2014年04月05日
【都立中高一貫校】 2014年大学合格実績
※ 当記事は、「【都立中高一貫校通信】 2014年(前期)大学合格実績」の更新版です。 各校の合格者数をアップデートすると共に、都立トップ校・2番手校と比較した結果とその考察を追加しています。 ぜひ、改めて読んで頂けると幸いです。
★ 2014年難関国立大学合格実績
2014年の都立中高一貫校(含む九段)の大学合格状況がほぼ出揃いました。
2013年に引き続き、都立中高一貫校の難関国立大学(東大・京大・一橋・東工大・国立大学医学部)と言われる範囲の合格実績を見て見たいと思います。
大学は、東大・京大など難関国立大学だけではありませんし、難関国立大学に合格したからと言って、それで人生の成功者になれる訳ではありません。
ただ、週刊誌が好んで取り上げる高校の実力判定の一つですから、2014年についても、この物差しで結果を検証していきましょう。
<2014年>
順.−校 | 人 | 東 | 京 | 一 | 東 | 国 | 合 | 割 |
位.−名 | 数 | 京 | 都 | 橋 | 工 | 医 | 計 | 合 |
====================
01.小石川 |157| 6 | 5 | 1 | 2 | 2 | 16 | 10.2|
02.武蔵− |196| 3 | 1 | 7 | 3 | 1 | 15 | -7.7|
03.桜修館 |152| 3 | 1 | 2 | 2 | 3 | 11 | -7.2|
04.立川国 |143| 2 | 3 | 0 | 2 | 0 | -7 | -4.9|
05.両国− |192| 3 | 0 | 3 | 2 | 1 | -9 | -4.7|
06.白鴎− |231| 5 | 0 | 1 | 1 | 3 | 10 | -4.3|
07.九段− |139| 1 | 0 | 1 | 0 | 2 | -4 | -2.9|
どうでしょう?
この結果を見て、皆さんはどのように感じたでしょうか?
おそらく、多くの方の感想は、「受検時の難易度から見て、合格者が少なくないか?」というものではないかと思います。
★ 2013年・2012年の難関国立大学合格実績
昨年・一昨年の実績も見てみましょう。
武蔵・立川国際は中高一貫生が初めて卒業した年になるため比較対象から外しますが、小石川と白鴎以外の学校は実績(合格者数/卒業生数の割合)を落としています。
<2013年>
順.−校 | 人 | 東 | 京 | 一 | 東 | 国 | 合 | 割 |
位.−名 | 数 | 京 | 都 | 橋 | 工 | 医 | 計 | 合 |
====================
01.小石川 |158| 5 | 0 | 3 | 3 | 4 | 15 | 9.4|
02.桜修館 |154| 6 | 2 | 1 | 4 | 1 | 14 | 9.0|
03.九段− |138| 2 | 0 | 2 | 3 | 4 | 11 | 7.9|
04.両国− |196| 5 | 1 | 3 | 5 | 0 | 14 | 7.1|
05.白鴎− |230| 5 | 0 | 1 | 1 | 0 | 7 | 3.0|
<2012年>
順.−校 | 人 | 東 | 京 | 一 | 東 | 国 | 合 | 割 |
位.−名 | 数 | 京 | 都 | 橋 | 工 | 医 | 計 | 合 |
====================
01.桜修館 |150| 4 | 0 | 2 | 4 | 1 | 11| 7.3|
02.小石川 |159| 4 | 1 | 2 | 0 | 2 | 9| 5.6|
03.両国− |202| 3 | 0 | 1 | 4 | 1 | 9| 4.4|
04.白鴎− |229| 3 | 1 | 3 | 3 | 0 | 10| 4.3|
05.九段− |121| 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 2| 1.6|
★ 都立トップ校・都立2番手校との比較
また、都立トップ校(西・国立・日比谷)及び実績上位4校(青山・八王子東・戸山・立川)の2014年実績とも比較してみましょう。
まだ都立トップ校にはとても敵わないことが、一目瞭然にわかると思います。
しかし、小石川・武蔵・桜修館あたりは、都立2番手校と良い勝負になっています。
<2014年>
順.−校 | 人 | 東 | 京 | 一 | 東 | 国 | 合 | 割 |
位.−名 | 数 | 京 | 都 | 橋 | 工 | 医 | 計 | 合 |
====================
01.西−− |335| 31 | 15 | 15 | 17 | 14 | 92| 27.5|
