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フィレンツェにて 〜 夕食の友Tiiaとの出会い 〜 by リサイクルプロショップ (05/01)
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2017年07月07日

あこがれの北欧へ! 〜 深夜の天使たち 〜 ロンドンから、デンマーク・オーフスへ 

2007年5月28日(月)

〜夜8時・ロンドンSTN空港からデンマークのオーフスへ向けて出発した飛行機の中での記録〜

正直私はかなりぐったりだった。その日は朝4時起きだったし、気持ち的にもかなりブルーだった(;_;
(*なぜかは、前回の記事を参照ください)

でも、外の景色は濃いブルーが美しかった。夏のヨーロッパは、その時間でも十分明るく、ちょうど日がくれていくところだった。

やっと憧れの北欧に行ける!(・∀・)
そういえば、白夜が見れるかな?
(なんて、実は北欧の中でも白夜が見れるのは北部の方のかなり限られた地域だけだったのだが・・・^^”)

到着予定時刻は、10時40分・・・ということはオーフスの街に着くのは11時過ぎ・・・ロンドンの空港で散々待ち時間があったため、幸いにも宿をさがすことができた。

でもそんな時間(深夜)にチェックインって・・・はああ・・・(*_*)(ユースは相部屋のため、寝てる人を起こすことになる)

そうは言っても仕方がない。なんにしろ疲れた・・・3時間近くあるし、今のうちに眠っておこう(-_-)zzz



・・・と、ほどなくして飛行機は着陸態勢に入った。
外はすでに真っ暗だった。

「あれ?(゜o゜)」

時計を見ると、まだ9時半・・・出発して1時間半しか経っていないのに・・・またどこかに途中寄航?!

???状態のまま、飛行機は着陸し、みんなゾロゾロとおりていく。

時間は、9時40分・・・???

空港の時計を見て、謎が解けた。10時40分。
「そっか〜時差があったんだ〜( ;∀;)」

地図をよくよく見ても、イギリスとデンマークはけっこう近い。3時間もかかる距離ではなかったのだ。


img_3 (4).jpg


それはさておき、オーフス市街に向かうバスが空港の前に止まって待っていてくれた。運転手は、なんと女性だった。(こんな時間に?!)

料金は前払いで80Dkr(1Dkr=約23円:約1840円)高い!Σ(゚Д゚)

ユーロ〜£(ポンド)〜Dkr(デンマーククローネ)ときて、計算が苦手な私は正直通貨の切り替えが少し苦痛になってきた^^”

真っ暗で何も見えない中を、バスは市街に向けて走り、30分ほどだっただろうか街の明かりが見え、さらに15分ほど街の中を走り、駅に到着した。すでに11時はまわっている。

さて予約したユースは・・・運転手さん曰く「歩いて20分くらい」とのこと、他の客はとっくにいなくなっている。暗い中を、地図をたよりに重い荷物を引きつつとぼとぼと歩く。
途中のライトアップされた建物が美しかった(残念ながらこの時撮った写真は、バックアップされておらず消えてしまった)

ほどなく明るい路地から暗い道にさしかかり、周りには誰も人がいない。本当にこの方向でいいのか不安になってきた。
荷物は重いしお腹はすいたし(@_@)(その日は前述した事情でプチ断食)・・・ちょうどそこに公園があり、その辺りの地図が表示されていた。

しかし、なんともよく分からず、それどころか反対方向に歩いてきたのでは?との疑いが湧き起こってきた(TT)誰か〜(つд⊂)エーン

・・・とちょうどそこに、女性2人連れの天使が舞い降りてきた(・・・ように見えた)

どこに行きたいの?と尋ねられ、「スリープ・イン」と答えると、「それならちょうど私たちもその近くの店に行くところだから案内してあげる」とのこと。

正直泣きそうなほど嬉しかった(≧▽≦)

しかも、自転車に荷物を積んでくれた。

ゆっくり歩きながら、どこから来たのか、どこへ行くのか・・・などとたあいもない話をしながら、10分ほど歩くと、大きな道に出て「この道を左に行くと、明るい看板があって、そこがあなたの行きたい所よ」と、教えてくれた。

