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2017年06月26日

言語障害に対する新しい取り組み

平成28年(2016年)9月から10月のはじめにかけて、
言語障害の症状を改善させるため、
下記のような新しい試みを始めました。


1.9月中旬から、you-tubeの字幕付きの
動画を見るのをやめて、音声のみのCDを
購入し、聴くようになった。

2.ネット上のあるコミュニティに加入し、
自分が知っている知識や情報を投稿したりして、
他の会員さんたちと文字を通して交流を始めた。

3.きちんとした文章を書く力を取り戻すため、
エッセイや作文などを書いて、公募のコンテストに
いくつか応募した。

4.単発のアルバイトで、ある座談会に出席し、
参加者たちと2時間にわたって討論を交わした。

5.1対1で友人と話す機会を減らし、
代わりに複数の人たちに会う回数を増やした。



どれもこれも、元気だった頃の私が、
行った経験のあることを選びました。
元の自分を取り戻すためです。

かつての自分とは違って、いろいろな部分の能力が
落ちてしまっているため、取り組んでみたところ、
元のようにはうまくいかない面が多くありました。

具体的にお伝えしますと、それぞれの試みにおいて、
下記のような問題が起こりました。

1.音声教材を聴いているとき、途中でつい上の空になったり、
1度聴いただけでは理解できなかったりして、
巻き戻しばかりしていて、1枚のCDを聴くのに
時間が長く掛かってしまう。

2.ネット上に投稿する際、頭の中で文章を組み立てることが
うまくできないため、思い浮かんだ文章を打ち込んだ時に、
文法的に誤っていて、冒頭と結びがうまくつながっていない
文章になってしまうことがある。
 表現や言葉の細かい部分が気になり、投稿後に何度も
直しを入れてしまい、納得のいく文章が完成するまでに
時間が掛かる。

3.エッセイや作文を書く際に、文章が頭に浮かびにくく、
以前のように、表現にこだわった文章を書くことができず、
文章のレベルが落ちてしまっている。

4.座談会で発言している最中、考えていることを頭の中で
整理してから話すことができず、少ししどろもどろになったり、
話の内容が他の人に上手く伝わらないことが何度かあった。
 他の人が言った言葉に、すぐに言葉を返せないことが
あった。
 終盤、集中力が落ち、精神的に疲労感を感じた。

5.1対1や、1対2の少人数で話しているときは、
前よりもテンポ良く話せるようになってきた。
 しかし、5人で話をしたときは、
みんなの話がほとんど耳に入ってこなくて、
2時間、何の話をしていたのか、
よく分からないまま終わってしまった。

 

このように、克服しないといけない様々な問題が、
まだ残っているということが分かりました。

私は、前回と前々回にお伝えした体や心、
認知機能に関する症状と、言語機能に関する症状を
紙にまとめ、新しい主治医の初診に備えました。




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2017年06月24日

記憶力に関する症状

前回は、栄養療法開始から15ヶ月後の
平成28年(2016年)7月から8月にかけての
症状について、お伝えしました。

今回は、その続きとして、
当時の私が悩んでいた、記憶力に関する
症状についてお伝えしようと思います。


平成28年(2016年)8月下旬のことでした。

理由はわかりませんでしたが、
何となくテンションが落ち気味の日が続いていました。

それまでは、テンションが落ちると、
バラエティ番組を見たり、好きなことをしたりして、
テンションを無理に上げようとしていました。

しかしこの時は、そうしたことはせず、
あえて自然なまま、テンションが低い状態のまま、
回復するまでの約1週間を過ごしました。

そうした中、我が家でいくつかの事件が起こりました。

8月も終わりに近づいたある日、
スーパーでたくさんの買い物をした私は、
両手に袋を提げた状態で帰宅しました。

玄関のドアが閉まった後、両手がふさがっていたので、
買い物袋を居間に置いてから
ドアのカギを閉めようと思い、家の中に入りました。


その数時間後。
仕事から帰宅した夫から、
「家のカギが閉まっていなかったよ。
泥棒が入ってきたら危ないじゃない。
どうして閉めなかったの?」
と言われました。

そうです。
居間に買い物袋を置きに行った私は、
カギのことをすっかり忘れてしまい、
閉め忘れてしまったのです。

以前にも何度か、同じことがあったため、
この日、夫からは厳しく叱られてしまいました。


その数日後の夜のことでした。

夫から、ある大事な書類について、
「見当たらないけれど、
どこにあるか知らない?」
と聞かれました。

その書類のことは知っていましたが、
ありかは分かりませんでしたので、
「ううん、知らないよ」と普通に答えました。

私の答えを聞いた夫は、
「どうしよう。どこに行っちゃったんだろう」
と言いながら、あわてた様子で家中を探し始めました。

私も一緒に探しましたが、
焦っている夫に対して、私はどこか人ごとで、
事の重大さを理解できていないと自分で思いました。


探し始めてから2時間近くが経った頃、
夫が戸棚から書類が入った封筒を発見しました。
その封筒を見た瞬間、10日ほど前に、
重要な書類だからと私が封筒に入れ、
戸棚にしまった記憶がよみがえりました。


その後、夫からは叱られてしまいましたが、
見つかるまでの間、自分がしまったことを
全く思い出すことができませんでした。

夫から書類について聞かれたときは、
本当に「知らなかった」のです。

9月中にも、同じことが2回ありました。

1度目は夫は私を叱りましたが、
2度目は「再発防止に、何か対策を考えないとな。
大事な物を入れる箱を居間に置こうか」と私に提案し、
3度目は「何も覚えていないんだから、
仕方がないよね」と、
あきらめた様子でつぶやきました。


夫に対する申し訳なさと、
まだ私は30代なのに、こんな状態では
この先、どうなってしまうのだろうという不安、
精神的なショックで気分が落ち込みました。

夫は、「もうすぐ40歳だから、
年のせいなのかなぁ」と言いましたが、
私は内心、そうではなく、貧血が原因だろうと
思っていました。

しかし、このときはまだ、
貧血によって記憶力が低下してしまう原因が、
よくわかっていませんでした。

これらの出来事に限らず、他の場面においても、
これと似たようなことが時々ありました。

数分前の出来事も、
数日から10日くらい前の出来事も、
すっかり忘れて頭から抜け落ちてしまう。

記憶力を回復させるには、
いったいどうすれば良いのだろう。
なかなか良い方法が見つからず、
私は本当に悩んでいました。


栄養療法を開始以来、
1年以上にわたってお世話になってきた
主治医の退職が決まり、
お別れしたのはちょうどこの時期、
9月15日のことでした。

最後の診察の日、先生からは
「継続は力なりと言いますので、
脳トレを続けていたら、
もっと記録が伸びると思いますよ。

それから、症状に関しては、
今まで通りのサプリメントを飲んでいたら、
大丈夫だと思います」
と言われました。

年齢が割と近く、同性で話しやすくて
相性もとても良い先生でしたので、
お別れをしたときは寂しさを感じました。

診て頂いた1年5ヶ月間。
先生が、私の症状に良い変化が表れるたびに、
一緒に喜んで下さったことや、
新しいことを私がはじめるたびに、
優しく背中を押して下さったことが、
症状の改善に大きな弾みを
つけてくれていたと思います。

一方で、当時の私はこうも思いました。

「全快までをフルマラソンに例えると、
今、私は25キロから30キロくらいの
地点を走っている。

この先、ゴールに向けて
ラストスパートを掛けるためには、
聞き上手な受け身の先生ではなく、
積極的に『こうした方が良いですよ』と、
引っ張ってくれる先生が必要だと思う」
と。

新しい主治医の先生は、
今残っている私の症状に対して、
どのような対処をされるのだろう。
相性は合うだろうか。

初診までの約1ヶ月間、
私は期待感と不安感が入り交じった
感情を抱きながら、
日々を過ごしていました。




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栄養療法開始から15ヶ月後の症状について

今回は、栄養療法開始から15ヶ月後の
平成28年(2016年)7月から8月にかけての
症状について、お伝えしようと思います。


この頃、体の症状としては、
下記の自覚症状がありました。

・手足がむずむずして寝付きが悪い。
・舌の縁にギザギザがある。
・時々、のどが痛くてひりひりする。
・カゼを引きやすい。
・両耳の後ろのリンパ節が腫れている。

栄養療法を開始した時期に比べると、
大半の症状が取れて、
体調がだいぶ良くなっていました。


この頃は、日課の脳トレに加え、
毎日、字幕付きのyou-tubeの動画を見て、
聴き取りのトレーニングを行ったり、
月に1度、落語を聴きに出かけたり、
本を読んだりして過ごしていました。

また、「フリーズする脳」を読んで以来、
カクテルパーティ効果の機能を高めるために、
外から聞こえてくる会話に耳を傾ける
トレーニングも、毎日のように行っていました。

このトレーニングを始める前は、
字幕がついていないテレビ番組を見ている際に、
耳に入ってきた言葉の1つ1つを、
頭の中で平仮名と漢字交じりの文章に
変換しながら、意味を理解していました。

そのため、漢字の変換につまづいたり、
瞬時に意味を理解できなかった場合、
置いてけぼりを食らってしまったり、
集中力が長く続かなかったりして、
短時間しか聞くことができませんでした。

しかし、「カクテルパーティ効果」の
トレーニングを始めてからは、
いちいち文字変換をしなくても、
ストレートに理解できるようになってきて、
聴いている時のストレスが少し減りました。

また、人に会ったときにも、以前よりは
相手の話を聞けるようになってきました。

ただし、友人と会っている時は、
会話をする時間が長くなるため、
断続的に集中力が途切れがちで、
相手の話を聞きながら、
つい上の空になってしまうことも
多くありました。

精神面に関しても、
時々、ちょっとしたきっかけで
テンションが落ちてしまい、
低い状態がしばらく続いたり、
会う人によってテンションが上がりやすかったり、
上がらなかったりするなど、
不安定さが残っていました。

他にも「笑顔が出にくい」、
「思うように笑えない」という
症状もありました。

そこで、脳の感情系を刺激してみようと思い、
夏の間、下記のような体験をしてみました。


・ふだんは見ないアクション映画を見て、
恐怖感や不安感、安堵感など、
日常生活では感じることの少ない、
感情を味わった。
・よくCDを聴いている、好きな歌手の
ライブに初めて行ってみた。
・知らない人たちばかりの集まりに出かけて、
緊張感を味わいながらも、参加者と触れあった。
・当時、開かれていたオリンピックの試合を
リアルタイムで見て、どきどきや感動を味わった。
など。


