、そのままこの部屋に連れてこられたと言う。
ただし相手の男については全然覚えていないので、相手の男が誰か判明するまではこの部屋を出ていかないと主張する。
片岡、本田、中山に問い詰めるが誰もそんな女に心当たりはないとのこと。
この女の正体は、そして目的は一体何か。
(登場人物)
カワシマ
家電生産メーカー資材部で勤務。同僚のデートのために部屋を貸す。
片岡
カワシマの同僚で経理部所属。
葉山広江
カワシマの同僚で片岡のデートの相手。
本田
カワシマの同僚で購買部に所属。
中山
カワシマの同僚で総務部に所属。
宮沢りえ子
カワシマの部屋で寝ていた見知らぬ女性。
2 もう一度コールしてくれ
人生に落ちこぼれ社会の底辺をさまよっている芹沢豊。
仲間のノボルの誘いに乗り、老婦人宅に強盗目的で侵入するが、警察に追われることになってしまう。
逃走中に隠れ家として選んだ家は、芹沢にとって因縁ある人物の家だった。
芹沢とその人物との間にある因縁とは一体何か。
芹沢が落ちこぼれ人生を歩んでいる理由とは一体?
(登場人物)
芹沢豊
パチンコ店勤務。人生に落ちこぼれている。
中道ノボル
芹沢の友人でマージャン店店員。
タカシ
芹沢の友人
山田
自宅に大金を貯め込んでいる老婆
南波勝久
芹沢が駆け込んだ家の住人。
3 死んだら働けない
大手自動車部品メーカーに勤める川島。
大卒新入社員は数か月工場の現場研修をしなければならず、現在は工場勤務。
ある休日明けの月曜日、川島が工場に出勤すると休憩室で1人の男が死んでいた。
それは川島の上司である林田だった。
彼は仕事を生きがいにしており周りからの信頼も厚い人物だった。
林田の死には不可解で不自然な点がいくつもあった。
林田の死の謎とは?
(登場人物)
川島
自動車部品メーカーに勤務。現在は工場勤務。
林田
川島の上司。工場の休憩室で倒れているのを発見される。
課長
川島の上司。
宮下
川島の職場の先輩。
トラさん
川島の職場の先輩。
山岡
溶接メーカー勤務。
4 甘いはずなのに
新婚旅行でハワイに来た夫婦。
夫が再婚であること、そして最近娘を事故で亡くしたことから、派手な結婚式などを行わないことは妻の尚美も納得してくれている。
夫にはこの旅行中にどうしても確かめたいことがあった。
(登場人物)
伸彦 会社員。新婚旅行でハワイに来ている。
尚美 伸彦の妻。
老夫婦 機内で知り合い、同じホテルに宿泊している
宏子 伸彦と前夫人の間の子。
5 灯台にて
いつも佑介の陰にいて一緒に行動していた僕。
そんな状況から脱却したく一人旅を決意するが、それを察した佑介も一人旅に同行しようとする。
それぞれ別のルートをたどり、途中でお互いの旅を報告し合うことにした僕と佑介。
道中、僕はとある灯台にたどり着く。
そこで知り合った人物に誘われ、灯台で宿泊することになった僕。
そしてその夜、ある事件が起こる。
(登場人物)
僕
大学1年生。自分を成長させるための一人旅を決意する。
佑介
僕とは幼少時代からの幼馴染。
小泉
灯台守。
6 結婚報告
智美のもとに短大時代からの友人・典子から1通の手紙が届いた。
その内容は典子の結婚報告。
同封されていた写真を見ると、典子とは全く違う人物が写っていた。
何とか典子と連絡を取って事実関係を知りたい智美だが、典子は一向に連絡がつかない。
気が気でない智美は、典子が住む金沢に直接確認に向かう。
果たしてこのおかしな結婚報告の裏にある真実とは?
(登場人物)
智美
東京の出版社に勤務するOL。
山下典子
智美の短大時代からの友人。旧姓長谷川。
山下昌章
典子の夫。
堀内秋代
山下昌章の知り合い。
桜井
山下夫妻の隣人。
橋本
刑事。
7 コスタリカの雨は冷たい
カナダに海外赴任をしている僕。
日本に帰国する前に妻のユキコと旅行を計画する。
バードウォッチングが趣味の僕が選んだ行先はコスタリカ。
しかし、治安がいいはずのコスタリカで強盗に遭い所持品のほとんどを奪われてしまう。
何故強盗犯はこのような人気のない森の中で強盗を企てたのだろうか。
強盗犯の正体は一体?
(登場人物)
僕
カナダに海外赴任している。コスタリカに旅行に来て事件に遭う。
ユキコ
僕の妻。
キャシー
女性弁護士。
グレース
僕の部下。
タニヤ
僕の隣人。東洋人を嫌い、嫌がらせをする。
まとめ
『怪しい人びと』7つのポイント
1 『寝ていた女』の意外な結末
2 『もう一度コールしてくれ」の主人公と家人の因縁
3 『死んだら働けない』の真相
4 『甘いはずなのに』の切なさとどんでん返し
5 『灯台にて』の主人公の行動
6 『結婚報告』の予想できない結末
7 『コスタリカの雨は冷たい』のまさかの結末
『怪しい人びと』は、東野圭吾26作目の作品。
7つの作品からなる短編集です。
タイトル通り、各エピソードに怪しい人たちが登場し、語り手である主人公を翻弄します。
俺は同僚の片岡のデートのために一晩部屋を貸してあげた。
その後、そのことを片岡から聞いた2人の同僚、本田と中山にも部屋を貸すことになってしまう。
3カ月後のある日、いつものように、車から部屋に戻ると、見知らぬ女が寝ていて・・・。(「寝ていた女」)
あなたのそばにいる優しい人が、いつの間にか怪しい人びとに―。
著者ならではの斬新なトリック満載の傑作推理集!
