2017年06月10日
理想を追いつつ、現実と向き合う学校 〜 Sands School 訪問@ 〜 イギリス、Devon州にて
自分がずっと前からそこにいたように、
そして、これからも当たり前にそこにいるように感じる空間がたまにある。
Sands Schoolは、まさにそんな場所だった。
運命とはおもしろい。予定通りの行動ではなくて、イレギュラーな時の方が楽しい出会いが待っている。でも、感じる。自分を引き寄せる引力のようなもの。何かが、あの町とあの学校にある。
それは多分、1987年創立時の創立メンバーの存在にあるのだろう。
サマーヒルスクールを創り出したニール氏も、フレネ学校のフレネ氏も、もうこの世にはおられない。そう、創立メンバーというのはそうそう会うことはできない。だから、あのメンバーに惹かれるのだろう。
訪問する前に、ホームページを見た時、まさに自分が創るとしたら、こんな学校を創りたいと思うような、そんな内容だった。
さて、実際は、、、?(^^)
2007年5月21日(月)
朝の九時くらいに、ワクワクしながらの訪問・・・車で通勤してきた先生達から笑顔で大歓迎を受けた(*^^*)
嬉しいメールの返事をくれた「ジョアンナ」は、どの女性だろうと思いながら、何はともあれ流れにまかせていると、そのうち「ヘイゼル」という名前の女性に紹介された。
人懐っこいチャーミングな笑顔だった。
しっかりと握手を交わし、自己紹介をした後で彼女が学校中を案内してくれた。
建物は、たくさんあった。みんなが集まる棟にはいくつもの部屋(教室)があって、ミーテイングルームから音楽室、キッチンもあり、ランチは大人と生徒が協力して作る。
キッチンから外にテラスがつながっていて、お天気のいい日は外の芝生やベンチでランチを楽しむことができる。
そこから外に出ると、芸術棟、
科学棟、木工などの作業棟、グラウンド、
畑、みんなで作ったというビオトープや
自然いっぱいの遊び場や
トム・ソーヤに出てくる木の上の小屋など・・・ʕ•̀ω•́ʔ✧
本当に楽しい環境だった(≧▽≦)
ヘイゼルは、いかにもこの学校のことが大好きという感じでほこらしげに自分が関わって創った色々なモノについての説明をしてくれたヽ(^o^)丿
あまりに堂々と生き生きとしていて、私はてっきりこの学校の教師なのだろうと思っていたら・・・実は、まだ中学生だった(びっくり)。Σ(゚Д゚)
もっとも、かなりの精鋭のようで、大人からも子どもからも信頼されているようだった。私にとっても、このサンドスクールでの思い出の中で最も印象的な出会いだったと言える。
ひととおり案内された後で、キッチンに案内されて、お茶を出してくれた。(・・・というか、出そうとしてくれたが、朝から3杯のお茶を飲んできた私は丁重にお断りした)
そして、創立メンバーの一人であるショーンという先生が、朝食を食べながら色々と質問してくれたり、逆にこちらの知りたいことに答えてくれたりした。
初対面なのに、なんだか前から会った事があるような、安心感を感じて、それでいて一貫性というか、自分の信念を持った凛とした力強さを持った人物だった。
彼は、日本の「きのくに子どもの村学園」と「東京シュ−レ」(IDEN登録校)について、よく知っていた。
なぜなら、彼らが以前ここに来たことがあるとのこと・・・なるほど、納得!
その後は、メールに返事をくれたジョアンナに会うことができた。彼女もまた、包容力とあたたかさを持った、「生きる」ための教育がなんたるかを語ってくれる「同志」だった。
彼女から、時間割とメンバーリストを渡され、「好きなように見学してくれていい」という許可と写真を撮る許可をもらい(撮る前に本人に確認することが条件)、「授業見学」はスタートした。
簡単に概要を記すと・・・
グループ(学年)は、11歳から17歳までのY1〜Y3・O1〜O3(おそらくYoungとOldの略?)の6グループあり、一番多いグループでも14人。
その町に住んでいる子もいれば、遠くの町から通ってくる子ども達もいるとのことで、朝は比較的ゆっくり始まる。
基本は30分1こま。必要な教科は2こま続いて1時間とる。午前に6こま、午後は2〜3こまに、全員で行なう何かが曜日ごとに入れられている(金曜日には、スポーツや旅行などの時も)
今、何があるのかを確認しながら、階段を上がっていると上から降りてくる少し小柄な男の子に出会った。
彼は、好奇心旺盛な表情で「どこから来たの?」と聞いてきた。
「日本から」と言うと、うれしそうな顔をして「いいね」と言ってくれた。
「今は授業じゃないの?」と聞くと、
「そうだけど、今は日本について勉強したい」といたずらっぽい顔で笑った。
ちなみにこの学校では授業に出ることは「強制」されない。
子ども達の「意思」が尊重される。・・・集中して取り組んでいる時もあれば、ふらっと外に出て行く時もあり、騒音をたてるなどの、周りに迷惑をかけない限り、それは「特に何でもないこと」として、見守られる。
その男の子はチャーリーという名前で「いつまでいるの?」と言う。
一応長居すると迷惑になるだろうと思って、2日のつもりでいたので「明日」と言うと、いきなり「スクール・ミーティングには出るべきだよ」と言われた。
時間割を見ると、水曜日の午後(2日後)だった。そして「じゃあね」と手をふって、授業にもどっていった。
そうか・・・「出るべき」か・・・すごい説得力!あんな幼い感じだけど、みんなで運営する会のことをあんな風にきっぱりとアピールできるなんて・・・!
