2018年10月02日
ドロシー / クラッシャー
旅路の末に、案山子は針で作った脳を、木こりはおがくずの心臓を、ライオンは勇気が湧く飲み物をオズからもらった。自分の変化に喜ぶ仲間を見て、ドロシーの探究心が頭をもたげる。
「頭の中身を見せて?」とねだるドロシーに、案山子は戸惑いながらも答えた。「いいよ。ちゃんと元通りに藁を詰め直してくれるなら」ドロシーは元気よく「任せて」と胸を叩いた。
次に、ドロシーはブリキの木こりに中身を見せてと頼んだ。木こりは困ったような仕草のあと「油を差して、動けるように戻してくれよ」と言った。「もちろん」と彼女は微笑んだ。
ライオンは怯えていた。オズから勇気をもらったはずなのに。「ねえ、中身を見せて」バラバラになった案山子と木こりの傍らに立つドロシーは、輝く瞳でライオンに語りかけた。
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