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2018年11月23日

ふるさと納税の誤解?

「ふるさと納税」よくある9つの誤解・・・・

納税分は年末調整される・・・・?

年の瀬になり、あわててふるさと納税の

サイトをチェックして、どこにふるさと

納税をしようか、何をもらおうか……と

考えている人は多いだろう。

かなり国民に浸透してきたふるさと納税制度だが

いまだに誤解する人も少なくない。

中にはあとから事実を知って

「ふるさと納税なんかするんじゃなかった」

という人も。ここで改めてふるさと納税の

仕組みについて知っていただきたい。

誤解(1) ふるさと納税したら自分の自治体に
    税金を納めなくていい?

「ふるさと納税」

という名称ゆえに誤解されやすいが

ふるさと納税は地方自治体に対する

寄附金制度のひとつだ。

地方創生の一環として創設された制度である。

あくまで寄附金であるため、自分の住んでいる

自治体の住民税の代わりにはならない。

ましてや、自分の住んでいる自治体に

住民税を納めなくてもいいという

ことにもならない。

ただし、次項以降に述べるように

寄附した金額については

寄附金控除という形で所得税や住民税から

差し引くことができる。


誤解(2) ふるさと納税したら全額税金から
    差し引かれる?

所得税や住民税では、個人が地方自治体に

寄附した場合、その寄附した金額から2000円

を差し引いた金額が控除されるという仕組だ。

具体的なイメージとしては

次のそれぞれの算式で計算した金額が

所得税や住民税の税額から差し引かれると

考えるとよいです。

【所得税】
A:(寄附金額(※1)−2000円)×所得税率(※2)

※1総所得金額等の額の40%が上限
※2復興特別所得税(所得税率×2.1%)
 を加算した率。税率はその課税所得額に
 応じて異なる。

【住民税】
<所得割分>

B:(寄附金額(※1)−2000円)×10%(※2)

※1総所得金額等の額の30%が上限
※2標準税率の市町村民税6%、都道府県民税4%

<住民税特例分>

C:(寄附金額−2000円)×一定割合(※1)(※2)

※1一定割合=100%−10%−所得税率−
 所得税率×復興特別所得税率
※住民税特例分における控除額は
 住民税所得割額の20%が上限

上記の算式によって計算された金額の

合計(A+B+C)が、所得税や住民税から

差し引かれる金額となる。

10万円寄附したからといって

10万円まるごと税金から差し引かれる

ことはありません。

なお、サラリーマンなど給与所得者限定

になるが

「自分がいくらまで納税したらメリットが
 最大になるのか」

という上限一覧を、ふるさと納税の

ポータルサイトなどで閲覧することができる。

そちらをチェックしてからいくらまで

ふるさと納税するかを検討していただきたい。

誤解(3) 専業主婦がふるさと納税したら税金の
    還付が受けられる?

ふるさと納税フィーバーの影響か

主婦雑誌でもふるさと納税の特集が

組まれるようになった。

そこで誤解が多いのが

「主婦もふるさと納税すればオトク!」

というものだ。こ

れはふるさと納税の仕組み云々以前に

税金のことをあまりよく知らないが

ゆえの誤解とも言える。

税金の還付は、源泉徴収や先払納付などにより

「すでに支払っている税金」

があることが前提だ。

年末調整やふるさと納税の寄附金控除を行う

確定申告により、1年分の税金の正確な計算を

行った結果、初めて税金の払いすぎが判明し

納めるべき税金が減額されるか

還付されるということになる。

専業主婦が在宅ワークやパートなどで

稼ぎまくっていれば、ふるさと納税で

節税効果が出るかもしれない。

しかし、月収数万円程度ならば

ふるさと納税が節税になることは

まったくありません。

そもそも税額がゼロだからです。

余談だが、還付という制度は所得税にはあるが

住民税にはない。

納めるべき住民税が減額されるに

過ぎないので注意しよう。

誤解(4) ふるさと納税した分は今年の
    税金から差し引かれるはずだ?

ふるさと納税で寄附した金額についての

寄附金控除は所得税・住民税それぞれから

控除される。

しかし、控除されるタイミングが異なるの

で注意しましょう。

控除されるタイミングは課税のタイミングと

リンクすします。

所得税・住民税の課税のタイミングは

次の通りです。

所得税)
その計算のベースである所得や控除が発生した年(※)
(年末調整なら翌年1月10日か20日が納付期限
 確定申告なら翌年3月15日が納付期限)

住民税)
その計算となるベースである所得や控除が

発生した年(※)の翌年の6月以降およそ1年間

※いずれも同一年の1月1日から12月31日までの期間

たとえば、2017年中に正社員がふるさと納税を

行ったとしましょう。

所得税では、所得や控除が発生したのが2017年で

課税も2017年に行われます。

源泉徴収で2017年中に少しずつ給与から

天引きされている税金はあるが

最終的な精算後の税金は

年末調整なら翌年1月10日か20日

個々人の確定申告なら3月15日に

納めることになります。

しかし、住民税は、各自治体が計算し

納税額を算出する賦課課税制度をとっています。

所得税ベースの最終的な資料が出そろうのが

翌年3月15日以降。この時点から各個人の

納付すべき住民税を計算します。

このとき計算のベースとなる所得額は

2017年のものだが

課税するのは2018年6月以降となります。

ややこしいが、ふるさと納税の住民税の節税効果

が出るのは来年6月以降と考えていただきたい。

誤解(5) 返礼品はふるさと納税という税金で
  買っているのでいっぱいもらっても税金はタダ?

