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カジヤマ シオリ(@Kindermeer )
元女性アシスタントディレクター。 心は広島とオランダにおいてきぼりですが、名古屋市民です。 いちにんまえのトラベルライター目指し、日々これまでの旅行経験や映画や洋楽、西洋美術や海外ドラマなどについての記事を更新してます。 ネタになるだけ、今までの経験は無駄じゃない!
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2016年05月15日

綾小路きみまろ/「生誕150年 黒田清輝─日本近代絵画の巨匠」展/東京国立博物館





結構駆け足になりますが、なんせ、会期が15日(日付変わって今日…)ということなので。
本日滑り込みセーフを目指す!という人がいれば、と思って、更新します。

今日は、5月11日に訪れた「東京国立博物館」の特別展、
「生誕150年 黒田清輝─日本近代絵画の巨匠」についての記事です。

IMG_2570.JPG

入り口からすぐ、この看板が出迎えてくれました。

IMG_2567.JPG

こちらは東京国立博物館の本館でございます。

IMG_2568.JPG

んで、こちらが表慶館。
青いドームの建物がちょっとヨーロッパ風です。
こちらでは、もうひとつ行われていた、特別展「黄金のアフガニスタン−守りぬかれたシルクロードの秘宝−」が開催中。
こちらは6月中旬までやっています。
概要はこちら↓
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1765
(チケットは黒田清輝展とは別料金となっていますのでご注意を!)
なかなかこちらも人気でしたよ。

今回はこれらの建物ではなく、
入り口入ってちょっと奥まったところにある、平成館という建物。
こちらはちょっと近代さを感じる建物です。

IMG_2573.JPG

IMG_2574.JPG

壁にでかでかと!
やっぱり黒田清輝といえば、この作品なんだよね。
私は黒田清輝の活躍した時代の芸術史をしっかりと勉強してないのですが、それでもこの作品は見たことがあるというほどです。
重要文化財になってる作品もあるし。

会場内は撮影禁止です。
加えて、飲食も禁止です(喉が渇いたのか、マダムが展示室の入り口に戻ってペットボトルのお茶を飲んでたのですが、入り口だろうがちゃんと展示室内なので、注意されてました)
よって、ここからの写真はありません。

展覧会の感想についてつらつら書く前に、
簡単にインフォメーションをまとめておきます。

会場:東京国立博物館 平成館(上野公園内)
会期:5月15日(今日)まで
開館時間:9:30〜18:00(日曜のため)
公式サイト:http://www.seiki150.jp/
料金:一般1600円、大学生1200円、高校生900円、中学生以下無料

IMG_2501.JPG

ちなみに、この「ぐるっとパス」を提示すれば、一般料金が100円引きの1500円になります。他の美術館も訪れる予定がある人にはお得かも(2000円で販売、2か月間有効)

音声ガイド:520円
(ナビゲーター:綾小路きみまろ)
これが結構衝撃的だったので後程…

平日の午後2時ごろに訪れましたが、
まあ、素敵なマダムたちであふれておりました。
そうなると、展示室もうるさくなりますよね、当然。みなさま絵をみながら、あーだこーだ言ってるわけなので。
おひとり女子にはそれが結構気になるんですよ。昔は全く集中できませんでした。
静かに楽しみたい人だっているんだぜ!ひそひそ声のつもりでもすげーうるさいぞ!
そんな状況のときは、音声ガイドさんにお世話になってます。
ちゃんと静かに、絵と向き合いたいという人におすすめですよ。
今回の旅中でも4回借りました。1つ520円…高いのがネック

この展覧会の音声ガイドのナビゲーターは、
なんと綾小路きみまろ
特別展の音声ガイドのナビゲーターさんって、だいたい実力派俳優とか、年齢を重ねて声に渋みが出てきた俳優とか、元宝塚の役者さんとかとか。
それを、解説ナレーターで元アナウンサーの人が足りないとこを補って、聞きやすくしてるというイメージ。
ですが、今回はまさかのきみまろ…
一瞬借りるのが不安になったのですが、興味本位で借りました。

なぜきみまろなのか?
理由は単純。きみまろも黒田清輝も鹿児島出身だから。
まあ言ってしまえばそれまでなんだけど、たぶんターゲットを中高年に完璧にロックオンしてるからかな。
たぶん黒田清輝のファン層もそのくらいが大半なんだろうし。
俳優さんって、名前だけ見てもなかなか思い出せない…誰だっけ?ってなりがちな中高年だけど、きみまろそうならないから?(すごく推測

感想ですが、
きみまろ、いい仕事してんじゃねーか!!

