2018年04月09日
【驚愕!】スマホの充電が、「レーザー光線」で、ワイヤレスに?
さて、今回はスマホの充電がレーザー光線で、ワイヤレスになるかも知れないという話をしたいと思います。
・端末を「レーザー光線」で、ワイヤレス充電出来るシステム!
レーザー光線を使ってスマホをワイヤレス充電出来るシステムを、ワシントン大学の研究グループが開発した。
2種類のレーザーと超音波を活用する事で、スマホが部屋のどこにあっても狙いを定めて充電出来る。
スマホを充電する為に、コンセントにケーブルをつなぐ。
そんな繰り返しに、うんざりしてはいないだろうか?
今までのワイヤレス充電器は便利だが、電波を飛ばせる距離が短い為、スマホをプレートに乗せなければならない。
これでは、コンセントにつなぐのと大差ない。
また、近くのWi-Fiからデバイスを充電出来る技術もあるが、まだ充分な電力を供給出来ない。
そんな中、この問題を解決出来るかも知れないアイデアが発表された。
ワシントン大学の電気工学研究者グループによると、レーザーを使えば充電にまつわる問題を解決出来る可能性があるという。
このアイデアをまとめた論文の筆頭執筆者であるヴィクラム・アイヤーは、「レーザー受光器を内蔵したスマホケースを作れば、レーザーを使った充電システムを構築出来ます」と述べる(彼の所属する研究室は、バッテリーが不要なスマホを開発した事で有名だ)。
「もっと小さくて格好よく、洗練された装置にした方が良いかも知れませんが、Wi-Fiルーターのような独立した機器に出来る可能性があります」とアイヤーは語る。
そうなれば、部屋のどこにスマホが置かれていてもこの装置がスマホを見つけ出し、ケースの光電池に向けてレーザー光線を照射するようになる。
レーザー光線による充電は、太陽電池と同じような仕組みで行われるが、レーザー光線は近赤外スペクトルの範囲になるように調整されている。
ただし、ちょっとした問題がある。
部屋の隅に、人間の目に悪影響のあるレーザー照射装置を置かねばならないという事だ。
ハッキングされてしまったら、大変なことになるだろう。
レーザーを利用して充電するというアイデアは、他にも存在する。
例えば、衛星やドローンのような機器にレーザー光線を発射して充電するシステムや、宇宙で太陽発電を行ってその電力を地球に送ったりするシステムも構想されてきた。
だが当然ながら、こうしたシステムは、ダイニングテーブルで使われるようなものではない。
・2つのレーザーを併用する
そこでワシントン大学のチームは、ユーザーの安全を守る為の仕組みを開発した。
研究チームは、小指の爪ほどの大きさしかない受光器に、およそ1ワットの電力を供給出来るようにしたいと考えた。
これくらいの電力があれば、スマホを充電するには充分だ。
それには、1平方センチメートル当たり4.3ワットの電力を供給出来る、近赤外線レーザー光線を照射すればいい。
だが、このレーザー光線は人間には見えず、10マイクロ秒未満でも人間の目に当たれば目が傷つけられてしまう。
それほど、スピードが速いのだ。
そこで、レーザー光線の通り道に人間がいる事を発見したら、照射を止めて全ての動作を停止し、人間を傷つけないようにする方法が必要となる。
この問題を解決したのも、やはりレーザーだった。
その仕組みとは、充電用のレーザー光線の他に、人の目を傷つけたり皮膚に火傷を負わせたりする事の無い低出力のレーザー光線を利用するというものだ。
研究チームは、スマホケースの光電池の周りに、再帰反射器(3枚の平面の板を互いに直角に組み合わせ、立方体の頂点型にした「コーナーキューブ」)を取り付けた。
平面的な鏡は入ってきた光を同じ角度で反対方向に跳ね返すが、再帰反射器は光が入ってきた方向と同じ方向に跳ね返す。
「自転車や道路標識に、取り付けられている反射板と同じ原理です」とアイヤーは述べる。
この反射器に向けて低出力のレーザー光線を照射すると、光線が跳ね返され、強力な充電用レーザー光線の外側を囲むようにして無害な光の束が作られる。