その上彼女達は「もしもお腹がすいたら、よかったら私達のお店に来てね。」と言ってくれた。

「本当にありがとう!!」と、握手でお別れをし、

「デンマークの人はなんて心優しいんだろう・・・(•ө•)♡」と感激しながら、言われた通り看板をみつけ、無事、チェックインすることができた。

ほぼ12時近かった。

知らない国で、周りも何も分からず、途方にくれている時に助けてもらった時のあの感激は、一生忘れないだろうと思う(*´∀`)

(つづく)

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2017年07月06日

こんなはずでは〜(TT) のんのん、バチが当たる 〜 イギリスからデンマーク・オーフスへ 〜

2007年5月28日(月)

 この日の予定は、イギリススタンステッド(STN)空港からデンマーク、ユラン半島のオーフス空港に向けて朝7時25分発の飛行機に乗って、10時5分に到着というものだった。

 出発の40分前までにチェックイン・・・ということは、6時45分がタイムリミット。
少なくとも6時半には着きたかった。

 しかしロンドンから空港まではけっこう遠く、約2時間くらいは見ておかないといけない。

そうなると4時台のバスには乗らなければ・・・と、逆算して4時くらいにハイストリートケンジントンの地下鉄の駅に向かった。
 
天気は、前日からの雨が止まず、どしゃぶり・・・持ってきていたカサは、10日前に入った中華料理のお店に忘れてきてしまったので、仕方なくカッパを着て、荷物にはゴミ用の大きな袋をもらって、例によって朝食のパックをもらって、暗い中の出発だったが、気分的にはそう悪いわけではなかった。

 
駅に着くと・・・なんと入り口のシャッターが閉まっている!?Σ(゚Д゚)

考えてみれば、日本でもこんな時間はまだ動いていない。

ロンドンバスが24時間だからとつい甘くみていたが・・・なんてこったいっっ

 列車に乗り遅れてもなんとかなるが(前歴あり)、さすがに飛行機はまずい・・・(# ゚Д゚)

 
その前日・・・出会った友人との別れ際に交わした会話が頭の中に蘇った。

「STN空港の早朝便に乗るって人が、前の日から行って仮眠を取るって言ってましたよ(๑•̀ㅂ•́)و✧」

「う〜ん、でもなるべくベッドで寝たいし、1回来た場所だから大丈夫でしょ、、、(*´ω`*)」


なんてお気楽な自分・・・ヤバイよこれは・・・

 パニック寸前だったが、

「いやここでパニくってはいけない・・・」と自分で自分に言い聞かせ、ひとまず周りを見渡した。

すると近くにバス停があった。バスは動いているはず・・・しかし、目的地につながるような行き先ではなさそうだった。

 あちこちウロウロしたい気持ちを押さえて、しばらく待ってみると・・・15分ほどしてシャッターは開いた。

よかった〜っっ (^O^;)

 しかし、時間的にすでに予定を切っている。バスに乗るつもりの駅を変更して、ちょっと高いがバスよりも早く鉄道で行けるリバプールストリート駅に向かった。

そこからなら40分で行けるから、十分間に合うはず・・・

 着いてすぐ電光掲示板を見るも・・・すぐに発車する電車はなかった。 が〜ん(TT)


そこでその時間のうちにオイスターカード(デポジット式の割引カード)を処分してしまおうと、窓口に行った。

まず、空港への路線に使えるかを聞くと、予想していた通り、「ノー」。

では払い戻ししてもらえるかどうかを聞くと、「地下鉄の窓口に行ってくれ」と言われたので、行くと、カードの5ポンドと残金6ポンド、計11ポンドが戻ってきた。

カードを使い始める時点で、返ってくるのか分からなくて不安だったが、その心配は必要なかった。

なにしろ地下鉄初乗り4ポンド(約1000円)が、1.5ポンド(約280円)になるのだからかなり便利!
*2017年現在は、約2ポンドに、、、



 ・・・てこんなにのんびりしていて大丈夫なのかい?と思うが、ないものはないのだから仕方がない(;^ω^)

