2018年09月10日
億り人」は泡沫の夢…大暴落で泣いた仮想通貨トレーダーの今
昨年、半狂乱の仮想通貨相場で数多くの億り人が生まれた。
しかし、相場は一転。厳しい氷河期に突入し、資産の多くを失った仮想通貨トレーダーは多い。熱狂の渦にいた仮想通貨トレーダーたちは今、いったい何を思うのか――。暴落した相場に泣いた3人の男たちを直撃した。
◆億り人を夢見た瞬間もあったのに……
仮想通貨の価格が低迷している。ビットコイン(BTC)の価格は8月25日現在、6700ドル前後で、昨年末につけた最高値から3分の1程度にまで下落しているのだ。
著名トレーダーたちも、この強烈な下落相場で苦しんでいる。
「正直、今は何も信じられない」
こう嘆息するのは、お笑いコンビ「ハニートラップ」の梅木一仁氏。梅木氏は昨年の春、当時1枚6円だったリップル(XRP)とネム(XEM)を計15万円ほど購入。直後にバブルに乗れ、資産はたちまち10倍に膨らんだ。極めて順調な滑り出しに見えたのだが……。
◆「これで億万長者になれる」借金で買った草コインが大暴落
「ウハウハだったのは今年の1月まで。1月にニューロメーション(NTK)というコインのICOに参加するため、消費者金融で60万円を借りてぶち込みました。『最低600倍になる』という触れ込みにノッてしまった。その後も買い増して現在、手元には計1万5000枚のニューロメーションが残ってます。これがまずかった」
バブルから一転、仮想通貨全体が調整相場に突入。草コインであるニューロメーションも煽りをもろに受け、価格は大暴落した。平均購入価格1枚53円が1枚5円に。梅木氏のNTK資産も80万円から7万5000円に目減りした。
「しかも、取引所の板が薄いので売るに売れない。このコインを僕に勧めてきた知人が失踪するなど精神的なダメージも大きいです」
気づけばリップルやネムで稼いだ含み益は飛び消え、借金だけが残った。それでも梅木氏は仮想通貨への夢を断ち切らない。
「今後は原資の要らないエアドロップ(無料配付)案件や小規模のICOに注視しています。上場前に販売されるプレセールで仕込み、上場後の暴騰で売り抜ける戦略です。一攫千金の機会はまだまだあると思ってます」
【梅木一仁氏】
最高額 135万円
現在額 15万円
保有銘柄 NTK、ETH
仮想通貨芸人。サンミュージック所属、お笑いコンビ「ハニートラップ」のツッコミ担当。パチンコライターや仮想通貨芸人としても活躍中。ツイッター@kabu_honey
◆億り人生活が一瞬で消滅
続いては、おなじみの仮想通貨投資家のポイン氏。休職中に、やはりカードローンで調達した100万円を元手に当時1枚0.6〜0.8円だったリップルを大量購入。この思い切った投資戦術は見事にはまり、リップルの爆上げに乗ることができた。購入からわずか2か月で資産は2500万円に達し、その後も上昇トレンドに乗り続け、昨年末には億超えを果たしたのだが……。
「すでに一部の資産は日本円で出金済みですが、この下落相場で仮想通貨の資産は最高値から半分に目減りしました。一瞬だけ億り人にはなれましたが、夢のように短い時間でした。下落がきつい日は高熱を出して寝込んだりしましたね……」
ガックリと肩を落とすポイン氏。現在のポートフォリオについては、時価総額の低いアルトコインは売り払い、ビットコインが資産の半分以上を占め、イーサリアム(ETH)やリップル、ビットコインキャッシュ(BCH)など上位アルトコインに資産を分散させている。
「上半期に起こった取引所トークンブームでも一瞬儲かったんですけど、すっかり下火に。注目が集まらず、出来高が減ってしまったマイナーな取引所のトークンは避け、バイナンスのBNBやフオビのHTに厳選して資産を投下しています」
今後の仮想通貨市場についてポイン氏の見解はこうだ。
「今年は世界的に規制の年。’17年のようなバブル相場は期待できない。ただし日本でも仮想通貨関連サービスやカンファレンスが活発に行われているので、長期的には良い買い場かもしれません。振り返ってみて『あの時に買ってたらよかった』と思える時期になると思うので、ビットコインなら5000ドル、リップルなら20円台前半など明らかに安くなってたら現物を拾うのはアリかと」
【ポイン氏】
最高額 1億円超
現在額 非公開
保有銘柄 BTC、ETH、XRP、BCH
ハイパーニート。’17年、休職中に仮想通貨投資を開始、一躍、億り人になる。著書『仮想通貨1年生の教科書』はベストセラーに。ツイッター@poipoikunpoi
◆「自分の資産が今、いくらかわからない」
仮想通貨界隈にはトレーダーのみならず、ブログやネットメディアのアフィリエイト収入で富を得た者も存在する。
「昨年は個人ブロガーが活躍していましたが、今年に入ってからは資金力のある法人が仮想通貨メディアに多く参入しています。しかし、この暴落相場ではネタ集めにも苦心し、見切りをつける運営者もかなり多い」
そう語るのは、資産の管理アプリ「クリプトフォリオ」を運営するフクロウ氏。
同氏が仮想通貨に参入したのは、およそ2年前。改正資金決済法が施行されることを新聞記事で知り、仮想通貨ブーム到来を予見。仮想通貨関連メディアを複数立ち上げた。
「アフィリエイトは新規参入者が増えるステージでないと大きな儲けは得られません。コインチェック騒動の余波もあり、7月までは取引所がプロモーションに消極的で、口座開設数はずっと減少傾向でした。ただ、8月に入って復調の兆しも感じています。大手ビットポイントがサッカーの本田圭佑を広告塔に採用したのも追い風。アフィリエイト単価が1万円を超す高額な案件も出始めた。今後また新規参入者も増えるのでは」
未来へかすかな手応えを感じていると話すフクロウ氏。自身の資産はどうか?
「’16年秋に1枚7万円だったビットコインを20万円ほど購入し、買い増しやトレードによって資産は最大1000万円に到達しました。しかし、最近は価格のチェックすらおろそかですね……今、自分がいくら持ってるかわからない。それでも僕は仮想通貨と、それを取り巻くコミュニティが好きなので関わり続けると思います」
下落相場もなんのその、仮想通貨へのロマンを捨てない懲りない面々。その行く末や、いかに。
【フクロウ・セグレゲイテッドウィットネス氏】
最高額 1000万円
現在額 不明
保有銘柄 XRP、XEM、BTC
クリプトフォリオ運営者。’16年に仮想通貨に出合い、副業で始めたメディアが本業に。出来高データの監視アプリ「クリプトプッシュ」もリリース。ツイッター
引用元:HARBOR BUSINESS Online
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180910-00174214-hbolz-soci
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