2014年09月22日
紫蘇・しそ
事務局の畑に繁っている、青紫蘇、赤紫蘇が小さい花をつけています。……と、事務局から写真が届きました。
紫蘇は、シソ科、シソ属の一年生草本で、ヒマラヤ、中国、ミャンマーの原産です。東洋の温帯地帯に広く分布しています。わが国への紫蘇の渡来は古く、縄文時代の貝塚や、土器と一緒に種子が出土しています。更に、平安時代の『本草和名』には、薬用・漬け物として利用したことが書かれています。
紫蘇という名前は、漢名の「紫蘇」「蘇」の字音シソに由来しています。『和名抄』では「蘇」を「乃良衣」(のらえ)と読んでいますので、古名は「のらえ」だったとされています。
青紫蘇(大葉)は、葉の両面とも緑色。赤紫蘇より香りが高く、この芳香成分は、強い防腐力・防かび作用があります。寿司、刺身、天ぷらなど、あしらいや薬味として使われるのはこのためです。
芳香成分のほかに有用な成分、ミネラル、ビタミンなども多く含み、抗菌・殺菌作用、ガン抑制、動脈硬化予防、アレルギー抑制、などが期待できるそうです。「蘇」には、芳香が爽快で食を進ませ、元気を蘇らせる、という意味があります。紫蘇は、「蘇」という字に相応しい力を秘めているのですね。 (参考『野菜と果物図鑑』『食材百科事典』(女子栄養大)『牧野日本植物図鑑』)
では、短歌を二首あげておきます。
北原 白秋(『桐の花』)
ほそぼそと出臍(でべそ)の小児(こども)笛を吹く紫蘇の畑の春のゆふぐれ
土田 耕平(『一塊』)
雨あがり草の乱れし庭べより紫蘇のにほひの沁みくる覚ゆ
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