2016年07月20日
【四月は君の嘘】マンガ 感想&あらすじ 嘘から始まった音を奏でる青春物語
月刊少年マガジン。2011年5月号から2015年3月号まで連載。全11巻
著者:新川直司
他作品:さよなら私のクラマー
幼い頃から母親の厳しいピアノの指導を受けてきた少年・有馬公生は、数々のピアノコンクールで優勝してきた実力者。だが、11歳のときに母親を病で亡くなってしまったことをきっかけに、自分が弾くピアノの音が一切聞こえなくなってしまったことで、以降コンクールから有馬公正の姿は消えていった。
それから3年の時間が流れた4月の春、公正は幼馴染の澤部椿の誘いで桜が咲く公園を訪れると、子供たちと楽しげに楽器演奏をするヴァイオリニストの宮園かをりと出会う。楽譜に囚われない自由な音を奏でるかをりに惹かれていく公正は、彼女の強引な誘いを受けてコンクールの伴奏者を務めることに。
きっけを与え、ずっと傍にいてくれた友人たちや、復活を待ち続けていたライバルたちに背中を押され、公正は再び音楽の道を歩み出していく。
・有馬公生
主人公。14歳。地味な見た目、几帳面な性格、そして優しい一面もある少年。幼い頃から母親の厳しい指導を受けてきたことで、楽譜に対して忠実で正確無比な演奏をします。母の死がきっかけで自分の奏でる音が聞こえなくなる症状に見舞われ、しばらくコンクールからは姿を消していましたが、宮園かをりと出会ったことで再び表舞台に復帰しました。
・宮園かをり
同級生のヴァイオリニスト。公生とは反対に、華やかで可憐な見た目と、明るい性格をしています。演奏も楽譜に囚われない自由で独創的な音を奏でます。実は公正のことは幼い頃から知っていて、彼の演奏に憧れて音楽の世界に飛び込んだ経緯があります。かをりの存在が停滞していた公生の時間を再び動かすことになるのですが、彼女も自身の体に重大な問題を抱えています。
・澤部椿
公生の幼馴染で同級生。ソフトボールをやっている明朗快活な女の子です。打ったボールが窓ガラスを割って公正に怪我を負わせることもしばしば。公生とは姉弟のような関係でしたが、かをりの登場で彼女の心境にも変化が現れます。
・渡亮太
公生と椿の幼馴染。サッカー部部長、イケメンで爽やか、女子からの人気も高い少年。彼自身も女の子が大好きです。周りのことをよく見ていて、感も鋭いため、たびたび公生たちに助言を与えてくれる存在い。
心に傷を負った高校生ピアニスト・有馬公生が、ヴァイオリニストの宮園かをりと出会ったことによって止まっていた時間が動き出し、周囲の助けを受けながら失っていた音と色を取り戻し、音を共鳴させながら成長していく姿を描いた物語。
音楽をテーマにした青春漫画。この作品が話題沸騰していた時期には漫画もアニメも見てなかったんですが、映画化情報を聞いて試しに1巻を読んでみたら止まらなくなっていっきに読了してしまいました。
爽やかな絵柄の割に内容はかなりヘビーでしたね。実は、細かい経緯までは知りませんでしたが、大まかな結末は読む前に誤って知ってしまい、それがなかな読まずにいた理由でした。にもかかわらず、読んでみたら今まで手を出さずにいたことを後悔するほどの感動に涙、涙、涙です。
音や曲の雰囲気が強烈に伝わってくる音楽の表現が見事でしたね。それがどんな曲なのか、どんな音なのか、そしてどんな感情で演奏者が奏でているのかなど、本来漫画では見ることも聞くこともできない感情と音を、絵と見せ方によって読者が受け取りやすいように描かれていました。この見せ方は『ピアノの森』や『ましろのおと』とは異なってましたね。聴衆のリアクション描写で表現してるところは同じですが、『ピアノの森』が曲の情景を演奏してる姿と被せながら魅せるのに対して、こちらは演奏者の心情や過去の経験などを映し出しながら演奏していたと思います。
表現が素晴らしいと思ったのは何も音楽だけに言えることではなく、登場人物たちの心情を表現するために詩的なセリフ回しを用いていました。これに関しては、私は味わいがあって良い手法だと思いましたが、若干少女漫画的なので好みは分かれそうです。
タイトルにもなってる『君の嘘』の意味はラストに明かされるので詳しくは避けるとして、公生たちとかをりの関係も嘘からの始まりだったんですね。この嘘についてはあまり隠しきれてなかったような気もしますが、それでも明かされたときは切ない気持ちになりましたね。
印象深いシーンは、止まっていた公生の時間を動かして彩鮮やかなカラフルに染めたかをりが、「時間なんて止まればいいのに」と言った場面。普段は強く明るく振舞っていた彼女のホンネを聞けた気がしました。でも、そんなことは起こらないことも分かってるんですよね。
切なさが強いので読み進めるのが辛くなることもありますが、それでも一気に読み進めてしまう面白さと魅力がある作品。今を精一杯生きることの大切さや、誰かを想い、誰かと思い合うこと尊さがビシビシ伝わってきました。音楽の表現には強く惹き込まれるものがあり、ストーリー構成も素晴らしかったです。
本来なら目では見えないものを見ることができる作品だったと思います。・・・ごめんない、意味不明ですね。
感動と共に一歩を踏み出す勇気も抱かせてくれる内容なので、是非多くの人に読んでもらいたい作品です。自信を持っておすすめさせていただきます。
【漫画全巻ドットコム】四月は君の嘘 (1-11巻 全巻) 紙版・電子版あり
著者:新川直司
他作品:さよなら私のクラマー
あらすじ・概要
幼い頃から母親の厳しいピアノの指導を受けてきた少年・有馬公生は、数々のピアノコンクールで優勝してきた実力者。だが、11歳のときに母親を病で亡くなってしまったことをきっかけに、自分が弾くピアノの音が一切聞こえなくなってしまったことで、以降コンクールから有馬公正の姿は消えていった。
それから3年の時間が流れた4月の春、公正は幼馴染の澤部椿の誘いで桜が咲く公園を訪れると、子供たちと楽しげに楽器演奏をするヴァイオリニストの宮園かをりと出会う。楽譜に囚われない自由な音を奏でるかをりに惹かれていく公正は、彼女の強引な誘いを受けてコンクールの伴奏者を務めることに。
きっけを与え、ずっと傍にいてくれた友人たちや、復活を待ち続けていたライバルたちに背中を押され、公正は再び音楽の道を歩み出していく。
主要登場人物
・有馬公生
主人公。14歳。地味な見た目、几帳面な性格、そして優しい一面もある少年。幼い頃から母親の厳しい指導を受けてきたことで、楽譜に対して忠実で正確無比な演奏をします。母の死がきっかけで自分の奏でる音が聞こえなくなる症状に見舞われ、しばらくコンクールからは姿を消していましたが、宮園かをりと出会ったことで再び表舞台に復帰しました。
・宮園かをり
同級生のヴァイオリニスト。公生とは反対に、華やかで可憐な見た目と、明るい性格をしています。演奏も楽譜に囚われない自由で独創的な音を奏でます。実は公正のことは幼い頃から知っていて、彼の演奏に憧れて音楽の世界に飛び込んだ経緯があります。かをりの存在が停滞していた公生の時間を再び動かすことになるのですが、彼女も自身の体に重大な問題を抱えています。
・澤部椿
公生の幼馴染で同級生。ソフトボールをやっている明朗快活な女の子です。打ったボールが窓ガラスを割って公正に怪我を負わせることもしばしば。公生とは姉弟のような関係でしたが、かをりの登場で彼女の心境にも変化が現れます。
・渡亮太
公生と椿の幼馴染。サッカー部部長、イケメンで爽やか、女子からの人気も高い少年。彼自身も女の子が大好きです。周りのことをよく見ていて、感も鋭いため、たびたび公生たちに助言を与えてくれる存在い。
感想
心に傷を負った高校生ピアニスト・有馬公生が、ヴァイオリニストの宮園かをりと出会ったことによって止まっていた時間が動き出し、周囲の助けを受けながら失っていた音と色を取り戻し、音を共鳴させながら成長していく姿を描いた物語。
音楽をテーマにした青春漫画。この作品が話題沸騰していた時期には漫画もアニメも見てなかったんですが、映画化情報を聞いて試しに1巻を読んでみたら止まらなくなっていっきに読了してしまいました。
爽やかな絵柄の割に内容はかなりヘビーでしたね。実は、細かい経緯までは知りませんでしたが、大まかな結末は読む前に誤って知ってしまい、それがなかな読まずにいた理由でした。にもかかわらず、読んでみたら今まで手を出さずにいたことを後悔するほどの感動に涙、涙、涙です。
音や曲の雰囲気が強烈に伝わってくる音楽の表現が見事でしたね。それがどんな曲なのか、どんな音なのか、そしてどんな感情で演奏者が奏でているのかなど、本来漫画では見ることも聞くこともできない感情と音を、絵と見せ方によって読者が受け取りやすいように描かれていました。この見せ方は『ピアノの森』や『ましろのおと』とは異なってましたね。聴衆のリアクション描写で表現してるところは同じですが、『ピアノの森』が曲の情景を演奏してる姿と被せながら魅せるのに対して、こちらは演奏者の心情や過去の経験などを映し出しながら演奏していたと思います。
表現が素晴らしいと思ったのは何も音楽だけに言えることではなく、登場人物たちの心情を表現するために詩的なセリフ回しを用いていました。これに関しては、私は味わいがあって良い手法だと思いましたが、若干少女漫画的なので好みは分かれそうです。
タイトルにもなってる『君の嘘』の意味はラストに明かされるので詳しくは避けるとして、公生たちとかをりの関係も嘘からの始まりだったんですね。この嘘についてはあまり隠しきれてなかったような気もしますが、それでも明かされたときは切ない気持ちになりましたね。
印象深いシーンは、止まっていた公生の時間を動かして彩鮮やかなカラフルに染めたかをりが、「時間なんて止まればいいのに」と言った場面。普段は強く明るく振舞っていた彼女のホンネを聞けた気がしました。でも、そんなことは起こらないことも分かってるんですよね。
切なさが強いので読み進めるのが辛くなることもありますが、それでも一気に読み進めてしまう面白さと魅力がある作品。今を精一杯生きることの大切さや、誰かを想い、誰かと思い合うこと尊さがビシビシ伝わってきました。音楽の表現には強く惹き込まれるものがあり、ストーリー構成も素晴らしかったです。
本来なら目では見えないものを見ることができる作品だったと思います。・・・ごめんない、意味不明ですね。
感動と共に一歩を踏み出す勇気も抱かせてくれる内容なので、是非多くの人に読んでもらいたい作品です。自信を持っておすすめさせていただきます。
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【漫画全巻ドットコム】四月は君の嘘 (1-11巻 全巻) 紙版・電子版あり
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