燃え上がる炎が、大地に赤い影を落としていた。
その中心に立つのは、見る者すべてを震え上がらせるほどの威容を持つ存在。不動明王だ。
彼は破壊と再生を司る守護者、悪を滅し、道を誤った者を仏道へと導く使命を帯びている。その姿はまさに荒ぶる神、シヴァ神の面影を色濃く宿していた。
怒りをたたえた表情は恐ろしい。右目は天を睨み、左目は地を射抜いている。口元には上下逆さの牙が露わになり、その牙は善を守り悪を断つ意思の表れだ。背後には燃えさかる炎が立ち上り、彼の神性を示しているかのように辺りを包み込んでいた。
右手には龍が巻きついた剣を握りしめていた。その剣は、大日如来の知恵の鋭さを象徴するもの。左手には羂索を持ち、それは煩悩を縛り、悪の心を改心させる縄だという。彼の周囲には、矜迦羅童子と制多迦童子という二人の従者が控えていた。どちらも小柄だが、不動明王の怒りの化身として忠実にその使命を全うしている。
不動明王が現れるのは、闇が深くなった時だ。
災いが続き、人々が苦しみに喘いでいる場所へ、彼は降り立つ。そして剣を振りかざし、悪を滅ぼしながらも、迷いの中にいる者たちを慈悲の心で包み込む。たとえそれがどんな悪人であろうとも、仏道へと導くのが彼の決意である。
「ナウマク・サマンダ・バザラ・ダン・カン」
彼の名を呼ぶ真言が大地に響くたび、炎の剣が閃き、悪しき影が霧散していく。その場に立ち尽くす者たちは、ただ感謝と安堵の涙を流すばかりだ。
不動明王の力は、単なる破壊ではない。彼が振るう剣は、破壊の後に新たな道を切り拓くものだ。その足跡には、再び芽吹く命と穏やかな日々が広がっていく。
そして、不動明王は静かにその場を去る。人々に微かな微笑みを残して。彼の背中を照らす炎の光背だけが、彼の存在の名残として空を染めていた。
どんな時でも彼を呼べばいい。
悪夢に苦しむ時、道に迷う時、心が折れそうになる時――その名を真言と共に唱えれば、不動明王は必ずや現れる。力強い守護者として、そして慈悲深き導師として。
この文章をの作詩ください。
歌詞はイントロ4行、サビ4行してください
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