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2018年11月15日

交渉のプロが使う、自分を「いい人」に見せる技術?

こんにちは!

ぺぎそんです。


◎「いい人」が言うことは「いいこと」と思われる?

前回紹介した、人を説得するために気をつけるべき三大要素

「話し手の人柄(=エトス)」
「聞き手の気分(=パトス)」
「話す内容の正しさ(=ロゴス)」

のうち、もっとも強力な武器となる「話し手の人柄」について解説していきましょう(カッコ内は該当するギリシャ語)。

われわれの目から見て、欧米人の説得やスピーチに説得力があるように見えるのは、自己アピールにテレがないから、ということがあります。自分の魅力は堂々と表現する。弁論術的に言えば、「話し手の人柄」による説得力を最大限に利用しているのです。

弁論術の開祖・アリストテレスは、説得の場面における「話し手の人柄」の重要性について、次のように解説しています。

「人柄の優れた人々に対しては、われわれは誰に対するよりも多くの信を、より速やかに置くものなのである」

要は、信頼できる人の言うことはそれだけで信頼される、ということです。

これを端的に説明しているのが、オオカミ少年の昔話。

あの話で、少年が「狼が来た!」と言っても信じてもらえなかったのは、彼の発言内容に説得力がなかったからではありません。彼自身が、嘘つきという人柄だったからなのです。仮に彼が正直者だったなら、同じ発言でも信じてもらえたはず。

これに似た事態は、日常でも頻繁に起こっています。

不倫をしているタレントの語るモラル、毎日遅刻している生徒の「明日から遅刻しません!」、無能と評判の社長の経営論、どれもオオカミ少年の「狼が来た!」だから信用されないのです。

そこで問題は、「どうすれば信頼できる人柄だと思ってもらえるのか?」です。
これには、歴代の賢人・達人たちによっていくつかの説が提示されています。

例えば、アリストテレスは、「徳、聴衆への好意、フロネシス(≒現実対応力)の三つをアピールしろ」と言っていますし、英雄カエサルのライバルだった古代ローマの大弁論家キケローは、「品格、功績、評判の三つが大事だ」と言っています。


ただ、ややこしいことを抜きにして、結局のところを言えば、アリストテレスとキケローの意見を合体させた次の三つに尽きるでしょう。

1 性格の立派さ
2 聞き手への好意
3 話し手の実績

この三つが話し手にあるとき、聞き手はあなたのことを不思議と信頼し、受け入れてくれます。時には、話の内容が正しくなくてもです。このとき、聞き手の印象をよくしたい、聞き手を味方につけたいなどとぼんやり考えていてもダメ。具体的にこの三つのポイントだけを集中的に意識することが大事です。
今回は、この三つについて、その基本的な部分を解説しておきます。

問題は性格が実際に立派かどうかではない
では、まず話し手に信頼される「性格の立派さ」とはなにか?

ここで勘違いしてはいけないのは、これが道徳の話ではないということです。つまり、どういう人間が立派なのか? 自分は実際に立派な人間なのか? そんなことはどうでもいい。

人を説得する上で大事なことは、ただ一つ。

「どうふるまえば、聞き手に立派な性格だと思われるか?」

です。大切なのは聞き手に合わせること。優しい人が好まれる場では、優しい人を演じ、論理的な人が好まれる場では論理的な人を演じる。極端なことをいえば、悪人サークルで悪人を説得するのなら、立派な悪人を演じて信頼されることが大事なのです。

この「聞き手に合わせる」というのは、説得する際において大切なキーワードになりますので、頭に叩き込んでおきましょう。聞き手をよく観察し、持ち出す根拠、感情のあおり方、表現、すべてを聞き手に合わせてチューニングする。それが、人類が生んだ説得の叡智である「弁論術」の基礎なのです。

当然「性格の立派さ」についても、説得する側の考える「立派さ」ではなく、聞き手をよく観察し、聞き手の好む「立派さ」をアピールすることが重要です。

現代の経営者やタレントといった世間を相手にするプロがとくに気にしているのが、まさにこの「性格の立派さ」という要素です。彼らは、インタビュー、会見、SNSなどで、常に、善良さ、挑戦する勇気、度量の広さ、思慮深さなど世間の求める「性格の立派さ」を感じさせるようにしています。言うまでもなく、自分の言葉に説得力を持たせ、周囲への影響力を高めておくため。

彼らは、たとえどんなに破天荒なキャラクターを演じていても、「実は真面目」「実は誠実」「実はやさしい」というように、どこかで立派なイメージを確保しているもの。それがないと誰も話を聞いてくれなくなるからです。

「好意」は「あなたのために」で表現する
二番目の「聞き手への好意」について。

人は基本的には、自分に対して好意を抱く人を信頼します。「この人は私に好意を持っている。話の内容もきっと私のためを思ってくれてのことだ。信用しよう」と無意識に反応してしまうものなのです。

逆のケースでわかりやすい例が、接客の場面でのマニュアル対応。マニュアル対応がいまいち信用されないのは、問題を決まり文句で一括して処理する姿勢に、顧客一人ひとりに対する好意が感じられないためなのです。

では、好意はなにによって表現すればいいのか?

