2024年07月26日
567.Road Redemption
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「ロード リデンプション」のレビューです。
本作はローグライト・アクションレーシングって感じかな。スタートからゴールまでの一本道のコースを爆走しつつ、ミッションをこなしながらクリアを目指す、ステージクリア制の作品です。
敵ライダーがたくさんいるので、並走しながら近接武器で殴り合ったり、首根っこを掴んで叩きつけたり、後ろから銃で撃ったり、爆弾を落としたりと、世紀末に相応しいバイオレンスなマリカーといったところでしょうか。
敵を思いっきり蹴り飛ばしてコースアウト、からのクラッシュがマジで気持ちいい(笑)
ゲームシステムなどの翻訳は辛うじてわかるレベルで、ストーリーは嘘字幕にもほどがあります。喋ってることと字幕がまったく合ってないばかりか、字幕の表示時間が一瞬すぎてとても全文を読むことはできません。
が、気にしなくていいレベルです。
一応自分なりに噛み砕くと、
とある巨大カルテルのボスがファントム勢力のアサシンに殺され、このアサシンに莫大な懸賞金がかけられました。そして、その賞金を巡って多くのカルテルが我先にとアサシンを追い始めたのです。
主な敵はリーパー、シグマ、ファントムの三派閥。
あなたは四つ目の派閥ジャッカルの一員として、ファントム勢力のボス、アサシンの首を狙っていますって感じ。
ネタバレすると、それぞれのボスを倒しながら、最後にアサシンを討ち取ってめでたしめでたし、かと思いきやそれを恨む敵の残党が襲ってくるので急いでその場から脱出するのが最終フェーズ。
これをクリアすれば各種クリアフラグが建ち、続くもう一つのボーナスステージはクリアしてもいいしクリアしなくてもいい、ファンサービスとなっています。
(実績に影響するキャラ開放のため、誰でどっちのモードをクリアしたかはたぶんわからないので、メモ推奨です。実績コンプのためにはステージスキップのないキャンペーン+も回す必要があります)
いやぁ、面白かったです。
スタッフロールのキックスターターがすごい数いますよね。ゲームのカラクリに気付くと案外深みはないのですが、ちゃんと楽しませてくれて掴みは素晴らしく、ゲーム開始直後から熱くなれ、さくっと遊べるのでプレイヤー受けはさぞ良かったのでしょう。
本作はレース要素だけでなく、アクションとして敵との攻防があります。例の世紀末漫画のような世界でアブナイ武器を振り回してヒャッハーするわけですよ。その中に、剣は振りが早いがヘルメットに弱い、棍棒は振りが遅いが確実にダメージを与える、棒の中でも一回り長い棒は更に振りが遅いが間合いの外から攻撃できる、などの強弱関係があり、さらにパリィやキックでの距離離しなど、採るべき戦術が多彩です。
コース自体は易しめの作りですが、ちゃんと見ていなければ簡単にコースアウトするし、勾配もきついのでレースとしても忙しい中、敵とじゃんけんをしなければならないシステムは非常に指が忙しく、なかなか熱中させてくれました。
じゃんけんに飽きたらちゃんと必勝ともいえる攻略法を編み出せたので、攻略はサクサクで、ローグライトの割には時間はかかりませんでした。Kemcoゲーの箸休めにちょうど良かったくらい。
(もちろん普通のレーシングゲームのようにはいかないし、格闘戦も律儀にNPC側の土俵に立つ必要はないんだ、ってことに気付いたタイミングからこのゲームの面白さがわかってくると思います)
クリアまでの全体の時間は一時間もないものの、ステージ数が多いので各ステージのロード時間は多少気になりました。
ゲーム中の挙動や、ゴールを大きく飛び越えるとゴールしたことにならずにもう一周させられたり、海外インディーゲーらしいラフさがあるのですが、意外にもこういったときにしばらく待っているとちゃんとゴールフラグが建ったり、攻略中一度もフリーズしなかったりと、案外こういったことを想定して対策をしている節が見えて、かなり良心的なゲームだったと思います。
買ったの大分昔のことなのでうろおぼえですが、もしかしたら日本のストアには置いてないかもしれないです……。結構いろんな人にお勧めしたくなる良ゲーなんですけどね。
あ、オンラインは死んでます。人がいないどころか、そもそもサーバーが死んでるっぽい(実績には無関係)
2024年07月19日
566.インフィニットリンクス
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「Infinite Links」のレビューです。
もはや説明不要のKemcoゲー、その中でもサクサク爽快やりこみRPGに重きを置いたExe-Create製の作品です。
はい、と〜っても、つまんなかったです!