こうしたことを続けるうちに、
感情が表に出やすくなってきて、
テンションが高めの状態が続きました。

ところがその反動からか、その後、
今度は涙もろくなり、
ささいなことで涙を流すようになりました。

このように、短期間に感情がころころ変化し、
私自身がそれについていけない部分もありましたが、
さまざまな感情が表に出てきたことで、
固くなっていた心が、少しほぐれたように感じました。

ただ、それは家の中にいる時であって、
まだ他人に対しては心の距離を感じていました。
そのため、知り合いに笑いかけられても、
笑い返せなかったり、
ぎこちない笑顔になってしまうことが多くありました。


このように、まだ問題は色々と残っていたものの、
栄養療法を開始した頃に比べれば、心身の状態は
だいぶ良くなりつつありました。

そうした中、1つだけ、
一向に良くならない部分がありました。
それは、記憶力に関する機能でした。

次回は、当時、私が困っていた
記憶力に関する症状について、お伝えしようと思います。





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5回目の血液検査の結果

今回は、平成28年(2016年)6月に受けた、
5回目の血液検査の結果について
お伝えしようと思います。

検査結果を聞いたのは、7月20日のことでした。

ヘモグロビンの値は、13.3から13.5に
上がっていました。

フェリチンの値も、これまでは
65.8→73.8→61.9→54.2と、
なぜか順調に上がらずに下がっていましたが、
今回は64.0に上がっていました。

ただ、まだ両方とも、正常値には回復していないため、
医師からは「鉄がまだ不足していますね」
と言われました。

亜鉛は、血清亜鉛の数値は101で、
相変わらず正常値を維持していました。

一方、アルカリフォスファターゼの方は、
この4ヶ月間、66mgも亜鉛のサプリメントを
摂取していたにもかかわらず、
なぜか104から98に下がってしまいました。

この項目は、栄養療法を開始以来、
微妙な上がり下がりを繰り返すばかりで
数値に大きな変化がなく、なぜ上がっていかないのか
不思議に思いました。


タンパク質の摂取量を表す尿素窒素は、
前回と同じく16.2で、正常値の範囲内でした。
数値を見て、現状の摂取量を維持していれば、
問題ないのだと分かり、自信が持てました。

また、前のクリニックでは毎回、問題視されていた
GOTとGPTの値も、前回と同様、
正常値の20と21の数値で安定しており、医師も
「肝臓の数値はいいですね。ビタミンBが足りていますね」
と、太鼓判を押してくれました。

ただ、コレステロールや中性脂肪の数値は
依然として低く、深刻な不足を表す印がついており、
医師からも「まだまだ足りないので、
もっとたくさん食べて下さい」
と言われてしまいました。

ざっと見た印象としては、
前回とさほど変わっていないという気がしました。

そこで医師に、
「もう少し良くなっていると、
期待していたんですけどね。
自覚症状が減って、だいぶ良くなったと
思っていたものですから」
と言いました。

すると医師は、
「数値に表れるまでは、時間が掛かりますからね。
でも今回は、正常値になったり、重度の不足から
軽度の不足に変わった項目がいくつもありますよ」
と言うと、乳酸脱水素酵素やコリンエステラーゼ、
血清アミラーゼなど、はっきりと数値が上がっている
項目を指さしました。

また、
「網状赤血球が正常値になりましたよ」
と喜んで下さいました。

赤血球の赤ちゃんの数を表す網状赤血球の数値は、
前回までは数値が高く、赤血球が順調に
育っていない状態だと言われていました。

しかし今回、前回の18という数値から
一気に12まで下がり、正常値に回復していました。

それは、ようやく深刻な栄養不足状態を脱し、
赤血球が正常に育つようになってきた
ことを示していました。

他にも、リンパ球が22.4から23.3へと、
微量ですが上がっていたり、胃液の状態を表す
ペプシノーゲンも、42.1から46.1に
上がっていました。


栄養療法を始めて約1年3ヶ月。

気長にサプリメントを飲み続けてきた
効果がようやく表れ、
体の状態が好転しつつあることが、
結果を通して分かりました。

このまま栄養療法を続けていたら、
体全体の調子が良くなって、
健康を取り戻すことができる。

この日、私はそう確信を持つことが
できました。

とてもうれしい1日でした。




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2017年06月15日

鉄欠乏性貧血によって脳の機能が低下する理由

前回、鉄欠乏性貧血の患者さんは、
軽度認知障害を発症する可能性が
高くなるということをお伝えしました。

これは、なぜ「鉄欠乏性貧血」にかかると、
脳の機能が低下してしまうのか、
というお話にもつながってくるのですが、
今回はその理由についてお伝えしようと思います。


「フリーズする脳」という本では、
健康で脳にも問題がなくても、使い方が偏っていたり、
生活の仕方に問題があると、脳の機能が低下してしまう
ということが、具体例とともにつづられています。

一方で、ページ数は少ないのですが、
脳や体に病気がある場合についても触れられています。

著者の築山氏は次のように述べています。
「脳には、心臓から拍出される全血液の
約十五パーセントもが送られ、
脳神経の活動に必要な酵素とブドウ糖が
供給されています。
この血流に問題が起こると、
さまざまな脳機能の低下が生じてくる
ということが当然起こりうる。」


このことについて、
やはり脳が専門である現在の主治医に、
鉄欠乏性貧血を発症後、私がなぜ
認知機能や言語に関するさまざまな症状を
抱えてしまったのか、原因を尋ねてみました。

すると主治医は、つぎの2つの要因を挙げました。

1.鉄の不足により、脳の酸素不足状態が続いたこと。

2.ビタミンB群の不足により、糖の代謝がうまくいかず、
脳に供給されるブドウ糖の量が減ったこと。


ほかに、初診の際に主治医は、
脳の神経伝達物質である、
ドーパミンとセロトニンの不足が
脳機能低下の原因になったと教えてくれました。

これら2つの神経伝達物質。
これまで私の記事をずっと読んでくださっている方は、
覚えていらっしゃるかもしれませんが、
鉄欠乏性貧血によって、精神的な症状が
引き起こされる原因にも関わっていました。

大事な要素なので、今回は神経伝達物質について、
きちんとご説明しようと思います。

脳には、130億個もの神経細胞が
存在しており、神経細胞と神経細胞の間には
隙間があります。

この隙間の部分、つまりは接合部分のことを
シナプスと言いますが、隙間があるために、
そのままの状態では情報を伝える電気信号を
送ることができません。

そこで、シナプスの部分に存在し、
細胞間の情報伝達を行ってくれるのが
神経伝達物質なのです。

神経伝達物質には、数種類あるのですが、
脳の中枢に存在するのが、ノルアドレナリンやセロトニン、
ドーパミン、アセチルコリンと呼ばれる物質です。

前にもお伝えしましたが、
ドーパミンとセロトニンは、
それぞれ別々のアミノ酸が原料となっています。

アミノ酸が神経伝達物質に変換される際には、
酵素が関係しており、
その酵素の働きを助けているのが、
おもに鉄とタンパク質、
それからビタミンB群の中の
ビタミンB6,ナイアシン、葉酸です。

ドーパミンはやる気を
起こさせる神経伝達物質で、
セロトニンは精神を安定させる神経伝達物質です。

そのため、これらの栄養素が不足すると、
ドーパミンとセロトニンの量が減ってしまい、
精神面の症状を引き起こしてしまうと、
前にお伝えしました。

ドーパミンとセロトニンには、
精神面への関わり以外にも役割がいくつもあり、
前頭葉の前頭前野や海馬など、
認知機能や記憶に関わる部位においても
情報伝達を行っているそうです。

したがって、ドーパミンとセロトニンの量が
減ってしまうと、精神面に影響が出るだけでなく、
前頭前野や海馬など、脳の機能の働きまで
低下してしまうのです。


このように、鉄欠乏性貧血の発症によって、
やる気がなくなったり、気分が落ち込んだり、
または集中力や注意力、
記憶力などの低下が起こる背景には、
栄養素の不足が関係しているということが、
お分かり頂けたのではないかと思います。

今回のお話は、これで終わりにします。



今回、参考にしたページ
http://seseragi-mentalclinic.com/serotonin/
http://kusuri-jouhou.com/domestic-medicine/schizophrenia4.html


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2017年06月12日

軽度認知機能障害の発症リスクについて

これまで7回にわたり、
「フリーズする脳」の本を元に、
高次脳機能の低下や、前頭葉の機能低下によって
起こりやすくなる症状について、
お伝えしてきました。

本書によって、私は自分の症状に関係する
下記の事実を知ることができました。

・脳に関するさまざまな症状が起こっているのは、
神経細胞のネットワークが衰退し、無意味な細胞の
集まりに戻ってしまったことで、正常な働きが
できなくなっているからであること。

・神経細胞のネットワークが失われ、
無意味な細胞に戻ってはいるけれど、
病気や怪我で細胞が壊れたわけではないため、
意識してバランス良く脳を使うことによって、
失われたネットワークを
再構築させていくことが可能であること。

・音読や計算ドリルなども、
脳機能を回復させるうえで有効ではあるけれど、
それだけでは回復に限界があること。


2つめに関してですが、前に私は、
「栄養療法開始から半年後の変化について」の
記事の中で、下記のように書きました。

「栄養不足が原因で、感情や表情、言葉が失われ、
一時期は別人のようになってしまいましたが、
2年近いブランクがあるにもかかわらず、
再び自分らしさが自然と戻ってきたことに対して、
驚きを覚えずにはいられませんでした。

それはまるで、いったんバラバラになってしまった
ジグソーパズルのピースを、
改めて枠にはめ直しているかのような、
正確で緻密な回復ぶりでした。」

私は素人ですので、脳に関する専門的な知識は
ありませんが、患者本人としての実感として、
まさに当たっていたということになります。


3つめに関しては、この本を読む1年前から、
ルモシティを始めとするさまざまな
脳力トレーニングを行ってきたけれど、
回復には至らなかったことから、
私自身も「脳トレには限界がある」と
感じていました。

これ以上、何をすれば良くなるのか、
分からないでいた私にとって、
具体的な道しるべを最初に示してくれた
この本との出会いは、回復へのとても大きな
転機となりました。


ところで、築山氏は本のあとがきで、
とても重要なつぎのことを述べています。

(以下、抜粋)
本書では、これまでに「フリーズする脳」という
状態をさまざまな角度から考察してきました。

それは何らかの脳機能がいつの間にか
低下しているために「不意に何かができない」
ということが起こりやすくなっている状態であり、
また、感情系のエネルギーが相対的に高くなって
いるために、思考系を上手く使えなくなっている
状態でもあります。

