2018年02月13日
漫画『シネマこんぷれっくす』1巻の感想とあらすじ 映画マニアの生態にフォーカスした高校が舞台の映研コメディ
『シネマこんぷれっくす』1巻の感想。
シネマこんぷれっくす
著者:ビリー
掲載:月刊ドラゴンエイジ
1巻発売日:2017年12月9日
映画ばかり観て生きてきた高校一年生の少年・熱川鰐人(あつかわがくと)。入学した高校では映画みたいな青春を送ろうと胸を熱くさせ、その第一歩となる部活動をどこにするかで真剣に悩んでいた。
そんなとき、どういうわけか落ちていたスター〇ォーズのグッズを発見した鰐人は、フ〇ースに導かれるかのように、グッズを拾いながら旧部室棟にまでたどり着く。しかし、そこにいたのは学内でイカレた変人集団として広く名を知られ、色々ヤバイとも噂されるマイナー文化部「映研部(通称:死ね部)」。鰐人は映画好きが災いし、映研の女子部員3人組の罠にまんまと掛かってしまった。
かくして、トラップを駆使した巧妙(?)な勧誘によって映研に入部した鰐人。映画好きをこじらせた面倒くさい先輩たちと共に、好きな映画について熱く議論する賑やかな部活動を始めるのだった。
映画大好きな高校一年生の少年が、ひょんなことから入部した映研部の面倒くさい先輩たちと共に、様々な映画について熱く談義を交わす物語。
ドタバタ映研コメディ。帯での謳い文句は「吹替派?字幕派?こじらせ映研部員たちのドタバタ映画議論コメディ!!」。月刊漫画雑誌「月刊ドラゴンエイジ」の2017年5月号にて連載開始。
作者は以前『桜とつぼみは放課後ひらく!』という読み切り作品を同誌に掲載された漫画家・ビリー先生。『艦これ』のアンソロジーでもお馴染みの方。
映画って人の特徴が出やすいですよね。内容やジャンルの好みはもちろんのこと、見方にもそれぞれのスタイルがありますから。
どこで観るのか、一人で観るのか、誰かと観るのか、字幕かそれとも吹き替えかなど、その人なりの好みがあるのだから、性格も関係してくるでしょう。これは結構対立の火種となったりもして、こだわりの強い人たちを同じ空間に放り込むと、主張がぶつかり合って面倒くさいことになることも・・・。
ただ、私はそんな様子を眺めてるのが結構好きだったりもして(笑)まあ、これ全部漫画にも言えることなので、私も人の事とやかく言えないですけどね。
さてさて本日は、趣味について語りたい映画オタたちの、コミカルな日常を描いた『シネマこんぷれっくす』という漫画を紹介させていただきます。
どんな内容かと言いますと、トラップに引っかかって映研部に引きずり込まれた男子高校生と、先輩である映画好きをこじらせた3人の残念美人(アホ)たちが、活き活きと好きな映画について無益な激論を交わしまくるお話。
高校の映研部を舞台にしたドタバタコメディ。タイプの異なる面倒くさい映画マニアたちが、様々な「映画ネタ」ついて、各々の主張をぶつけ合う作品です。
映画マニアの日常を描いた作品としては、以前紹介した『木根さんの1人でキネマ』という漫画があります。本作はそれをよりハイテンションでアホにした感じ。こちらの方が登場人物たちの語りたい欲も強めだったと思います。
物語の主人公は、高校に入学したばかりの映画好き少年・熱川鰐人(あつかわがくと)。彼は映画のような熱い青春を送ると決意していたのですが、あらすじに書いた通り、スター〇ォーズグッズを用いた勧誘トラップに引っ掛かり、最後は色仕掛けに負けて映研部に入部。ちなみに、鰐人は馬鹿だけど学業成績は学年1位という矛盾・・・。
映研部といっても自主映画を制作するような意識の高い部活ではありません。ただ放課後に集まって映画の話で盛り上がってるだけです。一学年上の女性部員3人が美少女であることが唯一の救い・・・というわけでもなく、3人が3人とも映画好きをこじらせてる残念美人ときました。
