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2019年11月28日

休眠口座管理手数料は、口座維持手数料導入の前触れ?愛知県で先行する訳とは?この手数料の危険性をいち早く伝えます

週刊朝日の」口座維持手数料導入がアベノミクスのツケである」と主張する記事と同タイミングで、28日日経新聞朝刊金融経済面にこのようなトップ記事が

「休眠口座に課金 地方先行 信金、維持費用が重荷」
日本経済新聞 朝刊 金融経済 (9ページ)
2019/11/28 2:00

まず、この記事ですが、愛知信金が主語になるなんて、前代未聞の出来事。岡崎信金のような預金量が兆円台のメガ信金と違って、ごく普通の小さな信金ですから。こんな大きく取り上げてもらったら、取り付け騒ぎになるかもです。冗談抜きで。

さて、内容ですが、「信用金庫など地方金融機関の間で、入出金が一定期間止まった休眠口座に手数料を課す動きが広がっている。マネーロンダリング(資金洗浄)対策やシステム維持費などのコストが重いためだ」

口座維持手数料の話と同様の背景説明です。ですが、この手数料導入で「手数料徴収をきっかけに顧客との接点をつくり、収益機会を掘り起こす狙いもある。」
なんて、寝ぼけた話でしょう。少額預金者を切り捨てる施策ですから、接点を作るというより、むしろ、収益をもたらさない顧客は切る、という方向でしょう。ひょっとしたら、少額預金者の管理をなくして、浮いた時間で富裕層取引に力を入れていく、という意味かな?弱者は切り捨てるなら信金の意味はない。

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記事には「経営環境が厳しい地方が先行して改革に踏み出した」とありますが、この手数料を採用している金融機関は愛知県と岐阜の十六銀行。つまり、名古屋周辺で先行しているのが不思議だと思いませんか?

その解は、ずばり「名古屋金利」。岐阜県に本店のある、十六銀行も2年ほど前に岡崎支店を新設するなど愛知県進出で今後伸びない地元岐阜県を見切って、名古屋金利に拍車をかける、つまり低金利競争を仕掛けながら進出中。つまり、しのぎを削ると言えばかっこいいのですが、要は金融機関同士で首の締め合いをしている地域。よって、誰よりも収益環境の悪さに敏感でなんとかしたいわけです。
で、最初に導入したのは岡崎信金ですが、兆円を持つわりに、広報が下手。支店長の人事異動も公表しないという、とても公の仕事をしているとは思えない残念な信金。

マスコミも取り上げたがらないから、弱小の愛知信金が出てくるハメになりました。

「休眠口座手数料」とは、2020年1月以降、新規に開設された普通預金口座で、2年間入出金がなく、残高が1万円未満なら、取引がなければ年間1200円(税別)を徴収し、残高不足になれば口座を自動解約するという仕組み。

「マイナス金利政策の長期化で、メガ銀のなかでも「動きのない口座に対しての手数料は導入する意義はある」と話す幹部もいる。口座維持手数料が大手に波及するのは、それほど遠くない将来かもしれない。」と結んでいるが、ちょっと待って。

この休眠口座に残っている預金は、10年間取引がなければ国が召喚してNPOなどの活動費用に充てるという休眠口座預金活用のための法律が施行されて間もないはず。国に取られるくらいなら、金融機関が手数料として先に自分の懐にしまってしまう、という言い方もできる。

この問題に気がつくと、単に新たな手数料を新設したような話で終わらない!同様の手数料を導入する銀行や信金が増えてきたところで、この論点をぶつけて、金融機関悪者論を展開しようとすると未来像が私には見えてなりません。導入検討金融機関は気をつけましょう。
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