いずれの場合でも、確実に言えるのは、
放置しておけば深刻なボケ症状に
つながりかねないということです。
逆に言えば、フリーズする脳の段階で気づき、
適切なトレーニングや生活の改善をしていけば、
それ以上状態が悪くなっていくのを防ぐことが
できると私は考えています」


これまで私は皆さんに、自分が体験した
脳に関するさまざまな症状、そして
「フリーズする脳」で挙げられていた数々の症状を、
こまかくお伝えしてきました。

そのうえで、症状を改善させるために有効な方法も、
一緒にお伝えしてきました。

それは、鉄欠乏性貧血を発症すると、
脳の機能低下を引き起こしやすくなるだけでなく、
将来的に軽度認知障害(MCI)を
発症するリスクが、健康な人よりも高いことが、
研究者によって明らかになっているからなのです。
http://healthpress.jp/2015/12/post-2185.html


軽度認知障害は、認知症の前段階と言われ、
健康な人と認知症患者の中間に
位置している状態です。

生活習慣の改善や運動、脳トレなどの
適切な対処を取ると、正常な状態に戻れることも
ありますが、放置していると、
認知機能の低下の状態が続き、
5年以内に認知症を発症しやすくなります。

私は、このことを知ってから、
1日も早く脳を元気だった頃の状態に
戻さねば、という思いが強くなり、
それまで以上に努力をするようになりました。

ちなみに、築山氏によれば、
低下した脳機能が回復してくると、
つぎのような共通した変化が起こるそうです。

まずは、前回の記事でお伝えした状態とは反対に、
「目が動くようになる」。
つまりは、前頭葉が情報を受け取りやすくなり、
「目をキョロキョロと動かし、周囲の情報を
広く集めよう」とするそうです。

もう1つは、「声が大きくなり、
話に身振り手振りが混じるようになり、
はっきりとお話」をするようになるという
変化が表れるそうです。

これについて、築山氏は「フリーズする脳」の中で、
つぎのように述べています。

(以下、抜粋)
「脳はレーダーの中枢であり、情報を処理する
器官であるのと同時に、体を使って意志を表出
しようともしています。その機能が高まってくると、
相手に何かを伝えようとしたときに、
口を始めとして、体がパッと動くようになる。
要するに意志と表現に一体感がでてくるわけです」

これに関しては、私も回復の過程で
同じ変化を自分で感じていました。

まず、栄養療法を開始してまもなく、
話し声が大きくなりました。
その後、会話の最中に身振り手振りが出るようになったり、
表情が少しずつ豊かになっていき、
生き生きとした状態を取り戻すことが
できました。

他に、回復の過程で自覚していたのは、
話す速度と体を動かす速度(俊敏さ)
の変化でした。

両方とも、まるで段差が大きな階段を
上がっているかのように、
ある日とつぜん、速くなったことが
何度もありました。

話す速度が速い、つまり早口な人は、
頭の回転が速いとよく言われますが、
俊敏さも脳の機能と
関係しているのかもしれません。

これらは私にとって、回復の
バロメータの1つになっています。


それでは今回は、
これで終わりにします。

次回は、脳機能低下の原因について、
お伝えしようと思います。




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2017年06月09日

前頭葉の機能低下による典型的な症状

前回までは2回にわたって、
「話を聞くこと」に関する症状について、
「フリーズする脳」の本を元に、
対処法をお伝えしました。

その「フリーズする脳」の著書、築山節氏によりますと、
脳機能が著しく低下した状態になると、
ある共通した変化が起こるそうです。

まずは、「目をあまり動かさなくなる」そうで、
これについて、築山氏はつぎのように説明しています。

「脳、特に前頭葉には、レーダーの中枢のような
役割があります。それが十分に機能しているときには、
周囲の変化に敏感になるし、その変化への対応が
脳を活性化させる。その逆のことが起こってしまって
いるわけです。情報のとり方が非常に狭窄的になって
いるため、周囲の変化に気づきにくくなり、
それがまた脳の活動を停滞させるという悪循環に
陥っている。そういう患者さんが生活を改善し、
脳機能を回復させるトレーニングを重ねていって、
治っていくときには、目が動くようになる、
ということから変わっていきます。」

この箇所を読んだとき、私の中で納得したことが
ありました。

栄養療法を受ける前、私はあるクリニックに通院していました。
1年2ヶ月の間、月に1,2度、診察を受けていましたが、
診察室の様子を思い出そうとしても、
医師と向かい合って座っていた机とイス、
医師が記入していたカルテ、卓上カレンダーしか思い浮かばず、
部屋全体の様子はまったく記憶にありませんでした。

ところが、栄養療法を受けている今のクリニックの診察室は、
机や椅子はもちろん、部屋の大きさや全体像まで、
通い始めてしばらく経つと、
すんなりと思い浮かべることができました。

この違いについて、内心、不思議に思っていたのですが、
前のクリニックに通っていた頃は、脳の機能全体が
ひどく低下していたために、情報を受け取る機能が弱まっており、
目の前の物しか見ていなかったからなのだと分かりました。

ちょうど、「フリーズする脳」を読む2ヶ月くらい前、
平成28年(2016年)5月頃からは、
元気だった頃のように、初めての場所に行くと、
キョロキョロと顔を動かしながら、
その空間全体の雰囲気を掴もうとしたり、
その場所にある色々な物や、そこにいる人に興味を持つなど、
好奇心が戻りつつあると感じていました。

当時はまだ、さまざまな症状が残っていたものの、
徐々に脳の機能に回復の兆しが
表れ始めていたのかもしれません。

これら以外にも、築山氏は前頭葉の機能が
低下した場合に起こりやすくなることとして、
下記のような症状を挙げています。

(以下、抜粋)
・会話の中に「あれ」「それ」などの指示語が多くなる。
・慣れない相手に言いたいことを上手く伝えられなくなる
・同じ相手に、同じ話や冗談を繰り返し言うことが多くなる
・みんなが笑っているときにタイミングよく笑えなくなる
・予定を立てるのが苦手になり、時間を上手く使えなくなる
・物をよくなくすようになる。紛失物を上手く探せなくなる
・全体を考えることが苦手になり、細部に固執しがちになる
・融通が利かなくなる。流行や時事的なことに疎くなる


私の場合、どれもこれもすべてが当てはまり、
それにより、日常生活で困った経験が数多くありました。

しかし、その後、脳の機能が回復するにつれ、
こうした困った症状は徐々に取れていきました。


あなたはどうでしたか?

もし、当てはまる症状があるようでしたら、
症状の悪化や広がりを防ぐためにも、
私がこれまでにお伝えした脳トレや、
日常生活でできるトレーニングを、
ぜひ始めてみてください。

前にもお伝えしましたが、
いったん低下した脳の機能が、
自然に良くなることはありません。

変化に気づいた時点で、
すぐに改善に向けて取り組めば、
それだけ回復も早くなります。

このことを、心に留めて置いて頂きたいと思います。




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2017年06月06日

聞くことに関する症状と読み書きとの関係

前回は、人が大勢いる中で1人の話を
注意深く聞くことができる能力を指す、
「カクテルパーティ効果」について
お伝えしました。

今回も、「人の話を聴くのが苦手」、
「人の話が頭に残らない」など、
聞くことに関する症状をテーマに、
お伝えしようと思います。

「フリーズする脳」の著書、築山氏によれば、
「話を聞く」ことに関する症状がある場合は、
前回お伝えしたトレーニングに加え、
「新聞のコラムの書き写しと音読」と、
「中に出てきた単語をできるだけたくさん
思い出すという訓練」を続けると良いそうです。

「聞くことに関する症状と読み書きに、
どのような関係があるの?」と、
疑問に思われた方がいらっしゃるかもしれません。

その理由について、築山氏は本の中で、
つぎのように述べています。

(以下、抜粋)
 英語を勉強するときのことを
改めて思い出してみて下さい。
ヒヤリングの能力を向上させるには、
英語を「書き慣れる」「読み慣れる」
ことが必要です。
 これはごく簡単に言えば、脳の言語中枢の
中で、聞く方と話す方がバラバラに
あるのではなく、解釈する部分を挟んで
一連の流れになっているからで、
日本語を聴き取る力を高めるときにも、
この構造を利用することが有効だと
考えられます。
 

築山氏は注意点として、読み書きを行う際には
「内容を理解して、風景を思い浮かべながら」
行うことが大切だと勧めています。
ただ言葉を追うだけでは、記憶に残りにくい
からだそうです。


この箇所を読んだ私は、効果に期待しながら、
さっそく新聞の記事を音読してみました。
すると、新たにショックな症状が
明らかになりました。

たどたどしく、言葉がつかえてばかりで、
なかなか読み進めることができなかったのです。
さらに、目では漢字をきちんと捉えて、
読み方も分かっているにもかかわらず、
なぜか口に出すと、全く違う言葉が出てきたり、
言い間違えたりしてしまい、
まともに音読をすることができませんでした。

この約2年前、思うように言葉を話せなかった
時期は、反対に、紙に書いた言葉は比較的、
すらすらと読むことができていました。

いつから、音読が苦手になってしまったのかは
分かりませんでしたが、1つ言えることは、
しばらくの間、音読をしていなかった
ということでした。

ショックを受けながらも、私はその後、
2週間くらいはほぼ毎日、新聞記事の音読を
続けました。しかし、やがて音読をするのを
やめてしまいました。読んでいる最中、
つかえたり間違えたりしてばかりいる
自分の声を聞くのが辛くて、
嫌になってしまったからです。

というのも、中学時代に私は、国語の先生から
「あなたは音読が上手ね」と褒められたことがありました。
先生の言葉がきっかけで、大人になってから
高齢者を対象に読み聞かせのボランティアを行うなど、
人前で本を読む機会が多くありました。

そうした経験があるだけに、音読が下手になった
状態を受け入れることができませんでした。

このとき、音読をやめてしまったことを、
後で後悔することになるのですが、その話は
改めてお伝えしようと思います。

音読は挫折しましたが、「フリーズする脳」を
読んだことがきっかけで、私はそれまで以上に、
読み書きに力を注ぐようになりました。

そして、4つの言語機能すべてを向上させて
いくことを、日常生活の中で意識しつつ、
「読む」→「書く」→「聞く」→「話す」の順に、
機能を回復させることにしました。

