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2014年10月13日

廃業旅館がシェアハウスに 若者視点で改装

 山形市の東北芸術工科大の教員や学生らのグループが、中心市街地の空き物件の解消に取り組み、実績を上げている。若い世代の発想を生かして改装などを担う「山形R不動産」を産学連携で結成。県内外から参加者を募り、幅広い観点から店舗活用のアイデアを練るワークショップも開催し、ノウハウを広げている。
 地方都市で深刻化する空き店舗問題の解決を図ろうと、同大の馬場正尊准教授(建築設計)が中心となって2009年に取り組みを開始した。
 建物の内外装を一新するリノベーションなどの頭文字を取ったR不動産は、地元の不動産業者や学生らで構成する。空間デザインの観点を生かした改装、活用方法を提案した物件紹介などをホームページで行い、これまでに約10件で入居者を確保した。
 改装第1号となった廃業旅館は、キッチンや居間を共有するシェアハウスに再生し、現在は10人ほどが入居する。このほか壁全体に合板を張り自由に装飾できる住居や、土間のある空間など斬新な企画を提案してきた。
 本年度は、山形市の「まちなか再生支援事業」の委託を受け、活動の一環として「山形リノベーションスクール」を9月下旬に初開催した。
 宮城県内や首都圏などのデザインや建築設計の業界関係者、自治体職員ら約30人が参加し、市中心部の3物件について活用策を検討。ホテルやオフィスなどへの再生案を練った。3日間の日程最終日には公開プレゼンテーションを行い、資金調達、運営方法なども加えた案を不動産オーナーに直接提案した。
 馬場准教授は「今後、具体的な交渉につなげ、物件再生を実現できればうれしい」と強調。「R不動産を通じた情報発信とスクールを通じ、民間の力を生かした市街地再生のモデルにしたい」と説明している。
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