 そして、着いて30分後くらいだったろうか?6時10分、ようやく空港行き列車に乗ることができた。

やきもきしながらも、とことん楽天的な私は、「出発は7時25分だから、まだ大丈夫!」と自分に言い聞かせつつ、通り過ぎる景色を見ていた。

 6時50分・・・すでに規定の45分を5分過ぎて空港に到着・・・


ライアンエアーのカウンターに向かうも、既にオーフス行きは閉じられていた_| ̄|○

これはいよいよ覚悟しないと・・・しかし、ダメで元々・・・と並んでみる。


こんな時の時間はほんとに長く感じるものだった。

並ぶ人も、受付の人も殺気立っている・・・とても割って入れる雰囲気ではない。


仕方なくそのまま列の後ろにいて、順番を待ってようやく受付にたどり着いたのは、出発の10分前だった。

 事情を説明すると、「今からは無理、今日の夜の便に乗ってもらうしかない」と、金額を提示された。


なんと変更料50ポンド!(約12500円)(TT)



迷ったが、やはり今日行かないと困るし、いつにしたところで、料金が下がることはない。涙をのんで、そうすることにした。
 
カウンターの人は、満足げな笑みを浮かべ、周りでは「ぼくはリッチじゃないから・・・」などとあからさまな皮肉が聞こえてきた。(あちらの人は日本人はみんなリッチだと思っているのだ)

 なんのために、ほとんど外食もせずに節約しているのか・・・と、まったく情けない気持ちになり、友人の忠告を聞かなかった自分のお気楽さにしみじみと腹が立ち・・・滅多なことでは落ち込まない私が、この時ばかりは、ズドーンと落ち込んだ・・・。・゚・(ノД`)・゚・。

 そして、たいてはすぐに立ち直るのだが、この時ばかりは、自分に罰を加えないと気持ちがおさまらなかった(-_-)/~~~ピシー!ピシー!

それで、「今日は、プチ断食デーにしよう・・・」と、持っていた朝食パックの残り以外は、ほとんど何も買わないことに決めた(; ・`д・´)

 
夜までの時間・・・空港近くにあるホテルのインターネットを使わせてもらって、メールを書いたり、北欧の旅の予約をしたり・・・それはそれで次につながる貴重な時間となった。

 そして、夜8時・・・オーフスに向けて、出発したのだった。


ため息をつきながら・・・のイギリス出国となった。

 2週間以上前に予約をすれば、へたしたら3000円くらいで目的地に行ける格安航空会社、「ライアンエアー」・・・ものはためしで使ってみたが、自分自身の予定変更や、こういった失敗などもあって、結局は追加料金が高くついた。

 安さの代わりに「無理な時間帯の出発」や、「遠い空港」・・・など、あまりオススメはできない気がする。まあ、「ものは使いよう」かもしれないが・・・

はい、時が流れて客観的に見ても、、、この時はあくまで自分自身の行動が起こした事態でした( •̀ㅁ•́;)

(つづく)

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2017年07月04日

「トラブルが出会いを作る?!」 〜 イギリス・ロンドンYHAホーランドパークにて 

だいたい午後四時半頃、サマーヒルのあるレイストンから、例のユースホステルに戻ってきた。

 帰り際に、スーパーに寄って、残っている食材との組み合わせから考えて、またもやシチューを作ることにした。

前回のメインは、サーモン。

今回は、さすがにもうイギリスにいる時間はそんなにないので、小さくて美味しいもの・・・ホタテの貝柱を選んだ。

かなり高かったが、必要なだけを秤売りで買えるからほんの少しだけをありがたく買った。

DSCN4425.JPG

 チェックインして、預かってもらっていた荷物をロッカーから出した。今回の旅は、荷物が少なかったのが本当に楽だった。(1日1ポンド=約250円)

 3回目の部屋は、前回までとは違う部屋で、人数は少なくなったが、ちょっと騒々しい団体が一緒で、しかも公園の敷地にある演芸ホールのようなところから、ひっきりなしにオペラか何かの練習の演奏と声が聞こえてきた。

初めのうちは、「タダで聴けるから、これはこれでいいか」と思っていたが、しばらくすると飽きてきて、さすがに逃げ出したくなってきた。

 ちょうどいいから、キッチンに行って夕食でも作ろうと、別棟のキッチンに行ってシチューを作り・・・

DSCN4427.JPG

DSCN4426.JPG

DSCN4433.JPG


その隣りにある研修ルームのような場所に行って、手紙でも書こうと、買いためた絵葉書や、住所録を机の上に並べた。

そして、バックの中で何やら金属に触れたので、見てみると・・・なんとどこかの部屋のカギ!

