次は、持って出るものをリストアップ。
通帳、印鑑、保険証、医療保険の保険証券…。
医療保険!
ずっと気になっていた、私の医療保険。
身体の弱い私がいつ入院することになっても困らないよう、
夫が医療保険を選んで払い込みを完了してくれていた。
とっても頼りになる優しい夫だと感謝していた。
しかし夫はこの医療保険から、お金を借りていたのだ。
最初から、お金を借りることができる保険を選んでい
たのだ。
お金を借りること自体は、特別なことではない。
家のローンや、車のローン、事業をされている方は
融資を受けたりとよくある話だ。
しかし夫は大の外食と旅行と車好き。
私の医療保険からの借金も、自分の車を買うのに使った
ようだ。
借り入れのことを、私は一切知らされていなかった。
返済が滞っていると保険名義人の私に通知がきて、初めて
借金について知った。
私と息子が家を出たら、夫はこの私名義の医療保険でさらに
お金を借りるに違いない。
そんなことは絶対にさせない。
医療保険のHPと証券を見ながら、借り入れができなくなる方法を
調べる。
ネットでは手続きができそうにない。
電話をかけて、手続き方法を教えてもらおう。
電話は平日の9〜5時しかつながらない。
スケジュール帳に「医療保険手続き」と書き込む。
次に、子供関係で持って出るものをチェックする。
保険証、母子手帳。
母子手帳は、追加で受けなくてはいけない予防接種が
あるので絶対に持っていかないと。
大学受験に関する書類。
子供についてはこれくらいかな。
つぎは服、布団、電気毛布。
私は極端に寒さに弱い。
寒いな〜。
もう1枚服を着ようかな、どうしようかな?
この段階でもう1枚服を着ないでいると、確実に体調が悪くなる。
風邪をひいて寝込むことになる。
家の中で暖房をつけていても、ジャンバーとウインドブレーカ
ーのズボンが欠かせない。さらにネックウォーマーも。
調子が悪いと、部屋の中でもフリースの帽子もかぶる。
見た目を気にする余裕は、これっぽっち
もない。
夜寝る時は、吸湿発熱の毛布と布団。
そのうえで、電気毛布の掛けと敷の両方が欠かせない。
電気毛布で身体をサンドイッチしても、足の指は氷のように冷たい。
上下からダニパンチで身体をあぶる。
こんな体だが体温調節に失敗しなければ、毎日出勤できる。
家を出たら、全て自分でやっていかなくてはいけない。
寝込むわけにはいかないのだ。
「DVから逃げるのに、そんなに荷物を持っていく必要があるの?
着の身着のまま逃げている人もいるのに、あなたって贅沢ね。」
という声が聞こえてきそうだが、私にとって預金通帳や保険証と同じく
らい、電気毛布や暖かい布団、防寒具が大切なのだ。
どうやって夫にばれずに、これらの荷物を持ちだせば良いのか。
夫に隠れて、私の命の道具の大準備が始まる。
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