アスディバインシリーズの頃に比べると一段パワーアップした制作ツールなので、ゲームプレイに関しては非常に快適でおよそ非の打ちどころがないくらい快適です。特に、いつの頃からか搭載され始めた魔物寄せオブジェクトによる三連戦闘は神システムですよね。これのお陰でうろうろしながらエンカウントしてレベル上げをする必要がなくなりました。それに付随して少し前に搭載され始めたオート継続システムも本当に快適。戦闘画面で一度オートを指定すると、イベント戦闘を除き、続く戦闘でも自動的にオートモードを継続してくれる機能で、ほとんどボタンを触らずに戦闘を続けられるのが素晴らしい。
ま、これらは本作に限った話ではないんですけどね。
本作の魔法習得は、手に入れたタリスマンを専用のボードに嵌めて使用できるようにする、というシステムなのですが、それ以上の広がりがなく、かなり退屈なシステムでした。私がKemcoゲーにおいてはほぼオート任せで、コマンド選択しないスタイルなのも影響してるかもしれない。
でも、新作発売までのスパンが短いインディースタジオの強みを生かして、毎作このように新しいシステムや、プレイヤーには気づきにくいグラフィック処理の向上など必ず何かしら新しい試みを搭載して進化し続ける姿勢は本当に尊敬しています。
が、ゲームそのものはどう取り繕ってもつまんなかったです。
キャラが立ってないとか、ストーリーが陳腐とか、毎回散々言ってますよね。もう言い飽きました(笑)
今作は、たぶん妹萌えみたいなのが一つのテーマなんじゃないかとは思いますが、当のその妹がまったく味がしないんですよね。良い子ちゃん代表みたいなビジュアルと性格で、本当に何の人間味も感じません。口を開けば「うん、行こう、お兄ちゃん」か、「(イーブル化に耐えながら)うう、うぁ」と呻くか、「迷惑をかけてごめんなさい」しか言いませんよ。
他のキャラも、自身が背負ったエピソードを吐いた後は役割専用キャラとなり、希薄だった個性が霧散しています。
今回のシナリオは佐川ちゃんじゃない人が担当していて、この人もKemcoシナリオ歴長いんですけど、もうちょっとかかりますねぇ。
グラフィックの感じからエルピシアなどよりは少し古い作品だと感じました。
そうそう、本作にはゴーストシンクにもあった魔物辞典コンプリートシステムが搭載されています。特定の魔物を一定数倒すとご褒美がもらえるってやつですが、ゴーストシンクで懲りたので今回は無視して進めました(笑)、案の定エンカウントを楽にするような装備も課金システムもなかったですしね(最後の最後で手に入る)。めっちゃさくさくでした。
あ、もう一つ許せないトコロ思い出した!
本作はアルファディアシリーズで述べたようなフラッシュゲーではありませんが、イベントの演出として「光る」シーンがとても多いです。「光る」度に画面が赤くなったり黄色くなったり暗くなったりでかなりうるさいのがすごくストレス溜まりました。プレイの時は部屋を明るくしてモニタから離れて、ついでにRBボタンを押してお楽しみください。
2024年07月12日
565.イクストナ戦記
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「Legend Of Ixtona」のレビューです。
本作はKemco販売ですが、開発は別のインディースタジオで、珍しいSRPG。
FFタクティクスやファイアーエムブレムのような見た目ですが、感覚的にはサモンナイトのような非常にシンプルなマス目戦闘のRPGで、フリーバトルで好きなだけ鍛えてからイベントを進めることが出来ます。
言うことは……それだけかな(笑)
レベルを上げて物理で殴る、いつものKemcoRPGが形を変えただけですが、別に嫌いじゃないです。特にバグもないし、高さとか地形効果とか、頑張ってる感はあって、ゲームとしては非常に堅実な出来でした。
この手のSRPGにしてはユニット毎の移動距離や攻撃範囲が広めに取られている印象で、つけるアビリティ次第でどのキャラにも活躍の機会があるのは良いかもしれませんね。
ストーリーに関しては、たとえお世辞でも良かったとは言いたくありません。
あらゆるキャラとのやり取りが中学生レベルで、読んでいて非常にきつかったです。
キャラ立て、セリフ回し、選んだ単語、掛け合い、リズム感、全てが稚拙で、書き手の文章技術の未熟さ、そして経験値の無さが溢れ出ていました。
スタッフロールにプランニングとシナリオを担当している人で、スタッフロールの一番最初に上がってくるのですが、このシナリオが世界観やストーリーの流れだけでなく実際にセリフも起こしているとしたら……なんか邪推しちゃうんですよね。
