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2014年10月15日

御嶽山噴火捜索は時間との闘いに

56人が死亡した御嶽山の噴火で、長野県の対策本部は、これまでで最大規模のおよそ1900人の態勢で、15日、3日ぶりに捜索を行いましたが、天候の悪化が予想され、昼前に中止しました。
山頂付近では、15日に続いて、16日も未明にかけて積雪が見込まれるということで、捜索は時間との闘いになっています。
戦後最悪の火山災害となった御嶽山の噴火では、これまでに56人の死亡が確認され、県の対策本部は、まだ7人の行方が分かっていないとしています。
対策本部は、台風の影響で中止していた捜索を15日朝、3日ぶりに再開し、これまでで最大規模のおよそ1900人の態勢で捜索を本格的に行うことにしていました。
ふもとの村などによりますと、御嶽山は15日、初めて雪が確認され、山頂付近では、1センチ程度の積雪が確認されましたが、対策本部は、これまで調べた場所も改めて、くまなく捜索する予定でした。
しかし、天候の悪化が予想されるとして、午前11時に捜索を中止し、下山しました。
対策本部によりますと、15日の御嶽山周辺は雲が多く、ヘリコプターで派遣する部隊の一部が着陸できなかったほか、山頂付近の火山ガスの濃度が高かったため、捜索隊の一部は、8合目付近まで下りて待機していたということです。
このため、15日は山頂付近で十分な捜索ができず、行方が分からない人たちは見つからなかったということです。
対策本部によりますと、山頂付近では16日も未明にかけて数センチの積雪が見込まれるということです。
今後の捜索も天候の状況をみながら判断するとしていますが、冬が近づき、捜索は時間との闘いになっています。
9合目からは積雪1センチ
登山道などの捜索にあたった長野県警察本部機動隊の山崎守隊長は「7合目あたりから台風の影響で、登山道に水が流れていた。9合目からは積雪が1センチあった。火山灰が足について、かなり負担になる状況で滑りやすくもなっていた」と現場の状況を説明しました。
また、15日の捜索活動について、「ヘリで活動した隊員から、頂上付近はマイナス5度と聞いていて、上がっていくときは寒く、当然、手足が冷たくなる感覚はあったが、活動の支障になるような気象条件ではなかった」と説明しました。
そのうえで、捜索の中止について、「2日間、捜索ができなかった悔しさや、申し訳ない思いを隊員全員が持っている。次回、その分しっかり活動できるようにしたい」と話していました。
気温は氷点下5度
登山道の捜索を行いながら山頂を目指した消防隊員の1人は「これまで捜索したところをもう一度、目視しながら、頂上を目指したが、途中で雨が降り、9合目で引き返すことになった。登山道には雪があり、ぬかるんでいて、厳しい状況になっていた」と話していました。
また、山頂付近の捜索から下山してきた自衛隊の隊員は「頂上周辺を捜索したが、気温は氷点下5度で周囲は半分凍りかけ、雪が積もっていた。捜索ができずに残念です」と話していました。
「どこまで捜索したか分からない状態」
山頂付近で2時間ほど捜索に当たった警視庁第7機動隊の池田安夫副隊長は「これまで捜索していたところが、火山灰で流されてしまい、どこまで捜索したか分からないようになっていた。また、雪が積もっていて、足元のぬかるみが台風前よりもひどく、10メートル先が白くかすみ、視界が悪かった。火山ガスの発生で風向きによっては、小屋に待避することもあった」と厳しい捜索状況を語りました。
そのうえで、「時間をかけて捜索することができず残念だ。待っているご家族のためにも、今後も精いっぱい捜索に当たりたい」と話していました。
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