つまりは、4つの機能を少しずつ底上げしつつも、
1つずつ順番に焦点を当て、重点的に回復に向けて
取り組んでいくと決めたのです。

このやり方は、効率が良かったようで、
この後、回復の速度が上がっていきました。

ただ、私と同じように言語に関する症状が
ある場合でも、症状や状態には個人差がありますので、
参考程度に捉えて頂ければと思います。




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2017年06月02日

カクテルパーティ効果

前回までの2回にわたり、「記憶」について
お伝えしました。

今回からは、言語に関する症状をテーマに、
綴っていきますね。

「フリーズする脳」には、「人の話を聞き取れない」
「人から言われたことが記憶に残っていない」
「人に話しかけられたときに頭が働かない」
「長い話をするのが苦手」など、
言語に関する症状を持った人たちも登場します。

一部、原因が異なるものもありましたが、
これらの症状も、やはりすべてが私の症状と
一致していました。

どれもこれも、困った症状ではありましたが、
特に日常生活で困っていたのが、
人の話を聴くことに関する症状でした。

そこで今回は、この症状に関する内容について、
お伝えしようと思います。

本に登場するのは、若い営業部のサラリーマンです。
若者らしく、人との連絡にはメールを使い、
外出中は携帯型音楽プレーヤーで音楽を聴くのが
習慣化していました。
そのうえ一人暮らしで、ふだん人と話す機会は
ほとんどない状態でした。

やがて彼は、営業の仕事で複数の人との会話の最中、
頭がぼんやりしたり、話が頭に入らないなどの
自覚症状を感じるようになり、病院を受診しました。

著書の築山氏によれば、大勢の人といるときに、
話をしている1人に注意を集中させたり、
全方位から入ってくる音の情報をキャッチして、
必要な情報だけを脳に取り入れるという働きも、
高次脳機能によるものだそうです。

これを、「カクテルパーティ効果」というそうで、
彼の症状は、高次脳機能の低下が原因でした。

「フリーズする脳」には、
つぎのような説明が載っています。


(以下、抜粋)
「パーティのような、みんながワイワイ話している状況でも、
誰か一人の話を聞こうとしたとき、そこに注意を
集中させられる。そういう能力を
「カクテルパーティ効果」といいます。
(中略)
その高次脳機能が低下し、カクテルパーティ効果が
使えなくなっている結果起こってくる弊害は、
たまに大勢で会議をしたときに聞き取れなくて困るという
ことだけではありません。情報を多面的に受け取れない
人になっていくことにもつながっていると思います。」


この箇所を読んだとき、自分の状態と照らし合わせ、
たしかにその通りだと思いました。

当時、私は自覚症状として、
複数の友人と会話をしているときに、
集中力が途切れやすかったり、
話の内容を理解しにくいと感じていました。

しかし、会話のときに限らず、
日常生活全般において、
耳から入ってくる情報がとても
乏しくなっていたのです。

本の中で築山氏は、聞き分ける能力を鍛え、
症状を改善させるためには、
「注意して聞き耳を立てなければ
ならないような環境が必要」だとし、
「雑多な話し声が飛び交っている
中で一人の話を聞き取ろうとする機会を
増やそうとするしかありません」
と書いていました。

本には、具体的なトレーニングの仕方として、
つぎのような例が挙げられていました。

・自分以外の家族が会話をしているときに、
その話に聞き耳を立てる。
・通勤電車の中で、乗客の1人か2人に
意識を集中させ、会話を聞き取る。
・異業種交流会に情報収集を兼ねて、
積極的に参加する。


あいにく、我が家は夫と2人暮らしですので、
夫が仕事でいない時間帯は、家には私しかおらず、
人の話を聴くどころか、人と会話をする機会が
そもそもありません。

それならばと、私はほぼ毎日、
日中は人がいる場所に出かけることにしました。
1人で、私が好きな雑貨屋や洋服屋など、
人が集まる場所に繰り出したのです。

そうして、店内で店員とお客、またはお客同士の
会話が始まると、そちらを見ないで
意識だけを会話に集中させ、
1人1人の話を聞き取るトレーニングをしました。

さまざまな場所でトレーニングを行いましたが、
私がもっとも効果を感じたのは飲食店でした。

まず、食事を注文して運ばれてくるのを
待つ間、始めは近くのテーブルに
座っている一組の会話に耳を傾けました。

しばらくして耳が慣れてきたら、今度は
遠くの方から聞こえてくる店員同士の会話、
レジにいる店員とお客の会話など、
様々な方向に聴覚のアンテナを向け、
なるべく多くの会話を聞き取る
トレーニングをしました。

飲食代が掛かりますので、毎日行うことは
できず、たまにでしたが、非常に良い
トレーニングになりました。

とはいえ、人様の会話に聞き耳を立てる
というのは、趣味の良い話ではありません。
会話を聞く時には、内容ではなく、
あくまで言葉の音に意識を集中させ、
1組につき、長くても1、2分くらいで、
聞くのをやめるようにしました。

それまで3年以上にわたって、
人の話を聞いて理解する能力が
低下した状態が続いていたうえに、
集中力もすぐに途切れていたため、
人の話を「聞き流す」癖がついており、
最初は話をよく聞き取ることができませんでした。

それでも、努力の甲斐があって、
1週間が経った頃からテレビの音声が、
トレーニングをする前と比べて、
耳に入りやすくなってきたと
感じるようになりました。

10日も経つと、飲食店の隣のテーブルの会話と、
遠くで交わされている店員さん同士の会話を、
それぞれ聴き分けられるようになりました。

しかしながら、このトレーニングだけでは、
症状を回復させることはできず、
その後も困った症状は長く続きましたが、
効果は確かにありました。

また、このトレーニングを通して、
副産物も得られました。

以前は、1人でいるときにはつい、
携帯をいじってしまったり、
本を読んだり、考え事をしていたりと、
自分の世界に入り込んでしまうことが
よくありました。

しかし、トレーニングを始めたことで、
意識して感覚を外に向けるという、
良い習慣ができたのです。

話が長くなりましたが、私のように、
人の話を聴くことに関する症状で
お困りの方は、明日からでもすぐに、
「カクテルパーティ効果」のトレーニングを
日常生活に取り入れてみて下さい。

きっと、症状を回復させる一助に
なると思います。

それでは、今回はこれで終わりにします。




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2017年05月30日

記憶力に関する話

前回は、前頭葉と記憶力の関係について、
お伝えしました。

記事の中で、「記憶力の低下で悩んでいる方は、
自力で思い出す努力をするようにして下さい」
とお勧めしました。

「フリーズする脳」の著者である築山氏も、
本書の中で記憶力を回復させる方法の1つとして、
「繰り返し思い出すこと」を一番に挙げています。
(くわしい内容を知りたい方は、
本をご覧頂ければと思います。)

ただ、自分自身の経験から、
皆さんにお伝えしたいことがあります。

それは、脳の偏った使い方によって、
記憶力が一時的に低下してしまった
健康な人の場合と、
鉄欠乏性貧血という病気が原因で、
記憶力が低下してしまった人とでは、
対処の仕方に違いが生じる場合が
あるということです。

「フリーズする脳」の本を読んだ後、
私は以前から行っていた、
記憶力を回復させる脳トレを行いながら、
時間が掛かっても、
自力で思い出す努力を何ヶ月間か行いました。

努力を重ねるうちに、
会話の最中にリアルタイムで言葉を
思い出せないことはよくあったものの、
時間をかければ思い出せることが、
わずかずつですが増えていきました。

ただ、元の記憶力のレベルと比べると、
回復にはほど遠い状態でした。

自力での努力に限界を感じていた時期に、
今の主治医と出会いました。
主治医は、私の記憶力がなぜ一向に回復しないのか、
原因を考えて下さって、記憶力の回復に効果がある
サプリメントと脳トレを勧めて下さいました。

主治医の指示通りにした結果、
まだ元の状態にはほど遠いものの、
記憶力低下の状態が改善しました。

ただし、この場で皆さんに、
私が受けた治療法について、
お伝えするのはやめておこうと思います。

理由は、サプリメントの服用や脳トレを始める前に、
自力で思い出す努力をする習慣を
きちんとつけておいたことが、
これらの効果を高めることに繋がり、
結果として、回復への近道になったと
考えているからです。

ですので、記憶力の低下に悩んでいらっしゃる方は、
最初のうちは苦痛に感じるかもしれませんが、
まずはなるべく努力して、
思い出すようにしてみてください。


それからもう1つ、ぜひお伝えしておきたい
ことがあります。

それは、脳は生まれたときからのすべての経験を
記憶しており、自分では忘れたと思っていても、
実は脳の中には記憶されているということです。

分かりやすいように、具体的な例を挙げますね。

たとえば、あなたが中学生の時の友人たちに
久しぶりに会い、当時の話で盛り上がったとします。

そのうちの1人が、こんなことを言いました。
「ねぇねぇ、クラスにさ、毎日、授業中に弁当を
早食いしていた男の子がいたよね。
あれって、誰だったっけ?」

全員、その男子生徒の存在は覚えていましたが、
すぐに名前を思い出すことはできず、
「ああ、いたよね。誰だったっけ?」と口々に言った後、
会話は別の話題へと移っていきました。

その数時間後、自宅に帰ってお風呂に入っている時に、
ふいにあなたは「あ、田中君だった」と思い出しました。

こんな経験、今までにしたことはありませんか?
私は、数え切れないくらいあります。

これは、脳の中の潜在意識と呼ばれる意識の
働きによるものです。

潜在意識について、軽く説明しておきますと、
人の意識には、自分で認識することのできる
顕在意識と、認識することのできない潜在意識の
2種類があると言われています。

顕在意識は、たとえば「今日の晩ご飯は、
何を作ろうかな」「今日は何のテレビを見ようかな」
など、ふだん考え事をするときなどに使っている
意識のことです。

一方、潜在意識は、自分で意識をすることは
できませんが、意識のうちの約97%を占めており、
人の無意識の思考や行動に深く関わっています。
24時間、寝ている間もずっと、
活動をし続けているそうです。

実は、記憶と潜在意識にはつながりがあり、
「あれって何だっけ?」と、1度脳に問いかけると、
たとえその場では顕在意識の力で思い出せなくても、
その後、潜在意識が考え続けてくれて、
答えを出してくれるのだそうです。

実際に私も、「あの女の人って、何て名前だったっけ?
あの、髪が長くて、目がぱっちりしたかわいい人」
などと、具体的な特徴を思い浮かべながら考えると、
時間が経ってからパッと名前が浮かんだことが
何度もありました。