さあ、『怪しい人びと』について語りましょう。
1 寝ていた女
カワシマは同僚の片岡に彼女とのデートのために部屋を貸すことにする。
その後、片岡から話を聞いた本田と中山にも同様に部屋を貸し、小遣い稼ぎをしていた。
そんなある日の朝、いつも通りカワシマが自分の部屋に戻るとそこに見知らぬ女が寝ていた。
女は、泥酔しているところをナンパされ、そのままこの部屋に連れてこられたと言う。
ただし相手の男については全然覚えていないので、相手の男が誰か判明するまではこの部屋を出ていかないと主張する。
片岡、本田、中山に問い詰めるが誰もそんな女に心当たりはないとのこと。
この女の正体は、そして目的は一体何か。
(登場人物)
カワシマ
家電生産メーカー資材部で勤務。同僚のデートのために部屋を貸す。
片岡
カワシマの同僚で経理部所属。
葉山広江
カワシマの同僚で片岡のデートの相手。
本田
カワシマの同僚で購買部に所属。
中山
カワシマの同僚で総務部に所属。
宮沢りえ子
カワシマの部屋で寝ていた見知らぬ女性。
2 もう一度コールしてくれ
人生に落ちこぼれ社会の底辺をさまよっている芹沢豊。
仲間のノボルの誘いに乗り、老婦人宅に強盗目的で侵入するが、警察に追われることになってしまう。
逃走中に隠れ家として選んだ家は、芹沢にとって因縁ある人物の家だった。
芹沢とその人物との間にある因縁とは一体何か。
芹沢が落ちこぼれ人生を歩んでいる理由とは一体?
(登場人物)
芹沢豊
パチンコ店勤務。人生に落ちこぼれている。
中道ノボル
芹沢の友人でマージャン店店員。
タカシ
芹沢の友人
山田
自宅に大金を貯め込んでいる老婆
南波勝久
芹沢が駆け込んだ家の住人。
3 死んだら働けない
大手自動車部品メーカーに勤める川島。
大卒新入社員は数か月工場の現場研修をしなければならず、現在は工場勤務。
ある休日明けの月曜日、川島が工場に出勤すると休憩室で1人の男が死んでいた。
それは川島の上司である林田だった。
彼は仕事を生きがいにしており周りからの信頼も厚い人物だった。
林田の死には不可解で不自然な点がいくつもあった。
林田の死の謎とは?
(登場人物)
川島
自動車部品メーカーに勤務。現在は工場勤務。
林田
川島の上司。工場の休憩室で倒れているのを発見される。
課長
川島の上司。
宮下
川島の職場の先輩。
トラさん
川島の職場の先輩。
山岡
溶接メーカー勤務。
4 甘いはずなのに
新婚旅行でハワイに来た夫婦。
夫が再婚であること、そして最近娘を事故で亡くしたことから、派手な結婚式などを行わないことは妻の尚美も納得してくれている。
夫にはこの旅行中にどうしても確かめたいことがあった。
(登場人物)
伸彦 会社員。新婚旅行でハワイに来ている。
尚美 伸彦の妻。
老夫婦 機内で知り合い、同じホテルに宿泊している
宏子 伸彦と前夫人の間の子。
5 灯台にて
いつも佑介の陰にいて一緒に行動していた僕。
そんな状況から脱却したく一人旅を決意するが、それを察した佑介も一人旅に同行しようとする。
それぞれ別のルートをたどり、途中でお互いの旅を報告し合うことにした僕と佑介。
道中、僕はとある灯台にたどり着く。
そこで知り合った人物に誘われ、灯台で宿泊することになった僕。
そしてその夜、ある事件が起こる。
(登場人物)
僕
大学1年生。自分を成長させるための一人旅を決意する。
佑介
僕とは幼少時代からの幼馴染。
小泉
灯台守。
6 結婚報告
智美のもとに短大時代からの友人・典子から1通の手紙が届いた。
その内容は典子の結婚報告。
同封されていた写真を見ると、典子とは全く違う人物が写っていた。
何とか典子と連絡を取って事実関係を知りたい智美だが、典子は一向に連絡がつかない。
気が気でない智美は、典子が住む金沢に直接確認に向かう。
果たしてこのおかしな結婚報告の裏にある真実とは?
(登場人物)
智美
東京の出版社に勤務するOL。
山下典子
智美の短大時代からの友人。旧姓長谷川。
山下昌章
典子の夫。
堀内秋代
山下昌章の知り合い。
桜井
山下夫妻の隣人。
橋本
刑事。
7 コスタリカの雨は冷たい
カナダに海外赴任をしている僕。
日本に帰国する前に妻のユキコと旅行を計画する。
バードウォッチングが趣味の僕が選んだ行先はコスタリカ。
しかし、治安がいいはずのコスタリカで強盗に遭い所持品のほとんどを奪われてしまう。
何故強盗犯はこのような人気のない森の中で強盗を企てたのだろうか。
強盗犯の正体は一体?
(登場人物)
僕
カナダに海外赴任している。コスタリカに旅行に来て事件に遭う。
ユキコ
僕の妻。
キャシー
女性弁護士。
グレース
僕の部下。
タニヤ
僕の隣人。東洋人を嫌い、嫌がらせをする。
まとめ
『怪しい人びと』7つのポイント
1 『寝ていた女』の意外な結末
2 『もう一度コールしてくれ」の主人公と家人の因縁
3 『死んだら働けない』の真相
4 『甘いはずなのに』の切なさとどんでん返し
5 『灯台にて』の主人公の行動
6 『結婚報告』の予想できない結末
7 『コスタリカの雨は冷たい』のまさかの結末