02.国立− |321| 24 | -6 | 21 | 16 | -4 | 71| 22.1|
03.日比谷 |325| 37 | -6 | -6 | -9 | -7 | 64| 19.7|
04.青山− |282| -3 | -2 | 12 | -5 | -2 | 24| -8.5|
05.八王東 |318| -7 | -1 | -7 | 10 | -2 | 27| -8.5|
06.戸山− |329| -6 | -4 | -7 | -6 | -4 | 27| -8.2|
07.立川− |319| -2 | -2 | -8 | 10 | -1 | 23| -7.2|
★ 受検偏差値の新旧比較&都立高校受験偏差値との比較
続いて、今年の卒業生が受検した年(2008年)と今年(2014年)の中学受験偏差値を比較する形で、見てみましょう。
(数値は、四谷大塚の偏差値(女子の80%合格可能性)です。)
また、あくまでも参考値ですが、都立高校の上位10校の高校受験偏差値も表示します。
(数値は、V模擬、W模擬の80%合格偏差値です。)
一般的には、”「中学受験偏差値」≒「高校受験偏差値」−「10」”と言われるため、高校偏差値から「10」引いた数値が中学受験偏差値と並ぶように表示しています。
<都立中高一貫校>−−−−−−−−−−−−−<都立高校(上位10校)>
-------------------------------------------------------------------------------------------------
中学 <(A)2008年> <(B)2014年> −−−高校 <(C)2014年>
偏差値 | 学校名 学校名 −偏差値| 学校名
-------------------------------------------------------------------------------------------------
64 |−−−−−−−小石川、武蔵−−−−| 74 | 日比谷
63 |−−−−−−−−−−−−−−−−−| 73 | 西、国立
62 |−−−−−−−桜修館、両国−−−−| 72 |
61 |−−−−−−−−−−−−−−−−−| 71 | 戸山
60 |−小石川−−−−−−−−−−−−−| 70 | 八王子東
59 |−−−−−−−白鴎、九段(B) −−−| 69 | 青山、新宿、立川、武蔵
58 |−武蔵−−−−−−−−−−−−−−| 68 | 両国、国分寺
57 |−−−−−−−立川国際−−−−−−| 67 |
56 |−−−−−−−−−−−−−−−−−| 66 |
55 |−九段(B) −−−−−−−−−−−−| 65 |
54 |−両国−−−−−−−−−−−−−−| 64 |
53 |−−−−−−−−−−−−−−−−−| 63 |
52 |−立川国際−−−−−−−−−−−−| 62 |
51 |−−−−−−−−−−−−−−−−−| 61 |
50 |−桜修館−−−−−−−−−−−−−| 60 |
49 |−−−−−−−−−−−−−−−−−| 59 |
48 |−白鴎−−−−−−−−−−−−−−| 58 |
まず、都立中高一貫校の2008年と2014年の状況を比較したいと思います。
(上表のA列とB列を比較してください。)
都立中高一貫校は、この6年間で劇的に難易度が上昇したことに疑いはないと思います。
大きく伸びた学校は、桜修館で+12、白鴎で+11となります。
伸びの小さな学校でも、小石川で+4、九段で+4、立川国際で+5となります。
誤解を恐れずにはっきりとした言い方をすると、今年の卒業生と最近入学した生徒の間には、明らかに入学時点の学力レベルに大きな差があるということです。
続いて、都立中高一貫校と都立高校(上位10校)の今年の卒業生が入学した頃の学力レベルを比較したいと思います(高校受験偏差値はここ数年で大きな変動がないことから、2014年の値を使用します)。
(上表のA列とC列を比較してください。)
“「中学受験偏差値」≒「高校受験偏差値」−「10」”が成り立つ前提で考えると、都立トップ校との実績の差に納得がいくのではないかと思います。
やはり、今年の卒業生においては、入学時の学力レベルに大きな差があったということです。
また、先ほど、小石川・武蔵・桜修館あたりは都立2番手校と同程度の実績だと説明しました。
小石川・武蔵は入学時の学力レベルが都立2番手校と同水準にあったと言えるため、大学合格実績が同程度であることに違和感はありません。
桜修館は、偏差値が10程度も上の都立2番手校と同レベルの実績を3年連続で出し続けていると解釈でき、非常に健闘していると言えます。
★ 都立中高一貫校はいつか都立トップ校を凌ぐ!?