そのうちに、その場で思い出せなくても、
潜在意識がそのうちに思い出してくれるから、
焦らなくても大丈夫、と思えるようになり、
少しずつ不安が減っていきました。

今、記憶力の低下で悩んでいるあなたも、
こうした能力が人の脳に備わっていると
知っているだけでも、
だいぶ気持ちが変わってくると思います。

ただし、いくら潜在意識が優秀でも、
たった1回、軽く目にしただけの名前とか、
「何となく前に聞いたような気がする」
という程度の事柄に関しては、
思い出すのは非常に難しいと思いますので、
過度な期待はしないで下さいね。

それでは、今回の記事はこれで終わりにします。




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2017年05月28日

前頭葉と記憶力の関係について

今回からは、前頭葉の機能低下により、
引き起こされる数々の症状について、
「フリーズする脳」の本を参考に、
具体的に原因や対処法などを綴っていきたいと思います。

その前にまず、お伝えしておきたいことがあります。
それは、「フリーズする脳」に出てくる患者さんたちは、
脳に器質的な問題があったり、心身に病気を抱えている
わけではない、健康な人たちであるということです。

本書には、ごく普通に社会生活を営んでいる、
会社員や大学教授、エリートのビジネスマン、
フリーライターなどが次々と登場します。

「健康な人たちがなぜ?」
そう思われた方が多いと思います。

実は、脳というのは、しばらく使わないでいると、
その部分の機能が低下してしまったり、
ボケてしまうようにできているのだそうです。
それは、人間が快楽を求め、楽な方へ、楽な方へと
いきたがる性質を持っているからです。

この性質があるゆえに、健康な人であっても、
ふだんの脳の使い方によっては、
生活に支障が出るくらいに、
高次脳機能が低下してしまうことがあるのです。

それからもう1つ。
前回、脳の前頭葉が関係している
高次脳機能の低下によって、
言語や認知機能に関する、
さまざまな症状が表れるとお伝えしました。

これに関してですが、
著者の築山節氏によりますと、
前頭葉の機能が低下して、
高次脳機能の働きが落ちてくると、
症状が現れる前に、まずは行動が
「反射的・パターン的になる」そうです。

どういうことかと言いますと、
たとえば人の話を聞いたり、文章を書いたり、
物事の計画を立てたりといった、
高次脳機能を使って行う行動が減ってしまい、
反対に、顔を洗ったり歯を磨いたり、決まった道を通って
通勤したりというような、頭をさほど使わなくても
無意識にできてしまう行動が、
1日の大半を占めるようになるということです。

この段階で、自分で気がついて、
意識的に脳を使うようにしたり、
ワンパターン化している生活を改めるなどして、
脳を刺激できると良いのですが、
そのままの状態を続けてしまうと、
やがて困った症状が表れ始めてしまうのだそうです。

このように、脳の機能が落ちてしまうことは、
健康な状態であっても起こりうる
ということを、念頭に置いた上で、
この先の記事を読み進めて頂ければと思います。


それでは、症状に関するお話に移りますね。

まずは、「人や物の名前を思い出せない」、
「慣れたはずの場所で道に迷ってしまう」など、
記憶に関する症状から取り上げます。

以前、「記憶力の種類」の記事でお伝えしたように、
短期記憶や一時的な記憶を保持しておくのは、
「海馬」による働きですが、築山氏によりますと、
その記憶を状況に応じて引き出す際には、
前頭葉が関係するそうです。
https://fanblogs.jp/hinketu/archive/83/0?1496024934

また、人と話すときに、脳に蓄積している中から
言葉や記憶を引き出したり、自分が話している内容を
保持しておきながら、つぎに話す内容を考えたり、
文を組み立てたりする際にも、
前頭葉が大きく関係しています。

そのため、前頭葉の働きが落ちると、
人や物の名前を思い出せない、
話している最中に、自分が何を話しているのかが
分からなくなる、長い話を組み立てられない、
などの症状が表れてしまうのです。

原因としては、日常生活の中での下記のような
要因が挙げられるそうです。

 ・会話がワンパターン化している
 ・ネットの検索機能に頼りきりで、
 名前を思い出す機会がほとんどない
 ・自分が思い出せないときに、
他の人がすぐに答えを教えてくれる
 ・カーナビの指示通りに運転しているので、
 自分で道を覚えたり、道を選択、判断する機会が少ない
 など。

このように、自分の脳を使って思い出したり、
覚えたりする機会が極端に減ってしまった結果、
思い出せない、覚えられないことが、
頻繁に起きてしまうようになるのだそうです。

ちょうど、この本を読んだ頃、日常生活の中で
「ええと、何だっけ?」と、言葉に詰まることが
増えていたこともあり、私は大いに反省しました。

まさに、名前を思い出せないときに、
すぐにネットで検索したり、夫に頼ってばかりいて、
自分の脳を使って思い出す努力をすることを、
怠っていたからです。

その結果、下記のような過程を経て、
悪循環に陥ってしまったのだと思いました。


 鉄不足や栄養不足によって記憶力が低下
        ↓
 人や物の名前を思い出せないことが出てきたため、
ネットの検索機能に頼るようになる
        ↓
 しだいに、日常生活で思い出せないことが増えて、
 会話の最中も人や物の名前が出てこなくなる
        ↓
    夫に教えてもらう
        ↓
 ますます、思い出せないことが多くなる
        ↓
 ネット検索をしたり、夫に聞くことが
日常茶飯事になる
        

この悪循環を断ち切るには、ただ1つ。
人やネットなどの物に頼るのをやめて、
自力で思い出す努力をするしかありません。

以来、どんなに頑張っても思い出せないときや、
今、思い出せないと困るという時だけ、
ネットで検索をしたり夫に聞くようにして、
それ以外は自力で思い出す努力をするように
なりました。


もし今、記憶力低下の自覚症状で
悩んでいる方がいらっしゃいましたら、
日頃、ネット検索に頼り切りになっていないか、
または思い出せないときに、他の人がすぐに
答えを教えてくれる状況になっていないか、
ぜひ1度、ご自分の環境を見つめ直してみて下さい。

その上で、自力で思い出す努力をする機会を、
ぜひ増やして頂けたらと思います。





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2017年05月25日

脳の部位と症状の関係

前回は、「フリーズする脳」という本を読み、
本書に書かれていた「認知症に近い症状」の数々が、
私自身の症状と一致していたという話をお伝えしました。

本書では、前回抜粋してお伝えした症状以外にも、
「会話の相手が複数になると、話が聞き取れなくなる」
「長い文章がすらすら書けていたのに書けなくなった」
「長い話をしたり聞いたりすることが極端にできない」
(カッコ内は『フリーズする脳』から抜粋)
などの症状を抱えた、
若い患者さんたちが取り上げられています。

これらの症状も、これまでの記事で
お伝えしてきたように、
鉄欠乏性貧血になって以来、
私が悩まされてきた症状と同じでした。

築山氏によりますと、「人の話を聴いて理解する」
「人の話に反応する」「長い話をする」
「人の長い話を聴く」「文章を書く」
「感情をコントロールする」などの、
日常生活で脳を使って行う動作には、
高次脳機能と呼ばれる機能が関係しているそうです。

高次脳機能とは、動物の中では人間だけに
備わっている、高度な脳機能のことです。
築山氏が、本の中で分かりやすく
説明して下さっていますので、
抜粋してご紹介させて頂きますね。

(以下、抜粋)
 「理解する」「考えをまとめる」
「相手の思考や感情を読む」「感情を抑える」、
またそれらを総合して「自分の行動を決める」
「それを意志的・計画的に行う」というのが、
いわゆる高次脳機能の働きであり、
その中枢を担っているのは「前頭葉」
と呼ばれる領域です。
(中略)
 前頭葉は、大脳半球の前方、脳の表面積全体の
約四〇パーセントをも占めている領域です。
(中略)
 進化の過程上、人間になってから飛躍的に
発達した領域で、前述のような高度な活動
すべてに関係する、人間を人間たらしめている脳と
言っていいでしょう。
 視覚野や聴覚野など感覚野から入力された情報は、
頭頂葉、側頭葉、後頭葉を介して前頭葉に集められます。
前頭葉はその情報を処理する。より具体的に言えば、
選択・判断・系列化という過程を通して、
記憶、思考、感情のコントロールに
大きな影響を与えます。



つまりは、前頭葉の機能が低下してしまうと、
言語や認知機能全般に影響が出てしまうという
ことなのです。

ところで、あなたは交通事故や脳の病気が原因で、
新しい事柄を記憶できなくなったり、
失語症という言語障害を発症してしまった人の
話を聞いたことはありますか?

これらは高次脳機能障害と呼ばれる障害で、
記憶障害や注意障害、遂行機能障害、
社会的行動障害、自己認識の低下、
失行症、失認症、失語症、
体の麻痺などの症状が、
損傷した脳の部位により引き起こされます。
http://www.f-gh.jp/koujinou/koujinou2.htm


築山氏が本の中で挙げておられたり、
私が自覚していた症状と重なる部分も多いですが、
大きく違うのは、高次機能障害の場合は
脳の損傷が原因ですが、
築山氏が治療された患者さんたちや私の場合は、
脳を損傷はしておらず、あくまで機能低下である
という点です。

この点につきましては、次回以降の記事の中で
もう少しくわしくお伝えしようと思います。


また、築山氏によりますと、脳には大きく分けて
前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉、小脳の
5つの領域があるそうです。
それぞれのおもな働きは、下記の通りです。

前頭葉・・・思考・感情のコントロール
頭頂葉・・・空間認知・感覚情報の
     コントロール
側頭葉・・・記憶の保持、聴覚情報の処理
後頭葉・・・視覚情報の処理
小脳・・・運動機能の調整


先にお伝えしておきますと、私の場合は、
前頭葉以外の領域も機能が低下していたことが、
平成28年(2016年)の秋に判明しました。

ですので、厳密に言いますと、
前頭葉の機能低下だけが、
すべての症状の原因というわけでは
なかったのですが、
そのことについては、また改めて
記事にしようと思います。


次回は、前頭葉の機能低下による
症状について、原因などをお伝えします。




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2017年05月22日

「フリーズする脳」

前回までの2回にわたり、今から約1年前に
私が感じていた、話を聞くときの困った症状について
お伝えしました。

前回の最後に、人との会話中に質問されたことを、
忘れてしまったことが続いたと書きました。

補足でお伝えしますと、
日常生活の中で夫や身近な人たちと交わす、
「今日はどこに行こうか?」
「何を食べようか?」
などと言った、単純な質問に対しては、
問題なく答えることができていました。

