親サンゴは、動く事出来ず、自分の産んだ卵が、生き延びているのか、生死すら確認する事叶わず、2度と会う事も出来ず、ただひたすら、子の無事を祈るだけ。
私たちに、生き延びる厳しさを教えてくれ、まかり間違っても、殺めないで欲しい、と叫ぶ、親サンゴの願いが届くはず。
そしてサンゴの産卵、潮の流れが風となる、命の舞。
一度見ると、サンゴに対する愛着と理解が、一層深まるのではないだろうか。
また、黒島のサンゴに囲まれた海面下、1メートル前後の岩に、ある日忽然と、直径十数センチくらいの、岩の付け根が薄い茶色、花自体は、濃赤色のシャクナゲに似た花が咲きます。
薄くて、ゼラチン状の、ぬるっとした肌触りで、あまりにも薄く、潮流があると破れてしまい、咲く事は出来ません。
台風が綺麗に洗い流した後、潮流が殆んどない、直射日光が届く場所。
毎年咲く訳でもなく、同じ岩に咲くのでもなく、ある海域の何処か、一輪咲くだけの不可解な岩花。
サンゴの1種かと思いきや、4、5日後には跡形もなく消滅。
サンゴとは違う、微生物の集合体ではないかと思われ、今だに訳の分らない、幻の岩花。
観光客の多い今、幻の岩花は、見られるのだろうか。
二十歳の夢***昭和39年、小さな島から出て来た青年には、成人式とて、誰も祝ってくれる人はなく、同郷の親友と二人、着飾る同年代を横目に、お金のかからない新宿御苑へ出かけ、二十歳の夢を語り合いました。
ひかるは、テレビの世界で生きて行く事を表明したのは、当然。
親友は、人に使われるのは嫌いなので、人を使う人間になる。すなわち、社長になる事を表明。
当時、沖縄出身者だと、パスポートや身元保証人問題等ハンディキャップもあり、条件の良い会社へは、なかなか就職出来ず、使われる身で、よほど悔しい思いをした事でしょう。
30年後、親友は、立派な大社長になっていました。
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