2018年05月15日
GoogleのAI部門TOPに就任した「天才」の発言に注目!
さて、今回は「Google/AI部門Topの天才エンジニア」についてです。
・AIでGoogleが挑む課題
Googleの人工知能(AI)部門のトップに、シリコンバレーでは天才エンジニアの一人として知られる「ジェフ・ディーン」(上の写真の人物)が昇格しました。
彼はいかに、Googleの「AIファースト」戦略を牽引し、世界にイノベーションを起こそうとしているのか。
ディーンが語った「3つのキーワード」からは、Googleが挑戦すべき事と解決すべき課題が見えてきました。
Googleがこれまでに行ってきた人工知能(AI)への巨額の投資のおかげで、作曲したり複雑なボードゲームで人間に勝ったり出来るソフトウェアが誕生しました。
この先、一体どんな事が可能になるのでしょうか。
GoogleのAI部門の新しい責任者であるジェフ・ディーンは、医療などの分野に挑戦したいと話しました。
彼はまた、テクノロジーの活用が進むにつれ、AIの適切な利用を巡って道徳的に難しい問題に直面する事になると警告しています。
50歳になるディーンは痩せ型のコンピュータサイエンティストで、Googleには設立後間もない1999年に入社しました。
同社がデータベースや大規模データ分析への新しいアプローチによって巨大IT企業に成長する上で多大な貢献を果たしており、業界で最も才能あるコーダーの一人として知られています。
同僚達が冗談で「ジェフ・ディーンの真実」と呼ばれるWebサイトを立ち上げた事があります。
それによると、「光の速度を速める事に寄与した」とか、「ディーンは実在の人物では無い」とか、「実際には彼自身によって作られた高度なAIだ」などの面白い説があるそうです。
・Googleの「AIファースト」を牽引
ディーンは2011年にGoogleの次世代技術開発プロジェクト「Google X」に参加しました。
彼はここで多層ニューラルネットワークによる機械学習を研究し、シリコンバレーのAIブームに火をつけています。
Google Xからは、Youtubeで猫の動画を見分けるソフトウェアが生まれました。
Googleはディープラーニングを使って音声認識の精度を大きく向上させ、このテクノロジーをあらゆる分野で自社戦略の中核に据えました。
猫の動画のプロジェクトは「Google Brain」というAIの研究グループへと変貌を遂げ、ディーンは2012年からこのチームを率いています。
今年4月初めには、アップルのAI事業の責任者になる為に退社したジョン・ジャナンドレア(下の写真の人物)の後任として、GoogleのAI部門のトップに昇格しました。
ディーンは、恐らくは世界最先端のAI研究の指揮を執る事になります。
同部門では「より自然な音声合成技術」や「ロボットに物を握る事を教える」など、様々なテーマで研究が進められています。
一方で、ディーンは「Googleの未来」を開発するという困難な課題に取り組んでいかねばならない。
最高経営責任者(CEO)のサンダー・ピチャイ(下の写真の人物)は、Googleの戦略は「AIファースト」で、全事業はAIの上に成り立っていくと明言しています。
・「医療」進出がGoogleのビジネスモデルを変える
ディーンは新しい事業分野の開拓に意欲を示しています。
GoogleのAI研究はこれまで、検索やモバイルOSの「Android」といった既存プロダクトの改良に活用されてきました。
ディーンは「機械学習の能力や研究の成果により、全く新しい分野に進出出来るのではないかと考えています。その方向にある一つの可能性が、医療です」と語りました。
ディーンは詳細を語らなかったが、Googleが進める二つの研究プロジェクトが手掛かりになります。
一つは糖尿病の合併症として起こる失明の兆候を、ディープラーニングを用いて早期発見する為のソフトウェアです。
これは、インドで試験運用が行われます。
もう一つは、この技術を乳がんの検出に応用するシステムです。
既に米食品医薬局(FDA)は、AIを使った診断プログラムなどを承認しています。
医療分野で成功すれば、既存のビジネスモデルを変える事が可能になるかも知れません。
Googleは多様な事業を展開するが、その収益は依然として広告に大きく依存しています。
親会社アルファベットの2017年の収入は9割が、広告からのものでした。
・AI構築の自動化にも関心
また、ディーンはAIの自動化にも大きな関心を抱いています。
機械学習プログラムを作る機械学習のソフトウェアというものです。
「機械学習の恩恵という意味で、素晴らしい可能性を秘めています。ただ現状では、専門家の数が相対的に不足しています」と、ディーンは語りました。
機械学習を利用してAIを構築するGoogleのプラットフォームは、「AutoML」と名付けられました。