(>_<)

・・・Ashburtonで泊ったB&Bのカギだった・・・!

一度しめだされたもんで、大事に持ち歩き過ぎたあげく、持ってきてしまったのだった。

手紙で送るしかない・・・。やれやれ(;一_一)

 その部屋には、私以外にも2人ほど何か書き物をしている人がいて、1人は、小柄な英国婦人(?)、もう一人は日本人かもしれないアジア系の若い男性だった。

 私は、平穏無事な時は、特に自分からは話しかけないタイプなので、この時も特に誰に話しかけることもなく、自分のやりたいことに集中していた。

 するとしばらくたって、急に入り口のドアが開き、メガネをかけた体格のいい小柄な男性が英語で

「誰か日本語が話せる人はいますか?」と何か困っているという調子で言ったので、

「Yes」と返事をした。

「ちょっと通訳をしてもらいたい」ということだった。

 歩きながら事情を聞くと、どうやら彼は自分の部屋に入ることができないでいて、同室の日本人男性が、部屋の中にいるのだが、カギが壊れているのか、外からはもちろん中からも開かない。

そして、どうやら中にいる日本人は英語が話せないらしく、私に彼の言いたい事を伝えてほしいというわけだった。

 入り口に着くと、他にも中に入れなくて立ち往生している人がいた。

その時点で、「考えてみたらここ男性部屋だよ・・・(^^”)」とは思ったが、この場合いたしかたない。

 そして、私たちの部屋は、カード式だが、この部屋だけはどうやら違うらしく、ガチャガチャと触ってみたが、びくともしない。

 中に向かって、「もしも〜し、大丈夫ですか?」っと声をかけると、「あ〜日本人の方ですか?」と、若い声がする。

「ちょっと頼まれたので来たんですが、どんな感じですか?ドアのどっかに、なんか開けられそうなのってあります?」と言うと、

ずっと待っていた男性の方が、「中に、小さなピンがあるはずなんだ。それを動かせば開くはずだ」と言うので、それを伝えると・・・

「あの〜、もしかして僕が開けられないだけで、本当はカンタンに開くのかもしれないですけど・・・」と、いかにも小さくなった声がして、何だかいつもの自分のキャラみたいだ・笑・・・と親近感が湧いた。

 しばらく、お互いに色々やりとりをしてみたものの、どうも前進しない。

「やっぱり壊れてるんですかね」

いきなり後ろで日本語が聞こえた。さっき研修ルームで一緒だった男性、やはり日本人だった。

 続いて、フロントの男性がやってきた。・・・が開かない。

次にフロントの女性がやってきた。

「あなたは女性なのになぜここに?」と聞いてきたので、さっき頼んできた男性が説明してくれた。

フロントの男性が、さらにレストランの男性を連れてきた。

 (何だか「大きなカブ」みたいな展開だった・笑)

 そして、結論として「防火扉を使って開けよう」ということになり、入り口とは別の方向からスタッフが部屋に入って開けてくれた。

 こうしてカギ騒動はおさまった。

ほっとしておなかがすいた私は、キッチンに行って、自分で作ったシチューをいただいた。

DSCN4434.JPG


カギは、壊れていたのか?