詳しくは後の回で解説しますが、基本的にはポイントポイントで「あなたの利益を考えている」という姿勢を伝えること。これが
大事です。

例えば、書類一つを頼むのにも
×「この資料、急いでまとめて!」
では、いかにも自己都合・自分勝手な言い分でしかありませんが、これが

〇「この資料、君のやりたいって言ってたプロジェクトの参考になるだろうから、任せるよ」
なら、「あなたの利益」を考える好意のメッセージとして、聞き手の信頼感を増すことができるのです。

だからこそ、人を説得する際には、まずはなにが聞き手の利益となるのかを見極め、それを尊重する姿勢をみせること。これがないと、聞き手に「自分の都合で、私たちを言いくるめようとしている」と不信感を抱かせてしまうでしょう。

この「話し手への好意」を表現することは、東洋の弁論術でも伝統的に重視されてきました。

『戦国策』という中国古典があります。中国戦国時代に、当時の弁論家(遊説家)が王を説得した際のやりとりを集めた事例集です。
この中でくりかえし出てくるのが「王のためを考えますに〜」というフレーズ。それに象徴されるように、当時の弁論家は説得のあいだ中、終始一貫、「あなた(王)とその国の利益のため」と言う姿勢を崩しません。これは、他国の王を説得する場合でもです。

それはなぜか?
自分の説得が私利私欲のためだと思われれば、説得が失敗するだけではなく、一歩間違えれば信用ならない人物として殺されるからです。だからこそ、当時の弁論家たちは、王という圧倒的な権力者を動かす極限の説得の際、何よりも「あなたの利益」を強調することに気を配ったのです。

私利私欲の人間だと思われたら終わり。現代の「保身」にも当てはまる考え方でしょう。
「実績」がないときは技術でカバーせよ
三番目。「話し手の実績」について。
みなさんも身に覚えがあると思うのですが、実績ある人間の話は説得力を持ちます。

会社で新しいプロジェクトを立ち上げるために会議をしていたとしましょう。こうした場においても、何度もプロジェクトを成功させている社員が言えば「君がそういうなら、それでいいよ」で済む提案も、同じことを経験の浅い新人が言えば、入念な根拠が求められるのが現実なのです。

だからこそ、説得や議論の場面では、自分の「実績」を計算に入れる必要がある。
もちろん、なにが「実績」かについては、シチュエーションによって変わってきます。

「実績」と言うと、「新規営業○○件開拓した」「○○万円の売上を達成した」といった目に見える数字が真っ先に思い浮かぶでしょう。たしかに、こうした数字は分かりやすいですし、高い確率で発言に説得力を持たせます

ただし、実績は数字に限りません。それまで築いてきた顧客からの信頼や人脈、納期までに必ず仕事を完遂してきた経歴といった、地味で数字に表れにくいものもまた存在します。実績として、こちらのタイプのものが求められることも少なくないのです。

そこで大事なのは、聞き手にどんな実績を求められているのかを把握すること。そして、それをさりげなく押し出すこと。どんなに分かりやすい数字の実績でも、聞き手に求められていないのなら、説得の役には立たないのです。

では、そんな実績自体がまったくない場合はどうすればいいのでしょうか。

どうにもならないのかと言えば、もちろん、そんなことはありません。適切な手順さえ踏めば、実績は技術でカバーできるからです。
たとえば、できるだけ多くの権威ある客観的なデータを引くようにし、「自分」あるいは「自分の考え」という要素を最小限にして説得するのも一つの方法でしょう。

「こちらの厚生労働省のデータを見てください……、別の専門機関の分析によると……、過去に同様の状況があったときにヒットしたのがA社の△△という商品です。

A社の△△と今回のわが社の新商品には次のような共通点があります……、したがって、今回の新商品も十分に勝ち目があるのではないでしょう
か」

といった感じです。もちろん、他にも方法はあります。ここでざっと列挙すれば、、、

◦ 別の実績ある人物の意見を引き合いに出す
◦ 上の立場の人物の言葉を引き合いに出す
◦ 感情的にあおる
◦ 可能なら、自分に実績のある別の論点から攻める

などが考えられるでしょう。
こうした実績の上手な見せ方や実績のない場合における補い方については、別の回で詳しく解説しますが、ひとまず今回は、1実績はそれだけで強力な説得力を持つ、2なければ別の方法でカバーする、と二つの点を覚えておけば十分です。
では、最後に今回の要点をおさらいしておきましょう。

他人を説得する際には、「性格の立派さ」、「聞き手への好意」、「話し手の実績」の三つを押さえること。それだけで、あなたの「話し手の人柄(=エトス)」は優れていると受け止められ(つまり、信頼され)、言葉の力が増すぺんっ!
posted by ぺぎそん at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会
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