この光の束が何かに遮られると、照射装置はそれを感知して充電用レーザー光線の照射を停止する。
光の束が遮られた事を感知するスピードは、光の速度と同じだ。
この為、ユーザー手が光の束を突き抜けて充電用レーザー光線に触れてしまう事はまず無い。
研究チームが人間に可能な最も早い動作を調べたところ、プロ野球のピッチャーが投球時に腕を振る動きだった。
「腕の最高速度は秒速約44メートル。その速度を超えると、関節が壊れ始めてしまいます」とアイヤーは言う。
研究チームは、再帰反射器が作り出す光の束が充電用レーザー光線からどのくらい離れていれば、人間が光の束に当たった時に照射を止め、近赤外線レーザーが人間に当たらないように出来るかを計算した。
その結果は、およそ10センチメートルだった。
・超音波によるレーザー制御
唯一残った問題は、デススターを爆破しようとしたレッド中隊のようなレーザー銃を撃つ人たちを悩ませてきた問題だ。
すなわち、標的を正確に狙う事である。
この問題の解決策は、レーザーでは無く超音波だった。
研究チームは、充電するスマホのケースから、人間の耳では聞き取れない周波数の音が数回鳴るようにしたのである。
レーザー照射装置が付属のマイクで音を聞き取ると、この音が到達した時間に基づいて、スマホのおおよその位置を割り出す。
それから、低出力の光の束を反射器に向けて照射するのだ。
この光の束が戻ってくれば、レーザー光線の通り道に誰もいないと判断し、近赤外線レーザーの出力を上げて充電を始める。
ただし、このようなシステムが近い内に発売される事は無さそうだ。
「全ては学術的な取り組みとして始まったものです」とアイヤーは述べたうえで、「どのような商業的用途があるかを判断してから特許を取得し、開発やライセンス提供の方法を検討していくつもりです」と語ってくれた。
「私達がスマホの充電に狙いを定めた理由は、極めて一般的な用途であるにもかかわらず、ワイヤレスで行う適切な手段が無かったからです」。
レーザーを使ったスマホの充電は、基礎研究の素敵な副産物だったのだ。
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・端末を「レーザー光線」で、ワイヤレス充電出来るシステム!
レーザー光線を使ってスマホをワイヤレス充電出来るシステムを、ワシントン大学の研究グループが開発した。
2種類のレーザーと超音波を活用する事で、スマホが部屋のどこにあっても狙いを定めて充電出来る。
スマホを充電する為に、コンセントにケーブルをつなぐ。
そんな繰り返しに、うんざりしてはいないだろうか?
今までのワイヤレス充電器は便利だが、電波を飛ばせる距離が短い為、スマホをプレートに乗せなければならない。
これでは、コンセントにつなぐのと大差ない。
また、近くのWi-Fiからデバイスを充電出来る技術もあるが、まだ充分な電力を供給出来ない。
そんな中、この問題を解決出来るかも知れないアイデアが発表された。
ワシントン大学の電気工学研究者グループによると、レーザーを使えば充電にまつわる問題を解決出来る可能性があるという。
このアイデアをまとめた論文の筆頭執筆者であるヴィクラム・アイヤーは、「レーザー受光器を内蔵したスマホケースを作れば、レーザーを使った充電システムを構築出来ます」と述べる(彼の所属する研究室は、バッテリーが不要なスマホを開発した事で有名だ)。
「もっと小さくて格好よく、洗練された装置にした方が良いかも知れませんが、Wi-Fiルーターのような独立した機器に出来る可能性があります」とアイヤーは語る。
そうなれば、部屋のどこにスマホが置かれていてもこの装置がスマホを見つけ出し、ケースの光電池に向けてレーザー光線を照射するようになる。
レーザー光線による充電は、太陽電池と同じような仕組みで行われるが、レーザー光線は近赤外スペクトルの範囲になるように調整されている。
ただし、ちょっとした問題がある。
部屋の隅に、人間の目に悪影響のあるレーザー照射装置を置かねばならないという事だ。
ハッキングされてしまったら、大変なことになるだろう。