ところが、答えるときに、
頭の中で話す内容を考える必要があるような、
複雑な質問を受けたときには、
自分が言う言葉を頭の中で考えながら話すうちに、
相手の質問が分からなくなるという事態が起きました。

今考えますと、以前、「記憶力の種類・・・1」の記事で
お伝えした、「ワーキングメモリ」の働きが
低下していたからだと思います。
https://fanblogs.jp/hinketu/archive/83/0


このままではいけない。
何とかしなければと、焦りを感じていた
平成28年(2016年)7月初め、私は図書館から
「フリーズする脳」(築山 節著 
生活人新書 NHK出版)という本を借りました。

この本は、健康なのに認知症に近い症状を発症した、
20代から40代の若い患者さんたちを治療した医師が、
その原因や対処法について書いた本です。
発行された2005年当時、社会に衝撃を与え、
話題になりました。

私も、ネットの記事などを通して、
この本の内容は知っており、
記憶の片隅にタイトルが残っていました。

もしかしたら、今の私に関係があるのかもしれない。
そう思い、勇気を出して借りてみたのです。


さっそく読み始めた私は、下記の文章を見て、
ページを捲る手が止まりました。

(以下、抜粋)
「私たちの脳では、130億個とも言われる神経細胞が、
想像を絶する複雑さで回路を張り巡らせ、人間らしい
高度で多種多様な活動を司っています。しかし、その機能は
何もしなくても維持していられるわけではありません。(中略)

もともと脳は、神経細胞一つ一つに意味があるわけではなく、
それが集団化してつくるネットワークに
本質があるのですが、
そのネットワークは使われなければ衰退し、
無意味な細胞の集まりに戻ってしまう。
簡単に言えば、その結果として起こってくる
さまざまな障害ー記憶、思考、感情、注意、認識などの
能力の著しい低下が『ボケ症状』です。」


著者である築山氏は、本書の中で、
「ボケ」という言葉を使われていますが、
それは、怪我や病気などで脳を損傷したために
発症する認知症とは、区別して考える必要がある、
と書かれています。

その前提の上で、脳の一部、または大部分の働きが
停止してしまい、それが原因で起こる症状を、
「ボケ」と称していました。


具体的に、下記のような症状を挙げておられます。
(以下、抜粋)
「脳のある機能が思いがけず働かない瞬間がある。
たとえば、人に話しかけられたときにうまく反応できない。
言葉がなかなか出てこない。思考がすぐに途切れてしまう。
よく知っているはずの人や物の名前が思い出せない。
メールを送ろうとしてパソコンに向かったものの、
何を書こうとしていたのか完全に忘れている。
電話で人の話を聞いた直後に、もうその内容が頭から
抜け落ちている。人の話や文章を理解して記憶することが
できない・・・・」


読みながら、私は息が止まりそうになりました。
メールを送ろうとして内容を忘れる、ではなく、
検索しようとしていたことを忘れてしまう、という
若干の違いはあったものの、書かれていた症状すべてが、
私の症状に当てはまったからです。


また、それまでの私は、以前もお伝えしたように、
言語障害と認知機能の低下による症状を、
分けて捉えていました。

しかし、築山氏がおっしゃる「ボケ」の症状の中には、
どちらも入っており、相関関係があるのだと、
この時に初めて知りました。


築山氏は、なぜこのような症状が起こるのか、
そして、どのような対処法を取ったら良いのかを、
実際の臨床例を元に、具体的にくわしく書いておられます。

鉄欠乏性貧血とも深く関係がある内容ですので、
次回以降の記事の中で、時間を掛けて皆さんに
お伝えしていこうと思います。






これまでの記事を最初からご覧になりたい方は、
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2017年05月15日

話を聞くことに関する言語障害・・・4

今回は、前回の記事の続きです。

平成28年(2016年)6月26日のことでした。
この日は、親しい友人たちとの懇親会に
出かけました。

以前、記事の中で、
この1年前に同じ顔ぶれで集まったとき、
私の話に対して、友人たちが言葉を
返してくれたけれど、何も答えることが
できなかったという話をお伝えしました。
https://fanblogs.jp/hinketu/archive/75/0?1494839948


今回は、1年前よりも言葉数が増え、
話す速度も上がったこともあり、
一次会では楽しく会話をすることができました。

友人たちも、私の変化に気がついたようで、
「昨年よりも元気になったね」と
声を掛けてくれました。

続く二次会では、親しい人同士が固まり、
話が盛り上がりました。

参加者たちは、次々とさまざまな話題を提供し、
一次会よりも早いテンポで会話が進みました。

途中、友人の1人が自分の家族の話をしました。
会話には、複数の家族が登場したのですが、
彼女は主語を省略して話すことが多かったため、
聴いているうちに、家族の誰が何をしたのか、
今は誰の話をしているのかが分からなくなりました。

周りを見れば、皆、合間に相づちを打ったり、
言葉を的確に返していて、話を理解できずにいるのは、
私だけだということが分かりました。

最終的には、本人と周りとのやり取りを通して、
話の全容を理解することができました。
しかし、他の人たちと自分との、
能力の差を突きつけられたようで、
焦りややるせない感情がこみ上げました。


この前日にも、家の中で同じようなことが
ありました。

夫と一緒に、バラエティのトーク番組を見ていたとき、
出演者同士のやり取りを聞きながら、
「今、こういう話をしているんだよね」と、
自分が解釈した内容を夫に確認したところ、
「いや、そういう話ではないよ」と
言われてしまったのです。

その後、夫が会話の流れや内容を説明してくれて、
理解することができたものの、
同じように話を聴いていたのに、
自分だけが正しく理解できなかったことに、
ショックを受けました。


これらの出来事を通して、気がついたことがありました。
それは、人の話を聴いて理解するということは、
本を読んだりテレビを見る以上に、
高度な脳力が必要だということでした。

実はこの数日前、ドキュメンタリー番組の録画を見たときに、
休憩をはさみながらも、最後まで見ることができて、
内容もぜんぶ理解できたと喜んでいました。

しかし実際は、番組の中で画面に表示される字幕や、
CGなどの視覚情報が、聴く力を補ってくれていたから、
理解することができたのであって、
音声だけではおそらく理解は難しかっただろうということに、
このとき気がつきました。

言うまでもなく、人同士の会話ともなれば、
字幕などはありませんので、
音声だけの聴覚情報から、
話の内容をすべて理解しなければなりません。

そのためには、回復に向けて、
今後さらに聴く力を鍛えていかなければ
ならないと思いました。

そこで、6月の終わりからは、
テレビ番組に加え、you-tube動画の中から、
人が話している字幕付きの動画を選んで、
空いた時間に意識して見るようになりました。

まずは、字幕に頼りながらでも、
人の話を聴くことに慣れていって、
やがては字幕なしの動画に
切り替えていく計画でした。

こうして、脳トレ以外の日課ができました。

前向きに取り組もうとしていた矢先のことでした。
人との会話において、新たな別の問題が起こりました。

7月1日のことでした。
この日は電話で年上の知人に、
私の将来に関する、ある相談事をしていました。

その最中、彼女から質問を受けたため、
すぐに答え始めたのですが、話している最中にとつぜん、
自分が何の質問に答えていたのかが分からなくなりました。

内心、パニックになりながらも、何とか適当に言葉を並べて、
その場をしのぎましたが、電話を切った後もしばらくの間、
驚きと衝撃に包まれていました。

その4日後の7月5日。
その日は日本語教室の授業の日でした。
ベトナム人の生徒さんに日本語を教えている最中、
生徒さんから質問を受けたのですが、
またしても回答している途中で、
質問内容を忘れてしまいました。

生徒さんに悪いと思いながらも、
ショックと戸惑いの感情から、
質問内容を聞き直すことができず、
話を適当に終わらせてしまいました。

この出来事がきっかけとなり、
このままではいけない。
症状改善のために、早急に何とかしなければ
いけないと、心の底から思いました。



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2017年05月12日

話を聞くことに関する言語障害・・・3

前回は、聴く力を回復させるために、
お笑い芸人のライブや、落語、講演会などに
出かけた話をお伝えしました。

落語は、近隣の市営施設で毎月1回、落語会が
開催されており、1回800円で4席から5席の
落語を聴くことができました。

話を聴く能力の回復に、効果があることを期待して、
落語会にしばらく通ってみることにしました。

それ以外に、自宅でもトレーニングを始めました。

それまでは、新聞の社会面やニュース番組を見ている最中、
脳が疲れたり、精神的に苦痛を感じると、
すぐに見るのを中断していました。

しかし、すぐに中断するのをやめて、
例えば「この新聞記事だけは最後まで読む」とか、
「15分間は集中してニュースを見る」などと、
その都度、目標を立てて取り組むようにしました。


また、それまでは、テレビではバラエティ番組を中心に
見ていましたが、耳から脳に取り入れる言葉を増やすため、
ドキュメンタリーや教育番組を、
なるべく見るようにすることにしました。

もともと私は、バラエティ番組よりも、
ドキュメンタリーや教育番組を見る方が好きでした。

ところが、聴く力が落ちているせいか、
始めの頃は、15分間見ているのも苦痛に感じました。
番組の話が頭にあまり入ってこなくて、
内容をよく理解できないまま、
番組が終わってしまうこともしばしばありました。

そこで、見たいドラマや地上放送の映画と同様、
興味が湧いたドキュメンタリー番組や教育番組も、
録画をすることにしました。

録画であれば、途中で集中力が途切れてしまって、
話が分からなくなっても、すぐに巻き戻しができますし、
疲れたら見るのを中断することもできるからです。

こうして、生活の中に「聴く」機会を増やしてみました。

録画をしたのは正解でした。
もし、途中で話が分からなくなっても、
巻き戻せば良いという安心感から、リラックスした気分で
番組を見られるようになったからです。

おかげで、ドキュメンタリー番組や教育番組を見る機会が、
少しずつ増えていきました。

以前、「記憶力低下の原因・・・2」の記事でお伝えした、
「シリーズ キラーストレス」の番組もその1つで、
この頃に休憩を挟みながら見ました。
https://fanblogs.jp/hinketu/archive/82/0?1494566323



数ヶ月前と比べますと、耳に入ってくる言葉の量は、
かなり多くなっていました。

ところが、どういうわけかときどき、
テレビの出演者が口にした言葉が、
聞こえていたはずなのに、
「あれ、今、何て言ったんだろう?」
と思うことがありました。

そういえば、6月に落語を聴いていたときにも、
1度、同じことがありました。

寄席の最中、舞台に目を向けて、
落語家の話にきちんと耳を傾けていたのに、
とつぜん会場がわあっと笑いに包まれたとき、
その直前に落語家の方が何と言ったのか、
私には分からなかったのです。