アルファベットの自動運転プロジェクトとしてスタートしたウェイモ(Waymo)は、自律走行車のセンサーシステムの改良の為にこの技術を試してきたといいます。
またAutoMLでは、機械学習を利用した独自の画像認識システムを作成する事も可能です。
このサービスは、クラウドで一般に利用されています。
ディーンはAIの力を使ってプログラミングを自動化する事で、ロボットが初めて遭遇する状況にも対処出来るようになるのではないかと考えています。
例えば、「見た事もない種類の瓶のふたを開ける」といった事です。
これまでの研究では、限られた領域に特化したAIは成功を収めたが、機械に複数のタスクをやらせる事では苦戦が続いています。
ディーンは「対処法の分からない未知の問題に取り組めるような、真にインテリジェントで適応力の高いシステム」がAutoMLによって実現する可能性があると説明しました。
・GoogleのAIが抱える倫理面の問題
一方で、より高度なAIシステムは、これまでには存在しなかった道徳的な問題ももたらすという事です。
Googleには、機械学習システムが「公平」であるよう保証する方法を研究するチームがあります。
2015年に「Googleフォト」が黒人の写真に「ゴリラ」とタグ付けしている事が明らかになる事件があったが、このサービスではそれ以降、「ゴリラ」「チンパンジー」「猿」といった単語ではタグの検索が出来なくなっています。
AI利用の倫理面では、他の問題も生じています。
ディーンがAI部門のトップになったのと同じ週に、Googleの従業員達が経営陣に、米国防総省との契約に反対する嘆願書を提出しました。
「ニューヨーク・タイムズ」の報道によれば、ドローン兵器の画像解析に同社のAIシステムが利用される可能性があり、嘆願書には3100人以上が署名したといいます。
ディーンは、このニュースについてはコメントを控えました。
しかし以下のように述べる事で、今すぐ問題になる事ではないが、モラルという観点から将来的な方向性を考える時に来ているのではないかと示唆している。
「実際のプロジェクトはどちらかといえば平凡で、既存のオープンソースのコンポーネントを大量に集めてまとめるといった類のものです。しかし、企業として将来的にどのような役割を担っていく事を望むのかという事を、立ち止まって考えさせる問題ではあるかと思います。AI分野でGoogleが何をすべきかについては、社内にも様々な意見があります」
※将来有望なAI関係は、こちらをご覧ください⇩
・AIでGoogleが挑む課題
Googleの人工知能(AI)部門のトップに、シリコンバレーでは天才エンジニアの一人として知られる「ジェフ・ディーン」(上の写真の人物)が昇格しました。
彼はいかに、Googleの「AIファースト」戦略を牽引し、世界にイノベーションを起こそうとしているのか。
ディーンが語った「3つのキーワード」からは、Googleが挑戦すべき事と解決すべき課題が見えてきました。
Googleがこれまでに行ってきた人工知能(AI)への巨額の投資のおかげで、作曲したり複雑なボードゲームで人間に勝ったり出来るソフトウェアが誕生しました。
この先、一体どんな事が可能になるのでしょうか。
GoogleのAI部門の新しい責任者であるジェフ・ディーンは、医療などの分野に挑戦したいと話しました。
彼はまた、テクノロジーの活用が進むにつれ、AIの適切な利用を巡って道徳的に難しい問題に直面する事になると警告しています。
50歳になるディーンは痩せ型のコンピュータサイエンティストで、Googleには設立後間もない1999年に入社しました。
同社がデータベースや大規模データ分析への新しいアプローチによって巨大IT企業に成長する上で多大な貢献を果たしており、業界で最も才能あるコーダーの一人として知られています。
同僚達が冗談で「ジェフ・ディーンの真実」と呼ばれるWebサイトを立ち上げた事があります。
それによると、「光の速度を速める事に寄与した」とか、「ディーンは実在の人物では無い」とか、「実際には彼自身によって作られた高度なAIだ」などの面白い説があるそうです。
・Googleの「AIファースト」を牽引
ディーンは2011年にGoogleの次世代技術開発プロジェクト「Google X」に参加しました。
彼はここで多層ニューラルネットワークによる機械学習を研究し、シリコンバレーのAIブームに火をつけています。
Google Xからは、Youtubeで猫の動画を見分けるソフトウェアが生まれました。
Googleはディープラーニングを使って音声認識の精度を大きく向上させ、このテクノロジーをあらゆる分野で自社戦略の中核に据えました。
猫の動画のプロジェクトは「Google Brain」というAIの研究グループへと変貌を遂げ、ディーンは2012年からこのチームを率いています。