・・・というと、そうではなかった。

中には、中から閉められる小さな取り付きがあり、彼はそれと知らず、閉めてしまっていたのだった・・・まさに私もやらかしそうなカギ事件・・・(^^)

 後々・・・落ち着いた頃、私たちが3人で語りまくったことは言うまでもない。

書き物をしていた男性は、私と同じように3ヶ月間ヨーロッパを旅するバックパッカーで、彼の旅にもまたしっかりとした目的意識があった。建築関係の仕事をしていて、専門知識も資格もあり、自分の将来の夢につなげるための旅だという。

私が写真を撮ったりブログを書いたりしているように、彼もまた風景画を描いたり、出会った人々の写真を撮っていた。

事件の時、初めから私のようにしゃしゃり出なかったところを見ても分かるように、控えめで穏やかな、それでいてしっかりと言うべきことは言うというタイプの人柄だった。

 そして、「事件」の当人はというと・・・芸術関係の大学に在学中の学生で、芸術志向の男性同志すっかり意気投合して、絵の話などをしていた。

「英語が話せない」と聞いたが、コミュニケーション能力はバツグンにあり、誰からも好かれそうなその人柄は、言葉の壁を越えられそうな雰囲気をかもし出していた。

 何か困ったことがあっても、周りが気付いて助けてくれそうな?それがまた出会いを作っていく、しょっちゅう何事かやらかしては誰かに助けてもらう私とよく似たタイプの人柄だった。

やはり将来のために「とにかくヨーロッパを見てみたい」と、単身飛び込んできたらしい。

すごいのはその行動力!

あの広いロンドン中を、バスも地下鉄も使わず「自分の足」で歩き回ったという。

 私たち3人は、お互いの「夢」を語り合って楽しいひと時を過ごした。

宿で日本語で語りまくったのは、本当に久々だった。

そして、お互いの持っている旅に関する情報を交換し合い、私はそれまで知らなかった、日本語入力ソフトについて教えてもらい、その後とても助かった。以下参照。

 http://ajaxime.chasen.org/

 次の日、残念ながら天気は「雨」

2人は、それぞれ次の旅と、帰国のために空港に出発する日だった。チェックアウトを終え、名残惜しくも宿を旅立っていった。

 カギ事件の当人は「もうその話はしたくありません!勘弁してください」と言い続けていたが、その事件がきっかけで、同じユースにいながら話もしていなかった日本人3人が出会えたわけで・・・思えば貴重な事件だった(^^)

「トラブルが出会いを作る」これぞ人生の醍醐味?!

(つづく)

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2017年07月03日

予期せぬ再会と、3度目の、ロンドンへの旅〜イギリス東部・サフォーク州にて〜

ところで、レイストンを出発する前に、気になっていることが一つあった。

サマーヒルスクールの昨日のランチ代を払っていなかったことである。

一番初めに訪問したフレネ学校では、きっちりと請求され、美味しい給食をいただいた。

2回目のサンド・スクールでは「働かざるもの、食うべからず」といったようなことがホームページにも書いてあったので、ありがたくいただいた後で、食器洗いを手伝った。

 しかし、サマーヒルではその必要がなかったし、お金を払おうにも事務所が閉まってから出てきたので払えなかった。

節約旅行をしている私だったが、バランス的に「甘え過ぎる」ことも「自己犠牲」的なこともどちらも嫌いな私は、払うべきものは払っておきたかった。

 しかし、もう一度行くとしても今日は土曜日だから事務所は閉まっているだろう。帰ってからゆっくりお礼を送ることにするか・・・という結論に達した。

 今日の予定は、レイストンを10時50分発のバスで出発。

サクスマンダム発 11時40分の列車に乗って、ロンドンのリバプールストリートには3時頃到着というものだった。

・・・ということは、4時にはまたあのユースに戻れるだろう。


 この時点で時間は9時15分くらい。

前の日に、図書館で道を聞いた時にパソコンがあるのを目ざとくチェックしていた私は、バスに乗る前に図書館に行きたかった。

ホテルのチェックアウトの時間を聞くと、11時ということだったので荷物はそのまま置いて図書館に出かけた。

DSCN4419.JPG

 この学校訪問の旅は、常にどこかの学校や関係者とメールで連絡を取りながらの旅だったから、どうしてもインターネットは不可欠だった。

 そして、イタリア、フランスでは無料だったネット料金が、ここイギリスのユースでは15分1ポンド(約250円)という状況だったから、無料で使える図書館などはとてもありがたい存在なのだった。