しばし感動・・・!
(迷うまでもなく、ジョアンナにそのことを伝え、訪問を3日間にしてもらった。その代わり、トータルの時間が同じになるように、2日目の午前中は町の散策に出かけることにした)
その日は、英語(ここでは国語にあたる)・数学・フランス語・アート・科学・IT・歴史・ミュージックなどを各15分ずつくらい見学させてもらった。
そして分かってきたことは・・・単なる「理想」を理由に「強制」しないのではなく、「現実」に対応したら、こうすることが最もベストだと思えることだった。
つまり、「普通の学校社会」になじめない個性的なタイプの子ども達が、ここには多くいるということだ。
つらい経験をしてこの学校に来た、という子も多くいるらしく、他人と交わることが苦手だというオーラを感じる子が少なくない。
そして同時に、「信頼できる大人との関わり」を求める、そんな心も見えた。もっとも多感で感受性の強い年頃の集まりなだけに、その中で過ごすには、かなりのエネルギーと人徳を必要とするように思え、「これは大変だ」というのが正直な感想だった。
まさに、今の現実社会の「受け皿」的要素を持った「必要とされる」学校だと・・・。
ランチは、ジョアンナとショーンが交代で担当をつとめ、子ども達が授業や、それ以外でも「有志」が手伝ったりして、毎日作られているらしい。
ジョアンナは、「食を自分の手で作ることは、生きていく上でとても大切なことだから」と語ってくれた。
大賛成!(*´∀`)
おいしくいただいた後で、私も子ども達と一緒に食器洗いを手伝った。
(つづく)
実際の旅に役立つ情報編へは、こちら
ヨーロッパの自由学校訪問記 〜情報編〜
最後まで読んでいただき、ありがとうございます♪
この記事を気に入って頂けたら、ポチっとお願いします^^
人気ブログランキング
にほんブログ村
そして、これからも当たり前にそこにいるように感じる空間がたまにある。
Sands Schoolは、まさにそんな場所だった。
運命とはおもしろい。予定通りの行動ではなくて、イレギュラーな時の方が楽しい出会いが待っている。でも、感じる。自分を引き寄せる引力のようなもの。何かが、あの町とあの学校にある。
それは多分、1987年創立時の創立メンバーの存在にあるのだろう。
サマーヒルスクールを創り出したニール氏も、フレネ学校のフレネ氏も、もうこの世にはおられない。そう、創立メンバーというのはそうそう会うことはできない。だから、あのメンバーに惹かれるのだろう。
訪問する前に、ホームページを見た時、まさに自分が創るとしたら、こんな学校を創りたいと思うような、そんな内容だった。
さて、実際は、、、?(^^)
2007年5月21日(月)
朝の九時くらいに、ワクワクしながらの訪問・・・車で通勤してきた先生達から笑顔で大歓迎を受けた(*^^*)
嬉しいメールの返事をくれた「ジョアンナ」は、どの女性だろうと思いながら、何はともあれ流れにまかせていると、そのうち「ヘイゼル」という名前の女性に紹介された。
人懐っこいチャーミングな笑顔だった。
しっかりと握手を交わし、自己紹介をした後で彼女が学校中を案内してくれた。
建物は、たくさんあった。みんなが集まる棟にはいくつもの部屋(教室)があって、ミーテイングルームから音楽室、キッチンもあり、ランチは大人と生徒が協力して作る。
キッチンから外にテラスがつながっていて、お天気のいい日は外の芝生やベンチでランチを楽しむことができる。
そこから外に出ると、芸術棟、
科学棟、木工などの作業棟、グラウンド、
畑、みんなで作ったというビオトープや
自然いっぱいの遊び場や
トム・ソーヤに出てくる木の上の小屋など・・・ʕ•̀ω•́ʔ✧
本当に楽しい環境だった(≧▽≦)
ヘイゼルは、いかにもこの学校のことが大好きという感じでほこらしげに自分が関わって創った色々なモノについての説明をしてくれたヽ(^o^)丿
あまりに堂々と生き生きとしていて、私はてっきりこの学校の教師なのだろうと思っていたら・・・実は、まだ中学生だった(びっくり)。Σ(゚Д゚)
もっとも、かなりの精鋭のようで、大人からも子どもからも信頼されているようだった。私にとっても、このサンドスクールでの思い出の中で最も印象的な出会いだったと言える。
ひととおり案内された後で、キッチンに案内されて、お茶を出してくれた。(・・・というか、出そうとしてくれたが、朝から3杯のお茶を飲んできた私は丁重にお断りした)
そして、創立メンバーの一人であるショーンという先生が、朝食を食べながら色々と質問してくれたり、逆にこちらの知りたいことに答えてくれたりした。
初対面なのに、なんだか前から会った事があるような、安心感を感じて、それでいて一貫性というか、自分の信念を持った凛とした力強さを持った人物だった。
彼は、日本の「きのくに子どもの村学園」と「東京シュ−レ」(IDEN登録校)について、よく知っていた。
なぜなら、彼らが以前ここに来たことがあるとのこと・・・なるほど、納得!