いつもサングラスを掛けてる黒澤映画好きのクオーター・黒澤 天喜(くろさわ あき)。B級好きのクソ映画ハンターで人見知りの宮川 一子(みやかわ いちこ)。活発だけど口が悪いカンフー映画マニアの花村 瑞月(はなむら みつき)。
見た目だけなら文句の付けようがない美少女揃い。花さんなんてミスコン1位ですし。彼女たち目当ての野郎が集まって来てもおかしくないんですが、男子部員は主人公を除けば唯一の3年生・祝 巌鉄(いわい がんてつ)のみ。
校内でも映研部はイカればかりの変人集団として(特に2年生が)有名で、シネマに掛けて通称「死ね部」と呼ばれる有様。美少女といってもウザくて馬鹿でアホな子しかいないので、誰も好き好んで近づこうとしない・・・。
この作品も『木根さん』みたいな映画を題材にした他作品と同様に、基本的には1エピソードごとに1タイトルの映画を紹介して、部員たちがああだこうだと語り合います。
ただ、知っておいて欲しいことがひとつ。彼らが毎度繰り広げてるやりとりは、「映画あるある」というよりも、「映画『マニア』あるある」と言った方が正しいです。ストーリーの論評をしているのではなく、映画マニアの生態について、自虐を交えてコミカルに描かれています。
「吹替派 vs 字幕派」の勝者なき不毛な戦いだったり、好きなジャンルだからこそ素人を自分色に染めようとしたり、映画館での座席選びやポップコーン論争・・・etc。
紹介された映画から派生した「あるある」ネタで大盛り上がりです。しかし、ただただ己の主張を発信しまくるばかりなので、意見が纏まることは奇跡に近い。そんな極端な人たちばかりなのに、映画への深い愛によって通じてる彼女たちは、絶妙な調和を見せ、切れ味のよいギャグとツッコミで笑かしてくれます。
それから、中盤から登場する鰐人に気がある優等生の小津 安(おづ あん)は、作中では唯一の常識人。しかし、鰐人との距離を縮めようとすれば、死ぬ部の変人たちとの接触も不可避。ほぼ映研の色に染まりつつある鰐人同様、彼女もその毒牙に掛かってしまうのか・・・。
そんなこんなで、映画愛をこじらせた残念美少女と、彼女たちによって変人へと染められていく主人公が、映画ネタで主張をぶつけ合う学園コメディ『シネマこんぷれっくす』1巻の紹介でした。
ちょっとマニアックではありますけどギャグの切れ味はなかなかですし、テンポも良かったですね。それと、ヒロイン勢の残念ぶりがいいお味になっております。ギャップでの可愛い演出もあるので、きゅんとしてしまうことも無くもないかと。ほどよいサービスとラブコメもあったりと、意外とバランスが良い作品。
彼女たちマニアの生態は、とにかく終始めんどくさい。だがしかし、自分の胸に手を当てて、これまでの行いを思い返してみると、思い当たる節が・・・。好きなモノを語るときは、普段の自分からは想像できないほど饒舌になってしまいます。語ってる相手に引かれてることにも気づかずに。ああ、こんな感じに見えてるのかと気づかせてくれるありがたさ。そして恥ずかしさ・・・。
映画のセレクトも良いですね。『ゴーストバスターズ』、『コマンドー』、『HiGH&LOW』、『デビルマン』など、往年の名作から新作まで、そして迷作をも含んだセレクトなので、その議論はニヤリとしてしまうこともあったり。
映画好きでもそうでない人でも楽しめますが、やっぱ映画好きな人の方がより楽しめる内容。あと何かしらのマニアの人とか。アホみたいなやりとりばかりですけど、ついつい笑ってしまいました。個人的にはこのめんどくさいノリは好きですので、これからにも期待。
ちなみに、私は一人で映画を観る派で、ポップコーン無しのドリンクオンリー、座席は通路側。あと、「スタッフロールまで行ったらもう「携帯見てもいいよね!」みたいな客は殺す!」に関しては、少しですけど分からんでもない。
【eBookJapan】 シネマこんぷれっくす
