食の戦争 米国の罠に落ちる日本 (文春新書) [ 鈴木 宣弘 ] 価格:902円 |
■はじめに
「今だけ、金だけ、自分だけ」は、最近の世相をよく反映している。目先の自分の利益だけしか目に入らない人々が多すぎる。しかも、国民の幸せでなく、目先の自分の利益しか見えない政治家や、人の命より儲けを優先する企業の経営陣が国の方向性を決める傾向が強まっている。
物事には、いくつもの側面がある。自分に都合の良い側面のみに基づいて主張を展開すれば、信用されないように思われる。しかし、多くの場合は、意識的なのか無意識のうちになのかはともかく、各自の利害に基づいた偏った見方が、「正論」として、まことしやかに主張される。・・・
それぞれの立場の人々が、自分たちの目先の利益だけで議論をぶつけあっても、かみ合わないし、・・・皆、自分たちの目先の利益のみに、目を奪われ、支え合う気持ち失い、やがては、全体が沈んでいって、そこで初めて気づくかもしれない。しかし、そのときではもう遅いのであろう。我々が直面している日本の現実には、悲しいが、そのような危うさを感じる。とりわけ「食」をめぐる日本の現状は危機的だ。
「今だけ、金だけ、自分だけ」というフレーズは、池田整治氏の『今、「国を守る」ということ』(PHP
研究所、2012年)よりヒントを得たことを申し添えておく。
(池田整治氏の離間工作の罠はオススメ)
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