 期待通り、通りすがりの一旅行者でも、使うことを許可してくれた。この時は、次のデンマークから始まる北欧の旅の下調べをすることができた。

 1時間後、気がつくとバスの時間まであと20分という状況だった。図書館の親切なおばさんにお礼を言って、ホテルに戻り、荷物をまとめてチェックアウトした。例の金髪の彼女は、とてもいい笑顔で手をふってくれた。

 バス停には45分に着き、ほっとひと息・・・ぼーっとしながらバスを待った。

DSCN4422.JPG

DSCN4423.JPG

すると、何だか見覚えのある姿が道の向こうから走ってきた。

「あれ〜っ?誰かと思ったら」と驚いた顔をしている。

なんと昨日の飛行機少年・シービ君(ネット名)だった。

「ここから出発するんだね」
 
「そう、あともう2・3分だからすごい偶然!町には用事で来たの?」

「うん、買い物にね。あと頼まれ物も」
 
それを聞いて、私もピンっとひらめいて、急いでごそごそと荷物を探って、自分で作った絵葉書と書くものを取り出して、

サマーヒルの事務室あてにメッセージを書き、2ポンド硬貨をその中に入れた。

「昨日のランチ代払ってなかったからって、伝えて渡してくれる?」とお願いした。

「別にそんなのいいのに」

「だって、みんなの親御さんはたくさん、学費とか払ってるんだし・・・ただ食いは私の主義に反するからね」

「そっか・・・わかった。今日はよく頼まれ物をする日だなあ」と、笑った。

サマーヒルの子ども達は、休みの日なんかにこうやってよく町に出てくるらしい。

 50分になったが、バスはまだ来ない。

話は、またしても昨日のように「夢」の話になり、なんと「もしも日本に学校を作るんだったら、そっちの学校に行こうかな?」と言ってくれた。

 彼は、サマーヒルに来ていることで、親御さんに経済的に負担をかけていることをかなり気にしていたから、なおさらだった。

 「ただ、今はまだ無理だから早くても5年後か、もしかしたら10年後か・・・」

「そっか・・・じゃあもう大人になってるから無理か・・・」

「ところがね・・・私の夢の学校というか村はね、何歳からでも何歳まででも学べる場なの・笑
だから来たい時に来れる、そんな村が夢なのね。」

「そっか〜、じゃ大丈夫だ」

「うん、ここでこうして偶然また会えたでしょう?こういうのって絶対何か意味があるっていう気がするの。絶対きっとまた会えると思うから」

「かもね」と、言ったちょうどその時、バスが来た。

私は急いでカメラを取り出して、この偶然の再会を記念して写真を撮り、バスに乗り込んだ。

「またね!」と手を振り、彼はしばらく見送ってくれていた。

 バスはのどかな田舎道を、来た道とは少し違うルートを取りながら、サクスマンダムの駅に向かい、来た時とは違うバス停で降ろされた。

 まだ出発の時間まで30分近くあったので、少し寄り道をしながら駅に向かった。

自然食品のお店、電器店、昔の道具のミニ博物館のような所にも立ち寄りながら、お昼ご飯になりそうなものをさがしたが、なかなかみつからない。

駅のすぐそばのピザ屋さんをのぞいてみたが、10ポンド(約2500円)からしかない(^^”)
とても手が出ない。
 
あと10分しかないのに、もう少し遠くに行ってみようと少し道をそれたのが間違いだった。

あと3分という時に、まだ駅からだいぶ離れたところにいた私は、またしてもダッシュで駅に向かうハメになった。

ギリギリセーフ!しかし、まったく学習しないヤツだなあと、我ながらあきれてしまった。  
 
 帰りの列車は、行きのように直通ではなく、途中で乗り換えが2回もあった。

しかも、何だかよく分からないが、列車の切符を買ったはずなのに、もらった確認のメールには、、「by BUS」という表示があるのが不思議だった。

しかし、特に気にはしていなかった。

 さらにおかしなことには、イプスウィッチ到着13:10
 
出発 13:04となっていた。どういうこっちゃ?