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シネマこんぷれっくす
著者:ビリー
掲載:月刊ドラゴンエイジ
1巻発売日:2017年12月9日
あらすじ・概要
映画ばかり観て生きてきた高校一年生の少年・熱川鰐人(あつかわがくと)。入学した高校では映画みたいな青春を送ろうと胸を熱くさせ、その第一歩となる部活動をどこにするかで真剣に悩んでいた。
そんなとき、どういうわけか落ちていたスター〇ォーズのグッズを発見した鰐人は、フ〇ースに導かれるかのように、グッズを拾いながら旧部室棟にまでたどり着く。しかし、そこにいたのは学内でイカレた変人集団として広く名を知られ、色々ヤバイとも噂されるマイナー文化部「映研部(通称:死ね部)」。鰐人は映画好きが災いし、映研の女子部員3人組の罠にまんまと掛かってしまった。
かくして、トラップを駆使した巧妙(?)な勧誘によって映研に入部した鰐人。映画好きをこじらせた面倒くさい先輩たちと共に、好きな映画について熱く議論する賑やかな部活動を始めるのだった。
映画大好きな高校一年生の少年が、ひょんなことから入部した映研部の面倒くさい先輩たちと共に、様々な映画について熱く談義を交わす物語。
ドタバタ映研コメディ。帯での謳い文句は「吹替派?字幕派?こじらせ映研部員たちのドタバタ映画議論コメディ!!」。月刊漫画雑誌「月刊ドラゴンエイジ」の2017年5月号にて連載開始。
作者は以前『桜とつぼみは放課後ひらく!』という読み切り作品を同誌に掲載された漫画家・ビリー先生。『艦これ』のアンソロジーでもお馴染みの方。
紹介・感想
映画って人の特徴が出やすいですよね。内容やジャンルの好みはもちろんのこと、見方にもそれぞれのスタイルがありますから。
どこで観るのか、一人で観るのか、誰かと観るのか、字幕かそれとも吹き替えかなど、その人なりの好みがあるのだから、性格も関係してくるでしょう。これは結構対立の火種となったりもして、こだわりの強い人たちを同じ空間に放り込むと、主張がぶつかり合って面倒くさいことになることも・・・。
ただ、私はそんな様子を眺めてるのが結構好きだったりもして(笑)まあ、これ全部漫画にも言えることなので、私も人の事とやかく言えないですけどね。
さてさて本日は、趣味について語りたい映画オタたちの、コミカルな日常を描いた『シネマこんぷれっくす』という漫画を紹介させていただきます。
どんな内容かと言いますと、トラップに引っかかって映研部に引きずり込まれた男子高校生と、先輩である映画好きをこじらせた3人の残念美人(アホ)たちが、活き活きと好きな映画について無益な激論を交わしまくるお話。
高校の映研部を舞台にしたドタバタコメディ。タイプの異なる面倒くさい映画マニアたちが、様々な「映画ネタ」ついて、各々の主張をぶつけ合う作品です。
映画マニアの日常を描いた作品としては、以前紹介した『木根さんの1人でキネマ』という漫画があります。本作はそれをよりハイテンションでアホにした感じ。こちらの方が登場人物たちの語りたい欲も強めだったと思います。
物語の主人公は、高校に入学したばかりの映画好き少年・熱川鰐人(あつかわがくと)。彼は映画のような熱い青春を送ると決意していたのですが、あらすじに書いた通り、スター〇ォーズグッズを用いた勧誘トラップに引っ掛かり、最後は色仕掛けに負けて映研部に入部。ちなみに、鰐人は馬鹿だけど学業成績は学年1位という矛盾・・・。
映研部といっても自主映画を制作するような意識の高い部活ではありません。ただ放課後に集まって映画の話で盛り上がってるだけです。一学年上の女性部員3人が美少女であることが唯一の救い・・・というわけでもなく、3人が3人とも映画好きをこじらせてる残念美人ときました。