単に、聴き取れなかっただけなのか、
それとも言葉を理解できなかったのか、
このときの私には理由が分からず、
何となく落ち込んだ気分になりました。



他にも当時、日常生活の中で困ったことが
次々と起こりました。
それらについては、次の記事でお伝えしようと思います。



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2017年05月09日

話を聞くことに関する言語障害・・・2

以前、話を聞くことに関する言語障害について、
記事を書きました。
https://fanblogs.jp/hinketu/archive/85/0?1494307257

今回は、その続きですが、
本題に入る前に、4月から5月にかけて、
私が体験した出来事についてお伝えしますね。

平成28年(2016年)1月から、私は日本語教室で在日外国人に
ボランティアを行っていましたが、その後、
4月上旬にその教室をやめました。

教室では、生徒さんたちが分からないところや、
教わりたいと希望していることを、
きめ細やかに教えてあげられなかったこと。
生徒さんたち自身も、来たり来なかったり、
来るのをやめてしまったりと流動的で、
教室で継続的に教えることの難しさを感じたこと、
などがやめた理由でした。

その代わり、個人のボランティアとして、
外国人に日本語を教える活動を続けることに決めました。

4月中旬からは、県主催の日本語ボランティア向け
講習会に2ヶ月間、通いながら、
その頃に知り合った20代のベトナム人に、
日本語を教え始めました。

授業では、事前に準備をきちんとしたり、
辞書や資料などを持参して備えていたため、
言葉に詰まったりすることはなく、
スムーズに授業を進めることができました。

主治医の先生も、私の決断を応援して下さって、
1回目の授業がうまくいったと報告したときには、
拍手をして喜んで下さいました。

この頃、講習会で出された宿題に取り組んだり、
授業のシミュレーションや教材作りなどを行う中で、
言語野が強く刺激されたのでしょう。

話す速度や文章を書く速度が、それまでよりも少し上がり、
ふだん人と話すときに、言葉が出やすくなってきました。
また、5月頃からは、たまに冗談を言えるようになったり、
人が言った冗談に対して、笑い声は出ないものの
笑えるようになるなど、大きな良い変化がありました。

主治医からも、
「初診の時と比べて、本当に良くなりましたよね。
ここまで回復したのは、すごいことだと思います」
と言われました。


一方、聞くことに関しては、まだまだ症状が多く
残っていました。

話を聞く際に、集中力が途切れやすいという症状が
あったことは、前にお伝えしましたが、
顕著だったのがテレビを見ているときでした。

番組に興味を惹かれて見始めても、
しばらくすると頭がぼうっとしてしまい、
集中力が続きませんでした。

特に、ニュースやドキュメンタリー番組などの
硬派な番組が苦手で、耳では聞こえていても、
内容が頭にきちんと入ってこないことが、
まだ多くありました。

そこで、聴く力を鍛えようと思い、
5月下旬にはダメじゃん小出という、
好きな芸人さんのライブに出かけたり、
6月には、著名人の講演会や落語を聴きに
出かけました。

ダメじゃん小出さんは、毒舌を売りにしており、
特に時事問題を風刺するネタが人気の芸人さんです。
http://koideiinoda.jp/


元気だった頃の私は、勢いよく時事ネタを飛ばし続ける
小出さんのスピードに、ちゃんとついていくことができて、
オチで大笑いをしていました。

ところが、この日は困ったことが起きました。
ネタとして扱っている時事的な話題を知らなかったり、
さわりの部分しか分からなかったりして、
すぐに戸惑いの感情が湧き起こりました。

元の話題を知らないので、話を一生懸命に聴きながら、
内容を理解しようと努力したのですが、
理解力が落ちているために把握することができず、
30分も経たないうちに、早くも頭と心が疲れてしまいました。

一緒にテンションも落ちてしまい、ほとんど楽しむことが
できないまま、終わってしまいました。
これは私にとって、とてもショックな出来事で、
その後しばらく、気分が落ち込んだ日がつづきました。

講演や落語を聴いているときもそうでした。
落語で、分かりやすい単純な噺は内容を理解して、
楽しむことができましたが、
登場人物が多く、話の筋が複雑な噺になると、頭が混乱し、
集中力が途切れて眠気に襲われ、眠ってしまいました。

ただ、もともと落語は好きで、この日も5席のうち、
4席までは楽しんで聴くことができましたので、
しばらく継続して通ってみることにしました。


長くなりましたので、次の記事に続きます。




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2017年05月07日

4回目の血液検査の結果

平成28年(2016年)3月3日、クリニックで
4回目の血液検査を受けました。

結果が出たのは、3月31日のことでした。

結果の説明を聞く前に、医師に症状の経過について、
下記のようなお話をしました。

○人に対して、前よりも笑顔が出やすくなってきたが、
元気だった頃に比べると、表情が硬いときが多い。

○まだ時々、話している時に、
言おうとしていたのと違う言葉が出てしまう。
 例えば、「のれん」と言うつもりが、
「のろい」と言ってしまったり、
「ねぶた祭り」と言うつもりが、
「やぶた祭り」になるなど。

○言葉を思い出せず、会話が止まってしまう。

○一瞬だけ笑い声が出たり、のどで詰まる笑い声が
出ることもあるが、まだ普通の笑い声が出ない。

○新聞やテレビのニュースで、硬派な内容のものは、
つい避けてしまう、など。

その後、血液検査の結果の話になりました。
まずは亜鉛の説明から受けました。

「アルカリフォスファターゼは、
亜鉛が関係していますが、
(前回の106から今回の104と)
数値がほとんど変わらないですね。
まだまだ不足しています。

血清亜鉛の方は、数値が103で足りていますが、
ボランティアを始められて、ストレスも
感じているでしょうから、今回は亜鉛の量を増やしました」

その言葉通り、亜鉛の処方量が前回の14mgから、
66mgへと大幅に増えました。


続いて、タンパク質の量を表す
尿素窒素の説明に移りました。
尿素窒素は、前回、プロテインを飲み始めたことで、
数値が17.8に上がりましたが、
今回は16.2に下がってしまいました。

先生からも、
「要素窒素は、23はあった方が良いので、
まだ少し足りていませんから、もっと摂ってくださいね」
と、注意されてしまいました。

続いてヘモグロビンも、13.7から13.3に、
フェリチンも61.9から54.2へと、
両方とも下がってしまいました。

フェリチン関しては、前回、医師から
「炎症があるので、今後さらに下がるかもしれません」
と言われましたが、その通りになってしまいました。

また、赤血球の赤ちゃんの数を表す網状赤血球数も、
前回の16から18に上がってしまったり、
リンパ球の数値も、前回の28.7から22.4に
落ちるなど、全体として前回よりも芳しくない結果に
なってしまいました。

網状赤血球数に関しては、医師から次のような
説明がありました。
「タンパク質によって作られている
細胞の膜が弱っていて、赤血球が
壊れやすくなっていることを表しています。

それで、血液中に壊れた赤血球が溶け出してしまい、
網状赤血球の数が増えているんです」

今回の結果や、先生のお話を聴きながら、
インフルエンザにかかったために、
体が大きなダメージを負って
しまったのだろうと思いました。

というのも、インフルエンザにかかったのは、
2月の上旬でしたが、3月に入っても咳が続くなど、
なかなか全快しなかったからです。

せっかく摂取しているサプリメントの栄養素が、
鉄欠乏性貧血の回復に使われるのではなく、
風邪やインフルエンザの回復のために
使われてしまうのは、もったいないことです。

この時の結果を受けて、体調管理には
気をつけなければと思いました。

他には、栄養の吸収に関係する、
胃酸の量を表すペプシノーゲンの値が、
48.0から42.1に落ちてしまったことや、
反対にビタミンDの数値は、前回の36.1から
75.7にまで上昇したことについて、
先生とお話をしました。


栄養療法を受け始めてから、丸1年目の結果は、
このように苦い結果になってしまいました。




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2017年05月03日

栄養療法開始から11ヶ月後の症状について 2

今回は、前回の続きとして、
栄養療法開始から11ヶ月後、
平成28年(2016年)3月頃に私が感じていた、
脳機能の低下による症状について、
お伝えしますね。

まずは、話すことに関する症状からいきます。

前回もお伝えしたように、ボランティアの場で、
外国人の生徒さんたちと話しているときは、
比較的流ちょうに話をすることができていました。

日本語の初心者が相手だったため、
使っていた単語や文章が
とても簡単だったということもありますが、
それ以外に次のような理由が
考えられます。

まずは、教室では生徒さんたちから
「先生」と呼ばれていたため、
常にほど良い緊張感を感じていたこと。
また、自分の中で「しっかりしなくては」
という意識が強く働き、それにより、
脳の活動が通常よりも、
活発になっていたからではないかと思います。

一方、日本人同士で話をする際には、
会話が進んで内容が複雑になってくると、
言いたいことはあるのですが、
頭の中で考えを整理したり、
文章を組み立ててから話すということが
できませんでした。

浮かんできた言葉の順に口から出していくので、
まとまりのない話し方になりました。

文章を書くときも同様でした。
書きたいことはあるのですが、
いきなりきちんとした文章の形で
書くことはできませんでした。

浮かんできた順に羅列した言葉を、
きちんとした文章に組み立てるまでに、
毎回、時間が非常に掛かりました。

話すときも書くときも、
遠回りをしないといけないのがもどかしくて、
いつになったら元に戻るのだろうかと、
焦りや不安を感じることもありました。


こうした言語機能低下の症状が、
日常生活に支障がないまでに回復するまでには、
長い長い時間が必要でした。


続いて、認知機能の話に移りますね。

認知機能の働きの中では、
特に記憶力の低下が目立ちました。

人との会話の最中、
単語や言葉を思い出せないために、
伝えたい言葉を言うのをやめてしまったり、
会話を止めてしまうことがよくありました。

時折、夫と話をしている最中、
単語を思い出せないまま話をしてしまうと、
下記のような会話になってしまいました。

たとえば
「この間、再放送で木村拓哉の
『ロングバケーション』の
ドラマを見たんだけど、
見ていてすっごく懐かしかった」
と言いたいのに、
「木村拓哉」と「ロングバケーション」の
両方を思い出せなかった場合。

私「この間さ、あの、昔、ロングヘアで
一世を風靡したアイドルがいたでしょう? 
ジャニーズの、あの、何ていう雑誌だったか
忘れちゃったけど、抱かれたい男ナンバーワンに
ずっと選ばれていた男の人」

