2023年11月24日
投資で成功するために 「プロに聞く債権投資」
<プロに聞く くらしとお金の相談室>債券投資の仕組みは?
2023年11月23日 07時57分
https://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=2NSUN3+6EERW2+1WP2+5ZEMP
<Q> 債券投資に興味があります。日本の国債は比較的リスクが少ないと聞きます。どのような仕組みなのでしょうか。また、国債以外にはどんな債券が注目されているのでしょうか。注意点も知りたいです。
◆お金貸し利子 手堅さ○ ファイナンシャルプランナー(FP)・小川貴行さん
<A> 債券は国や自治体、企業などがお金を調達する時に発行する借用証書のようなもので、債券投資は対象にお金を貸す行為です。対価として決まった時期に利子をもらいます。ほとんどの場合は満期があり、決まった時期になると債券の額面の金額が返ってきます。また、満期の前でも売って換金することもできます。お金を貸す相手が国なら「国債」、会社なら「社債」と呼ばれます。
株式投資との違いを見てみましょう。株は会社に出資し、事業で利益が出ればその一部を配当金として受け取ります。会社によっては「株主優待」として特典が受けられる場合もあります。また株価は日々変動します。会社の業績が上がるなどすれば2倍、3倍になることもありますが、反対に下がることもあります。
一方で債券は、貸した国や会社が破綻しない限り、お金が返ってきますので、将来の見通しが立てやすく手堅い点がメリット。比較的安全性が高いと言われます。
ただ、満期の前に手放す場合は時価で換金することになります。その場合、債券の価格は市場金利や満期までの期間などによって変動します。一般的に、価格と金利はシーソーのような関係です。市場金利が上がれば、価格は下がります。例えば金利2%の債券を買ったとします。市場金利が3%になったら、手元の債券の魅力は下がるため購入してもらうには価格を下げざるを得ず、投資した元本を割る可能性があります。逆に金利が下がれば債券の価格は上がります。また、一般的には満期までの期間が長いほど価格は大きく動きます。
金利が上昇し債券価格が下がれば、裏を返せば割安で購入できるということです。なるべく金利が高いところで投資して満期まで持てば、比較的高い利回りが得られます。金利が下がったタイミングで手放せば、値上がりの分も利益になるかもしれません。
国内で最も知られている債券が、日本政府が発行する国債です。中でも個人向け国債は3年物、5年物、10年物があり、一番の特徴は国が元本を保証している点です。発行から1年間は基本的に売却できませんが、以降は直前2回分の利子の手取り額をペナルティーとして返すことで、満期前に手放すこともできます。利子の受け取りは年2回なので、ペナルティー分を払っても元本割れはしません。個人向け国債の10年物は変動金利なので、もし金利が上がれば、受取利子は増えます。現在の適用利率は年0.6%(税引き前)です。
<詳しく!>ドル建て米国債に注目
債券には、海外の通貨で払い込む外貨建ての商品もある。小川さんは「外貨建ての債券は日本よりも比較的金利が高く、最近は米ドル建ての米国債に注目が集まっていると感じる」と話す。
米国債は、米国政府が資金調達する債券で、米ドルで払い込む。米国では金利が上がってきており、10年物の米国債の利回りは4.5%ほどで推移。10月には一時5%を超えた。
ただ、小川さんは「米国債は、場合によっては株に匹敵するくらい変動することもある」とくぎを刺す。日本から投資する場合、多くの人はまず日本円を米ドルにして、満期や売却時にまた日本円に替える。仮に売却時の方が円高だった場合、円に替えると目減りしてしまう。
また、今後さらに金利が上がり、価格が下がってしまう可能性もある。小川さんは「投資妙味が上がっていると考える人が増えているが、債券とはいえリスクとしては株に近い。検討する場合は注意してほしい」と話す。 (海老名徳馬)
<おがわ・たかゆき> 1974年、愛知県生まれ。証券会社などを経て2015年にFPに。家計の見直し相談センター名古屋(名古屋市中村区)で資産運用などの相談員として活動する。同県稲沢市在住。