これら表の数値を見て頂くと、まずは最近の都立中高一貫校への合格の難しさをベースに、単純に大学合格実績の良し悪しを判断できないと理解できると思います。
小石川・武蔵は、2008年当時から受検難易度がほどほどに高く、入学した時点の生徒の学力レベルも相応にあったろうと思いますが、それ以外の学校では受検倍率は当時から高かったものの合格水準はさほどではなく、入学する生徒の学力もここ数年のような高さはありませんでした。
2008年当時の偏差値が後ろからの3校「白鴎」「桜修館」「立川国際」で見てみて下さい。
難関国立大学の合格実績は上表の通りですが、他の国立大学や有名私立大学においても多くの合格者を出しています。
偏差値50前後で入学した子供達の実績と考えると、驚異的な結果と言えるのではないでしょうか。
このように考えると、一昨年・昨年・今年と、十分に立派な合格実績を出し続けていると言え、都立中高一貫校の仕組みは大学合格・進学の面で上手く機能していると言えそうです。
そして、都立中高一貫校に入学する子供の学力レベルが年々上昇しているのは確実です。
2014年に都立中高一貫校に入学した子供達が卒業する6年後(2020年)ぐらいになると、いよいよ都立トップ校を凌ぐ実績を出す都立中高一貫校が現れるかもしれません。
(上表のB列とC列を比較すると、いよいよスタートラインが都立中高一貫校上位と都立トップ校で並び始めています。)
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※ 2016年の各都立中高一貫校におけるZ会会員合格者数:白鴎(41名)、桜修館(41名)、三鷹(27名)、小石川(22名)、九段(21名)、南多摩(20名)、大泉(19名)、富士(17名)、立川国際(17名) 、武蔵(15名)、両国(11名)
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以上
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コメントありがとうございます。
そうなのかもしれませんね、武蔵ができて、市部から来る生徒が減ったことなどが、やや大学合格実績を落とした理由の一つなのかもしれませんね。
そして、国立一本狙いの子供が多かったのもあると思いますが、今年は医学部志望の子供が多いようにも思えます。東京医科歯科大学など国立大学と防衛医科大学だけでなく、私立大学の医学科だけでも4名の合格者がいますから。
違う意味で、かなり裕福な家庭の子供もやはりいるんだなぁとも思いますが(笑)。
今週はちょっとできそうにないのですが、また時間を見つけてはアップしていきますので、コメントをよろしくお願い致します。
今年の卒業生が入学した年に武蔵ができたので、これまで1,2期とくらべ、
市部から通ってくる生徒の数が減ったと伺いました。
そういう意味では分け合ったところも少々あるのかもしれません。
それから、今年の傾向として国立1本狙いの子が多かったと伺いました。
これまでのように早慶を受ける人が、本当に少なくて、実績に反映できなかったことは
ちょっとだけ残念な気もしますが、自分のやりたいやり方で、お財布にも優しい受験が
できたのはやはり都立ならではなのだと思います。
これからも桜修館の様子をアップして下さい。
コメントありがとうございます。最近仕事が忙しく、ここ数日はブログを確認していませんでしたので、返事が遅くなりました。すいません。
桜修館は、本当に良い学校だと思います。
そして、桜修館は本当に都立大付属の伝統を大切にしながら、次の飛躍を考えている姿勢が随所に滲み出ていると思います。
今の学校行事は全て都立大付属から引き継いだものですし、各部活のコーチには積極的に都立大付属出身の先輩に来て頂いているようですし、学校名が変わってしまった分、都立大付属の良き伝統を残すことに非常にこだわっているような気がします。
また、色々とコメントを頂ける幸いです。
校長がよく変わるのが気がかりですが、自由と自治という、旧制高校以来の伝統を認めてくださっている保護者の方がいらっしゃることに感動しています。学力をつけるということは、きちんと物事を整理して認識し、自分の考えを他に伝えることに尽きると思います。こうした目的に合わせて、日常の学習を積み重ねつことが大切ですね。そんな、教育をしてくれた良い学校でした。
お子さんたちには「ぜひ、しっかりした展望を持って日々の生活を送ってください。」ということを伝えてほしいと思います。これからも見識のあるご意見を拝読させてください。