 まあ、こういう時は乗客の流れを見て、必要なら聞けばいいかと思い、流れにまかせて動いていた。

すると、イプスウィッチで乗り換えて、次にたどり着いたコーチェスターという所で、やっとみつけたパン屋さんで、リンゴとクロワッサンをみつけて買っていると、構内アナウンスを聞いて乗客がみんな一斉に駅の外に走り出した。

 私も、一緒に外に出て、見てみると、赤やら青やら色々な色のバスがたくさんいた。

一番近いバスの運転手さんに「リバプールストリートへは?」と聞くと、「あっちの赤いのがそうだ」と教えてくれた。

 乗る前に確認すると、確かに間違いなかった。なんでバスかは不思議だったが、この際ロンドンにたどり着ければそれでいい。

乗り込むと、すでに乗っている乗客の視線が一斉に注がれる、この辺りでは日本人は珍しいのかな?

確かに、ガイドブックには載ってない地方だし・・・その視線をかわしながら、後ろの方の座席にどっかと座った。

やれやれ、これで再三のコメディにはならなくて済んだようだ。と安心して、お腹がすいていた私はさっき買ったお昼ご飯に手をつけ、座ってものの何分もしないうちにバスは発車した。(あぶないあぶない)

 そして、心地よい眠りにおちたまま、バスはロンドンに到着した。ここ2週間で、3度目のロンドン到着だった。  

(つづく)

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2017年07月02日

朝食おあずけ?!(TT) 〜 イギリス東部 サフォーク州・レイストンにて 〜

美味しいカレーを食べて満腹になった私は、さっきまでの落ち込んだ気持ちはどこへやら、すっかり元気になってサマーヒル訪問が終った達成感にひたっていた。

出会った子ども達や、同志のことを考え・・・いつものように「自分の夢」を想い描いて、出会った人々がその中で生き生きと活躍していた。
 
そして、2週間ぶりのお湯を溜めた「お風呂」を満喫した。ずっとシャワーばかりだったガチガチの体がじわ〜っとほぐれていく気がした。ああ、お風呂ってすばらし〜(^^)
 
疲れていた私は、下のパブの騒音にも負けず眠りに落ちたが・・・夜中に何度か目が覚めた。

 そして次の日、天気は快晴!今日は急ぐこともないから電車もゆっくりとした時間のものを予約していた。バスの時間も、昨日のうちにバス停で見ておいた。時間はたっぷりある。

 お腹がすいて、朝ごはんのために下におりて行くと昨日の女性が

「いつもいるコックが、改装のために今はいないから朝食はない」と言われた。


 今度ばかりは私は本当に泣きそうになり、悲壮な顔で「B&B(ベッド&ブレックファースト)なんでしょう?それに料金に含まれているんじゃないの?(;O;)」と言うと、

さすがに悪いと思ったらしく

「・・・トーストでいい?」と言ってくれた。

大事な朝食がおあずけかもと思っていた私は顔を輝かせて「Yes!」と言ったもんで、彼女は私のためにキッチンに行って、普段はコックのやる仕事を自分でやって、トーストの他に目玉焼きも作ってくれた。

 話している時に気がついたのだが、彼女も英語はあまりしゃべれないようだった。

何となく外国なまりも感じられた。しかもこのホテルはずっと一人で切り盛りしているようだった。

大変なんだろうな・・・('・ω・')

 そして、あたたかい紅茶と一緒に、トーストと目玉焼きセットが出てきた。

DSCN4414.JPG

おいしそう!!

「ありがとう!(≧▽≦)」

と笑顔で言うと、昨日からの気まずさもどこへやら・・・とっても嬉しそうな顔で照れ笑いをして、となりの部屋に行った。

やっと、彼女のことを好きになれそうだった。

 しかし、正直なところ私は、半熟の卵は苦手だった。その目玉焼きは見事にトロトロ状態の卵だったが、これ以上は何も言うまいと、パンと一緒に食べると、意外に美味しかった。

 食べ終わって外の庭に出ると、緑の芝生の上に子ども達用の遊具などもあって、何だかワクワクした。しばらくそこでボーっとしながら、物想いにふけっていた。

DSCN4415.JPG

DSCN4418.JPG

 「わざと料金を偽ったわけじゃないかもしれないな」英語に苦労している彼女の姿を見て、そんな気もしたのだった。まあ、真実はどうかわからないが・・・

(つづく)

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