普段ああいう漫談してるから、ふざけたナビゲーションしてるのかなと思ったのですが、
意外や意外、お下品さなんてなく、黒田清輝の作品のイメージにあった、穏やかな声の調子で。
展覧会にぴったりでした。

作品や黒田清輝のことになると、ちゃんと的確にナビゲーション。
とても聞きやすかったです。
かつ、単調すぎず、眠くならないナビゲーション。
ナレーションっぽくなりすぎてないので、メリハリあるんです。

ちゃんとあらかじめ本で勉強したり、大学とかである程度勉強してないと、
黒田清輝の活躍した時代の芸術って、作品見てるだけじゃその時代背景とかよくわからないんですよね。
黒田清輝に限らずほかの作品でもそうですが。
それだと、ただ「きれいだなー」で終わってしまうので、勉強にはならない。
絵のそばに書いてあるキャプション(説明書き)に、時代とかモチーフとかモデルのこととか書いてあることもありますが、文字が小さかったりすると、数十センチのところまで顔を近づけてみてる人、結構いますよね。あれかっこ悪くてやりたくないのです…
音声ガイドなら、キャプションの内容だけでなく、ちょっと豆知識や理解をさらに深められる説明もあるので、すごく勉強になるし、鑑賞にすごーく集中できます。
鑑賞中に無駄話に花をさかせているマダムたちにおすすめしたい。音声ガイド聞いてたら、無駄話なんてしてる場合じゃなくなるよ。それ、展示室の外でやってくれ。

きみまろの音声ガイド、おすすめです。

さて、展示についてですが。
黒田清輝の作品が一同に集まる、とても大規模なのものでした。
きみまろのガイドもあれば、黒田清輝のたどった激動の時代の芸術というものが理解できます。
外国に比べて遅れている日本の芸術の制度を発展させようと、奔走した黒田清輝。
彼のオリジナル作品だけでなく、ヨーロッパで修行していた時代の、レンブラント作品の模写。
画家としての技量がうかがえました。
美しい女性の描かれた穏やかな作品がおおかったですが、どれも愛にあふれていた気がした。
超混みですが、癒しの空間です。

加えて、彼が弟子として従事していた恩師、憧れていた画家たちの作品も多数。
どんなものに影響を受けていたのか一目瞭然です。
ラファエル・コラン、ミレー、モネ・・・
一言で「フランスの画家」と言ってしまうのでは、なんだか違う。
ちゃんと勉強してないと、どんな師匠がいたのか?何に影響を受けていたのか?なんてわかりません。
黒田清輝という画家について知るいい機会です。

印象的だったのが、戦災で焼失してしまったという作品の再現。
東京駅の壁画は、当時さながらに360度、下絵や写真などの少ない資料から再現されていました。
どうやって手がけて、どのようなイメージを持って作成したのか…
これも、音声ガイドがあったほうがより理解が深まります。

チケットの図柄にもなってた、「読書」と「湖畔」。
黒田清輝と関係の深い2人の女性がモデルとなっていますが、すごく引き付けられる、魅力的な絵でした。

展覧会の最後を飾る、「智・感・情」。
3人の裸体の女性が、それぞれポーズをとる。背景は金色…
なんか、どうしたらいいのかわからない気持ちになった絵です。
黒田清輝の「日本の芸術をなんとかしてやりたい」っていうありあまったパワー?エネルギーに満ち溢れた絵。
ですが、何か、パワーを感じます。古代の女神っぽさも、神々しさも感じました。
黒田清輝がまだ存命中、一度だけ展覧会に出されて、その後、長らく日の目を見なかったそう。
物議をかもすとかそれ以前に、しまっておきたいというか、しまっておかなくちゃいけないっていうのもわからなくもない。
何かが変わってしまいそうな、強いパワーだったような、気がした。

ちなみに、チケット1枚で、別の建物でやってる総合文化展も見れるのですが、
足早にその場をあとにして、ピクサー展へと行きました
(トイ・ストーリー大好きなんだもん)
ですが、なかなかそちらも充実してそうなので、次こそは…と考えてます

もう、なかなかの充実ぶりでしたよ。
ぜんぶ全力で鑑賞すると、なんかこう、いろんなパワーを受け取ると同時に、いろんなことを考えさせられて、持ってかれるかんじ・・・?
穏やかに、幸せな時間が過ごせました。
まだ1日あるので、ぜひ、訪れてみてください!!!!



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