各部署の人がこのシナリオ見て「うわ……」と思ったとしても、スタッフロールの一番最初に出てくる人でプランニングもしてるってことは(プランニングってなにする人?)、まぁ、偉いんでしょうね。誰も何も言えず、黙々と己の仕事に集中することでしょう。
言った通り、SRPGとしての出来は、個人的には不満はありません。敵の属性耐性を確認するのに手間がかかったり、敵の持つアビリティの効果がわからなかったりといった不便はあるのですが、それも序盤のうちだけです。
逆に、主人公のジョブクラスを選んだり、キャラを自作したりできるので最序盤の試行錯誤は楽しかったですね。主人公と自作キャラでは同じクラスでも性能が違ったり、どんなスキルやアビリティを覚えるのか先がわからないのがもやもやしました。
でもどうせマス目で戦闘するならアークザラッドのような戦闘をずっとやりたいとここ数十年待ち続けています。どうしてみんなやらないんだろ。できないの? 著作権あったりすんの? いちいちコマンド開いて移動先指定して、さらにコマンド開いて攻撃を指示して……っていうSRPG特有の煩雑さを消し去った革命的戦闘システムだと思ってるんだけど、未だにこの戦闘方法をオマージュした作品に出会ったことがありません。
特になんの感慨もなく終わるはずだったのですが、最後の最後で、まさかゲームクリアの達成感を味わうことになるとは思っても見ませんでした。
裏ボスである黄昏の王をカオティックモードで倒せという実績なのですが、一周目では単なる硬くて強い、そこらのボスの延長上にいる存在にすぎなかったのですが、二周目に入って順当に強くなり、アビリティが追加されていたんですね。
なんのことはない、「ターン開始時に一定量のHPを回復する」っていうよくあるアビリティなんですが、これのせいで難易度がぐっと上がっており、一筋縄ではいかない強敵にしあがっておりました。
一発1000ダメージ入れば十分強いと思える世界で、ボスの体力は約60000、そしてターンを渡す度に4500回復していきます。生半可な火力じゃ削れない上に、特別ボス特有のチートスキルで味方は簡単に半壊します。
初見の絶望感がやばくて、私もしばし呆然としながら、これからまたあの面倒くさい作業を繰り返して、貴重なアクセサリーを量産したり、キャラを新しく作って、専用に育てていくべきか悩みました。
が、手持ちにある中でいろいろ組み直して、建てた戦略が驚くほどうまくハマり、無理だと思われた裏ボスに何もさせずに圧勝してやった時の達成感は、かなり気持ち良かったですね。その夜はぐっすり眠れました(笑)
さて、需要があるかわからないし、もしかしたら調べればどこかに載ってるかもしれないけど、自力で見つけた嬉しさでカオティックモードの裏ボス・黄昏の王戦について攻略の標を置いておきます。ネタバレになるので注意してください。
まず、一周目初見時に黄昏の王戦で必ず浴びる洗礼といえば、長射程・広範囲のあたおか(頭おかしい)スキル「カタストロフィー」ですね。カタストロフだっけ?
エリアの8割くらいをカバーしていて、HP999カンストのキャラでも二発目は耐えられません。範囲内にいるキャラ全てが被弾し、おまけで防御率低下のデバフがかかる極悪スキルです。
厳密なスペックとしては、射程距離が20でだいたいエリアの下限、地面タイルと溶岩タイルの境くらいまでが範囲になり、スキルの属性は風属性になります。
唯一の弱点は3ターンに一回しか撃ってこないことで、これに備えてしっかりと風耐性を盛るか、ヒット&アウェイで避けながらチクチク入れていく。
一周目ならこれで良かったんですが、二周目カオティックモードでは自動回復のアビリティが加わり、その戦略は通用しなくなりました。
本攻略のカギになるのはアーシェのSPスキル「アブソリュートウォール」です。範囲内の味方全てにあらゆる攻撃を二度、無効化するシールドを張るスキルです。
このスキルを確実に発動できるよう、SPを回復するアイテム、特に「闘神の秘薬」だけは作っておき、適当な補給係に持たせておきます。
次に重要なのが、ゼノシード。ユニットの特徴として攻撃力とクリティカル率が高く、30%以上ある黄昏の王の防御率を無視してダメージを与える「ディスインテグレート」が超刺さります。消費MPが高く、本来なら連発は難しいのですが……。
ここに来るまでに修練場をクリアする必要があるので、初回クリア報酬の「メイガスリング」を持っているはずです。消費MP-50%という効果を持っているのですが、もし一周目でもちゃんと修練場をクリアしていればこの時点で二つ持っていることになります。
このメイガスリング二つをゼノシードに装備させれば……、そうです、ディスインテグレート打ち放題ですね!
