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2015年04月20日

歌人碇登志雄(いかりとしお)の歌碑

『佐賀新聞』(4月2日版)に登志雄の歌碑についての記事が出たと事務局から写真とともにその新聞が届きました。

背振山頂の登志雄歌碑については、昨年5月にこのブログに取り上げましたが、今回は、その前に建立された鳥栖市、四阿屋(あづまや)神社にある歌碑についてです。その碑歌は、

からからと桐の実鳴らむ日も近く涼しきいろに満てる大空
登志雄


除幕は、昭和39年(1964年)4月に行われています。
この作品について作者自身は、次の様に述べています。
 
四阿屋歌碑の歌について:
からからと桐の実鳴らむ日も近く涼しきいろに満てる大空

この歌は、昭和三十四年九月二十七日の作であります。日曜日、彼岸明けの日、書斎にあって、太田水穂全集や茶道太平記、日本茶道などを読み、求心的な日々の間においてこの歌が生まれています。
この一首の意味は、ささやかな花、しかし、気高い思いを彩りにした花、桐の花は、目にもつかないつつましい音を立てて、その終末を結ぼうとしています。けだし、この姿は真実を愛する人間の姿として、慕われるのでございます。そこにはにごりない大自然が、涼しい色の大空が、あたたかく人間を、私を、私の思いを、いただいてくれるというような思念のもとに、この一首が形成されたのです。仏典を読み、儒書に親しみ、求道の人生五十の齢にあって、ささやかなその諦念を、具象化したものが、この一首であります。
(登志雄師の謝辞から抄出、『姫由理』六月号1964)

歌碑の写真を掲げておきます。

IMG_1586aa●.JPG

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