映民屋

2014年12月05日

鍵泥棒のメソッド -堺雅人いい味だしてます-

2012年公開日本映画
「鍵泥棒のメソッド」のレビュー（ネタバレ）です

　＜　あらすじ　＞

桜井武史が首吊り自殺を決行しますが、失敗に終わります。失敗した彼は、お風呂に入りたくなり銭湯へいくことにします。そこへ居合わせた山崎信一郎が、銭湯へ入ったときに、偶然にも石鹸の上に足を置いてしまい、足を滑らせて頭を強打してしまいます。山崎の銭湯のロッカーの鍵が手からすり抜けて、体を洗っていた桜井の足下へ滑り落ちます。その鍵を盗んだ桜井は、自分の鍵と山崎のものをすり替えます。

桜井が後日心配して、山崎の病院へいくと、「記憶喪失」となっていることが判明します。鍵をすり替えたせいで、山崎は自分が桜井だと知らされてしまい、住所や持ち物がすべて交換した状態になってしまいます。

ある日、桜井が持っている山崎の携帯に着信がきます。電話先からは「コンドウか？」という声が聞こえます。なんと、山崎はちまたで有名な「殺し屋コンドウ」でした。

一方、記憶を失った山崎は「桜井さん」として病院を記憶を失ったまま退院します。病院をでて立ち往生していた彼に親切にも、水嶋香苗に手助けをしてもらうことになります。

水嶋香苗は、雑誌の編集長をしていて、何でも計画をして行動する性格です。彼女は父親が死ぬまでに結婚することを目標に決め、「結婚日」を定めてから相手を探しています。

記憶喪失の山崎と水嶋が何度も会う機会があり、次第に2人の距離が縮まっています。ある日、水嶋は夕飯を山崎と食べているときに、突然「結婚してください」といいます。2人は「結婚日」に向けて交際を始めます。

ある日、記憶を失う前の山崎が好きだったクラシックを水嶋の家で聞いたときに、彼は記憶を取り戻します。しかし、その頃桜井は、「コウドウ」に託された処分する相手を助け出そうとしています。

山崎は、桜井に会いそして、物語は展開しはじめます。。。

笑い・サスペンス・ドキドキがすべて詰まった、一風変わったコメディです。

good!!
大物役者が三人揃うと見栄えも違う

この映画で一番気になるところといえば
堺雅人・広末涼子・香川照之がメイン役者であるということでしょう。三人の演技力によって、映画のおもしろみや引き込まれ感が増しているように感じました。香川照之が「殺し屋コンドウ」であるというだけで、かなり迫力を感じてしまいますよね。

堺雅人も、俗にいう「ダメ人間」を自然に表現できていて、まったく違和感がありません。あのへにょっとした表情で、悪いことをしているシーンは思わず笑みがこぼれますね。

広末涼子演じる水嶋は多分一番おかしな人間だったと思います。他2人男性が色あせてしまうぐらい、きちっとした性格の行き過ぎの天然キャラで映画冒頭での「わたし結婚します。相手は未定です。」というセリフは、笑ってしまいました。

good!!
山崎が想像以上に好印象

映画の公式サイトを見た私は山崎に対してはあまり好印象を抱いていませんでした。黒いサングラスに黒いスーツの姿は闇社会の人間としか思えません。

ところがどっこい、物語の中での山崎は、記憶を喪失した状態から記憶を吹き返すまで、落ち着いたかなり優しい雰囲気の男性でした。彼のしゃべり方や行動も、裏社会を賑わしている「コンドウ」という印象はあまりなく、ものすごいギャップを感じました。そのギャップに引きつけられるという印象がありました。

先がまったく見えない

人生において「先がまったく見えない」ほど怖いものはありませんが、この映画はまったく展開が読めませんでした。「こうなるだろうな」と思っていたらひっくり返されるの連続でした。映画は2時間あるものの短く感じました。

メソッド・アクティング（メソッド）演技法

公式サイトを覗いてみると、「メソッド技法」について書かれています。そもそも、メソッドとは「方法・方式」という意味があります。サイトの説明には、「演じる役柄によって徹底的にリサーチを行い、その役柄が置かれた状況、またはそれに近い状況に自身を置き疑似体験することにより、現実に近い自然な演技を追及している。」と書かれていました。

公式サイトには、そのメソッド技法を用いたかどうか書かれていませんが、その話が日現実的な話とはまったく感じることはなく、自然に起きている話のように感じました。