その後は、メールに返事をくれたジョアンナに会うことができた。彼女もまた、包容力とあたたかさを持った、「生きる」ための教育がなんたるかを語ってくれる「同志」だった。
彼女から、時間割とメンバーリストを渡され、「好きなように見学してくれていい」という許可と写真を撮る許可をもらい(撮る前に本人に確認することが条件)、「授業見学」はスタートした。
簡単に概要を記すと・・・
グループ(学年)は、11歳から17歳までのY1〜Y3・O1〜O3(おそらくYoungとOldの略?)の6グループあり、一番多いグループでも14人。
その町に住んでいる子もいれば、遠くの町から通ってくる子ども達もいるとのことで、朝は比較的ゆっくり始まる。
基本は30分1こま。必要な教科は2こま続いて1時間とる。午前に6こま、午後は2〜3こまに、全員で行なう何かが曜日ごとに入れられている(金曜日には、スポーツや旅行などの時も)
今、何があるのかを確認しながら、階段を上がっていると上から降りてくる少し小柄な男の子に出会った。
彼は、好奇心旺盛な表情で「どこから来たの?」と聞いてきた。
「日本から」と言うと、うれしそうな顔をして「いいね」と言ってくれた。
「今は授業じゃないの?」と聞くと、
「そうだけど、今は日本について勉強したい」といたずらっぽい顔で笑った。
ちなみにこの学校では授業に出ることは「強制」されない。
子ども達の「意思」が尊重される。・・・集中して取り組んでいる時もあれば、ふらっと外に出て行く時もあり、騒音をたてるなどの、周りに迷惑をかけない限り、それは「特に何でもないこと」として、見守られる。
その男の子はチャーリーという名前で「いつまでいるの?」と言う。
一応長居すると迷惑になるだろうと思って、2日のつもりでいたので「明日」と言うと、いきなり「スクール・ミーティングには出るべきだよ」と言われた。
時間割を見ると、水曜日の午後(2日後)だった。そして「じゃあね」と手をふって、授業にもどっていった。
そうか・・・「出るべき」か・・・すごい説得力!あんな幼い感じだけど、みんなで運営する会のことをあんな風にきっぱりとアピールできるなんて・・・!
しばし感動・・・!
(迷うまでもなく、ジョアンナにそのことを伝え、訪問を3日間にしてもらった。その代わり、トータルの時間が同じになるように、2日目の午前中は町の散策に出かけることにした)
その日は、英語(ここでは国語にあたる)・数学・フランス語・アート・科学・IT・歴史・ミュージックなどを各15分ずつくらい見学させてもらった。
そして分かってきたことは・・・単なる「理想」を理由に「強制」しないのではなく、「現実」に対応したら、こうすることが最もベストだと思えることだった。
つまり、「普通の学校社会」になじめない個性的なタイプの子ども達が、ここには多くいるということだ。
つらい経験をしてこの学校に来た、という子も多くいるらしく、他人と交わることが苦手だというオーラを感じる子が少なくない。
そして同時に、「信頼できる大人との関わり」を求める、そんな心も見えた。もっとも多感で感受性の強い年頃の集まりなだけに、その中で過ごすには、かなりのエネルギーと人徳を必要とするように思え、「これは大変だ」というのが正直な感想だった。
まさに、今の現実社会の「受け皿」的要素を持った「必要とされる」学校だと・・・。
ランチは、ジョアンナとショーンが交代で担当をつとめ、子ども達が授業や、それ以外でも「有志」が手伝ったりして、毎日作られているらしい。
ジョアンナは、「食を自分の手で作ることは、生きていく上でとても大切なことだから」と語ってくれた。
大賛成!(*´∀`)
おいしくいただいた後で、私も子ども達と一緒に食器洗いを手伝った。
(つづく)
実際の旅に役立つ情報編へは、こちら
ヨーロッパの自由学校訪問記 〜情報編〜
最後まで読んでいただき、ありがとうございます♪
この記事を気に入って頂けたら、ポチっとお願いします^^
人気ブログランキング
にほんブログ村
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/6353660
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック