ハネ吉のマンガ生活〜おすすめマンガ感想紹介〜

無責任艦長タイラー
1993年1月25日テレビ東京放送
監督：真下耕一
原作：吉岡平
脚本：川崎ヒロユキ
タイラーの声：辻谷耕史
ユリコの声：天野由梨


遠い未来の物語。惑星ラアルゴンが地球を中心とする惑星連合へ宣戦布告したことにより戦争が勃発。ラアルゴンではわずか16歳の少女アザリンが皇帝の座に即位し、ゴザ16世となっていた。
その一方、地球で暮らす青年・ジャスティン・ウエキ・タイラーは、兵士募集のCMを見て惑星連合宇宙軍へ入隊する。入隊理由は「楽がしたいから」ということだったが、持ち前の強運によって事件を解決し、その功績からオンボロ駆逐艦「そよかぜ」の艦長に任命されてしまった。楽をして過ごしたいだけだったはずのタイラーは、はみ出し者ばかりそよかぜクルーを率い、帝国との戦争に巻き込まれていく。


・ジャスティ・ウエキ・タイラー
主人公。駆逐艦「そよかぜ」艦長。とにかく悪運が強く、専門的に兵法を学んだわけでもないのにことごとく作戦が上手く運んでいきます。能天気な性格ではありますが、仲間を見捨てることはしません。
・ユリコ・スター
情報部将校。タイラーの無責任ぶりを律するためにそよかぜのクルーになりました。しかし、タイラーの傍にいたことで少しずつ考え方にも変化が表れます。良くも悪くも真面目。
・マコト・ヤマモト
そよかぜ副艦長。根っからの軍人気質。神経質で心配性、なにかと心労が耐えない苦労人。彼もまたタイラーの影響を受けることになります。
・アザリン
16歳。ラアルゴン帝国皇帝ゴザ16世。皇帝にふさわしい振る舞いをしていますが、実際はごくごく普通の少女。タイラーのことをパコパコと呼んでいます。
・ル・バラバ・ドム
23歳。神聖ラアルゴン帝国の巡洋艦「ドローメ」艦長。冷静で切れ者。タイラーのことを高く評価しています。


90年代のSF作品です。宇宙を舞台にした戦争モノではありますが、決してシリアスを強調した重たい話ではありません。基本コミカルな雰囲気でストーリーは進むので、気楽に観て楽しむことができます。
はっきり言ってご都合主義満載。ご都合主義というのは悪い意味にとられること多いと思いますが、このアニメに関してはそれが面白くて笑える要因になってましたね。ドロドロしたシリアス展開に突入したかと思ったら、いつの間にかコミカルな話に変わってます。

やはりタイラーというキャラクターが一番の魅力であり特徴ですね。何も考えてないように見えるけど、もしかしたら実は何か深い考えがあのではと思わせといて、やっぱり何も考えてなかったという感じのキャラ。それでも上手くいっちゃうのが笑えましたね。
彼の無責任は主に組織に対してのものだと思われます。周りから良く見られたい思われたいという欲や、こんな規則・規律があるから行動を制限しようなんて考えはありません。期待とか要求を受けようと、周りにどんな思惑が渦巻いていようとも、そんなことに左右されずに自分の思うままに動ける人ですね。といっても、結局最後まで本当に考えなしなのか、実は考えがあったのかが判断できませんでした。本当に掴めない性格の人物です。
それに反し、人に対しての優しさは大きいと思います。まあ、見る分には楽しいキャラですけど実際関わる人は大変でしょうね。

最初は魅力を感じにくいかもしれません。私もやる気はなくズボラな性格をした主人公を見て、「これ主人公？」って思ってしまいましたしね。ですが、そよかぜのクルー達と同じように、だんだんとこのタイラーという男にハマッていく自分もいました。「次は何をする？何をしでかす？」というような期待とワクワク感を持たせてくれ、目が放せない主人公。
ヤマモトとタイラーのやりとりも面白くて笑えましたね。そのヤマモトがだんだんそよかぜ色に染まっていくのも見ててちょっと面白いところです。
あと、アザリンもすごく可愛かったですね。仕草が何とも愛らしい。ただ、個人的にはタイラーと誰かがくっつくならユリコさんがいいとは思ってましたけど。

アニメとしてとても面白かった作品でした。20年以上も前の作品なので作画は少し古さを感じましたが、それがまた良い味わいにもなっていたと思います。現代ではなかなか見ない主人公とストーリー展開だったので、古い作品なのに新鮮味を感じることもできました。
他にはない魅力がある作品です。こういうノリの作品って今は作れないんですかね？こんなアニメがあってもいいと思いますけど。

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