いつもサングラスを掛けてる黒澤映画好きのクオーター・黒澤 天喜(くろさわ あき)。B級好きのクソ映画ハンターで人見知りの宮川 一子(みやかわ いちこ)。活発だけど口が悪いカンフー映画マニアの花村 瑞月(はなむら みつき)。
見た目だけなら文句の付けようがない美少女揃い。花さんなんてミスコン1位ですし。彼女たち目当ての野郎が集まって来てもおかしくないんですが、男子部員は主人公を除けば唯一の3年生・祝 巌鉄(いわい がんてつ)のみ。
校内でも映研部はイカればかりの変人集団として(特に2年生が)有名で、シネマに掛けて通称「死ね部」と呼ばれる有様。美少女といってもウザくて馬鹿でアホな子しかいないので、誰も好き好んで近づこうとしない・・・。
この作品も『木根さん』みたいな映画を題材にした他作品と同様に、基本的には1エピソードごとに1タイトルの映画を紹介して、部員たちがああだこうだと語り合います。
ただ、知っておいて欲しいことがひとつ。彼らが毎度繰り広げてるやりとりは、「映画あるある」というよりも、「映画『マニア』あるある」と言った方が正しいです。ストーリーの論評をしているのではなく、映画マニアの生態について、自虐を交えてコミカルに描かれています。
「吹替派 vs 字幕派」の勝者なき不毛な戦いだったり、好きなジャンルだからこそ素人を自分色に染めようとしたり、映画館での座席選びやポップコーン論争・・・etc。
紹介された映画から派生した「あるある」ネタで大盛り上がりです。しかし、ただただ己の主張を発信しまくるばかりなので、意見が纏まることは奇跡に近い。そんな極端な人たちばかりなのに、映画への深い愛によって通じてる彼女たちは、絶妙な調和を見せ、切れ味のよいギャグとツッコミで笑かしてくれます。
それから、中盤から登場する鰐人に気がある優等生の小津 安(おづ あん)は、作中では唯一の常識人。しかし、鰐人との距離を縮めようとすれば、死ぬ部の変人たちとの接触も不可避。ほぼ映研の色に染まりつつある鰐人同様、彼女もその毒牙に掛かってしまうのか・・・。
最後ににだらだらと
そんなこんなで、映画愛をこじらせた残念美少女と、彼女たちによって変人へと染められていく主人公が、映画ネタで主張をぶつけ合う学園コメディ『シネマこんぷれっくす』1巻の紹介でした。
ちょっとマニアックではありますけどギャグの切れ味はなかなかですし、テンポも良かったですね。それと、ヒロイン勢の残念ぶりがいいお味になっております。ギャップでの可愛い演出もあるので、きゅんとしてしまうことも無くもないかと。ほどよいサービスとラブコメもあったりと、意外とバランスが良い作品。
彼女たちマニアの生態は、とにかく終始めんどくさい。だがしかし、自分の胸に手を当てて、これまでの行いを思い返してみると、思い当たる節が・・・。好きなモノを語るときは、普段の自分からは想像できないほど饒舌になってしまいます。語ってる相手に引かれてることにも気づかずに。ああ、こんな感じに見えてるのかと気づかせてくれるありがたさ。そして恥ずかしさ・・・。
映画のセレクトも良いですね。『ゴーストバスターズ』、『コマンドー』、『HiGH&LOW』、『デビルマン』など、往年の名作から新作まで、そして迷作をも含んだセレクトなので、その議論はニヤリとしてしまうこともあったり。
映画好きでもそうでない人でも楽しめますが、やっぱ映画好きな人の方がより楽しめる内容。あと何かしらのマニアの人とか。アホみたいなやりとりばかりですけど、ついつい笑ってしまいました。個人的にはこのめんどくさいノリは好きですので、これからにも期待。
ちなみに、私は一人で映画を観る派で、ポップコーン無しのドリンクオンリー、座席は通路側。あと、「スタッフロールまで行ったらもう「携帯見てもいいよね!」みたいな客は殺す!」に関しては、少しですけど分からんでもない。
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