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2014年10月11日

<LED照明>「ノーベル賞効果」メーカー、市場拡大に期待

ノーベル物理学賞の受賞が決まった赤崎勇氏らが開発した青色発光ダイオード(LED)によって、LED照明は急速に市場が拡大した。国内市場ではオフィスを中心に一気に普及が進み、価格も低下。家庭でも主力の照明器具になり始めている。メーカー各社は今回の受賞を追い風に、海外でもLED照明の市場拡大に期待を膨らませている。



 「ノーベル賞効果でLED照明は売れるだろう」。家電量販店、ビックカメラ有楽町店(東京都千代田区)の井浦秀哉さんはこう期待する。東日本大震災以降、省エネ効果の高いLEDへの買い替えが急増し、売り場を拡大して対応してきた。売れ筋価格帯も1万〜2万円台と、2年前の3分の1程度に下落。蛍光灯との価格差が縮まったことが手伝い、休日は接客に手が回らないほどだという。



 メーカーも勢いづく。国内シェアの4割弱を握るパナソニックは、住宅用照明の出荷に占めるLEDの比率が2年前の約4割から最近は7割を超えた。来年度は照明器具をすべてLEDに切り替える計画だ。



 仏ルーブル美術館や平等院鳳凰堂に照明を納入してきた東芝ライテックは、光の色を自在に変えられるなど特徴ある商品を打ち出す。今後はアジアなど新興国への本格参入を検討中という。



 LED照明を主力事業と位置づけるアイリスオーヤマは、今年は前年比25%増の300億円の売り上げを目指す。家庭用照明市場は今後も開拓の余地が大きいとみて、和室に合う天井からつるすタイプなど品ぞろえを拡大した。



 調査会社の富士経済によると、2013年の国内LED照明器具市場は前年比29.5%増の3634億円。照明器具に占める割合は5割を超え、15年までは順調に市場拡大が続く見通し。LEDと同様に省エネ効果が高く、一部で「将来的な照明の本命技術」ともいわれる有機EL照明は、低コスト化などの技術開発の壁が厚くて市場が広がっておらず、LEDが照明市場の主力との位置づけは変わらないというのが関係者の見方だ。



 LEDは先進国だけでなく、中国や東南アジアなどでも普及が進むと見られる。一層のコスト削減や販路の開拓が進むかどうかがカギになりそうだ
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