この最強のアタッカーにさらに火力を与えるのがルフィナです。ルフィナのスキル「リインフォース」は、掛けたそのターンのみ攻撃力が爆上がりするというもので、こいつを掛けてからゼノシードでぶっ放すのが基本になります。ルフィナのクラスアビリティで「効果時間拡大」をつければ、このリインフォースも2ターン持続するので維持が楽になります。
この三人(+補給係)が黄昏の王攻略に対する主な柱になります。
エリアの外周で王の攻撃を避けつつ雑魚を全滅させたら、3ターン毎のカタストロフの切れ目を狙って突入しつつ、メンバー全員に無敵シールドを張り(シールド効果範囲内のひし形にありったけ味方を敷き詰める。漏れた奴は見捨てる)、ボスの反撃範囲外ぎりぎりに陣取ります。
近接多めのパーティーなら反撃を食らうことになり、無敵シールドのかけ直しが忙しくなりますが、反撃と攻撃で二回なので、三回目の攻撃までに張り直しは間に合うでしょう。
敵が強いともらえる経験値やクリア時の経験値はおいしくなるし、敵が弱いとその逆である仕様で時間をかけても駆け抜けても、その戦力差はそれほど開かない仕様であること。本攻略において作戦のカギを握るのは全て固有ユニットであること。必要な装備も進行上必ず手に入り、必要なアイテムもISPの消費で簡単に作れます。
ということで、黄昏の王との戦いの場に立った時点で、どのプレイヤーも最低限の戦力は整っているはずなので、上記の柱を軸に各々にあった戦術をお試しください。
2024年07月05日
564.アンビションレコード
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「Ambition Record」のレビューです。
ちょっと記憶があやふやなのですが(汗)、キャラモデルからマップから戦闘シーンまで全てが3Dで作られたExe-Create製のゲームは、セフィロティックストーリーズ以来かと思います。
キャラモデルが二等身のころころしたデザインで、ねんどろいど?っていうのかな、あんな感じで案外可愛いんですよね。
世界観もストーリーも、ドブに投げ捨てたくなる出来ですが、このキャラの見た目の可愛さでなんだか全部許せそうです(笑) カワイイは正義って本当だったんだ。
ゴーストシンクやエルピシアなど胸を打つストーリーで、ようやく脂が乗ってきたと思ったらだいぶ時代が遡りましたね。全てを3Dで作り切った努力は評価しますが、やはりPS1しかもだいぶ黎明期の、「3Dポリゴンが熱いらしいから触ってみた、作ってみた」のような無名3D作品感がすごいです。
非常にしょぼく、ボリュームも薄く、プレイフィールも快適とは言えないし、ついでにストーリーも世界観も酷いものですが、やっぱりキャラモデルだけはよく出来ていて、可愛くて許せました。
国が内乱に遭っていて、金で動く傭兵団が活躍するって内容なのですが、大勢vs大勢の迫力のスペクタクルシーンなど到底作れるはずもなく、ではどうやってそんなシーンを描いたかといえば……、実況です(笑)
バックで安い世界地図に、今どこにいるかを光点で示して、通常会話のようにお互いの司令官が実況するわけです。そんな三文芝居が本作の名物になるかと思いきや、山場を抜けて終盤の展開に差し掛かると、この実況もなくなって寂しくなっちゃいました。バカバカしすぎてなにげに気に入ってました。
そういえばドラゴンシンカーやドラゴンラピスの作品説明で、堂堂とライトアップされていた有名作曲による楽曲提供が云々って、本作にもあなたさらっといるじゃないですか! ピコピコ音じゃないと世のゲーマーは認知してくれないのかしら。圧の強いピコピコより本作のようなテイストの方がよっぽど好きですけどね。
ってことで、終わり! 閉廷! 君帰っていいよ、とは言わないよ。どうぞこちらからお帰りください。
さ、つぎつぎ。