夫「ああ、木村拓哉のことね」

私「そうそう、木村拓哉が昔出ていたドラマで、
えっと、キムタクがピアニストをやっていて、
最後に山口智子とキスをしたのがあったじゃない?」

夫「もしかして、ロンバケのこと?」

私「そうそう、ロンバケ! 
あれの再放送を見たんだけど、懐かしかった」

夫「えっ、話はそれだけ?」

私「・・・うん」

このように、夫の協力を得ながら
苦労して伝えた割には、
内容がたいしたことがないことがほとんどで、
その後、気まずい空気がよく流れていました。

今振り返れば、夫もよく私とのこんな会話に、
根気強くつきあってくれたと思います。


ちなみに、認知機能には記憶力以外にも
いくつかありますが、中でも
集中力や判断力の低下が気になりました。

集中力が途切れがちなので、
人の話をきちんと聞くことができない。
また、判断力が鈍っているので、
状況判断を誤ってしまうことも、
ときどきありました。

一方、注意力に関しては、
ルモシティの注意力を鍛えるゲームが大好きで、
集中して取り組んでいたせいか、
たまにではありますが、
健康な人よりも細かい部分に気がついたり、
色々なことに注意が向くことがあり、
日常生活の中で効果を感じることがありました。


今回お伝えしてきた内容以外にも、
聴くことや読むことに関する症状や、
テンションや笑えないことに関する症状など、
脳機能の低下が原因の症状はいくつもありました。
(これらに関しては、他の記事の中で
細かくお伝えしましたので、今回は割愛しました)


脳に関する症状は、この後も長く続き、
回復の段階ごとにさまざまな困ったことを、
日常生活の中で引き起こしました。

それについては、この先の記事の中で
つづっていきたいと思います。

今回は、これで終わりにします。

次回は、4回目の血液検査の結果について、
お伝えしますね。




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2017年04月30日

栄養療法開始から11ヶ月後の症状について 1

栄養療法開始後12ヶ月目の平成28年(2016年)3月になると、
開始前に感じていた鉄欠乏性貧血の症状は、
だいぶ少なくなりました。

具体的にお伝えするために、
改めて振り返ってみることにしますね。

まずは、開始前に感じていた症状を挙げてみます。

・頭痛がする(最近、頻度が増えている)
・舌の表面がピリピリする ・朝、起きるのが辛い 
・顔色が優れない ・すぐ風邪を引いたり、ウィルスに感染する 
・疲れやすく、覇気がない ・のどが弱く、扁桃腺が腫れやすい
・鼻の粘膜が切れやすく、血が出やすい
・舌の周辺に歯形のようなものがついている
・足がよくむくむ  ・肩こりがひどい ・不眠 
・手足がむずむずする

・表情が乏しい ・テンションが非常に低い 
・人と会ったり話すのが苦痛
・感情の起伏がない ・すぐに涙が出て、止まらなくなる
・音や映像などの外部刺激に対して過敏 
・情緒不安定で抑うつ状態になりやすい
(今年1月以降、少し安定してきた)

・文章が書けない ・思考力の低下 
・意欲の低下(最初よりは改善している)
・集中力の低下 ・注意力散漫 ・記憶力の低下
・人の話を聞いたり、文章を読むのが困難
・文章を書いたり話すテンポが、本来の状態に比べて遅く、
言葉が出にくい

このうち、11ヶ月間で自覚症状が消えたのは、
下記の症状でした。

・頭痛がする(最近、頻度が増えている)
・舌の表面がピリピリする ・朝、起きるのが辛い 
・顔色が優れない ・鼻の粘膜が切れやすく、血が出やすい

・表情が乏しい ・テンションが非常に低い 
・人と会ったり話すのが苦痛
・感情の起伏がない ・すぐに涙が出て、止まらなくなる
・音や映像などの外部刺激に対して過敏 
・情緒不安定で抑うつ状態になりやすい
(今年1月以降、少し安定してきた)


まだ、のどが弱く、扁桃腺になりやすいために、
風邪をよく引いてしまったり、
前よりはずっと改善したものの、
体が疲れやすかったりはしていました。

また、この後、くわしくお伝えしますが、
脳機能に関する症状は、程度が多少は軽減したものの、
この段階ではすべて残っていました。

しかし、以前に比べて顔色が良くなり、
覇気も出てきて生き生きとした表情になり、
見た目は元気になっていました。

特に、1月12日からボランティアを始めて以来、
教室で先生方や生徒さんと会話をしたり、
合間にボランティア向け講習会に
研修で出かけたりと、3月にかけて
充実した毎日を過ごしていました。

人と会話をする機会が増えたことで、
言語野が刺激されたらしく、
表面上は口数が増え、ボランティアの時間は、
比較的流ちょうに話をすることができていました。

おそらく、日本語がほとんど話せない
外国人の方たちと、おもに会話をしていたため、
話す速度が本来より遅くても、
多少、たどたどしくなったり、
言葉に詰まることがあっても、
あまり気にならずに済んでいたのだと思います。

ただし、日本人同士の会話の場合は、
たまに出る言葉の言い間違いが気になりました。

他にも、気になる症状が色々とありました。


次回は、この頃に感じていた脳機能の低下に関する
症状について、お伝えしようと思います。




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2017年04月27日

記憶力を回復させるための対処法・・・2

今回は、久しぶりに記憶力に関するお話です。

平成28年(2016年)2月10日、私はインフルエンザを
発症してしまいました。

小学6年生以来、27年ぶりの発症でした。
おそらく、ボランティア活動を始めたりして、
体にも負担が掛かっていたからだと思います。

回復は長引き、イナビルという薬を処方されて
飲みましたが、なかなか体調は良くなりませんでした。

1週間くらい寝込みましたが、その間も、
脳トレだけは毎日、欠かさず行っていました。

いつもは、風邪を引くとスコアが下がるのですが、
この時はなぜか、高熱があるにもかかわらず、
スコアが逆に上がるなど、好調でした。


そうした中、2月13日からは、
記憶力向上のために開発された、
「記憶フラッシュ」というソフトを使って、
記憶力回復のためのトレーニングを始めました。

このソフト。
1月中にアマゾンで見つけて購入しました。

定価は9800円らしいのですが、
アマゾンではなぜか、2160円という
破格な価格で販売されていました。

価格の安さも魅力的でしたが、
私がこのソフトを選んだ理由は、
アマゾンでのレビューの高評価でした。
滅多に見ない、星4.5という高い評価を
得ていたのです。

※URLを貼り付けようとしましたら、
非常に長いURLが出てきてしまいましたので、
検索して調べてみてください。

ちなみに、販売元の商品紹介ページはこちら
http://www.sokudoku-world.com/HP/kioku_furassyu.htm


「世界記憶力選手権、日本記憶力選手権の
競技種目の一部がトレーニングできる
内容が搭載されております」
という言葉に、特に惹かれました。

加えて、トレーニングの種類の多さにも、
魅力を感じました。


問題の種類は、ぜんぶで10種類あります。
下記のような内容です。
(ホームページから抜粋)

 1.瞬間認識力 強化トレーニング
 2.スピード暗算トレーニング
 3.さあ本番です。数字変換トレーニング
   (100枚画像)
 4.スピード数字順番記憶トレーニング
 5.トランプカード順番記憶(スピードカード)
 6.画像連結記憶トレーニング
   (数字1〜100まで編)
 7.右脳活性化トレーニング
 8.瞬間スピード数字記憶トレーニング
   (スピードナンバー)
 9.トランプ神経衰弱式
 10.瞬間スピード表記憶
 11.見るだけの記憶トレーニング
   (100枚の画像と2桁数字)
 12.100年カレンダー記憶トレーニング
   (特典トレーニング)


問題の難易度ですが、初級から上級まであります。
初級からいきなり難しいですが、
続けて行くと、だんだん解ける問題が増えていく
という楽しみがあります。

このトレーニングの問題を解く際には、
まずは、0から99の数字と結びついた、
物の名前を覚える必要があります。

たとえば、こんな具合です。

00・・・お守り
01・・・ワイシャツ
02・・・鬼(おに)
03・・・ツリー(木)



97・・・口
98・・・クワ(農業で使うクワ)
99・・・救急車


こんなに覚えられるなら、
そもそも記憶力トレーニングの必要なんて
ないんじゃないの?
と、思わず突っ込みたくなりますが、
これはかなり良いトレーニングになりました。


実際にやって頂くとお分かり頂けますが、
数字から連想しにくい物も意外にありまして、
難所がところどころにあります。

ですので、当時の私にとって、
覚えるまでの道のりは、
そんなに楽ではありませんでした。

朝の脳トレの時間はもちろん、
お風呂に入っている時や
歩いている時なども暗唱し、
少しずつ覚えていきました。


このトレーニングの効果があったのでしょう。
3月8日には、嬉しい出来事がありました。

ルモシティの記憶力の問題に、
前もお伝えしましたが、
数個ずつアイテムが画面に表示され、
1セット35個、3セットで105個のアイテムを、
ダブらないように1つずつ選んでいく
ゲームがあります。

これが非常に苦手で、苦戦していたのですが、
この日、2セットの70個のアイテムまでを、
だぶらずに選ぶことができました。

「奇跡が起きた」とうれしく思うと同時に、
脳というのは、鍛えれば鍛えるほど、
きちんと期待に応えてくれるのだなぁと思いました。

これは、記憶力に限ったことではありません。
この後の記事でもお伝えしますが、
脳は刺激すればするほど、確実に活性化して、
刺激した箇所に関係する能力が上がっていきます。

このことは、脳トレを行って下さった方なら、
きっと同じことを実感されると思います。

記憶力低下で悩んでいらっしゃる方は、
もしよろしかったらこのソフトをお試し下さいね。
私がお伝えした内容が、
どなたかのお役に立てたらうれしいです。


ところで、私はと言いますと、
実はこのトレーニング、今はやっていません。

現在の主治医に勧められたトレーニングを
行うようになってから、脳への負担が
重くなりすぎてしまったので、
お休みしています。

今回、記事を綴りながら、
時々、またやってみようと思いました。


それでは、今回はこれで終わりにしますね。




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のり
神奈川県在住の主婦です。9年前、子宮筋腫が原因で、重い鉄欠乏性貧血を発症しました。発症までの過程や症状、今まで受けてきた治療法などを、綴っていきたいと考えています。 どなたかのお役に立てたら嬉しいです。よろしくお願いいたします。
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