返礼品はふるさと納税の楽しみの一つですね。

「返礼品を何にしようか」が「どの自治体にしようか」

の選択基準になっている人は多いが

人によっては

「税金で返礼品を節税つきで買っている」

というイメージを抱いているようです。

返礼品は、あくまでも自治体の主体的な

行為に過ぎません。

つまり、「ふるさと納税をしてもらったゆえの対価」

ではなく、例えるなら、企業イベントの

ノベルティグッズやおまけのシールのようなものです。

そのため、返礼品は所得税や住民税の上では

「一時所得」

に該当し、年間で50万円以上もらうと

税金がかかる仕組みになっています。

「その返礼品がいくらか」については

基本的にそのもらった時点の時価相当額

で考えるのが妥当です。

クーポン券や金券ならばその券面額が

一時所得の金額に相当します。

ふるさと納税のポータルサイトによっては

「この返礼品は○○円相当額」

というように表示しているものもあります。

その場合はその金額が一時所得の算定金額と

考えて差し支えないでしょう。

誤解(6) 返礼品を飲食や消耗品にすれば
    税金はかからない?

先述の項目とも関連しますが

「食べ物や飲み物ならば消耗品だから
 価格なんてないに等しいでしょ」

と考える人もいる。実はそうはではなく

飲食物であろうと消耗品であろうと

協賛企業がいて原価がある限り

返礼品には必ず価格が存在すします。

ふるさと納税のポータルサイトでの

返礼品還元率の相場は

寄附金額に対し50%前後と言われてます。

また、今年の春、総務省から各自治体に

還元率を抑えるようにと通知が出ました。

ここから、返礼品がタダということが

あり得ない様子がうかがえますね。

また、以上の様子から、仮に300万円分

ふるさと納税をし、返礼品をすべて食品

など消耗品で受け取ったとしても

その価額は寄付額の30%程度である90万円は

あると見ることができます。

この場合、一時所得の控除額である50万円を

超えているので、一時所得として

確定申告しなくてはならくなります。

誤解(7) ふるさと納税したら自動的に
    年末調整で税金から控除される?

「ふるさと納税をする先は自治体だから
 きっと勝手にウチの管轄の税務署や自治体
 に寄附の情報が行って勝手に節税の処理を
 してくれるでしょう」

と思いこんでいる人もいるようですが

これも大間違いです。

ふるさと納税は、寄附金控除として

医療費控除などと同様に確定申告しなければ

税金の減額も還付も行われない仕組み

になっています。

ただし、ふるさと納税以外に特段確定申告

する必要がない人
(医療費控除や株の売買などがないサラリーマンなど)

で、ふるさと納税した自治体が年間5カ所以下

ならば、後述する

「ワンストップ特例制度」

を使うことで確定申告を省略することができます。

この場合、所得税から控除される分も

まとめて翌年6月から課税される住民税から

控除されることになります。

誤解(8) 妻名義でふるさと納税しても
    妻の税金から控除することができる?

ふるさと納税に取り組むのは

世帯全体であることが多いですよね。

中には財テクや節約情報に詳しい妻が

忙しい夫に代わってふるさと納税に

取り組むこともあるでしょう。

ここで注意したいのが

「ふるさと納税した人が誰か」

です。

収入の大黒柱である夫の税金を減らすべく

妻が自分の名義でふるさと納税したとしても

それは夫の税金から控除することはできません。

医療費控除や社会保険料など

「同一生計親族のものなら別名義でも控除OK」

という制度とは異なるので注意しましょう。

また、いったん支払った寄附金をキャンセル

することもできません。

どんなに忙しくても節税したい本人が

手続きを行わなくてはなりません。

誤解(9) ワンストップ特例制度を使っても
    確定申告と同じ効果を必ず受けられる?

先ほどお伝えしたワンストップ特例制度とは

ふるさと納税以外に確定申告する理由のない人が

年間寄附先が5つの自治体以下ならば

寄附先に申請の手続きを行えば確定申告せず

とも済む、という制度です。

ふるさと納税しかしていないサラリーマンが

もっとも分かりやすい例ですね。

特例制度を使った場合、所得税で控除を

受けるべき金額も、住民税で控除されるべき

金額と一緒に翌年6月以降の賦課される

住民税額から差し引かれることとなっています。

ただし、寄附金額によっては、かえって

特例制度の方が損になることがあります。

理由は算式の違いです。

ワンストップ特例制度で住民税額から

丸ごと差し引かれる金額の算式では

誤解Aでお伝えした算式のAの代わりに

次のDが使われます。

<住民税寄附金税額控除(申告特例控除分)>
D: C×所得税率÷(1−10%−所得税率)

つまり、B+C+Dの金額が、住民税額から

控除されることになるのですが、

注意したいのが「Cそのものに上限がある」

点です。

Cには住民税所得割額の20%が上限となっています。

所得額や寄附金額によっては

「確定申告した方が得だった」

ことになりかねません。

事前に、確定申告した場合と特例を

使った場合のどっちが得かを

シミュレーションした方がよいでしょう。

今年のふるさと納税は、今年の12月31日まで

に入金したもののみが対象となります。

CMを見て焦る気持ちも分かりますが

思い込みをしていたばかりに損をした・・

などということがないよう

気をつけて下さい。

また、個人事業主・フリーランスさんは

月々の社会保障費を削減して手厚い社保に

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可能になります。

節税と思い込みがちなふるさと納税制度。

それより効果は絶大です。

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