今年4月初めには、アップルのAI事業の責任者になる為に退社したジョン・ジャナンドレア(下の写真の人物)の後任として、GoogleのAI部門のトップに昇格しました。
ディーンは、恐らくは世界最先端のAI研究の指揮を執る事になります。
同部門では「より自然な音声合成技術」や「ロボットに物を握る事を教える」など、様々なテーマで研究が進められています。
一方で、ディーンは「Googleの未来」を開発するという困難な課題に取り組んでいかねばならない。
最高経営責任者(CEO)のサンダー・ピチャイ(下の写真の人物)は、Googleの戦略は「AIファースト」で、全事業はAIの上に成り立っていくと明言しています。
・「医療」進出がGoogleのビジネスモデルを変える
ディーンは新しい事業分野の開拓に意欲を示しています。
GoogleのAI研究はこれまで、検索やモバイルOSの「Android」といった既存プロダクトの改良に活用されてきました。
ディーンは「機械学習の能力や研究の成果により、全く新しい分野に進出出来るのではないかと考えています。その方向にある一つの可能性が、医療です」と語りました。
ディーンは詳細を語らなかったが、Googleが進める二つの研究プロジェクトが手掛かりになります。
一つは糖尿病の合併症として起こる失明の兆候を、ディープラーニングを用いて早期発見する為のソフトウェアです。
これは、インドで試験運用が行われます。
もう一つは、この技術を乳がんの検出に応用するシステムです。
既に米食品医薬局(FDA)は、AIを使った診断プログラムなどを承認しています。
医療分野で成功すれば、既存のビジネスモデルを変える事が可能になるかも知れません。
Googleは多様な事業を展開するが、その収益は依然として広告に大きく依存しています。
親会社アルファベットの2017年の収入は9割が、広告からのものでした。
・AI構築の自動化にも関心
また、ディーンはAIの自動化にも大きな関心を抱いています。
機械学習プログラムを作る機械学習のソフトウェアというものです。
「機械学習の恩恵という意味で、素晴らしい可能性を秘めています。ただ現状では、専門家の数が相対的に不足しています」と、ディーンは語りました。
機械学習を利用してAIを構築するGoogleのプラットフォームは、「AutoML」と名付けられました。
アルファベットの自動運転プロジェクトとしてスタートしたウェイモ(Waymo)は、自律走行車のセンサーシステムの改良の為にこの技術を試してきたといいます。
またAutoMLでは、機械学習を利用した独自の画像認識システムを作成する事も可能です。
このサービスは、クラウドで一般に利用されています。
ディーンはAIの力を使ってプログラミングを自動化する事で、ロボットが初めて遭遇する状況にも対処出来るようになるのではないかと考えています。
例えば、「見た事もない種類の瓶のふたを開ける」といった事です。
これまでの研究では、限られた領域に特化したAIは成功を収めたが、機械に複数のタスクをやらせる事では苦戦が続いています。
ディーンは「対処法の分からない未知の問題に取り組めるような、真にインテリジェントで適応力の高いシステム」がAutoMLによって実現する可能性があると説明しました。
・GoogleのAIが抱える倫理面の問題
一方で、より高度なAIシステムは、これまでには存在しなかった道徳的な問題ももたらすという事です。
Googleには、機械学習システムが「公平」であるよう保証する方法を研究するチームがあります。
2015年に「Googleフォト」が黒人の写真に「ゴリラ」とタグ付けしている事が明らかになる事件があったが、このサービスではそれ以降、「ゴリラ」「チンパンジー」「猿」といった単語ではタグの検索が出来なくなっています。
AI利用の倫理面では、他の問題も生じています。
ディーンがAI部門のトップになったのと同じ週に、Googleの従業員達が経営陣に、米国防総省との契約に反対する嘆願書を提出しました。
「ニューヨーク・タイムズ」の報道によれば、ドローン兵器の画像解析に同社のAIシステムが利用される可能性があり、嘆願書には3100人以上が署名したといいます。
ディーンは、このニュースについてはコメントを控えました。
しかし以下のように述べる事で、今すぐ問題になる事ではないが、モラルという観点から将来的な方向性を考える時に来ているのではないかと示唆している。
「実際のプロジェクトはどちらかといえば平凡で、既存のオープンソースのコンポーネントを大量に集めてまとめるといった類のものです。しかし、企業として将来的にどのような役割を担っていく事を望むのかという事を、立ち止まって考えさせる問題ではあるかと思います。AI分野でGoogleが何をすべきかについては、社内にも様々な意見があります」
※将来有望なAI関係は、こちらをご覧ください⇩
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