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2014年10月21日

シトロエン、勝負球は「凝りに凝った」高級車 スワロフスキーとタッグ、打倒ドイツ車

自動車各社の最新モデルが集結した、10月上旬のパリモーターショー。中でも注目を集めたのは、開催国フランスの自動車メーカー・シトロエンだ。新開発の「圧縮空気モーター」で、リッター50キロメートルという低燃費を実現したコンセプトモデルを披露している。

シトロエンはほかにも、高級車としてのブランド強化を目的に、とにかく外装・内装のデザインや素材にこだわったモデルも発表。それが「ディヴィーヌDS」だ。

■ジュエリーや刺繍の老舗がデザインに参画

自動車雑誌の編集者であるジム・ホルダー氏は、ディヴィーヌDSについて、「ドイツ車が確立したプレミアム車の概念に挑戦するものだ。いかにもフランスらしく、細部まで凝りに凝っている」と分析する。

今回のコンセプトモデルで、シトロエンは様々な分野の“名門”とタッグを組んでいる。ガラス部分ではオーストリアのスワロフスキー社が協力、シートなどのインテリアではパリの老舗刺繍工房・メゾン・ルサージュ社が刺繍デザインを手掛けているのだ。

シトロエンの姉妹会社・プジョーも負けてはいない。パリモーターショーにはコンセプトモデルの「エグザルト」を出品。こちらもやはり、高級車で優勢なドイツのライバルを意識していることが見て取れる、こだわり抜いたデザインだ。

ディヴィーヌDS、エグザルトともかなり力の入った新車だが、これらはあくまでコンセプトモデル。実際にこのままの形で販売にこぎつけられるかは疑問だ。

「(量産モデルの)開発には巨額の投資がかかるため、会社にとっては遠い先の話。結局はデザインを抑え気味にしたモデルになる可能性が大きいだろう。過激なアイデアは、なかなか全部は生き残らない」(ホルダー氏)。

芳しくない業績が続いているプジョーシトロエン。“凝りに凝った”高級車で巻き返しのきっかけをつかめるか。
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