レーザーを利用して充電するというアイデアは、他にも存在する。
例えば、衛星やドローンのような機器にレーザー光線を発射して充電するシステムや、宇宙で太陽発電を行ってその電力を地球に送ったりするシステムも構想されてきた。
だが当然ながら、こうしたシステムは、ダイニングテーブルで使われるようなものではない。
・2つのレーザーを併用する
そこでワシントン大学のチームは、ユーザーの安全を守る為の仕組みを開発した。
研究チームは、小指の爪ほどの大きさしかない受光器に、およそ1ワットの電力を供給出来るようにしたいと考えた。
これくらいの電力があれば、スマホを充電するには充分だ。
それには、1平方センチメートル当たり4.3ワットの電力を供給出来る、近赤外線レーザー光線を照射すればいい。
だが、このレーザー光線は人間には見えず、10マイクロ秒未満でも人間の目に当たれば目が傷つけられてしまう。
それほど、スピードが速いのだ。
そこで、レーザー光線の通り道に人間がいる事を発見したら、照射を止めて全ての動作を停止し、人間を傷つけないようにする方法が必要となる。
この問題を解決したのも、やはりレーザーだった。
その仕組みとは、充電用のレーザー光線の他に、人の目を傷つけたり皮膚に火傷を負わせたりする事の無い低出力のレーザー光線を利用するというものだ。
研究チームは、スマホケースの光電池の周りに、再帰反射器(3枚の平面の板を互いに直角に組み合わせ、立方体の頂点型にした「コーナーキューブ」)を取り付けた。
平面的な鏡は入ってきた光を同じ角度で反対方向に跳ね返すが、再帰反射器は光が入ってきた方向と同じ方向に跳ね返す。
「自転車や道路標識に、取り付けられている反射板と同じ原理です」とアイヤーは述べる。
この反射器に向けて低出力のレーザー光線を照射すると、光線が跳ね返され、強力な充電用レーザー光線の外側を囲むようにして無害な光の束が作られる。
この光の束が何かに遮られると、照射装置はそれを感知して充電用レーザー光線の照射を停止する。
光の束が遮られた事を感知するスピードは、光の速度と同じだ。
この為、ユーザー手が光の束を突き抜けて充電用レーザー光線に触れてしまう事はまず無い。
研究チームが人間に可能な最も早い動作を調べたところ、プロ野球のピッチャーが投球時に腕を振る動きだった。
「腕の最高速度は秒速約44メートル。その速度を超えると、関節が壊れ始めてしまいます」とアイヤーは言う。
研究チームは、再帰反射器が作り出す光の束が充電用レーザー光線からどのくらい離れていれば、人間が光の束に当たった時に照射を止め、近赤外線レーザーが人間に当たらないように出来るかを計算した。
その結果は、およそ10センチメートルだった。
・超音波によるレーザー制御
唯一残った問題は、デススターを爆破しようとしたレッド中隊のようなレーザー銃を撃つ人たちを悩ませてきた問題だ。
すなわち、標的を正確に狙う事である。
この問題の解決策は、レーザーでは無く超音波だった。
研究チームは、充電するスマホのケースから、人間の耳では聞き取れない周波数の音が数回鳴るようにしたのである。
レーザー照射装置が付属のマイクで音を聞き取ると、この音が到達した時間に基づいて、スマホのおおよその位置を割り出す。
それから、低出力の光の束を反射器に向けて照射するのだ。
この光の束が戻ってくれば、レーザー光線の通り道に誰もいないと判断し、近赤外線レーザーの出力を上げて充電を始める。
ただし、このようなシステムが近い内に発売される事は無さそうだ。
「全ては学術的な取り組みとして始まったものです」とアイヤーは述べたうえで、「どのような商業的用途があるかを判断してから特許を取得し、開発やライセンス提供の方法を検討していくつもりです」と語ってくれた。
「私達がスマホの充電に狙いを定めた理由は、極めて一般的な用途であるにもかかわらず、ワイヤレスで行う適切な手段が無かったからです」。
レーザーを使ったスマホの充電は、基礎研究の素敵な副産物だったのだ。
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