2023年11月23日 07時57分
https://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=2NSUN3+6EERW2+1WP2+5ZEMP
<Q> 債券投資に興味があります。日本の国債は比較的リスクが少ないと聞きます。どのような仕組みなのでしょうか。また、国債以外にはどんな債券が注目されているのでしょうか。注意点も知りたいです。
◆お金貸し利子 手堅さ○ ファイナンシャルプランナー(FP)・小川貴行さん
<A> 債券は国や自治体、企業などがお金を調達する時に発行する借用証書のようなもので、債券投資は対象にお金を貸す行為です。対価として決まった時期に利子をもらいます。ほとんどの場合は満期があり、決まった時期になると債券の額面の金額が返ってきます。また、満期の前でも売って換金することもできます。お金を貸す相手が国なら「国債」、会社なら「社債」と呼ばれます。
株式投資との違いを見てみましょう。株は会社に出資し、事業で利益が出ればその一部を配当金として受け取ります。会社によっては「株主優待」として特典が受けられる場合もあります。また株価は日々変動します。会社の業績が上がるなどすれば2倍、3倍になることもありますが、反対に下がることもあります。
一方で債券は、貸した国や会社が破綻しない限り、お金が返ってきますので、将来の見通しが立てやすく手堅い点がメリット。比較的安全性が高いと言われます。
ただ、満期の前に手放す場合は時価で換金することになります。その場合、債券の価格は市場金利や満期までの期間などによって変動します。一般的に、価格と金利はシーソーのような関係です。市場金利が上がれば、価格は下がります。例えば金利2%の債券を買ったとします。市場金利が3%になったら、手元の債券の魅力は下がるため購入してもらうには価格を下げざるを得ず、投資した元本を割る可能性があります。逆に金利が下がれば債券の価格は上がります。また、一般的には満期までの期間が長いほど価格は大きく動きます。
金利が上昇し債券価格が下がれば、裏を返せば割安で購入できるということです。なるべく金利が高いところで投資して満期まで持てば、比較的高い利回りが得られます。金利が下がったタイミングで手放せば、値上がりの分も利益になるかもしれません。
国内で最も知られている債券が、日本政府が発行する国債です。中でも個人向け国債は3年物、5年物、10年物があり、一番の特徴は国が元本を保証している点です。発行から1年間は基本的に売却できませんが、以降は直前2回分の利子の手取り額をペナルティーとして返すことで、満期前に手放すこともできます。利子の受け取りは年2回なので、ペナルティー分を払っても元本割れはしません。個人向け国債の10年物は変動金利なので、もし金利が上がれば、受取利子は増えます。現在の適用利率は年0.6%(税引き前)です。
<詳しく!>ドル建て米国債に注目
債券には、海外の通貨で払い込む外貨建ての商品もある。小川さんは「外貨建ての債券は日本よりも比較的金利が高く、最近は米ドル建ての米国債に注目が集まっていると感じる」と話す。
米国債は、米国政府が資金調達する債券で、米ドルで払い込む。米国では金利が上がってきており、10年物の米国債の利回りは4.5%ほどで推移。10月には一時5%を超えた。
ただ、小川さんは「米国債は、場合によっては株に匹敵するくらい変動することもある」とくぎを刺す。日本から投資する場合、多くの人はまず日本円を米ドルにして、満期や売却時にまた日本円に替える。仮に売却時の方が円高だった場合、円に替えると目減りしてしまう。
また、今後さらに金利が上がり、価格が下がってしまう可能性もある。小川さんは「投資妙味が上がっていると考える人が増えているが、債券とはいえリスクとしては株に近い。検討する場合は注意してほしい」と話す。 (海老名徳馬)
<おがわ・たかゆき> 1974年、愛知県生まれ。証券会社などを経て2015年にFPに。家計の見直し相談センター名古屋(名古屋市中村区)で資産運用などの相談員として活動する。同県稲沢市在住。
タグ:投資
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